漢字ROM
【英】Kanji ROM
漢字ROMとは、日本語のフォント情報を記録するために用いられていた専用のROM(Read Only Memory)のことである。初期の日本語パソコンに搭載されていた。
漢字ROMには、漢字やひらがな、カタカナなどのフォントに関するビットマップ形式のデータが記録されている。一般に、日本語は英語などの言語に比べて膨大な文字数を扱う。そのため、初期のパソコンでは日本語を扱うことが困難とされていたが、漢字ROMという専用のハードウェアを追加することによって日本語を高速に読み出すことが可能となっていた。
漢字ROMは、NECのPC-9800シリーズや、キヤノンが販売していた日本語対応版のMacintoshである「DynaMac」などに搭載されていた。現在では、日本語フォントはオペレーティングシステム(OS)のファイルの一部として提供されているのが普通となっている。
漢字ROM
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/17 15:43 UTC 版)
漢字ROM(かんじロム)は、コンピュータやワードプロセッサ、プリンターなどにおいて、全角かな文字、全角カナ文字、漢字などの日本語文字の字形を格納しておくためのROM(Read Only Memory)である。いわゆる全角文字に対応する。本稿では特記無き場合日本で発売・運用された器材について解説する。
注釈
- ^ 1バイトは8ビットである。一般的なビットマップフォントデータは1ドットにつき点が有る/無いの情報しか持たないため、1ドットを1ビットで表現できる。よって256ドットを表現するには、1/8の32バイトで済むのである。
- ^ 実際にはキリの問題で128KiB分のチップを実装することになる。また、一例として、第一水準、第二水準共両方の漢字ROMを搭載したFM TOWNSの場合、256KiBを実装している。
- ^ MSXではほとんどの機種が64KiBであった。PC-8801シリーズの後期においては192KiBを搭載した機種も多数存在する。
- ^ 第1、第2水準共に。
- ^ 「MSX2+」規格。
- ^ さらに、環境によってはその長時間の印刷中に別の作業が行えない、動作速度が低下するなどの問題が発生する(『電脳辞典 1990』「プリンター」(p.213)、「プリントスプーラー」(p.214) )。
- ^ 参考文献の『PC110番』(1985年)では、NECのPC-8801シリーズ純正プリンターへの追加漢字ROMについて、30000円、96000円などの例がみられる。後者、PC-8824-02は、「22 * 22ドット」の第一水準漢字ROMであるという。ちなみに1985年当時にも既に、漢字ROMを標準搭載したプリンターは存在している。
出典
- ^ a b c d e f ピクニック企画, 堤大介, ed. (1 March 1990). "漢字ROM, 漢字ROMボード". 『電脳辞典 1990's パソコン用語のABC』. ピクニック企画. pp. 45–46. ISBN 4-938659-00-X。
- ^ 千葉憲昭『改訂版 FM TOWNS テクニカルデータブック アスキー 1991年7月 ISBN 4-7561-0438-X
- ^ a b c d 近藤孝吉「漢字印刷/MP-80 TYPEII(MB27401)を漢字プリンタに!」『I/O 昭和57年9月号』(工学社)所収、PP242-249
- ^ a b 長野悦代「MZ-80B/2000日本語ワードプロセッサ JET-1100/2100試用記」、『oh!mz 1983年5月号』(日本ソフトバンク)所収、P111。
- ^ NECパソコンインフォメーションセンター、1985、『実践パソコンQ&A集1 PC110番 (NEC PC-8800シリーズ編)』、ラジオ技術社 pp. 191 ・・・ なお、PC-8801mk2以降は標準搭載。
- ^ 木村登志雄『セイコーエプソン・国内販売会社創立』、2011-07-09閲覧。
- ^ a b 脇英世(監修)、1987、『パソコンの常識事典』、日本実業出版社 pp. 406-407
- ^ 秀和システム第一出版編集部、赤堀 侃司、2003、『標準パソコン用語事典 最新2004 - 2005年版』、秀和システム pp. 154
- ^ 脇英世(監修)、1987、『パソコンの常識事典』、日本実業出版社 pp. 87
- ^ NECパソコンインフォメーションセンター、1985、『実践パソコンQ&A集1 PC110番 (NEC PC-8800シリーズ編)』、ラジオ技術社 pp. 190
- 1 漢字ROMとは
- 2 漢字ROMの概要
- 3 脚注
- 漢字ROMのページへのリンク