地球の技術など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/26 02:16 UTC 版)
舞台設定は21世紀であるが、地球側のメカニックの形状は執筆当時のものに準じている。 メトロポリタンX 世界の都とよばれる大都会で、ペニー、ロッタの故郷。中央部にはセント・エルザ河が流れている。バグア彗星人の侵略に対抗する地球防衛本部や地球科学者合同会議が置かれており、地球防衛の中心となっている。所在は不明。「メトロポリタンX國立病院」が存在しており、独立国である可能性もある。また、市内の看板などには英語が用いられている。 コメット号 B国が運用する最新鋭の原子ロケット小型旅客機。シドニー飛行場からロンドンへ向かう途中、太平洋上で小型ヘルメット・ワームの襲撃を受け遭難するが、乗客乗員はA国の大型客船ウェスト号に救助された。後退翼を持ち、4基の原子ロケットエンジンにより時速500マイル(805km/h)の快速を発揮する。乗客定員は80名。また、緊急時の着水装置として胴体と両翼にフロートを格納している。 実在する旅客機DH.106 コメットとは別物で、形状はむしろB-47に近い。 G放電装置 ブレスト博士が開発した光線兵器。「G放電管」とも呼ばれる。ヘルメット・ワームに対しては有効だったが、怪ロケットには効かなかった。空間にある全ての粒子を圧縮する赤色光線で、その物凄い圧力によって相手を破壊する。ジェームス機を初めとする直線翼の新鋭機や航空船に搭載された。なお、この新鋭機はG放電装置のほかに原子爆雷を装備している。 A号緊急指令 地球科学者合同会議が発する指令で、強力な電波を用いて発生させた人工雷雲で全地球を包みこみ、敵の宇宙からの侵入を防ぐもの。大型ヘルメット・ワーム迎撃のために発令され大型ヘルメット・ワーム1隻を撃墜したが、残りのヘルメット・ワームが同種の電波を発して落雷を周囲の空間に向けたため、ヘルメット・ワーム群の迎撃はならなかった。 M・B7号 国際海上警察隊の海上海中警備船。バグア彗星人に撃沈された大型客船R・L号の捜査に向かい、海中に潜む大型ヘルメット・ワーム群を発見した。原子魚雷と海中レーダーを装備している。 航空船 スチムソン博士とブレスト博士が開発した巨大なロケット機。メトロポリタンX郊外の科学研究所で2隻が建造中に、ジョンソンが仕掛けたダイナマイトによって破壊されるが、その後再建なった1隻が、ペニーとビリーの操縦により未完成の状態でバグア彗星人の攻撃を脱した後、O地点で地球科学陣と合流し、ジェームスをパイロットとしてバグア彗星人に対する戦闘に投入された。 船体はヘルメット・ワームの淡紅色光線に耐える軽金属の特殊合金からなり、動力は12基の原子(アトム)ジェット。乗員は13名。武装としてG放電装置のほかに、G放電の数千倍の威力を持つ原子「U・K(ウラン・カートリット)」を用いた巨大な火球を発射することができる。また、腹部に小型機を搭載している。 無線操縦偵察ロケット機 O地点の地下秘密工場で製造されていた一種の宇宙探査機。月の裏側に位置するバグア彗星の偵察に用いられた。双胴の航空機然とした形状を持ち、無線送信電子撮影機を装備している。地球に帰還するのはフィルムの入った小型爆弾ほどの大きさのカプセルのみ。 新鋭ロケット機 原子病特効薬を受け取りにニューヨークへと赴く際に、ペニーとビリーがモリソンとともに搭乗した原子動力のロケット機。時速数千キロで成層圏を飛行する。 新鋭旅客船 双胴の大型汽船。後部甲板は短時間で飛行甲板として使用可能にすることができ、エンジン故障を起こした新鋭ロケット機が緊急着船した。このほかに起重機や小型水上機とカタパルトを有している。 海の狼(シー・ウルフ) メトロポリタンX警察本部の海上駆逐艇隊に所属する特殊潜水艦。複数隻が海中艦隊「海の狼(シー・ウルフ)艦隊」を編成しており、司令艦の艦長はブラッド少佐が務める。ペニーらを捕らえた大型ヘルメット・ワームを追撃し、青鮫島のバグア根拠地を発見した。船体は特殊合金製で動力は原子力。水中での索敵には海中レーダーとテレビジョン式潜望鏡を用いる。武装として15センチロケット砲などを有するほか、マウント・キャットを1台艦載している。 実在する原子力潜水艦シーウルフおよびシーウルフ級原子力潜水艦とは別物。 メトロポリタン 海上駆逐艇隊の旗艦である戦艦。青鮫島に上陸する海兵隊の支援砲撃を行った。その後、青鮫島攻略に赴いた世界連合艦隊の旗艦となりバグア彗星人と交戦したが、その模様は間接的にしか描かれていない。艦容はアイオワ級戦艦に類似している。 