子どもの問題行動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/23 22:41 UTC 版)
「親子相互交流療法」の記事における「子どもの問題行動」の解説
破壊的行動の問題は子どもがメンタルヘルスの専門家に紹介される主な理由である。PCITは最初、このような子どもの問題行動に対処する治療として作成された。 反抗挑戦性障害と診断されクリニックに紹介された子どもへのPCITの効果を調べるためのランダム化比較試験の結果では、待機群と比べ、親は自分の子どもとよりポジティブな関わりをしており、子どもはより言うことを聞くことができていることが示唆された。 さらに、治療群の親は、ストレスが減少し、よりコントロールを持つようになったと報告している。 同様の結果が、Boggsら(2004)による、治療プログラムを完遂した家族と、完遂前にドロップアウトした家族とを比較し評価した準実験的研究でも示されている。治療を完遂した家族では、親は子どもの行動と親自身の養育ストレスにおいて治療後10〜30ヶ月後にもポジティブな変化を報告している。治療から早期にドロップアウトした家族では有意な変化は見られなかった。 注意欠損多動障害、反抗挑戦性障害、行為障害と診断された子どものPCITの包括的レビューを行ったメタ分析では、PCITは「破壊的行動の問題を持った子どもの外在化行動を改善する効果的な介入」であることが示された。 PCITの結果として、子どもの行動に加えて親のストレスにも焦点を当てた、別のメタ分析では、PCITは「子どもの外在化行動や、子どもの気質、自己調整能力、行動問題の頻度、親子の交流の難しさ、親の全体的な苦痛など、検討されたすべての結果について、親や主となる養育者の認識に有益な影響」をもたらすことが明らかとなった。 治療プログラムは研究室や家庭で行なわれているにも関わらず、PCITの治療効果は、学校環境でも実証されている。 Funderburk ら (2009)の研究では、PCIT終了後、12ヶ月後と18ヶ月後に学校でのアセスメントが行われた。12ヶ月後での結果では、治療群の子どもは治療後に見られた改善を維持しており、対象群と比較して『行動問題の正常範囲内』まで改善していることが示された。しかし、従うことについては改善が維持されていたものの、18ヶ月後の追跡調査では、いくつかは治療前のレベルにまで低下していることが示された。
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