なかむら‐く【中村区】
読み方:なかむらく
⇒中村
中村区
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/08 15:30 UTC 版)
なかむらく ![]() 中村区 |
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---|---|
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国 | ![]() |
地方 | 中部地方、東海地方 |
都道府県 | 愛知県 |
市 | 名古屋市 |
市町村コード | 23105-3 |
面積 | 16.30km2 |
総人口 | 143,406人 [編集] (推計人口、2025年6月1日) |
人口密度 | 8,798人/km2 |
隣接自治体 隣接行政区 |
名古屋市(中区、中川区、西区) 清須市、あま市、海部郡大治町 |
区の木 | サツキ |
区の花 | スイセン |
中村区役所 | |
所在地 | 〒453-8501 愛知県名古屋市中村区松原町1丁目23番地1 北緯35度10分36秒 東経136度52分5秒 / 北緯35.17667度 東経136.86806度座標: 北緯35度10分36秒 東経136度52分5秒 / 北緯35.17667度 東経136.86806度 ![]() |
外部リンク | 名古屋市中村区 |
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ウィキプロジェクト |
中村区(なかむらく)は、名古屋市を構成する16行政区の一つで、区の東部には東海道新幹線や在来線、私鉄各線、市営地下鉄などが乗り入れるターミナル駅の名古屋駅が位置する。
概要


名古屋市の鉄道玄関口である名古屋駅周辺は、江戸時代までは、名古屋城の城下町から西へ外れた湿地帯であり、笹島と呼ばれていた。 しかし、明治になると、東海道本線が引かれた際に名古屋駅が設置され、戦前から商工業地域として栄えた。 この頃、同時に名古屋有数の風俗街となる中村遊廓も発展した。駅ビルのJRセントラルタワーズやその核店舗のJR名古屋タカシマヤの開業を契機として、2000年代以降は再開発により日本有数の超高層ビル街へと変貌を遂げた。名古屋駅周辺(特に東側)は名駅と呼ばれ、中区の栄地区と並ぶビジネス街・商業エリアへと成長した。名駅は、2027年のリニア中央新幹線開業に向けて現在も大規模な再開発が進んでいる[1]。名古屋駅南部の笹島地区は、かつてはドヤ街であったものの、ささしまライブ24地区として笹島駅(貨物駅)跡地が再開発され、新都心のような都市景観を形成している。
一方で名古屋駅西側は、歴史的な関係や地権者の問題から大規模な開発は進められておらず、東側ほど発展はしていない。名駅エリアを除いて、区内全域が名古屋市内きっての典型的な下町地域となっており、戦前からの住宅街でもあるがゆえ現在でも下町情緒溢れる街並みを残している。区の中央部には市内唯一のソープランド街(旧中村遊郭をルーツとする)が位置している。
名古屋市営地下鉄桜通線延伸や名古屋市営地下鉄東部線整備などの計画もあり、今後の発展が注目されているが、未だ実現へ至っていない。
地理

地形
河川
- 主な川
地域
- 主な地域
人口
中村区の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より[2] |
隣接自治体・行政区
- 名古屋市の行政区
- 他の市町村
歴史
古代