山猫(マウント・キャット) 青鮫島攻略に数百台が投入された高性能小型戦車。地球陣の海兵隊が運用するほか、シー・ウルフにも艦載されている。乗員は3名で、ブラッド少佐やクレイトン大尉が搭乗した。車体は特殊合金製で、15センチロケット砲や火焔放射器、強力毒ガス「ネオ・ウラッド」の噴射装置などを装備している。また、砲塔を撤去した兵員輸送車型も登場している。 挿絵での形状は統一されておらず、四種類の形状が存在する。 地底戦車(ドリル・カッター) 青鮫島攻略に投入された地底戦車。地底に機甲部隊が通る突撃路を掘るための車両のため武装は持たないが、車体前部にドリルを有し、車内に岩盤破壊用の高性能爆薬「黄色B号爆薬」を搭載している。 ブラック・スワン号 スーパー・モールをメトロポリタンXから青鮫島へと運んだ快速輸送船。出航時にバグア彗星人が発生させた津波に巻き込まれそうになり、その際に港にいたロッタとエメリーを乗船させた。その後、スーパー・モールの輸送には成功したが、青鮫島に捕らえられていた地球人捕虜を乗せて帰路についたところで、大型ヘルメット・ワームの襲撃を受けて撃沈された。 超もぐら戦車(スーパー・モール) ドリル・カッターに代わって青鮫島攻略に参加した新鋭地底戦車。乗員は2名で、登場したうち1台にはクレイトン大尉とビリーが搭乗した。車体とその両脇に計3基の錐もみ推進器(ドリル)を装備し、地中の障害物は地中聴音器で探知する。また、ドリル・カッターとは異なり、原子ロケット弾で武装している。車体の強度もかなりのもので、数十メートル落下しても機能に支障はない。 H・Y光線 ウイリー博士が開発した赤色・雷光状の放射線。大型ヘルメット・ワームを一撃で撃墜する威力を持つ。後退翼を持つ新鋭戦闘機に搭載され、ジェームスらがパイロットとなって青鮫島の戦いに投入された。この新鋭戦闘機はH・Y光線のほかに、機関砲とロケット弾で武装している。 宇宙の騎士(ユニバース・ナイト) スチムソン博士がブレスト博士、ウイリー博士らとともに開発した新鋭機。本編に実機が登場することはなく、『宇宙艦隊』ではじめて登場する。当初は10機ほどが量産される予定だったが、アペニン山脈に築かれたバグア彗星人の大要塞攻撃には3機のみが参加した。一番機の司令官はベルグソン大佐で、ジェームスがパイロットを務めている。 三つの胴体を持つ大型のロケット機で、宇宙空間でも戦闘が可能な宇宙戦艦。乗員は22名で、無重力空間ではマグネット靴を着用。左右の胴体は子機「ベビーナイト」となっており、状況に応じて分離合体する。動力源は原子力と、さらに強力なブレスト博士が発明した宇宙線であり、航続力は無限。大気圏離脱の際には、より大型の全翼型原子飛行機に背負われた状態でカタパルトから打ち上げられ、高高度まで上昇した後に発進する。武装としてウイリー博士が改良したG光線と、複数の原子ロケット砲を装備。また、ベビーナイトとは別に、機内に偵察機を搭載している。 ゴールデン・スター号 ユニオン・パシフィック鉄道がワシントン - セントルイス間で運行する特急列車。原子エンジン搭載の原子力機関車に牽引されている。メトロポリタンXを離れてシンシナチへ向かうビリーが乗車し、車内でブレナーと出会った。 宇宙要塞 一種の宇宙ステーション。作中には飛行可能な模型のみが登場する。ビリーがバグア彗星人撃退のために考案したもので、すでにブレナーが構想を完成させていた。形状は円盤型で、光線を武器とする。 CF-100 カナック 実在する戦闘機。地球空軍ベルギー基地所属機(現実でもベルギー空軍に配備されていた)で、作中ではすでに旧式化している。コンゴー地方のヌヤッサ草原にヘルメット・ワーム出現との報を受け先発隊として出撃したが、スーパー・ヘルメット・ワームにはかなわず全機撃墜された。実機とはエンジン部などの形状が多少異なり、ロケット高性能爆弾を装備している。 シューティングスター メトロポリタンX科学研究所でウィリアム博士らが開発した、地球空軍の新鋭戦闘機。ジェームス戦斗機隊に配備され、コンゴー地方に出現したスーパー・ヘルメット・ワーム迎撃のためにカナックに続いて出動した。デルタ翼と原子エンジン1基を有し、その性能はスーパー・ヘルメット・ワームを上回る。武装はヘルメット・ワームの淡紅色光線よりも長射程な原子空中魚雷。 挿絵に描かれたマーキングを除いて、作中では名称は登場しない。また、実在する戦闘機F-80 シューティングスターとは別物である。
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