PC9801とは? わかりやすく解説

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PC-9800シリーズ

(PC9801 から転送)

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PC-9800シリーズは、日本電気(以下NEC[3])が1982年昭和57年)から2003年平成15年)9月30日の受注終了まで、日本市場向けに販売[注 1]した独自アーキテクチャパーソナルコンピュータ(パソコン)の製品群である。同社の代表的な製品であり、98(キューハチ/キュッパチ)、PC-98、NEC98など略称されることもある[5]


注釈

  1. ^ 最終出荷は2004年(平成16年)3月まで[4]
  2. ^ 未来技術遺産と俗称される。
  3. ^ 初代「PC-9801」発売の1982年(昭和57年)から、後継アーキテクチャとなるPC98-NXシリーズ発売の1997年(平成9年)頃まで
  4. ^ 1991年に電通リサーチが行ったアンケート調査によると、パソコンの選択基準で最も重視されたのが「互換性」であった。
  5. ^ ただしNECは当初そのようには呼んでいなかった。その後、プリンタ等一部NEC製の周辺機器のカタログで「PC-98NXシリーズを含むPC/AT互換機」という表現が見られた。なお、DOS/Vの動作は保証していない(FC98-NXの一部機種でPC DOS 2000の動作を保証しているのみである)。
  6. ^ ここで言う1MBとは、5インチや3.5インチFDにおける2HDを指す。これらは約1.2MBほどのフォーマット容量を持つが、これをNECは1MBと表現していた。
  7. ^ MATE Aシリーズの場合は5インチFDD内蔵モデルであっても、ファイルスロットに3.5インチ3モードFDDを内蔵することで、1.44MBのFDを読み書きできる[69]
  8. ^ 一般的にソフトウェアの改竄が違法行為とされるのは、あくまで複製を行う場合の話である。SIPは既にインストール済みのプログラム(運用ディスクやHDD)を書き換えるものであって、複製を行うものではないため、著作権上は問題が無いと考えられている[85]
  9. ^ 12MHzや、20MHz(一部の機種を除く)、それ以上の機種ではCPUクロックがシステムクロックと分離しており(したがってクロックアップ改造の敷居が低いことでも知られる)、それらの機種のシステムクロックは5/10MHz系になっている。
  10. ^ ただし、キーボードに関しては5/10MHz系も8MHz系も共通して19200bpsであり、どちらか一方のみに対応するキーボードは存在しない。
  11. ^ PC-9800シリーズのRS-232CはPC-9821AnまでFIFOバッファが搭載されておらず、高速通信ではとりこぼしの恐れが大きかったため、5/10MHz系の機種であってもこのようなボードは有用であり、草の根BBSなどで重宝された。

出典

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PC-9801シリーズ

(PC9801 から転送)

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PC-9801シリーズは、日本電気(以下NECと表記)が開発していたパーソナルコンピュータの製品群の俗称で、一般的にはPC-9800シリーズのうち1982年(昭和57年)から1995年(平成7年)まで開発された「PC-9801」から始まる型番の製品群を指す。シリーズ全体の正式名称である「PC-9800シリーズ」と混同されることもある。


