営業規則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 19:06 UTC 版)
1985年2月13日より施行された風適法により、設置される遊技設備や施設形態によっては同法第二条1項5号(2016年6月22日までは同法第二条1項8号)が適用され、営業に際し風俗営業の許可が必要となった。これにより、法律で営業禁止時間が「午前0時より午前6時まで(同法第十三条)」(2016年6月22日までは「午前0時から日の出まで」)と定められ、24時間営業が禁止されている。そのため、営業時間はおおむね10時〜24時で共通しているが、午前6時から営業している店舗や正午から営業する店舗、23時以前に閉店する店舗などもある。さらに秋田県・福島県・愛知県では午前0時から午前9時まで、東京都では午前0時から午前10時までの営業がそれぞれ条例により禁止されている。営業禁止の時間帯は、前日の売上の計算や筐体のメンテナンスなどにあてられる。また、年末年始や特定の地域など、都道府県の条例で定められた場合は午前1時まで可能。なお、年中無休での営業は禁止されていない。 以下に該当する者は営業を行うことができない(4条1項)。 1:破産手続開始の決定を受けて復権を得ない人 2:一定の法律に違反して懲役刑・禁固刑・罰金刑に処せられ、執行を終わるなどしてから5年を経過しない人 3:集団的や常習的に暴力行為や不法行為を行うおそれのある人 4:アルコール、麻薬、大麻、あへん、覚せい剤の中毒者 5:心身の故障によって風俗営業の業務を適正に実施することができない人として国家公安委員会規則で定めるもの 6:26条1項によって風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない人(法人の場合は取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日の前60日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む)であった人で、取消日から5年を経過しない人) 7:26条1項によって許可の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に営業許可証を返納して、返納日から5年を経過しない人(風俗営業の廃止について相当な理由がある者を除く。法人の場合は取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日の前60日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む)であった人で、返納日から5年を経過しない人) 8:合併により法人格が消滅した法人や営業許可証の返納を行った法人において(合併又は風俗営業の廃止について相当な理由がある者を除く)、聴聞の期日及び場所が公示された日の前60日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む)であった人で、会社解散や営業許可証の返納から5年を経過しない人 9:会社分割により風俗営業を新設企業などへ承継させた法人において(分割について相当な理由がある者を除く)、公示された日の前60日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む)であった人で、当該法人の会社分割日から5年を経過しない人 10:営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者(ただし風俗営業の相続人であって、法定相続人が各号に該当しない場合は除く) 11:1~9に該当する人が役員を務めている法人法的処理を行った法人の内、会社更生法や民事再生法の申請を行った法人は継続して営業を行う事が可能であるが、破産法を申請した企業は、4条・10条により合併以外による事由で解散した法人と同一とみなされ、破産法を申請した法人の役員は4条により破産手続開始決定から5年間は全ての風俗営業の運営が出来なくなる他、5年間は同業他社の役員や営業所(店舗)の管理者になる事は出来ない。 営業許可を受けるには、以下の記載がされた許可申請書を公安委員会に提出しなければならない(5条)。営業許可証交付の日から6か月以内に営業を開始しなければならない(8条)。 