個人事務所設立後の活動
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1999年、P-MODELはMP3を使用してインターネット上で新曲を配信すると発表した。この楽曲配信の弊害となる為、日本コロムビアとの専属契約を解除し、日経BP社の協力により配信サイト「P-PLANT」を立ち上げた。このMP3による楽曲配信は、メジャーレーベルで活躍してきたプロアーティストとして日本で初めての試みであった。 2000年12月、P-MODELが『培養』を宣言。平沢に活動再開の意思は無く、事実上の解散である。同年には通算8枚目となるソロアルバム『賢者のプロペラ』をケイオスユニオンより発売。CD版とMP3版がそれぞれ制作・販売されており、アレンジが互いに異なっている。本作以降は原則的にケイオスユニオン内レーベル「TESLAKITE」にて作品が販売される。 2000年代に入ってからは再びアニメやゲームの劇伴制作を行うようになり、2000年にはゲーム『ラグナキュールレジェンド』のテーマ曲として「星を知る者」を提供。また、同年に今敏によるアニメ映画『千年女優』の劇伴を担当する。以降、同監督作品『パプリカ』とTVシリーズ『妄想代理人』の劇伴を手掛ける。2006年公開の『パプリカ』の音楽は「東京アニメアワード 2007」にて個人部門・音楽賞を受賞し、米国での第79回アカデミー賞のオリジナル歌曲部門に『パプリカ』のエンディングテーマである「白虎野の娘」がノミネートされた。その他、三浦建太郎原作のアニメ・ゲーム『ベルセルク』シリーズの劇中歌や楽曲を制作した。 2001年7月2日、プロジェクト『Hirasawa Energy Works』がスタート。これは必要な電気エネルギーの全てを太陽発電に委ねて音楽製作を試みるプロジェクトであった。プロジェクト第一弾としてアルバム『SOLAR RAY』が製作される。その後、太陽発電及びこのプロジェクトに賛同するファンの協力による自然からの蓄電(エナジーハンティング)のみを利用したライブ『SOLAR LIVE』 を敢行した。このプロジェクトはNHK BS2やTBSで特集された。翌年の2002年には『Hirasawa Energy Works』の第二弾として、P-MODELのほぼ全ての音源を網羅したボックスセット『太陽系亞種音』 を発売。太陽発電を用いたスタジオである「Solar Studio(studio WIRE SELF 2002)」でリマスタリング された。 2003年、イラク戦争に対する抗議の意思を表すべく『殺戮への抗議配信』と題し、楽曲「高貴な城」「Love Song[2003年バージョン]」の無料配信を行った(詳細は「BLUE LIMBO」を参照)。同年3月には坂田四郎名義でゆいこのシングル『陸の人よ』(アサヒビール『穣三昧』CMソング)の制作を手掛け、10月にはNHK『おかあさんといっしょ』内で放送される「地球ネコ」の作詞作曲をした(2006年12月にも再度放送された)。 2004年、P-MODELとは異なるものとして、『核P-MODEL』名義で活動を開始。同年10月に『ビストロン』発売後、断続的に活動を行う。(詳細は核P-MODELのページを参照。) 2008年6月、イタリアのデス・メタル系ヴォーカリストのリッカルド・ブレット(InhVmaN)との共作でマキシ・シングル『Tetragrammaton (テトラグラマトン)』をリリース。同年11月、タイ王国の第2の女性で平沢の友人らである23人のSP-2 との1994年からの交流から生まれたエピソードを彼女たちの写真と共に綴ったエッセイ集、『SP-2: タイのニューハーフ? いいえ「第2の女性」です』を自社出版した。 2009年にはTwitterアカウントを開設。同年より放送されたかきふらい原作のアニメ作品「けいおん!」に自身の名前が由来とされる主人公「平沢唯」が登場し、自身の楽曲をリスペクトしたブログタイトルがけいおんスタッフブログに掲載される事もあった ことが原因で、「元ネタ」としてフォロワー数が増えてしまっていると感じたことから、間違っていないか確認を促すツイートをしたところ、さらにフォロワー数が(1日で1万3180人まで)急増してしまう事となった。この出来事が自身のTwitterの方向性を決める事に繋がったとしている。以降、毎週水曜日以外の連日、21時から22時までツイートを行うようになる。投稿はPC上からTweetDeckより行っている。 2011年、東日本大震災が発生し自宅にて被災する。被災時は自身のウェブ番組である『亜種音TV』の撮影中であった。その後、同年3月21日にタイ王国のWat Raikching寺院にて、被災された人達に祈りを捧げる映像をインターネット上に公開した。また、同年にはフォロワー数5万人突破記念として平沢の作業風景 を合計5万秒配信する『Hirasawa監視50000秒』がUSTREAMにて不定期配信された。 2012年2月、1st~7thまでのオリジナルアルバムとシングルカップリング曲や発掘音源などを網羅したボックスセット『HALDYN DOME』発売。上述した「地球ネコ」も収録されており、平沢自身がボーカルを務めるリアレンジ版が収録されている。2017年には『HALDYN DOME』のブックレットに掲載されている文章を朗読したものと楽曲を交えて構成された初のナレーション作品『第6フォルマント』を配信した。 2014年、声優の上坂すみれのラジオ番組「上坂すみれの乙女*ムジカ」の放送1周年ゲストとして出演。