トラック島の防衛体制とは? わかりやすく解説

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トラック島の防衛体制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 00:05 UTC 版)

トラック島空襲」の記事における「トラック島の防衛体制」の解説

1943年昭和18年10月頃の連合艦隊は、ラバウル拠点南東方面重視し、またトラック泊地中核とする邀撃作戦準備していた。だが連合軍カートホイール作戦トラック南方ラバウルの孤立化が進む中、連合艦隊司令部司令長官古賀峯一大将参謀長福留繁中将)は同年12月29日敵機部隊トラック島来襲した場合防備計画T作戦」を立案しT作戦警戒発令した。しかし実際トラック空襲時においては移動中に立ち寄っている部隊や在泊艦艇こそ多かったが、トラック固有の防備兵力としては第四艦隊兵力部署では内南洋部隊内南洋部隊指揮官第四艦隊司令長官小林仁海軍中将所属航空隊七七五空、陸攻1個中隊9機、水上偵察隊等)、軽巡洋艦那珂水上機母艦秋津洲配属陸軍部隊所在する程度であったトラック泊地潜水艦作戦をおこなう第六艦隊司令長官高木武雄中将海兵39期。区分においては先遣部隊)の拠点でもあったが、2月17日空襲時点トラック泊地居た潜水艦伊10呂36呂42けだった1944年1月26日から28日にかけて、ラバウルから第十一航空艦隊司令長官草鹿任一中将南東方面艦隊司令長官兼務所属部隊第二十六航空戦麾下二〇四空二〇一空)がトラック泊地移動した。これは第二航空戦隊搭載機98機)のラバウル派遣1月25日南東方面部隊編入発令)と交代であった。二六航戦(司令官酒巻宗孝少将)は消耗激しく草鹿長官南東方面部隊指揮官)の指揮下で部隊再編訓練実施邀撃作戦では第四艦隊司令長官区処行動する。そのため、テニアン島七五五空から陸攻1個中隊が移駐した。また連合艦隊予備兵力として、南西方面より第十三航空艦隊第二十三航空戦麾下七五三空(陸攻装備)と第二十八航空戦麾下の五五一空(天山艦攻26)が内南洋方面増強された。 連合艦隊決戦兵力たる第一航空戦隊翔鶴瑞鶴瑞鳳)は、ブーゲンビル島攻防戦にともなう「ろ号作戦」(ブーゲンビル島沖航空戦)で受けた打撃回復するため、日本本土などに下げられていた(展開航空兵力の詳細は#航空機参照)。第一航空戦隊再建には約3ヵ月以上必要と見込まれ、さらに第二航空戦隊隼鷹飛鷹龍鳳)の艦載機南東方面派遣してしまったので、中部太平洋方面での基本邀撃方針Z作戦」は事実上実施できなくなった第二航空戦隊と、編制予定第三航空戦隊瑞鳳千歳千代田)の再建完成も、やはり昭和19年3月から4月程度見込まれていた。この段階に至っても、日本海軍作戦重点南東方面ラバウルニューギニア)に向けられていた。 日本側はトラック絶対国防圏含め陸上防備についても強化図っていた。しかし、米潜水艦活動1943年半ばを過ぎると急速に活発になり、トラックに向かう輸送船次々と沈められた。最も典型的なケース1943年11月23日横須賀出港した第3123船団である。この船団積荷は殆どがトラック基地強化為の建設資材セメント分解され航空機対空火器、及びその弾薬等計7000トンであった。しかし、途中マリアナ西方沖にて待ち伏せ遭い、4隻が沈められ12月4日、1隻だけがトラック到着した揚げることの出来た積荷10%に過ぎなかったと言う。また独立混成第五連隊第二次輸送部隊1944年昭和19年1月15日内海西部出発したが、米潜水艦スタージョン雷撃船団3隻(赤城丸涼月初月)のうち駆逐艦涼月大破する。25日輸送船4隻(赤城丸愛国丸靖国丸東海丸)は駆逐艦3隻(満潮白露)に護衛され再度内地出発した1月31日潜水艦トリガー雷撃靖国丸沈没、さらにマーシャル諸島情勢急変にともない目的地トラック泊地変更した2月1日赤城丸愛国丸トラック泊地到着しそのまま2月17日トラック島空襲遭遇することになったこうした損害基地拡充防備強化直接的に遅らせた空襲時、多数船舶が在泊していた理由一つは、揚搭施設機構が不十分で待ち時間生じていたためであったトラックには本土港湾真珠湾のような整った荷役設備無かった詳細は「ギルバート・マーシャル諸島の戦い」および「クェゼリンの戦い」を参照 1944年昭和19年1月24日連合艦隊トラック泊地在泊部隊からパラオ経由リンガ泊地回航する艦艇抽出し、「敷島部隊」と呼称した。