制度改正とその動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/27 19:34 UTC 版)
「マスメディア集中排除原則」の記事における「制度改正とその動き」の解説
2006年1月20日から開催されている「通信・放送の在り方に関する懇談会」では、通信と放送の融合時代におけるマスメディア集中排除原則のあるべき姿について、議論が行われている。特に民放BSデジタル放送は各局共に赤字経営が続いている事や、地方では厳しい経済環境から地上民放テレビ局の新規開局が困難な状況であり、情報格差の縮小も狙って、次のようなことの解禁が検討されている。 テレビ局が1社で複数の放送対象地域の放送免許を持つことを認める。 テレビ局が1社で複数の放送波の放送免許を持つことを認める(例として、琉球朝日放送(テレビ朝日系列)の場合、一部を除く放送業務を琉球朝日放送と社屋を併設している琉球放送(TBS系列)に委託していることから、現在事実上の1局2波体制である)。1局2波の場合、既存の社屋・送信所をそのまま使用するため、設備投資は放送設備の設置程度で済む。また、放送業務に必要な社員も大半は既存局の社員を出向扱いさせることで大幅なコスト削減にもつながる。 また、近年のラジオ離れの影響で民放ラジオ局の経営が困難になりつつあるため、日本民間放送連盟(民放連)では2010年2月に総務省に対しラジオ局に対するマスメディア集中排除原則の大幅な緩和を求めた。実際に民放ラジオ局の経営悪化に伴い、2010年4月には関西の外国語放送FM局である関西インターメディア(FM COCOLO)が番組制作のほとんどを同じ大阪のFM802の関連会社に委託するという事案が発生しており、ラジオ局に関する同原則の見直しは急務とも言えた。 こうした事情を受け、2011年3月に総務省は「ラジオ局については、エリアの重複の有無を問わず4局まで100%株式保有を認める」「それ以外の放送局(テレビ局、5局目以降のラジオ局等)についても、エリアが重複しない場合1/3まで株式の保有を認める(従来は20%未満)」という緩和案を発表。これにより、従来は不可能だった「AM・FMラジオ局の同時保有」「同一エリアのラジオ局同士の合併」などが可能になった。これを受けて2012年4月にはFM802がFM COCOLOの免許を継承し、1局2波体制での経営をスタートさせたほか、2020年9月には東京の外国語放送FM局であるInterFMがエフエム東京(TOKYO FM)の関連会社のジャパンエフエムネットワーク(JFNC)の完全子会社になり、JFNの特別加盟局となっている。 なお認定放送持株会社に対しては、当初より子会社化できる局数が「最大12局」となっている。ただし局数の計算方法として「放送対象地域の都道府県1つにつき1局」と計算するため、例えば東京のキー局(1都6県で7局換算)と大阪の準キー局(2府4県で6局換算)を子会社にする場合、合計13局となってしまうため、両社を同時に保有することはできない。
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