PC-9801シリーズとは? わかりやすく解説

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PC-9801シリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/01 00:13 UTC 版)

PC-9801シリーズは、日本電気(以下NECと表記)が開発していたパーソナルコンピュータの製品群の俗称で、一般的にはPC-9800シリーズのうち1982年(昭和57年)から1995年(平成7年)まで開発された「PC-9801」から始まる型番の製品群を指す。シリーズ全体の正式名称である「PC-9800シリーズ」と混同されることもある。


注釈

  1. ^ 特に標準搭載の外付けFDDインターフェースが50ピンの1MBインターフェースをベースにしており、ディップスイッチで内蔵FDDを640KB固定に設定するか、もしくは自動認識設定で640KBのFDから起動した場合は、外付けFDDが無効になる。
  2. ^ UF/URはCPUがV30系であることから実質的にEMS専用スロットである。UR/UFでは機能が制限されており、カードドライブなどには利用できない場合がある。また当時の98NOTEのカードメモリは遅いことで知られており、Cバスメモリが利用できればそちらのほうがパフォーマンスが良い。
  3. ^ 両機の能力・コンポーネントはPC-9801Nの上位互換・PC-9801NVと同等と言ったところで、ノートで稼働しなければ価値の下がるビジネスソフトでは互換性の問題はそれほど顕著ではなかった。
  4. ^ 80286と80186/V30ではリアルモード用命令としては80287関連を除いて全く同じ命令セットを持っているため、一見すると互換性は非常に高い。しかし同じ命令であってもPUSH SPPOP CSなどのように非互換部分がいくつか存在する。詳細はIntel 80286を参照。
  5. ^ ただし基板直付けであるQFPパッケージの386SXが一時期かなりの機種に搭載されていた。PC-9800シリーズでは1991年冬モデルを最後に386DX・286・V30系CPUの採用が途絶え、それから約2年弱の間に発表された機種は上位機のH98シリーズに486SXを採用していた時期である。結果的にこの頃のPC-9801型番機種は、PC-9801FAを除くすべてのモデルが386SXまたは相当品を搭載していたという状況だった。また後に一部の98MULTiのようにFPUソケットを省略したQFP版486SX搭載機も家庭向けで流通量が少なくなかったことから、CPUにかぶせる形のCPUアクセラレータも発売された。この方式の場合、外部からCPUの動作を止める機能が必要であり、386SXの場合はCステップ以降のロットでなければ利用できない。
  6. ^ 対応機種によりソケットの実装位置は異なったが、後期の98NOTEで用いられていたDIMMを2枚実装可能。このDIMMは最大32MBのものまで使用可能で、最大実装時のメモリ容量は32×2+14.6=78.6MBとなる。このDIMMはCPUと同じバスクロックで動作するため、本体搭載のメモリと比較して大幅に高速アクセス可能であり、Windowsでは絶大な効果を発揮した[要出典]。ただしこれはCONFIG.SYSの段階で専用のドライバ(DXキャッシュコントロールユーティリティまたはEXキャッシュコントロールユーティリティ)を用いない限りアクセスできないため、Windows 95・98には対応したが、CONFIG.SYSの無いNT系には対応しなかった。
  7. ^ MATE Aシリーズの場合は5インチFDD内蔵モデルであっても、ファイルスロットに3.5インチ3モーFDDを内蔵することで、1.44MBのFDを読み書きできる[43]
  8. ^ 仮想86モード使用不可能な初期リリース版が搭載されていた。完全版(本来のi386)へは有償アップグレードにて対応。
  9. ^ デスクトップモデルの「青」に相当。
  10. ^ ただしCPUがV30系からV33系に変わったため、それによる非互換部分もわずかながら存在する。
  11. ^ 88モードは当時のカタログにPC-8801MA2相当と記述されていたが、実際はサウンドボード2機能を搭載していないPC-8801MH相当の仕様だった。
  12. ^ 後に富士通はFM TOWNSと併売でPC/AT互換機FMVを発売、それ以外の各社も次第にPC/AT互換機に参入し、PC-9800シリーズに対抗してゆくことになる。

出典

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