制度改革
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 14:37 UTC 版)
審査は非公開で、国家間で見解が異なる係争中の資料を密室審議することへの批判もあり、ユネスコの中立性・政治的利用が懸念され、このことはユネスコも認めた。2016年には日本政府がユネスコ分担金約44億円の支払いを凍結するなど異議を申し立て、制度改革を進めるとされた。2018年のユネスコ執行委員会(ユネスコ加盟58ヶ国で構成)で議題として扱われ、2019年には審査に新制度をあてるとし、2018年は新規の申請を受け付けないと発表した。しかしながら韓国の反対で翌2019年の協議が進展しなかったことから、改革は2020年秋に持ち越され申請受付も再度中止となった。2020年は新型コロナウイルスのパンデミックにより協議を開催できず、制度改革は2021年まで再延期された。 制度改革案は日本国内でさまざまな意見が発せられており、例えば慰安婦や南京事件の検証を続ける秦郁彦は19世紀以降の事象は除外することを提言している。 2021年4月15日にオンラインで開催された執行委員会において、日本・韓国・中国など32の国と地域で構成した制度改革作業部会が取りまとめた改革案が承認され、各国からの申請があるとその内容を公開し、異議がある他国は90日以内に不服申し立てを行い、ユネスコの事務局が仲裁役として当事国間の対話を促し、双方の合意が得られた場合にのみ選定されることとなった。この決定をうけ、長らく停止していた新規申請の受付を年内にも再開し、2022-23年サイクルとして新たな選定を行うことになった。 こうしたことを日本でも文部科学省内に「『世界の記憶』国内案件に関する審査委員会」を設置し、新制度に対応できる物件の選定にあたることになり、増上寺(東京都港区)が収蔵する仏教聖典「浄土宗大本山増上寺三大蔵」と、日本と中国の文化交流の歴史を伝える「智証大師円珍関係文書典籍―日本・中国のパスポート―」の2件を推薦することとした。
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