海外との比較
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他の先進諸国では子供は里親などの家庭的な環境で育てるのが一般的であり、里親への委託率が15%の日本は特殊であるとされる。政府はできる限り家庭的な環境で子どもを育てるために里親への委託を増やすのが望ましいとしており、2016年版の子ども・若者白書日本では「児童養護施設などに里親支援の専門相談員を配置し、里親制度の普及を促進する」としている。委託期間も諸外国に比較し長いケースが多く、3分の1が5年以上であり、10年を超すケースも珍しくない。里親は熱心に養育にあたっており、過半数はそのまま養子にしたいとも願っているという。このため、外国の「実親に戻すまでの短期間保育型」に対し、日本では「長期間保育による里親家庭とりこみ型」が中心となっているとの指摘がある。その背景には、実親への支援が不十分であると指摘されている。アメリカではスティーブ・ジョブズが養子であり、養子は教育水準高い傾向にあり養子として育ち、成功している著名人は多い。 なお、国外では、子どもの施設養護と里親養育に取り組む国際協会FICEインターナショナルによると、欧州の大多数の国では施設養護から里親養育に移行したものの、「ユーロチャイルド」とユニセフの報告によれば児童養護施設に措置される子どもは増加し、その数は脱施設化プロセス開始前より多いという。FICEでは施設養育と里親養育を対立モデルではなく、補完し合うものとしてとらえている。複雑な問題や行動上の問題を抱えた年齢の高い子どもは、里親での家庭における親密な関係を形成する準備ができていないケースもあり、またグループホームの方がケアの質を保てるなど、治療的入所型ケア等が適している場合もある。 アメリカオハイオ州では通常ペットが里親家庭を移ることに使う「リホーミング(rehoming)」という用語が人の子どもにも使われ、アンダーグラウンドなネットワークで子供が合法にやり取りされていると報じられている。質問項目には、子どもの性別・年齢・人種に対する問いがあるマッチングサイトもニューヨークにあり、不妊治療中に同時並行で養子も探すことがある。 イギリスの委託後の里親研修であり、子どもの問題行動に里親が適切に対応するために開発されたフォスタリングチェンジ・プログラムの導入が国内でも図られている。
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海外との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 02:14 UTC 版)
「道路標識#各国の道路標識」も参照 陸上で国境を接する国同士では自動車による越境が日常的に行われているが、島国であり他国と接続する道路を持たない日本ではこのようなことがないため、日本とそれ以外の国では道路標識の内容やデザインに大きな差がある。 そもそも国家間で道路標識や交通制度を統一することは陸路貿易の活性化や交通安全保持のために必要であり、実際に多くの国が「道路標識及び信号に関するウィーン条約(ウィーン条約)」に則って道路標識を制定している。この条約で提示された国際連合道路標識(国連標識)は、古くから国境を越えて道路網が発展してきたヨーロッパの様式を基に、母語に関係なく意味が理解できるように設計されているため、結果的にこの目的に適うものとなっている。 日本はウィーン条約を批准しておらず、更に独自の基準で道路標識を制定しているため、諸外国との統一性はあまり見られない。実際は、一部ウィーン条約を尊重した法整備や訪日外国人のレンタカー利用増加に向けた対応を行っているものの、依然として国際標準とは大きく異なっている。 例えば「一時停止」の標識は国際的に八角形または円形が一般的だが、日本は逆三角形のものを使用している。漢字のみでデザインされた標識(「危険物積載車両通行止め」「停車可」など)もあり、このように外国人旅行者がその意味を解するのが困難な標識は、運転時に混乱を引き起こしストレスや事故の原因となり得るため、国連標識に近づけるなどの対策や再整備が必要であるという指摘がある。2019年に行われた中部国際空港からレンタカーを利用する外国人への調査によると、「一時停止」の標識の意味を理解できる外国人の割合は3割以下であった。一方、日本の禁止を表す標識は原則として赤い丸に赤い斜線を加えるという原則が保たれているため、これと赤い丸のみで禁止を表す標識が混在する国連標識などと比べて統一感があると言える。 なお、日本は他国と比べて道路標識が数多く至るところに設置されている。公安委員会が設置する道路標識が他国と比べ多い理由は、道路網が密であり、主要幹線道路も都市内を貫通することで通過交通と地域交通が混在しており、これらの道路環境の中で安全と円滑を確保するにはきめ細やかな交通規制を実施せざるを得ないからである。