同年にはフォロワー数7万人突破記念として平沢が合計7万歩散歩をする『HIRASAWA追跡70000歩』がUSTREAMにて不定期配信される。 2016年、元SOFT BALLETの藤井麻輝と森岡賢の音楽ユニットminus(-)のライブ『minus(-)LIVE 2016“ecru”』にギターとしてゲスト参加。アンコールにはSOFT BALLET時代に一度セッションした事のある楽曲「Texture」を演奏した。同年12月には、ヒカシューによるクリスマスイベント「ヒカシューの絶景クリスマス」にケラ、ありふらんぽと共にゲスト出演。ヒカシューのリーダーである巻上公一と共に「庭師KING」や「グローバルシティの憂鬱」などお互いの楽曲のカバーやヒカシュー・P-MODELメドレーが披露された。両公演ともその後、音楽ソフトとして発売された。 また、同年にはグリーンナーブ会員限定イベント『景観する循環カフェ』が吉祥寺のスターパインズカフェにて10月から11月まで開催された。また、2017年3月15から17日までの3日間に追加公演が開催された。 2017年4月2日、TVアニメ『ベルセルク』のビジュアル・スペクタクル・イベント 「蝕2017 ~生贄たちの宴~」に岩永洋昭、下野紘ら声優陣と共に参加し、ライブの回にて担当劇中歌「灰よ」をレーザーハープでの演奏と共に披露した。また、サイバーパンクゲーム『RUINER(ルイナー)』に楽曲提供を依頼され、ポリドール時代の楽曲「トビラ島」等がゲーム内にて使用される。また、同年には三島由紀夫の小説『美しい星』の実写映画に1stソロアルバム『時空の水』(1989年)より「金星」を提供した。 同年10月にはTwitterフォロワーが9万人を超した事から、溶接マスクを付けた正体不明の二人組「黒会人」と、P-MODELメンバーの一人であったドラマーの上領亘を迎えライブ『第9曼荼羅』を開催。 なお、「会人」は以降のライブでもサポートメンバーとして参加し、2018年の核P-MODELのライブ「回=回」の他、2019年7月にはペストマスクを装着した「白会人」とのユニット『平沢進+会人(EJIN)』としてフジロックフェスティバル'19にてフジロック初出演した。同年11月のバトルスの来日ツアーには同ユニットにサポートドラマーとしてユージ・レルレ・カワグチを迎え、オープニングアクトとしてツアーに帯同した。2021年にはTwitterフォロワーが24万人を超した事から、ルベドマスクを装着した正体不明の二人組「ルベダリアン会人」とサポートドラムに再びユージ・レルレ・カワグチを迎え、『平沢進+会人(EJIN)』名義でライブ『24曼荼羅(不死MANDALA)』を開催。同ユニットで同年8月のフジロックフェスティバル'21の最終日の大トリとしてWHITE STAGEに出演した。 2018年1月20日、サイバーパンクゲーム『RUINER』のサウンドトラックLP盤が発売。平沢進の「トビラ島(パラネシアン・サークル) - ISLAND DOOR (PARANESIAN CIRCLE)」も収録された。 2019年2月13日にゲンロンカフェにて2000年からの付き合いである精神科医の斎藤環と共に対談配信を行い、配信後に無期限アーカイブとして有料レンタル公開がされる。 同年12月、茨城県つくば市のヴィーガンラーメン専門店「KENJUキッチン」の中村健寿との対談を行い、平沢の実兄である平沢You1のYoutubeチャンネルにて無料公開された。 2020年、元P-MODELメンバーの福間創の5年ぶりのフルアルバム『this is our music』に同じく元メンバーの小西健司と共にゲスト参加。2021年7月に発売された『FILTER Volume.01』創刊号には三人が登場し、鼎談「シンセサイザーの制御と表現」が特集される。また、表紙アーティストとしても掲載された。 2021年3月には同じく元メンバーであった上領亘が参加するネオ民謡ユニットNeoBalladのアルバム『『05』-zerogo-』に平沢がギターゲストとして参加。また、同年7月28日には6年ぶりの平沢ソロアルバム『BEACON』が発売された。 同年11月27日、1996年に「ホテルメルパルク東京 メルパルクホール」で行ったインタラクティブ・ライブショー「SIREN - 架空のソプラノ」の音源が各音楽配信サービスより配信開始。また、1990年代後半に日本コロムビア内のレーベル・TESLAKITEから発表されたアルバム『SIREN(セイレーン)』『救済の技法』がアナログレコードの2枚組カラーバイナル仕様、ボーナストラック収録で発売。 同年12月24日、同年5月に亡くなったマンガ家の三浦建太郎のマンガ『ベルセルク』のコミックス最新41巻のドラマCDに、楽曲「BERSERK -Forces-」「FORCES II」が収録され発売。 2022年3月25日、3月26日に6年4カ月ぶりなるインタラクティブ・ライブ、『INTERACTIVE LIVE SHOW 2022 「ZCON」』を東京ガーデンシアターにて、3公演開催。有料のライブ中継も配信した。 同年5月24日、英国ロンドン拠点のネットラジオ局、NTS Radioの番組『In Focus』の為に作られた、1時間の楽曲ミックス音源『In Focus: Susumu Hirasawa - 20th May 2022』がMixcloudにてアーカイブ公開。
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