太陽の表面温度の導出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 20:21 UTC 版)
「シュテファン=ボルツマンの法則」の記事における「太陽の表面温度の導出」の解説
この法則を用いて太陽の表面温度を概算することができる。シュテファン自身もこの法則を用いて、太陽の表面温度を約6000 ℃と推定している。 太陽が時間あたりに放出する電磁波の放射エネルギー(全放射束、天文学における光度)Ls は、太陽の半径を Rs とすると太陽の表面積は 4πRs2 なので、太陽を黒体であると仮定して、シュテファン=ボルツマンの法則より太陽の表面温度を T として L s = 4 π R s 2 × σ T 4 {\displaystyle L_{\text{s}}=4\pi {R_{\text{s}}}^{2}\times \sigma T^{4}} と表される。 地球付近で太陽の方向に向いた面への放射照度 E は太陽定数と呼ばれる量で、大気圏外の人工衛星による観測でその値が知られている。太陽と地球の距離を a とすると、放射照度の放射強度 I への換算は I = a 2 E {\displaystyle I=a^{2}E} となる。放射強度を全ての方向について足し合わせれば全放射束となる。太陽が全ての方向へ等しく放出していると考えれば、全立体角 4π をかけて L s = 4 π I = 4 π a 2 E {\displaystyle L_{\text{s}}=4\pi I=4\pi a^{2}E} となる。従って太陽の表面温度は T = E σ a 2 R s 2 4 {\displaystyle T={\sqrt[{4}]{{\frac {E}{\sigma }}{\frac {a^{2}}{{R_{\text{s}}}^{2}}}}}} と表される。 それぞれの定数の値、太陽定数 E=1.37×103 W/m2、軌道長半径 a=1.496×1011 m、太陽半径 Rs=6.960×108 m を代入すれば、表面温度は T ≃ 5780 K {\displaystyle T\simeq 5780\ {\text{K}}} と計算される。
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