注釈

  1. ^ 特に標準搭載の外付けFDDインターフェースが50ピンの1MBインターフェースをベースにしており、ディップスイッチで内蔵FDDを640KB固定に設定するか、もしくは自動認識設定で640KBのFDから起動した場合は、外付けFDDが無効になる。
  2. ^ UF/URはCPUがV30系であることから実質的にEMS専用スロットである。UR/UFでは機能が制限されており、カードドライブなどには利用できない場合がある。また当時の98NOTEのカードメモリは遅いことで知られており、Cバスメモリが利用できればそちらのほうがパフォーマンスが良い。
  3. ^ 両機の能力・コンポーネントはPC-9801Nの上位互換・PC-9801NVと同等と言ったところで、ノートで稼働しなければ価値の下がるビジネスソフトでは互換性の問題はそれほど顕著ではなかった。
  4. ^ 80286と80186/V30ではリアルモード用命令としては80287関連を除いて全く同じ命令セットを持っているため、一見すると互換性は非常に高い。しかし同じ命令であってもPUSH SPPOP CSなどのように非互換部分がいくつか存在する。詳細はIntel 80286を参照。
  5. ^ ただし基板直付けであるQFPパッケージの386SXが一時期かなりの機種に搭載されていた。PC-9800シリーズでは1991年冬モデルを最後に386DX・286・V30系CPUの採用が途絶え、それから約2年弱の間に発表された機種は上位機のH98シリーズに486SXを採用していた時期である。結果的にこの頃のPC-9801型番機種は、PC-9801FAを除くすべてのモデルが386SXまたは相当品を搭載していたという状況だった。また後に一部の98MULTiのようにFPUソケットを省略したQFP版486SX搭載機も家庭向けで流通量が少なくなかったことから、CPUにかぶせる形のCPUアクセラレータも発売された。この方式の場合、外部からCPUの動作を止める機能が必要であり、386SXの場合はCステップ以降のロットでなければ利用できない。
  6. ^ 対応機種によりソケットの実装位置は異なったが、後期の98NOTEで用いられていたDIMMを2枚実装可能。このDIMMは最大32MBのものまで使用可能で、最大実装時のメモリ容量は32×2+14.6=78.6MBとなる。このDIMMはCPUと同じバスクロックで動作するため、本体搭載のメモリと比較して大幅に高速アクセス可能であり、Windowsでは絶大な効果を発揮した[要出典]。ただしこれはCONFIG.SYSの段階で専用のドライバ(DXキャッシュコントロールユーティリティまたはEXキャッシュコントロールユーティリティ)を用いない限りアクセスできないため、Windows 95・98には対応したが、CONFIG.SYSの無いNT系には対応しなかった。
  7. ^ MATE Aシリーズの場合は5インチFDD内蔵モデルであっても、ファイルスロットに3.5インチ3モーFDDを内蔵することで、1.44MBのFDを読み書きできる[43]
  8. ^ 仮想86モード使用不可能な初期リリース版が搭載されていた。完全版(本来のi386)へは有償アップグレードにて対応。
  9. ^ デスクトップモデルの「青」に相当。
  10. ^ ただしCPUがV30系からV33系に変わったため、それによる非互換部分もわずかながら存在する。
  11. ^ 88モードは当時のカタログにPC-8801MA2相当と記述されていたが、実際はサウンドボード2機能を搭載していないPC-8801MH相当の仕様だった。
  12. ^ 後に富士通はFM TOWNSと併売でPC/AT互換機FMVを発売、それ以外の各社も次第にPC/AT互換機に参入し、PC-9800シリーズに対抗してゆくことになる。

出典

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「PC-9801シリーズ」の続きの解説一覧

PC-9801

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/11 07:05 UTC 版)

パソトラ」の記事における「PC-9801」の解説

やはり機種明言されていないが、イラストからはアローラインに溝が入った中期デザインで5インチFDDモデルのPC-9801型番機種であることが確認できる音源搭載されていないことを考慮するとPC-9801RシリーズまたはVM11が該当)。るかぽんが親の仕事部屋強引に導入させ、日本ファルコムRPG遊んでいた。るかぽんが初め基板剥き出し拡張ボード増設行なったPCでもあり、ゲームのためにFM音源(PC-9801-26K)を追加した

※この「PC-9801」の解説は、「パソトラ」の解説の一部です。
「PC-9801」を含む「パソトラ」の記事については、「パソトラ」の概要を参照ください。


PC-9801

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 10:03 UTC 版)

提督の決断」の記事における「PC-9801」の解説

提督ではない2名が表記されていたが、SFC版では草鹿龍之介木村昌福差し替えられている。

※この「PC-9801」の解説は、「提督の決断」の解説の一部です。
「PC-9801」を含む「提督の決断」の記事については、「提督の決断」の概要を参照ください。

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