沖積平野上に位置し、古墳時代以前の遺跡は乏しい。遊里ヶ池遺跡(道下町3丁目)から縄文土器の出土が僅かに確認できる。古墳は庄内川左岸の岩塚古墳群(岩塚町)や高須賀町[注釈 1]で小規模な円墳が確認されている。他に、烏森町の烏森遺跡で古墳時代から平安時代の須恵器が出土する程度である。
「中村」という地名は、奈良時代の律令制下から確認できる古い地名である。史料上の初出は平城京出土の木簡で「尾張国愛知郡中寸」と書かれている。「寸」は「村」の略字で、8世紀以前には「中寸」とも表記されていたことが分かる。平安中期成立の『和名類聚抄』にも愛智郡中村郷の記載があり、律令制下では尾張国愛知郡内の郷(里)の一つであった。この当時に「中村郷」と称されていた地域の範囲は不明だが、概ね現在の中村区中部から北部の一帯であるとするのが定説である。稲葉地町から横井などの中村区南部については律令制下では愛知郡千竈郷であったことが近年判明している。
区内の式内社としては、岩塚町の七所社を愛智郡「御田神社」に比定する説がある。油江天神社(中村町二丁目)は平安末期成立の『尾張国内神名帳』に「油江天神」として記載のある古社である。他に土江神社(日比津町)も、『尾張国内神名帳』記載の古社に比定されている。
中世
鎌倉時代には律令制下の中村郷が分割され、「上中村郷」「下中村郷」などに分かれていたことが知られている。当時の中村は国衙領と考えられるが、鎌倉後期の『熱田宮領注進状案』に「上中村郷」とあり、熱田神宮領もあったらしい。鎌倉期から南北朝期の熱田神宮関連史料には「岩墓郷」(後の岩塚町)、「大脇郷」(後の大秋町)、「泥津郷」(後の日比津町)、「薦野郷」(後の米野町)などが見え、後の地名に通じるいくつかの郷が成立していた。伊勢神宮領の一楊御厨も現在の中村区南西部まで及んでいた。
中世には鎌倉街道[注釈 2]の経由地となっており、特に東宿町は萱津宿の庄内川東岸の宿場として栄え、13世紀の『東関紀行』に「かやつの東宿」として記録が残っている。しかし室町期には海岸線の南下により街道のルートが変化し、萱津宿も衰退した。
戦国期には織田信秀が中村郷に給知を得たらしく、織田秀敏に相続された記録が残る。天正年間の『信雄分限帳』には「中村の郷内 大屋十郎兵衛」とあり大屋十郎兵衛らが知行地を与えられていた。
豊臣秀吉は現在の中村区域に相当する尾張国愛知郡中村郷中中村に生まれており、太閤、千成、日吉、豊臣、本陣など、秀吉に関する地名や小学校名が多い。また、熊本城などを筆頭に築城の名手であった加藤清正も中村生まれである[3]。
近世
江戸期には愛知郡上中村、下中村が成立し、これらの村名が後に区名として採用されることになる。中村区内にあった江戸期の村としては他に、岩塚村、中野高畑村、大秋村、中島村、稲葉地村、日比津村、栄村、米野村、烏森村、平野村、牧野村、広井村などがあった。
1636年(嘉永13年)、東海道の脇往還として、佐屋街道が整備され、砂子村から宿場が差し替えられ、岩塚村(現在の愛知県名古屋市中村区岩塚町)に岩塚宿が設置された。
歌舞伎役者の初代中村勘三郎は中村と縁があり、出自は名古屋中村とも言われている。
近代
明治期に愛知郡上中村、下中村、岩塚村、中野高畑村、大秋村、中島村、稲葉地村、日比津村、栄村が複数回の合併を経て、1906年(明治39年)に愛知郡中村が成立した。ただし栄村の一部は名古屋区に編入されている。1921年(大正10年)に愛知郡中村は名古屋市に編入され、名古屋市西区の一部となる。
1923年(大正12年)4月1日 、中村遊廓(または中村旭廓)が開業。ただし当時の新聞記事によると、4月1日に一斉移転できたわけではなく、一部の業者は移転未了のままのスタートだった。新生中村遊廓は、日吉(ひよし)・寿町(ことぶき)・大門(おおもん)・羽衣(はごろも)・賑(にぎわい)の5つの町からなっていたため、五町街(ごちょうまち)[4] または五丁町(ごちょうまち)と呼ばれた。
-
名古屋市都市景観重要建築物等に指定されている料亭「稲本」
近現代
1937年(昭和12年)10月1日、西区と中区の一部から旧愛知郡中村の領域とその周辺地域を分離して中村区が新設された。その後、中川区との間で、境界線を概ね関西本線に合わせるよう修正している。
区の人口は1960年代後半に20万人台に達し、市内で最多の住民を擁する地域となったが、それ以降は名古屋東方への市街地拡大や、高い人口密度による生活環境の悪化により急速に人口流出が進み、2000年代前半には13万人台まで減少した。しかし、名古屋駅至近の立地から区東部を中心にマンション建設が進み、現在は再び増加傾向にある。
政治
行政
役所
- 区役所
- その他
-
名古屋市中村環境事務所
出先機関・施設

国家機関
外務省
経済産業省
厚生労働省
財務省
防衛省
- 自衛隊愛知地方協力本部 名古屋出張所
特殊法人
- 中村年金事務所
施設



中村公園文化プラザ

警察
- 警察署
- 交番
消防
- 消防署
- 出張所
- 日比津出張所(中村区高道町5-2-18)
- 椿出張所(中村区則武2-1-21)
- 岩塚出張所(中村区剣町158)
医療・福祉
- 主な病院
郵便局
- 郵便番号
郵便番号は以下の通りとなっている。
- 中村郵便局:453-00xx、453-08xx、453-85xx、453-86xx、453-87xx
- 名古屋西郵便局(西区):450-00xx、450-60xx、450-62xx、450-64xx、450-85xx、450-86xx、450-87xx
- 主な郵便局
文化施設
- 図書館
- 劇場
運動施設
- 稲葉地公園野球場
- 名古屋市中村スポーツセンター
- 名古屋競輪場
対外関係