氏名又は名称及び住所、法人の場合はその代表者の氏名 営業所(店舗)の名称及び所在地 風俗営業の種別(ゲームセンターの場合は第5号と記入する) 営業所(店舗)の構造及び設備の概要 24条1項による管理者の氏名及び住所 法人の場合は全役員の氏名及び住所許可を受けた内容の変更を行う場合は、公安委員会の承認を得なければならない(9条)。不正に営業許可を取得したり、4条による欠格期間者が申請書類に記載されていることが発覚した場合、営業許可証の交付を受けた日から6か月以内にゲームセンターの営業を開始しなかったり、正当な理由がなく6か月以上営業を休止するなどした場合は営業許可が取り消される(8条)。 さらに同法では、 ゲームの結果に応じて賞品を提供することの禁止(23条2項)。これは賭博とみなされることもある。現行のプライズゲームは、提供されるものの市価がおおむね「1000円程度」であれば賞品とはみなさないという監督官庁(警察)の解釈を得て営業が許されている(→プライズゲーム#法令との兼ね合い参照)。 客に貸し出したメダルなどを、営業所外に持ち出させること、あるいは預り証などを発行することの禁止(23条3項) 営業時間(前述)と営業可能場所の制限(24時間営業の禁止) 営業所(店舗)ごとの管理者の選任(24条1項)並びに従業員名簿の常備(36条)未成年者、4条1項の1から4までと4条1項の6から9までに該当する者、心身の故障により管理者の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるものは、管理者になることが出来ない(24条2項)。 18歳未満の者を従業員として雇用する事の禁止(22条3項) 店内の照度や騒音、震動に関する制限(14条、15条) 広告や宣伝に関する制限(16条) 児童ポルノの所持や提供の禁止(35条)児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条2項から8項までの罪を犯した場合は、すべての店舗または一部の店舗が6か月以下の営業停止処分となるほか、風適法49条違反にも問われる。児ポ法で有罪判決を受けた関係者は風適法4条と49条により、刑の執行終了後から5年間の欠格期間となる。 18歳未満の者の22時以降の立入禁止(22条5項)(平日の昼間の立ち入りは、風適法の制限はないが、当然学校の授業中の出入りは補導の対象となり、またその者は代休であっても、店の方針として入店を禁止する場合がある)このほか16歳未満の者は、風適法第22条5項に基づき各都道府県で施行される「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例」や青少年保護育成条例などの定めにより、18〜20時以降は保護者が同伴しない場合は立入禁止となり、その時間以降は保護者同伴であれば入場が認められるが、この場合も22時以降(一部の県は18時以降または20時以降)入場できない(詳細は下表参照)。2016年6月23日以降における16歳未満の者が保護者同伴でない場合で入店した場合の入場禁止時間は条例などにより多くの都道府県では従来通りとなるが、岡山県、鳥取県、島根県、広島県、山口県の5県では日没以降から18時以降に、愛媛県では20時以降から18時以降に条例改正によりそれぞれ変更された。 このほか栃木県では、16歳未満であっても中学校を卒業した場合は、16歳に達したものとみなすとの規定がある。新潟県では条例により22時から翌日の6時(4月から9月)もしくは日の出時間(10月から翌年3月までは月により6時15分から7時まで)まで18歳未満の者の入場が禁止されている。 その他、一部店舗では学生服着用の場合別の規制があったり一部地域の学校では保護者同伴でなければ立入禁止だったり、保護者同伴でも終日立入禁止としている場合もある。このような地域では、トラブル防止の観点から店舗側の自主規制で時間帯にかかわらず18歳未満の入場を禁じ、子供向け機器(キッズメダルやキッズカード)の設置をしないようにすることがほとんどである。例外として、休日など学校が休みの日は警察やPTAなどの補導の対象にならず、有名無実になっていることが多い(栃木県では、盆・年末年始に適用されない日が指定されている。ただし店舗によっては保護者同伴でなければ現行通り18時までの場合もある)。「床面積に占める規制対象ゲームの投影面積を3倍した割合が90%以下でなければならない」などの規制が課されている。 2016年6月23日以降の都道府県別における18歳未満の者が保護者同伴で入場できる時間は以下の通りである。 