【クロタル】(くろたる)
R.440 Crotale
フランスのトムソンCSF社(現在のタレス社)が開発した地対空/艦対空ミサイル。
1964年に開発を開始し、1971年に配備が開始された。
誘導方式は地対空型はデジタル・ラジオ・リンクによる指令誘導、艦対空型は改良型照準線一致指令誘導を採用し、弾頭には15kgの前方指向性爆風弾頭を使用、射程は500~13,000mである。
地対空ミサイル型は、P-4Rと呼ばれる装輪装甲車の上部にレーダーを配し、レーダー左右に各2発のミサイルを装備して運用され、艦対空ミサイル型はレーダー左右に各4発のミサイルを装備して運用される。
艦対空ミサイル型は主にクレマンソー級航空母艦やジョルジュ・レイグ級駆逐艦、トゥールヴィル級駆逐艦等に搭載されている。
海外にも輸出されており、南アフリカ、ギリシア、サウジアラビア、タイ、中国等に輸出され、中国ではクロタルをベースにHQ-7が開発された。
スペックデータ
全長 | 2.9m(R.440) 2.34m(Crotale NT(VT-1)) |
直径 | 15cm(R.440) 16.5cm(Crotale NT(VT-1)) |
翼幅 | 54cm |
発射重量 | 83kg(R.440) 73kg(Crotale NT(VT-1)) |
射程 | 500-13,000m(R.440) 500-10,000m(Crotale NT(VT-1)) |
速度 | Mach 2.3(R.440) Mach 3.5(Crotale NT(VT-1)) |
飛行高度 | 5-15km(R.440) 6-15km(Crotale NT(VT-1)) |
推進装置 | 固体推進ロケットモーター |
弾頭 | 前方指向性爆風弾頭(15kg)(R.440/R.460) 爆風・破片弾頭(13kg)(VT-1) |
誘導方式 | 指令誘導/レーダー/赤外線/光学 |
誘導装置 | デジタル・ラジオ・リンクによる指令誘導(Crotale) 改良型照準線一致指令(Naval Crotale) 種々の監視/追跡レーダーが選択できるモジュラーアプローチ(Crotale NG/VT-1) |
派生型
クロタル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/10 08:59 UTC 版)

クロタル、クロテイルは体鳴楽器に分類される打楽器の一種。欧米語では「鉄のカスタネット」とも呼ばれる。直径数cmの小さな一対のシンバル(フィンガーシンバル)を、曲げた針金かパンばさみのようなものの先に取り付け、片手で演奏できるようにしたものである。古代ギリシャ・ローマ時代にさかのぼる楽器である。
古代ギリシャや他の地域においては、コリュバンテス等の宗教舞踏に用いられた[2][3]。
各言語の表記
- 英:Crotal
- 米:Crotale
- 独:Metallkastagnetten
- 仏:Castagnettes de fer
- 伊:Castagnette di ferro
- 希: 古代ギリシア語: κρόταλον krotalon[4]
- ラテン語:crotalum
ギリシャ神話において、ヘーラクレースがステュムパーロスの鳥を驚かすのに、ヘーパイストスが作った青銅製のクロタラムを使用した記述がある[5][6]。
krotalonという語は、やかましい人の暗喩として使用された[7]。
誤解
モーリス・ラヴェルがアンティークシンバルのことを“クロタル”と呼んだため、アンティークシンバルをクロタルもしくはクロテイルと呼ぶことも多いが、クロタルとアンティークシンバルは別の楽器である。
エジプトの宗教楽器シストラムと、しばしば混同される。
参考資料
『打楽器事典』61頁、音楽之友社、網代景介・岡田知之著、1981年
出典
- ^ Spon's Miscellanea sec. i art. vi fig. 43
- ^
この記事には現在パブリックドメインとなった次の出版物からの記述が含まれています。Porter, Noah [in 英語], ed. (1913). "Crotalum". Webster's Dictionary (英語). Springfield, Massachusetts: C. & G. Merriam Co.
- ^ "crotalum". Oxford English Dictionary (3rd ed.). Oxford University Press. September 2005. (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。)
- ^ κρόταλον. Liddell, Henry George; Scott, Robert; A Greek–English Lexicon at the Perseus Project.
- ^ Pausan. Arcad. lib. viii
- ^ Wilkinson, John Gardner (1878). The Manners and Customs of the Ancient Egyptians. Vol 1. London: John Murray. p. 494.
- ^
この記事には現在パブリックドメインである次の出版物からのテキストが含まれている: Smith, William, ed. (1870). "Crotalum". Dictionary of Greek and Roman Antiquities (英語). London: John Murray.
関連項目
固有名詞の分類
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