国際機関
国際連合機関
領事館
- 総領事館
駐名古屋大韓民国総領事館
- 領事館
- 名誉総領事館
在名古屋コスタリカ共和国名誉総領事館
- 名誉領事館
経済


第三次産業
商業
- 主な繁華街
- 百貨店
- ジェイアール名古屋タカシマヤ
- 名鉄百貨店
- 近鉄百貨店名古屋店(近鉄パッセ)
- スーパーマーケット
- 家電量販店
- ホームセンター
- DCM - 八田店、名古屋黄金店
- その他の商業施設
- 書店等
金融機関
拠点を置く企業
情報・生活
マスメディア
新聞社
放送局
- テレビ
中継局
ライフライン
電力
ガス
上下水道
電信
交通


鉄道
鉄道路線
- 東海旅客鉄道(JR東海)
- ■ 東海道新幹線:(岐阜県羽島市)- 名古屋駅 -(安城市)
- ■ 東海道本線:(清須市)- 名古屋駅 -(名古屋市中川区)
- ■ 中央本線:名古屋駅 -(名古屋市中川区)
- ■ 関西本線:名古屋駅 - (笹島信号場) - 八田駅 -(名古屋市中川区)
※ 北隣の栄生駅も、当区と西区との境に所在する。
- 名古屋臨海高速鉄道
- ■西名古屋港線(あおなみ線):名古屋駅 - ささしまライブ駅 -(笹島信号場)-(名古屋市中川区)
地下鉄
- 名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)
- ■ 東山線:(名古屋市中区)- 名古屋駅 - 亀島駅 - 本陣駅 - 中村日赤駅 - 中村公園駅 - 岩塚駅 -(名古屋市中川区)
- ■ 桜通線:太閤通駅 - 名古屋駅 - 国際センター駅 -(名古屋市中区)
※ 地下鉄八田駅は中川区に所在するが、当区から徒歩圏内にある。
バス
バス路線
- 主なバスターミナル
道路
高速道路
国道
- 区内には一般国道が1本も走っていない。
県道
- 主要地方道
- 愛知県道60号名古屋長久手線(広小路通)
- 愛知県道68号名古屋津島線(太閤通・名駅通・桜通)
- 一般県道
- 愛知県道106号鳥ヶ地名古屋線
- 愛知県道107号中川中村線(江川線)
- 愛知県道115号津島七宝名古屋線
- 愛知県道190号名古屋一宮線
- 愛知県道200号名古屋甚目寺線(外堀通)
- 愛知県道229号八田停車場線
市道
- 主要地方道
- 名古屋市道名古屋環状線(環状線)
- 名古屋市道愛知名駅南線(名駅通)
- 名古屋市道山王線(名駅通)
- 名古屋市道江川線(江川線)
幹線道路の道路通称名
- <南北の通り>
- <東西の通り>
教育
専門職大学
- 私立
- 国際ファッション専門職大学 名古屋キャンパス
- 名古屋国際工科専門職大学
大学院大学
- 私立
- グロービス経営大学院大学 名古屋キャンパス
- 事業構想大学院大学 名古屋校
大学

- 私立
※ 他に、東京通信大学、名城大学、名古屋経済大学のサテライトキャンパスや広報センターが設置されている。
専修学校
- さつき調理・福祉学院
- 東海医療科学専門学校
- 学校法人立志舎
- 東京IT会計専門学校 名古屋校
- 東京法律専門学校 名古屋校
- トライデントデザイン専門学校
- 学校法人日本教育財団
- 名古屋未来工科専門学校
- 日本デザイナー芸術学院 名古屋校
- 日本マンガ芸術学院
- 日本聴能言語福祉学院
- 学校法人名古屋大原学園
- 大原簿記情報医療専門学校
- 大原法律公務員専門学校
- 大原トラベル・ホテル・ウエディング専門学校
高等学校
- 県立
- 私立
中学校
- 市立
- 私立
小学校
- 市立
インターナショナルスクール
観光

スカイプロムナード



名所・旧跡
- 城郭
- 稲葉地城
- 岩塚城
- 大秋城
- 烏森城
- 栗山城
- 米野城
- 日比津城
- 寺院
- 主な神社
- 街道
- その他の主な史跡
観光スポット
- 文化施設
- その他
- 公園
- 温泉
文化・名物
祭事・催事
- 主な祭事
スポーツ
公営競技
出身・関連著名人


歴史人物
- 豊臣秀吉(桃山時代の最高権力者、三英傑の1人)
- 豊臣秀長(豊臣秀吉の異父弟、大和大納言)
- 加藤清正(戦国武将、豊臣秀吉の子飼い家臣、肥後熊本藩初代藩主)
- 小出秀政(戦国武将、和泉岸和田藩初代藩主。但馬出石藩小出家初代頭首)
- 中村一氏(戦国武将、豊臣家家臣、三中老の1人、出自は諸説有り。)
- 中村勘三郎(江戸時代の歌舞伎役者、中村座の創始者)
- 坪内鋭雄(坪内逍遥の甥、作家、日露戦争に従軍し戦死)
- 饗庭孝男(文芸評論家)
政治家
芸能
- 玉木宏(俳優)
- 中村浩一( 実業家・芸能プロモーター・パーソナリティー・名古屋アイドル「dela」事務所社長)
- 森下千里(タレント)
- 矢野晶裕(アーティスト、音楽プロデューサー、タレント、DJ)
- 山田まりや(タレント・女優)
スポーツ選手
脚注
注釈
出典
- ^ “名古屋駅周辺の再開発、高さ180mの高層ビル3棟でホテル・商業施設・オフィスなど整備へ…名古屋鉄道の原案”. 読売新聞オンライン (2023年11月23日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ 「毎月1日現在の世帯数と人口(全市・区別)」
- ^ “名古屋市秀吉清正記念館|名古屋市博物館”. www.museum.city.nagoya.jp. 2024年4月13日閲覧。
- ^ 稲川勝次郎『歓楽の名古屋』趣味春秋社(1937年)
- ^ “中村区役所等の移転について”. 名古屋市. 2022年7月11日閲覧。
関連項目
- デ・ラ・ファンタジア:2005年日本国際博覧会ささしまサテライト会場
- 名駅地下街サンロード
外部リンク
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中村区
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 18:04 UTC 版)
中村区は1937年、中区・西区の各一部より成立した。ここでは設置当時の区内の地名を列挙する。 北一色町(1944年中川区に編入) 南平野町(1944年中川区に編入) 西日置町(1944年中川区に編入) 露橋町(1944年中川区に編入) 米野町(中区米野町と西区米野町を統合) 牧野町(中区牧野町と西区牧野町を統合。1937年一部が西区に編入。1944年西区牧野町を統合) 高須賀町(旧西区、1941年廃止) 八田町(1944年一部が中川区に編入) 広川町(1944年中川区に編入) 横堀町(1944年中川区に編入) 東出町(1944年中川区に編入) 前並町(1944年中川区に編入) 西宮町(1944年中川区に編入) 向町(1944年中川区に編入) 八田本町(1944年中川区に編入) 笈瀬町(1944年中川区に編入) 舟戸町(1944年中川区に編入) 五月通(1944年中川区に編入) 中京通(1944年中川区に編入) 三ツ池町(1944年中川区に編入) 若狭町(1944年中川区に編入) 明石通(1944年中川区に編入) 運河通(1944年中川区に編入) 九重町(1944年中川区に編入) 月島町(1944年中川区に編入) 百船町(1944年中川区に編入) 福住町(1944年中川区に編入) 柳堀町(1944年中川区に編入) 広住町(1944年中川区に編入) 小栗通(1944年中川区に編入) 則武町(旧中区) 枇杷島町 栄生町 日比津町 中村町 下中村町(旧西区。1938年中川区下中村町を統合) 稲葉地町 日吉町 羽衣町 賑町 大門町 寿町 中村本町 太閤通 鳥居通 本陣通 菊水町 東宿町 草薙町 元中村町 香取町 宿跡町 鳥居西通 靖国町 新富町 藤ノ宮通(1984年栄生町(中村区)に編入され廃止) 千原町 大日町 佐古前町 西山町(1964年塩池町に編入され廃止) 稲葉地本通 稲花町(1949年廃止) 小柳町(1949年稲葉地町・稲葉地本通・香取町・鳥居西通に編入され廃止)
※この「中村区」の解説は、「名古屋市の地名」の解説の一部です。
「中村区」を含む「名古屋市の地名」の記事については、「名古屋市の地名」の概要を参照ください。
「中村区」の例文・使い方・用例・文例
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