太陽光とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 太陽光の意味・解説 

たいよう‐こう〔タイヤウクワウ〕【太陽光】


太陽光

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/25 06:54 UTC 版)

雲間から差す太陽光。

太陽光(たいようこう、: sunlight)とは、太陽が放つである。日光(にっこう)とも言う。地球においては生物の営みや気候その他自然現象に根幹的に影響を与えている。人類は、太陽の恵みとも言われる日の光を享受し、古代より共存し発展してきた。

太陽のメカニズム

太陽光の発生

  1. 太陽の中心部では、重力によって水素核融合が起こっており、ガンマ線が発生する。
  2. ガンマ線は、太陽の内部で物質への吸収と放出を繰り返し、その際にエネルギーが失われる。表面に近づくほど周波数が下がり、一部は可視光線赤外線紫外線となり放射される。

地球到達

地球軌道上での太陽光(AM0)、および温帯の地上での平均的太陽光スペクトルの概形(AM1.5G)

太陽光として太陽から放出されたは、地球軌道付近で約1.37kW/m2太陽定数)のエネルギーを持つ。これが地球軌道上の人工衛星が受光できるエネルギーとなる。光子の数にして1平方メートル・秒あたり6×1021個(十個)以上になる。

エックス線は殆どが大気で遮断される。また有害な紫外線も成層圏オゾン層で90%以上がカットされる。可視光線、赤外光も、大気圏中での反射散乱吸収などによって平均4割強が減衰し、地上に到達する [注釈 1]。 大気を通過する距離が変わるため、地上の各地点で受光できるエネルギー密度は緯度や季節、時刻に従って変化する。日本付近では最大約1kW/m2のエネルギーとなる。

  • 太陽光が太陽から放たれて地上に到達するまでの時間は約8分17~19秒(天文単位太陽地球の半径、光速から計算できる)。
  • 地球に到達した太陽光線の1時間あたりの総エネルギー量は20世紀後半の世界の1年間で消費されるエネルギーに匹敵する。
    そのエネルギーの地上での内訳は、
    • 地上で熱に変わってしまうエネルギーは約45%
    • 海中に蓄えられるエネルギーは20数%
    • 風や波を動かす原動力へ変わるエネルギーは0.2%程度
    • 光合成に使われるエネルギーは0.02%程度
    • 宇宙へ反射してしまうエネルギーは30%程度

最終的には、可視光赤外線などの電磁波として宇宙へ再放射される。詳しくは地球のエネルギー収支を参照。

太陽光から変換された熱エネルギーは、気象現象の駆動力として働き、地球上のさまざまな場所にをもたらすことに寄与している。

また、植物や植物プランクトンは光合成によって必要な酸素やエネルギーを産生している。動物も、太陽光を浴びることによって体温維持を行っているものがいる。また、日射量の変化つまりの移り変わりは、生物の活動に多大な影響を与えている。

太陽光の利用

極軸式日時計
太陽光発電パネル(ドイツ)

地上に到達したエネルギーは直接的、間接的に人間の生活に利用されている。

古代からの利用

濡れた衣類の乾燥、土器の乾燥、乾物オリンピック聖火の点火などに利用された。

発明

日時計
太陽の傾きを太陽光を利用して時刻として利用した。
採光のためや合図、伝言に使用された。
レンズ
カメラや、望遠鏡顕微鏡など光学機械を産んだ。

発電

太陽光発電太陽熱発電
太陽光のエネルギーを、太陽電池やタービンを用いて電力に変える。
水力発電
河川の流れは太陽光によって温められた雨雲が降らせた雨である。
風力発電
風は太陽光が暖めた空気の流れである。
波力発電
海面の上下は風に煽られた波のうねりである。
海流発電
海流は太陽に温められた海水の循環である。ちなみに潮力発電は太陽光とは無関係。
バイオマス発電
植物の光合成は太陽光のエネルギーを用いて行わる。

太陽光の悪影響

太陽光に含まれる紫外線は、合成樹脂(プラスチック)を光反応により分解して劣化する原因となる。また、その他の材料においても、紫外線が劣化や変色の原因になるものは多い。

太陽光に含まれる紫外線の一部は、殺菌作用を持つと同時に、発がん性を持つことも確認されている。IARC発がんリスク区分では「太陽光曝露」がGroup1(発がん性が認められる)に分類されている。特に、皮膚がんの発症要因の1つとされる。疫学的には、UV-C(地表にはほとんど到達しない)やUV-Bによるがんにつながりうる遺伝子損傷が認められているほか、同人種間では緯度が低いほど皮膚がんの発生率が高いという研究結果もある[2][3]

脚注

  1. ^ 気象庁による解説(2000年代初期のデータであることに注意) [1]
  1. ^ 気象庁 (2012年10月19日). “付録3 基本的事項〜温室効果”. 2012年12月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月26日閲覧。
  2. ^ 第19回国際色素細胞学会に参加して 錦織千佳子、がん研究に係わる特定領域研究。
  3. ^ 紫外線と日焼けの関係解説インタビュー 梅田正隆、日経BP SAFETY JAPAN、2005年8月18日。

関連項目


太陽光

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 15:28 UTC 版)

固定価格買い取り制度」の記事における「太陽光」の解説

前述再生可能エネルギー特別措置法による買取制度開始時は1kWhあたり税抜40円という破格値段であった以降買い取り価格見直され続けて2020年時点新規買い取り価格入札による価格決定分も含め10円台前半にまで下げられたが、20年固定価格なので初期参入した企業ほど莫大な長期利益を得ることになった太陽光発電普及進んで電気料金高騰する事態危惧されていたが、実際本格的な値上げに至る前に電力会社各社によって再生エネルギー買い取り拒否生じ制度自体見直されることとなった

※この「太陽光」の解説は、「固定価格買い取り制度」の解説の一部です。
「太陽光」を含む「固定価格買い取り制度」の記事については、「固定価格買い取り制度」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「太陽光」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「太陽光」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「太陽光」の関連用語

太陽光のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



太陽光のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの太陽光 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの固定価格買い取り制度 (改訂履歴)、サンスクリーン剤 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS