愛知県知事リコール署名偽造事件
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愛知県知事リコール署名偽造事件(あいちけんちじリコールしょめいぎぞうじけん)は、愛知県知事・大村秀章のリコール(解職請求)のために2020年(令和2年)8月25日[1]から11月にかけて河村たかしと高須克弥の主導のもとに実施された署名活動において、愛知県下の選挙管理委員会に提出された署名のうち8割超に不正があった事実が判明し、後に大規模な署名の偽造が発覚した事件である[2][3]。愛知県知事リコール不正署名事件と呼ばれる場合もある[4]。
- 1 愛知県知事リコール署名偽造事件とは
- 2 愛知県知事リコール署名偽造事件の概要
- 3 年表
- 4 不正署名発覚後の発言
- 5 脚注
- 6 関連項目
愛知県知事リコール署名偽造事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 08:23 UTC 版)
「田中孝博」の記事における「愛知県知事リコール署名偽造事件」の解説
「愛知県知事リコール署名偽造事件」も参照 2019年、名古屋市長の河村たかしに拾われる。4月の県議選に名古屋市名東区選挙区から減税日本公認・日本維新の会県総支部推薦で立候補したが、次点で落選。 「河村市長の減税日本で公認をもらった時は、どたんばだったが、9千票くらい獲得した。やっぱり河村市長の人気なんだろうな、田中の信用なんてないわけだから」と田中はのちに振り返っている。 同年9月22日の稲沢市議会議員選挙に長男の田中一輝が減税日本公認・日本維新の会推薦を受けて立候補するも落選。長男の選挙を通じて、田中は日本維新の会所属の常滑市議会議員の山田豪と知り合う。 同年10月8日、あいちトリエンナーレ2019において、中止されていた企画展「表現の不自由展・その後」が再開される。河村はこれに対し即刻抗議。同日、河村によって愛知芸術文化センター前と愛知県庁前で行われたデモ集会に、田中は減税日本の市議や愛知維新の会の元幹部、右翼団体「愛国倶楽部」のメンバーらとともに参加。「陛下への侮辱を許すのか!」と書かれたプラカードを手に座り込みなどした。同年11月、鈴木宗男の紹介で整形外科医の高須克弥と知り合う。 2020年、河村は田中に「高須さん、リコールやらんかな?」と電話。河村の提案により大村知事リコール運動が始動した(東海テレビ2021年5月21日報道より)。同年6月2日、高須は政治団体「お辞め下さい大村秀章愛知県知事 愛知100万人リコールの会」(通称「愛知100万人リコールの会」)の代表となり、田中は河村の推挙により事務局長に就任した。 同年7月29日、日本維新の会は、田中を衆議院愛知5区選挙区支部長に選任した。 同年8月25日、リコールの署名活動開始。10月18日、田中の命を受けた次男と妻は、大量の白紙の署名簿を載せたワゴン車に乗り、佐賀市に向かった。10月29日、名古屋市内の公共施設に、佐賀市で作成された偽造署名のうち押印のない大量の署名が運び込まれる。田中は常滑市議の山田豪の前で五本の指に赤いインクを付け、「ミスター、こうやってやるんだ」と言いながら次々と署名簿に指印を押していった。 2021年2月1日、リコール団体が県選管に提出した署名のうち、83.2%にあたる約36万2千人分が不正なものであることが明らかとなった。2月25日、田中は愛知5区選挙区支部長を辞任し、離党した。前述の山田は署名偽造に関与した責任をとり、同年4月17日付で議員辞職した。 同年3月頃から稲沢市の自宅にほとんど戻らずに東海地方のホテルを転々としていた田中は「皆さんに迷惑をかけてしまった。最後は伊豆に行きたい」などと述べ、5月18日、ワゴン車で愛知県内のホテルを出発。かつて夫婦で訪れた河口湖畔のカフェに寄り、静岡県伊豆市八木沢の伊東園ホテル土肥に宿泊した。 そして翌19日の午前6時半頃、同ホテルで名古屋テレビ放送(テレビ朝日系列)の取材を受けている際、田中の部屋に愛知県警の捜査員が入室。田中は地方自治法違反容疑で逮捕された。同日、妻、次男、リコール団体会計管理担当者の渡辺美智代の3人も逮捕された。 同年5月26日、フジテレビの情報番組『バイキングMORE』で署名偽造事件が特集され、団体代表の高須克弥はコメントを提供。「田中容疑者は本当に涙ぐましいぐらい僕に献身的」「忠犬ハチ公みたいですから」「僕が倒れそうになると本当に体を張って僕を守ってくれます」と述べ、リコール運動時の田中の相貌を伝えた。 同年5月30日、田中に密着取材した名古屋テレビ制作のドキュメンタリー『民意 偽造』が放映される。高須は番組の中で、田中の逮捕について改めて尋ねられると、「何の関心もないですよ、署名簿がどうやって作られたか。興味はありますけれど、どうでもいいことです」と言い放った。 同年6月8日、愛知県警は田中、妻、次男、渡辺の4人を地方自治法違反の疑いで再逮捕した。6月9日、朝日新聞は田中の単独インタビュー記事を配信。田中も負けずに記者に「リコールなんかなんの興味もなかった」「リコールに関わって損した」と述べていたことが報じられた。 同年6月29日、次男とともに名古屋地方検察庁に起訴された。妻と渡辺は処分保留で釈放された。同年7月13日に名古屋地方裁判所は田中の保釈を認め、同日に保釈保証金1000万円を納付し保釈された。 9月24日に名古屋地方裁判所で初公判が開かれ、所前には早朝から38席の一般傍聴券を求めて306人が列をつくった。田中は、テレビドラマ『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』で、無実の罪で投獄された若者役のディーン・フジオカがあごひげを伸ばしていた姿をイメージし、逮捕時からそらずにいたあごひげ姿(マスク付)で証言台に立った。田中は捜査段階で黙秘を続けており、中日新聞は裁判の長期化の可能性を報じた。 2022年3月16日、名古屋地方裁判所で田中の次男が懲役1年3月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡された。翌17日には田中の妻ら7人が不起訴処分(起訴猶予)となった。一方、田中の公判は先述の初公判を最後に一切開かれておらず、2022年4月現在も第2回以降の公判予定が定かになっていない。
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愛知県知事リコール署名偽造事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 12:30 UTC 版)
「高須克弥」の記事における「愛知県知事リコール署名偽造事件」の解説
詳細は「愛知県知事リコール署名偽造事件」を参照 2020年6月1日、あいちトリエンナーレ2019の企画展「表現の不自由展・その後」と大村秀章愛知県知事の対応を問題視していた名古屋市長の河村たかしは高須に「大村知事のリコール運動をしないか」と持ち掛け、翌6月2日、高須は政治団体「お辞め下さい大村秀章愛知県知事 愛知100万人リコールの会」を設立した。設立発表の会見には、高須の友人である百田尚樹、有本香、竹田恒泰、武田邦彦らが同席し、賛同と支援を表明した。大阪府知事の吉村洋文からも同日、「取り組みには賛成だ。応援する」とエールが送られた。 リコール署名活動は高須と河村が中心となって8月25日から開始される。9月29日、高須と団体事務局長の田中孝博は鈴木宗男参議院議員にリコール運動期限の延長を陳情。鈴木は総務省の担当者に電話した上で、「延長はできない。ルールはどうにもならない」と二人に伝えた。11月7日、高須はがんの病状悪化を理由に活動休止を発表した。43万5231人分の署名を選管に提出したが、解職の賛否を問う住民投票実施に必要な法定数となる約86万6千人には届かなかった。 同年12月4日、署名活動を担っていた請求代表者や受任者が県庁で記者会見し、各選挙管理委員会に提出する直前の点検などで、同一筆跡とみられる署名などが大量に見つかったと発表した。 2021年2月1日、愛知県選挙管理委員会は、同一筆跡や選挙人名簿に登録のない署名などで、署名の83.2%にあたる約36万2千人分を「有効と認められない」とする調査結果を発表した。さらに2月16日、署名偽造のために佐賀市で大量のアルバイトが動員されたことが明るみに出た。 河村は議会から説明責任を問われるが、「組織的な管理、経理の管理をしているのを中心人物という。私はリコール運動の中心人物でない」と強弁。事務局長の田中は「知らんわな俺は。