地上の登場人物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 14:16 UTC 版)
「神曲奏界ポリフォニカの登場人物」の記事における「地上の登場人物」の解説
ルーカス=スタンヤード グラナード家に仕える執事で、見た目は人間そのものだが実は精霊(精霊としての名前は不明)。愛称ルーク。みなしごのスノウにとっては兄でもあり上司でもあるような存在。精霊でありながら人の真似をして暮らす「時の谷」の出身者で、グラナード家に伝わる大時計の音に惹かれて執事として仕えるようになった。プリムローズが生まれるよりずっと以前からグラナード家に仕えており、彼女を自分の子供のようにも感じている。 タタラ=オキツグ 現タタラ家当主で、ジョッシュの義父。扱う楽器は「冷泉(れいぜい)」という名の横笛。表向きは落ち着いた雰囲気を漂わせる厳格な人柄だが、実際の中身は少々ひょうきんで子煩悩な人物。ジョッシュ、サラサ、リシュリーの関係をそれとわかった上で炊き付けて余計ややこしい物にした張本人。間者として中級精霊ワイルドを雇ってジョッシュのことをストーカーするほどに溺愛しているが、不器用過ぎてどう接していいのかわからないために今までは表向き素っ気ない態度を採っていた。この事をジョッシュに誤解されて親子仲が悪くなっていたが、本性がばれたことで仲直りできた。 仲直りはできたものの、相変わらずジョッシュとの距離感を計りかねている。また、ジョッシュが跡取りとして立派な神曲楽士になるよりも、孫の誕生がいつになるかの方が気にかかっており、誕生日のプレゼントとして寮の部屋に大量のマムシドリンクを送りつけた。このことが原因でジョッショは女生徒達からあらぬ誤解を受け、すごい女ったらしとして評判が地の底に堕ちる羽目になった。 実家との諍いで行き場を無くしたサラサを、使用人として手元に置いて彼女が神曲を学ぶ手助けをしている。精霊島でのジョッシュの動向を知るために専門の調査員を雇っているが、それだけに飽き足らずサラサを派遣してミノティアスとの間にパイプを築いた。 サラサ=シンラ 勘当されたシンラ家の長女で、ジョッシュの幼なじみにして婚約者。ハープ奏者。元々は快活な性格で、幼い頃はランディにいじめられていたジョッシュを庇うたった一人の人物だった。しかし、事故で左目の視力を失い顔に消えない傷が残ったことで外に出ることが無くなり、消極的で陰気な雰囲気を漂わせるようになっていた。そして神曲楽士への道も断念したことで、シンラ家では役立たずの厄介者扱いされるようになる。しかし、ジョッシュと再会した際の事件を通じて再び前向きさを取り戻し、現在はタタラ家の使用人をしながら一度は断念した神曲楽士への道を再び歩き出している。立ち直ったとはいえ、サラサ自身は顔の傷のことを常に負い目に感じており(当のジョッシュは気にしていないが)、彼への想いとは裏腹に一歩引いた態度を取り、もっと相応しい女性と一緒になるべきだと考えている。 神曲楽士の力を広く人のために使うということを考えており、ジョッシュがタタラ家当主となったあかつきには、秘書として彼をプロデュースするという目標を持っている。最近では行動がタタラ=オキツグに似てきており、徐々にリシュリーやオキツグのようなストーカーと化してきている。一般客でも精霊島に立ち入れる春の学園祭では、ジョッシュの動向を知らせてくれる新たな調査員を求めて(オキツグの頼みもあり)島を訪れ、そこで知り合ったミノティアスとのパイプを築いた。 ハーミット=シダラ シダラ家の次男でプリムローズの婚約者。 分厚い眼鏡をかけているためか普段はとっぽい印象の気弱な優男といった雰囲気が拭えないが、眼鏡を外した素顔は誰でも息を呑むほどの超美男子。福祉団体グローリアーナの樹に所属しており、準十二位という幹部候補の位についている。本来ならば本部で人員・物資の割り振りを取り仕切っていても不思議ではない立場なのだが、現在でも現場にて地道な救済活動に精を出している。そのためか”炊き出し王子”なるアダ名もあるらしい。 プリムローズとの婚約にあたり、「グラナード家の一員となってもグローリアーナの樹の活動を続けさせて欲しい」という条件を提示するなど、樹の活動に心底打ち込んでいる。また、貴族の子弟でありながら現在の社交界や貴族社会の形態に疑問を持っており、いつか貴族をやめたいというプリムローズの考えにも賛同を示している。 実はグローリアーナの樹のオリジンの一人で、プリムローズとの関係も互いの目的を果たすための協力者というのが真実。彼自身は翠の女神「エレインドゥース」に執着しており、彼女を手に入れるために形振り構わず暗躍している。 アストレイヤ=アレス=アルマドゥーラ デイジーの母であり「パーフェクトレディ」の異名を持っていた、マリーゴールド=ベルンシュタインと契約を結んでいた上級精霊。ピースより若干暗い色の蒼い髪をしている。マリーゴールドの熱狂的な信奉者であったが、彼女にとっては「二番目」だったらしい。同じくマリーゴールドの契約精霊であったピースとも旧知の間柄であり、現在二人の間には何か秘密がある様子。 