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海外との比較
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諸外国公的扶助制度と比較した場合の30代単身世帯所得保障水準では、比較対象のスウェーデン、フランス、ドイツ、イギリス、日本の5カ国中、最高水準の額である。スウェーデン、フランスに対しては、日本では約2倍の所得保障水準となっている。カップルと4歳児の家族世帯においても各国より高額となっている。 イギリスにおいても、10人の子どもがいる夫婦が年間年収約893万円に相当する給付を受けていることの報道 や、5人の女性との間に17人の子供を持ちながら働かずに生活保護で暮らしていた男が、元愛人を殺害しこの女性との間にできた子どもの親権を得る目的で自宅に放火し、子ども6人を死なせている事件が起こり、労働賃金に対して高額になりうる公的扶助制度に対する世論の批判が高まった。Sun新聞でも18歳と21歳の無職カップルが4ヶ月の子どもを持ち、子どもや住宅・失業の手当てで年270万円となる福祉よりも働くほうが安くなる、と語ったと報道する など福祉制度に批判的だった。政府が2013年4月からの制度改革を打ち出し、キャメロン首相はSun新聞で「真面目に働いている人たちよりも生活保護受給者のほうが収入が多くなる例が発生する状態は『狂っている』」と述べ、「生活保護制度が本来の目的から逸脱し、本末転倒の事態に陥っている」と批判して制度改革を擁護している。 スウェーデンでは社会扶助の受給資格がきわめて厳しく、所有物を基本的に売却しなければならず、家や土地はもちろん、自治体によっては車・コンピュータも売却対象となり、また少しでも労働能力があれば就労プログラムへの参加が強いられる。90年代の経済危機により失業者が増加し社会保障受給者が増え、社会扶助にかかるコストの増加、受給者数の増加、さらには受給年数の長期化という3 つの要因によって「スウェーデンモデルの崩壊」が叫ばれるほどであった。その結果、社会省が1999年から2004年までに社会扶助受給者数を半減する目標を設定した。同時に社会扶助受給者の増加を分析したところ、無年金者の問題があり、年金支給要件の変更でその部分は減少を見た。しかし、年金のスキームに移行できなかったグループがおり、それが若年と母子世帯の社会扶助長期受給だった。雇用能力が著しく低い者、就労の期間が著しく短い者については、スウェーデンでもパート以外に就労の機会がなく、十全な社会保険に加入できず社会扶助を受けている。そのうち若年と母子世帯の社会扶助受給者にはきわめて多様なケースが存在しているという。非常に多いのが、社会保険でもカバーされないような軽度の知的障害者、社会活動に不可欠なコミュニケーション能力が欠如している者(軽度の学習障害の場合、大学卒業も可能だがその後の就労の機会に恵まれない事例が多い)、それからDV や児童虐待を受けてきた者、あるいは薬物中毒者・アルコール中毒者である。こうした人びとは、医師から雇用能力があると診断されながら、実際に就労支援を行っても有効に機能しないという事態が起きているという。長期受給者の増加によって、社会扶助受給世帯の子どもも社会扶助受給者に陥るような、貧困の世代間継承の事例も存在することが確認されている。 デンマークでも、16歳から受給開始した36歳のシングルマザーが特段の問題なく就労せずにフルタイム労働者よりも多額の生活費(約30万円)を福祉で得ていたことに端を発した問題 と就職を避け、10 年以上も働かずにいて保護を受給していた男性が申告せずに就労していた問題から論争が起こり、2014年1月からは生活保護制度改革となって、30歳未満の生活保護対象者は、手当受給のために職業訓練を受けることが必須となった。また30歳以上の対象者は、手当を受給するためには何らかの労働(主に、公園や道路の清掃など)を行うことが前提条件となった。また、これまでは、夫婦のうち一方が無収入でも、もう一方の配偶者に一定の収入があれば、生活保護支給の対象から除外されていたが、これは同棲しているパートナーたちには適用されなかったが、今回からは、同居パートナーにも適用されることになった。 各国の公的扶助の国際比較を分析し、日本の扶助給付水準はトップクラスだが給付総額や給付人数が少ないのは、国が水準を下げて要件を緩和するより、給付の総額が少なくて済むからではないかという財政的な分析もある。
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