まったん‐しょうげきはめん【末端衝撃波面】
末端衝撃波面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/21 07:17 UTC 版)
末端衝撃波面は、恒星間物質との相互作用によって太陽風の速度が低下し、亜音速になる地点である。これにより、圧縮、加熱、磁場の変化が生じる。太陽系では、末端衝撃波面は、太陽から75から90天文単位の距離にあると考えられている。ボイジャー1号は2004年、ボイジャー2号は2007年に、太陽の末端衝撃波面を通過した。 星間での音速が約100km/hなのに対して、太陽から放出される太陽風は約400km/hであるため、衝撃波が生じる(実際の速度は、大幅に変動する密度に依存する)。星間物質の密度は非常に小さいが、一定の圧力を持っており、太陽風の圧力は、距離の2乗に比例して減少する。太陽から十分に遠くなると、星間物質の圧力が太陽風の速度を音速以下に低下させるのに十分な強さを持ち、衝撃波面を形成する。 太陽から外側に向かうと、末端衝撃波面に続いてヘリオポーズの領域に入る。ここでは、太陽風の粒子は、星間物質によって進行が止められる。 2005年5月、アメリカ地球物理学連合において、カリフォルニア工科大学のエドワード・ストーンは、磁場の変化の状況から、ボイジャー1号が2004年12月に太陽から94天文単位の距離にある末端衝撃波面を通り抜けたと見られると発表した。一方、ボイジャー2号は、2006年5月、太陽からわずか76天文単位の距離で戻ってくる粒子を検出し始めた。これは、太陽圏が北方向に膨らみ、南方向は押しつぶされたような不規則な形をしていることを示している。
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