佐賀も知らんし」と述べ、副事務局長で常滑市議会議員の山田豪は「大量の不正署名は大村知事が送り込んだスパイによる妨害工作だ」と陰謀説を唱えた。高須は3月15日の取材に対し「信じられるのは河村市長だけ」と答えている。4月15日、山田は、田中の指示を受けて署名偽造に関与したと明らかにし、4月17日付で議員辞職した。取材を受けた高須は「全権を持っているのは事務局長なんだから」とコメントした。 同年4月中旬、解職請求代表者の一人で、高須の秘書の鈴木美由紀は、高須に、名古屋での指印不正に関与したと打ち明けた。高須は激怒したと言われるが、公表はせずに新聞が報道するまで伏せていた。 同年4月25日、名古屋市長選挙が行われ、河村が前市議の横井利明(自民党・公明党・立憲民主党・国民民主党推薦)らを破り5回目の当選を果たした。当確直後、高須は取材に「義理で市長選が終わるまで我慢していた。リコールをしようと言い出したのは河村さんなのに、私が言い出したとうそをついたことは許せない。いざという時に逃げる人とは今日をもって友達をやめて、絶交します」と答えた。過去の共闘体制を振り返り「ハメられた」と述べ、「(今後も)高須マネーをあてにされるのはごめんです」「河村市長の正体がわかって嫌になった」と胸の内を明かした。 同年5月19日、事務局長の田中、田中の妻、田中の次男、団体の会計管理を担っていた渡辺美智代の4人が逮捕。5月20日、秘書の鈴木が名古屋市の生涯学習センターで指印不正に関与していたことが明らかとされた。 同年5月26日、フジテレビ制作の情報番組がリコール署名偽造事件を特集。高須は取材班に対し「このリコール運動で1円でも損失を被ったっていう人がいれば全部それは補填します」と答えた。6月1日、請求代表者を務めた73歳の男性が署名偽造事件で精神的苦痛を受けたなどとして、リコール団体と高須、田中ら幹部3人を相手取り、慰謝料など500万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こしたことが明らかとなった。提訴は3月16日付。男性は「真摯にリコール運動を展開したのに『不正署名を行った請求代表者』のレッテルを貼られた」と主張している。 同年11月12日、秘書の鈴木美由紀は、自身が役員を務める「高須ホールディングス」(名古屋市中村区名駅)の建物内で署名を偽造した疑いで従業員の50代女性とともに書類送検された。鈴木は「署名の数が足りない。高須先生は(偽造を)知っている」などと言って、ほかの従業員らに手伝うよう指示し、報酬として一人あたり5万円を渡したとされる。高須は取材に応じ、鈴木らの書類送検について「100%知らない話なんです。全く知りません」と回答。また、鈴木への偽造の指示に関し、「絶対にしません。絶対にです。僕は間違ったこと、曲がったことやるのは大嫌いですから」と述べ、自らの関与を否定した。 2022年3月17日、山田や鈴木、女性従業員ら7人が不起訴処分(起訴猶予)となった。
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愛知県知事リコール署名偽造事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 02:35 UTC 版)
「あなたの特命取材班」の記事における「愛知県知事リコール署名偽造事件」の解説
「愛知県知事リコール署名偽造事件」も参照 2020年8月25日から11月にかけて愛知県知事の大村秀章に対するリコール運動が行われた。ところが、県内の市町村選挙管理委員会に提出された署名のうち故人や県外への転出者の氏名が含まれていたり同一人物の筆跡や拇印による無効なものが全体の8割前後にのぼったとして被疑者不詳で刑事告発がなされた。 佐賀県で募集された名簿から署名を書き写すアルバイトの参加者からあなたの特命取材班に寄せられた情報を基に西日本新聞社と中日新聞社が合同で取材活動を行い、2021年2月16日付の両紙では佐賀市の佐賀県青年会館で行われた大規模な署名偽造の実態が報じられた。 これらの合同取材による一連の報道について、西日本新聞社と中日新聞社は2021年の新聞協会賞を受賞した。
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