太陽定数とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 学問 > 学術 > 定数 > 太陽定数の意味・解説 

たいよう‐ていすう〔タイヤウ‐〕【太陽定数】

読み方:たいようていすう

地球太陽からの平均距離にあるときに受ける放射エネルギーの量。値は毎分1平方センチメートルあたり約1.96カロリーで、地上では大気吸収され約半分となる。


太陽定数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 08:34 UTC 版)

衛星観測された1979年から2005年にかけての太陽定数の周期変化。

太陽定数(たいようていすう、英語: solar constant)は、地球の大気の上端で、太陽からの放射線に対して垂直な面における単位面積・単位時間当たりに受けるエネルギー仕事率)のことで、約 1.37×103 W/m2である[1]。右図は人工衛星を使って観測した太陽定数の時間的な変化のデータで、太陽活動周期に連動して周期的に変化[2]しているが、その変化量は0.1 %程度であり定数として扱われてきた。太陽の放出するエネルギーの指標であり、太陽黒点の活動の変化などでも太陽定数は変化する。太陽定数は周期的にわずかに変動している。ただしその変動の大きさは0.1 %程度であり平均気温への影響量も0.1 °C程度と見られている、[3]。むしろ日単位の短期のランダムな変動成分の方が長期変動成分より顕著で短期の変動幅は0.3 %に達する[4]。太陽活動周期に伴う太陽定数の増加は黒点の増加と連動しているが黒点それ自体は輝度が周囲より小さいため太陽定数を減らす働きがある[4]。それにもかかわらず太陽定数が増加するのは、太陽の磁気的活動性が増加して黒点が増加するのと時を同じくして太陽定数を押し上げる働きのある白斑も増加し、その効果が黒点の効果を打ち消すからである[4]。ただし、46億年前の太陽系及び地球誕生時には太陽の放射仕事率は現在の70 %程度だったと考えられており、数十億年単位の長期的には太陽定数は徐々に増大してきた(恒星進化論も参照)。

太陽エネルギー数値の関係

  • 太陽定数が1366 W/m2であるので地球の断面積127400000 km2をかけると地球全体が受け取っているエネルギーは1.740×1017 Wとなる。
  • 太陽から見た地球の視野角は1/11700 radなので 立体角は1/175000000 srとなり、太陽が放出しているエネルギーの量は約 3.86×1026 W である(太陽光度)。

太陽定数の測定

1837年から1838年にかけて、クロード・プイエジョン・ハーシェルが太陽定数の最初の計測を行い、プイエは1228 W/m2の値を得た。1884年サミュエル・ラングレーが大気の吸収を除外するためにカリフォルニア州ホイットニー山で測定を試み、2903 W/m2と見積もったが不正確な値であった。1902年から1957年の間にチャールズ・アボットらがさまざまな高地で観測を行い、1322–1465 W/m2の値を見積もった。

現在ではロケットや人工衛星による直接観測が可能となっており、1366 W/m2前後で周期的にわずかに変動する様子が明らかとなっている[2][3]。1981年10月にWMOの測器観測法委員会(Commission for Instruments and Methods of Observation)が1367 W/m2という値を提唱し、この値が用いられることも多い([5]P.28)。

太陽から地球に入射するエネルギーの約30 %は大気及びそこに含まれる水蒸気などで宇宙空間に反射され、地表面に到達するのは残りの約70 %である。さらに実際に地表面が単位面積当りに受け取るエネルギーは緯度季節及び時刻によって変化する太陽光の入射角に依存し、例えば春分秋分赤道夏至回帰線上の太陽時正午には太陽定数から前述の大気の損失を除いた分がそのまま地表面への単位面積当たりの入射仕事率となるが、東京北緯35.7度)では冬至の正午では快晴でも約491 W/m2(1366 W/m2 × 70 % × cos(35.7° + 23.4°)、23.4度は地軸の傾き)にとどまる。

脚注

  1. ^ 小倉 2016, p. 105.
  2. ^ a b Solar Constant(World Radiation Center)
  3. ^ a b Solar Variability: Striking a Balance with Climate Change, NASA
  4. ^ a b c Nèmec, Nina-Elizabet (24 June 2021). "Exploring the solar paradigm to explain stellar variability". arXiv:2106.13183 [astro-ph]。
  5. ^ 太陽エネルギー利用技術、日本太陽エネルギー学会編、オーム社、2006年、ISBN 4-274-20278-X

関連項目

参考文献

  • 小倉義光 『一般気象学』(第2版補訂版)東京大学出版会、2016年。ISBN 978-4-13-062725-2 

太陽定数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 07:21 UTC 版)

太陽放射」の記事における「太陽定数」の解説

詳細は「太陽定数」を参照 太陽定数とは、地球の大気表面垂直に入射する単位面積当たりの太陽放射の量である。これは可視光線だけではなくあらゆる波長電磁波全て含めた値である。人工衛星測定によれば、太陽定数は1平方メートルあたり約1366 Wである 。この値は、数年~数十年の長期的な周期多少変動しているほか、約27日周期太陽黒点活動によっても変化する。この変化0.1%程度であり、地球平均気温与え影響0.10.2程度である。 太陽から見た地球角直径は(1/11,000)ラジアンなので、立体角は(1/154,000,000)ステラジアンとなる。このことから、太陽放出しているエネルギー総量は約3.37 × 1026 Wと見積もることができる 。

※この「太陽定数」の解説は、「太陽放射」の解説の一部です。
「太陽定数」を含む「太陽放射」の記事については、「太陽放射」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「太陽定数」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「太陽定数」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



太陽定数と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「太陽定数」の関連用語

太陽定数のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



太陽定数のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの太陽定数 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの太陽放射 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS