制度改編の経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 18:43 UTC 版)
「陸上自衛隊生徒」および「自衛隊員の削減」も参照 昭和30年(1955年)に設立された陸上自衛隊少年工科学校の生徒である「陸上自衛隊生徒」(以下「旧制度」)は、入校時から階級を与えられる自衛官であった。また、海上自衛隊・航空自衛隊にも同様の生徒制度があった。 これら陸海空自衛隊生徒制度の見直しには二つの目的があった。一つは政府の総人件費改革に伴う定員削減の一環であり、もう一つは18歳未満の自衛官を解消するという目的である。後者は、2000年5月に国連総会で採択された国際条約「武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書」を日本も2004年8月に批准したことによる。自衛官である従来の自衛隊生徒は国際社会においては、同議定書が敵対行為への直接参加を禁止する18歳未満の兵士(少年兵)とみなされる可能性があった。 これに基づき海上自衛隊・航空自衛隊は平成19年(2007年)度入隊者を最後に生徒の募集を終了した。一方陸上自衛隊では生徒の身分を防衛大学校の学生と同様の非自衛官の扱いにすることで制度の枠組みを存続させ、平成20年度採用(平成21年度入隊)分から施行予定としていた。しかし、制度の根拠となる防衛省設置法の改正が2008年の第169回国会で成立せず、さらに2008年9月1日には福田康夫内閣総理大臣が辞任を表明したことから同年秋の第170回国会への法案提出が大幅に遅延し、制度改正は1年先送りとなった。 2009年5月27日、第171回国会の参議院本会議で改正法案が可決・成立して6月3日に公布され、同年11月1日より募集を開始した。翌2010年(平成22年)春に少年工科学校は高等工科学校に改編され、高等工科学校生徒の第1期生を迎えた。なお、改編時の在校生は高等工科学校生徒に変更されることはなく、卒業まで陸上自衛隊生徒であった。
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