マリーゴールドと同じように神曲を演奏できないデイジーに落胆していたが、現在は一先ず見直して彼女が自分の惹かれるような曲を演奏できるようになるのを待っている。 ウォルフォス=シンラ タタラ家とは宿敵関係にあるシンラ家の現当主。軍との繋がりが強く、自身も歴戦の傭兵として神曲楽士の一個師団を率いている。野心が非常に強く、一度は失われたシンラ家の「賢者の石」と抹消された筈の「単身楽団初号機」に関する文献をどこからか手に入れたことで、不穏な考えを巡らせるようになる。厄介者のサラサをタタラ家に嫁がせることで少しでも役立たせようとしたが、サラサに裏切られ単身楽団と賢者の石を失ったため追放した。 単身楽団を軍に引き渡すつもりでいたがそれを破壊され、そのことからメニス帝国軍より睨まれている。その上、飛び火を懸念した他の<七楽門>当主たちから退陣を迫られているが、強気な態度を保ち不穏な考えをめぐらせている様子。 サンテラ=フブキ 七楽門筆頭のサンテラ家現当主。サンテラ家初の女性当主。 テオドール=ベルンシュタイン デイジーの父親であり、元・軍楽士。デイジーよりもややくすんだ赤茶色の髪をしており、中年男性とは思えないほどに若々しい容姿をしている。 デイジーの母であり自身にとっては幼馴染であったマリーゴールドを今でも深く愛しており、彼女の死後は家のためにマリーゴールドの妹であるマーガレットと再婚したが、そこに夫婦の愛情は存在しないらしい。また、彼女を失ってからは常に喪服を身に着けている。 グローリアーナの樹の”オリジン”と呼ばれる者たちの一人らしく、マリーゴールドの蘇生が最大の目的。その不穏な企みのために契約精霊と共にスノウドロップを襲撃するが、すんでのところでクリューソーに阻まれる。その後、デイジーを屋敷へ送還し、彼女と駆け落ちしようとしていたピースを怪しげな剣と枷によって拉致した。 アーノルド=グラナード プリムローズの父親でグローリアーナの樹のオリジンの一人。表向きベルシュタイン家とグラナード家は対立している風に見せているが、実際は協力者という間柄で仲は決して悪くない。テオドールに手を貸してマリーゴールド復活の準備を進めていた。 ワイルド タタラ=オキツグに間者として雇われている猪型の中級精霊。仕事は主にジョッシュの行動をオキツグに伝えること。かつてアルテミアの三獣士と呼ばれ、ミノティアスやガーグと共に傭兵をしていた。その頃のあだ名は“暗黒に忍び寄るイノシシ”ワイルド・ブラックというものだった。 ガーグ 人狼型の中級精霊。精霊でありながらコランダムにいくつもの服飾店を持つ敏腕オーナー。昔は完全な狼型だったがリカントラに形態を変化させた。かつてアルテミアの三獣士と呼ばれ、ミノティアスやワイルドと共に傭兵をしていた。その頃のあだ名は戦場の交渉人、紳士の中の紳士ダンディ・ガーグ。 アリアドナ 数百年前に聖クラスト王国を治めていた炎帝。外見は13歳の心優しき少女。王になることを決めた際に、力を求めて禁域に踏み込み巨大な賢者の石の欠片を入手(後に始祖精霊によって八つに割られ、一つはエリュトロンが手に入れ残りは七楽門に預けられる)。その力で子供の姿のまま150年もの長きを生き、始祖精霊にしか出来ないはずの境界を自在に開く力を人でありながら操って異界の物(武器や楽譜など)を入手していた。 メニスとコランダムの二大国に挟まれていたクラスト王国は、両国の謀略戦の末彼女より上位の王位継承権者は全て死に絶えていた。そのためボロボロに疲弊し荒廃した祖国を救うべく幼くして王位に付いた。王位に付いたアリアドナは自身の為政者としての才能と欠片の力で両国の干渉を撥ね退けて独立を勝ち取り、ボロボロの貧困国だったクラスト王国を地上の楽園と呼ばれるほどに繁栄させた。しかし、国を繁栄させるためのその行いで精霊を弱らせる異界からの力がこの世界に過剰に流入し、魂の循環が上手くいかなくなったことで世界のバランスが崩れ始めたため始祖精霊達は彼女から力を奪うことを決断。エターナリアが賢者の石の欠片を取り上げたことで止まっていたアリアドナの時間が急速に動き出し、人としての一生以上を生きてきた彼女は一瞬で灰になってしまった。これが後に精霊達が忌まわしいものと語る彼女の行いとその結末だった。その後クラスト王国は残された王族や重臣達の間で権力争いが発生し、守護者を失って二大国からの干渉を跳ね除ける力もなくなったため急速に没落していった。 ただ、エリュトロンからすれば彼女の行為は民を想っての正当なもので誰にも責められることではなかった、常に人の世に干渉しない立場をとってきた始祖精霊がこの時だけ直接介入してきて不当に彼女を殺した、愚かな人間共が彼女の足を引っ張ったから賢者の石に頼らざるを得なかったという認識。事実彼女の死で国土は蹂躙されて何万もの民が死に、美しかった国土は再び荒廃した。そのため正しさとは何か、誰かの行いを裁くのは正義などではなく強者であり、誰かが決めた絶対的なものではない正義ために行われたこの裁きは間違いであったということを証明してみせるため、エリュトロンの世界に対する復讐が始まった。
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