1月30日早朝第一艦隊司令長官南雲忠一中将指揮する敷島部隊は、パラオに向けトラック泊地出撃した。直後米軍機部隊マーシャル諸島来襲し、クェゼリン環礁ルオット島上陸開始した大本営海軍部は衝撃を受け、マーシャル諸島はもはや絶望的判断し今後対策乗り出した昭和天皇永野修身軍令部総長に「マーシャル方面今後作戦ハ困難ナラン 今度後方要線ヲ確ト固メヨ 何時モ後レヲトルカラ今後ハ後レヲ考ヘニ入レテヤレ」と述べている。永野は「航空兵力、特に母艦航空兵力を準備できれば敵を要線で阻止することは可能」と奉答した。敷島部隊はいったんトラック泊地に戻ると、2月1日改め出発した既述のように、天皇侍従武官佐藤治三郎大佐)が2月8日トラック泊地視察する予定であり、連合艦隊一部艦艇武蔵愛宕鳥海妙高羽黒)が残留した2月3日横須賀からきた軽空母瑞鳳千代田および護衛艦艇(玉波若葉初春)はトラック泊地到着した2月4日ブーゲンビル島方面から飛来したB-24型爆撃機2機は、トラック泊地航空偵察実施した連合艦隊攻撃の危険が高まった判断した。つづく2月5日マーシャル諸島守備隊玉砕は、日本軍絶対国防圏構想変化もたらしたマーシャルにおける邀撃作戦Z作戦」は根本的な変更迫られる日本海軍は、燃料不足し防備貧弱なトラック泊地からの撤退正式に発令した2月7日午後東京大本営より山本親雄軍令部第一課長と源田実部員空路にてトラック泊地出張し連合艦隊司令部打ち合わせ実施した翌日トラック出発サイパン経由して帰京した同日午後連合艦隊電令作第938号と第939号により、連合艦隊残留部隊転進発令される2月10日第二艦隊司令長官栗田健男中将指揮する遊撃部隊第四戦隊愛宕鳥海〉、第五戦隊妙高羽黒〉、第17駆逐隊)も、同日トラック泊地出発遊撃部隊パラオむかった損傷艦阿賀野第十戦隊)、軽巡那珂第十四戦隊)、若干駆逐艦トラック泊地残留した同日連合艦隊司令長官古賀峯一大将戦艦武蔵乗艦し、大本営での打ち合わせのため軽空母瑞鳳千代田および護衛艦と共にトラック泊地出発内地向かった武蔵隊は2月15日横須賀帰投母艦部隊は呉帰投)。連合艦隊司令長官撤退により、トラック地区最高責任者第四艦隊司令長官小林仁海軍中将内南洋方面部隊指揮官となった。 しかし、トラック環礁在泊の各種補助艦船(駆逐艦特務艦輸送船)には、米軍攻勢予兆知らされていなかった。1944年2月時点で、日本軍シーレーン防備担当していたのは海上護衛総司令部1943年11月15日新編であった海上護衛総司令部初代司令長官及川古志郎海軍大将海兵31期)は海軍大臣軍事参議官歴任しており、連合艦隊司令長官古賀峯一海軍大将海兵34期)よりも先輩格である。さらに海上護衛総司令部天皇直属部隊であり、連合艦隊同列同格同等立場であった船団護衛作戦関し海上護衛総司令部連合艦隊所属軽空母駆逐艦臨時指揮した一例として、前年12月3日には空母千歳と第16駆逐隊天津風雪風)が海上護衛総司令部指揮下に入った1944年2月7日まで)。1944年2月4日第二艦隊第二水雷戦隊駆逐艦藤波第32駆逐隊)は、海上護衛総司令部麾下第二海上護衛隊指揮下に入った2月11日第十三航空艦隊隷下第五五一海軍航空隊天山26機が空母海鷹によりトラック到着した天山島に配備された。零戦竹島配備されていた。陸軍52師団第二次輸送部隊歩兵第69連隊第二大隊歩兵150連隊戦車・砲兵など重機材、兵員など9000名余)をトラック泊地輸送中の第3206船団部隊駆逐艦藤波輸送船5隻)は、14日グアム島東方連合艦隊主力部隊とすれ違ったが、情報与えられなかった。

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