地域入場制限岐阜県 16歳未満の者が保護者を同伴せずに入場する場合は17時まで16歳未満の者が保護者同伴で入場する場合ならびに16歳以上18歳未満の者(保護者同伴・非同伴問わず)はいずれも22時まで 長崎県 13歳未満の者が保護者を同伴せずに入場する場合は17時まで13歳以上16歳未満の者が保護者を同伴せずに入場する場合は18時まで16歳未満の者が保護者同伴で入場する場合ならびに16歳以上18歳未満の者(保護者同伴・非同伴問わず)はいずれも22時まで 岩手県茨城県鳥取県 16歳未満の者は保護者同伴・非同伴問わず18時まで16歳以上18歳未満の者は保護者同伴・非同伴問わず22時まで 栃木県 中学生以下の者は保護者同伴・非同伴問わず18時まで中学既卒以上18歳未満の者は保護者同伴・非同伴問わず22時まで盆・年末年始などの特例日は18歳未満の者は保護者同伴・非同伴問わず22時まで 福島県 16歳未満の者が保護者を同伴せずに入場する場合は18時まで16歳未満の者が保護者同伴で入場する場合ならびに16歳以上18歳未満の者が保護者を同伴せずに入場する場合は20時まで16歳以上18歳未満の者が保護者同伴で入場する場合は22時まで 宮城県埼玉県神奈川県徳島県 16歳未満の者が保護者を同伴せずに入場する場合は18時まで16歳未満の者が保護者同伴で入場する場合は20時まで16歳以上18歳未満の者は保護者同伴・非同伴問わず22時まで 青森県秋田県山形県大阪府宮崎県 16歳未満の者が保護者を同伴せずに入場する場合は19時まで16歳未満の者が保護者同伴で入場する場合ならびに16歳以上18歳未満の者(保護者同伴・非同伴問わず)はいずれも22時まで 沖縄県 18歳未満の者は保護者同伴・非同伴問わず20時まで 新潟県 4月から9月まで16歳未満の者が保護者を同伴せずに入場する場合は6時から18時まで4月から9月まで16歳未満の者が保護者同伴で入場する場合ならびに16歳以上18歳未満の者(保護者同伴・非同伴問わず)はいずれも6時から22時まで10月から翌年3月まで16歳未満の者が保護者を同伴せずに入場する場合は日の出から18時まで10月から翌年3月まで16歳未満の者が保護者同伴で入場する場合ならびに16歳以上18歳未満の者(保護者同伴・非同伴問わず)はいずれも日の出から22時まで 上記以外の都道府県 16歳未満の者が保護者を同伴せずに入場する場合は18時まで16歳未満の者が保護者同伴で入場する場合ならびに16歳以上18歳未満の者(保護者同伴・非同伴問わず)はいずれも22時まで この規制に違反した場合、改善命令が出される(25条)ほか、悪質な場合は、営業停止や営業許可の取消(26条)や新規出店の停止となる。26条により営業停止処分を受けたり、許可が取り消された場合は、取消処分のほかにも49条により2年以下の懲役または200万円以下の罰金に処される。26条による取消処分を受けた運営者や取消処分を受けた法人の役員は4条により5年間の欠格期間となり、取消処分を受けた日から5年間はすべての風俗営業の営業ができなくなる。取消処分を受けた運営者や取消処分を受けた法人の役員は、欠格期間中は前述の通り同業他社や他の風俗営業運営企業の役員や営業所の管理者になる事は出来ない。 なお、取り締まりの強度は所轄によって異なるため、シャッターを下ろして深夜営業するようなことが黙認されている地域もあれば、特にPTAの圧力が強い地方などでは乳児連れやベビーカーを曳いた客に対しても厳格に年齢の「下限」による制限を適用する地域もある。 なお、ゲームセンターに設置される遊技設備のうち、たとえば投げた球のスピードを計測するゲーム機のように人の身体の力を表示する遊技の用に供することや、乗り物遊具(レーシングゲームがこの扱いを受ける)や占い機など射幸心をあおるおそれのある遊戯の用に供されないことが明らかであるもの、自動販売機(プリクラ、キッズカードなど)のような遊戯設備でないものは同法による規制の対象外となる。かつてはジュークボックスも規制外機器とされていたが、2008年に除外されることとなり、ジュークボックス扱いだった[要出典]音ゲーが規制対象機器になった。 また、ボウリング場や24時間営業のレジャーランド、旅館、ショッピングセンターのゲームコーナーなど、事業所の床面積に占める規制対象機種の投影面積を3倍した割合が5%以下となるシングルロケは、上記の法律や条例に基づく入場規制がない場合は、風適法による規制の対象外となる。ただし、そのような施設でも、風適法以外の青少年保護育成条例などで規制されている場合がある。また、周辺の団体や組織(PTAなど)からの依頼や、あるいは自主的に帰宅を呼びかけるところもある。
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