冥府軍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 00:36 UTC 版)
「新・光神話 パルテナの鏡」の記事における「冥府軍」の解説
メデューサおよびハデスが率いる、冥府界の怪物を集めて生み出した軍団。前作から引き続き登場しているキャラクターも多数見受けられ、更にビッグ死神など新たな魔物も登場している。「冥府軍」という組織名が判明したのは本作が初である。 冥界女王メデューサ(Medusa) 声 - 進藤尚美 冥府軍の指導者である、かつてピットに倒された闇の女神。9章のボス。25年ぶりに復活を果たし、再び冥府軍の魔物たちを支配下において「冥府軍」を再編、パルテナとピットへの復讐を誓い侵攻を開始する。 顔立ちは美しい女性ながら、不気味な青白い肌とヘビになった頭髪を持つが、これは過去にパルテナから掛けられた呪いによるものである。本作でのデザインは、一作目リメイク版等でメデューサ撃破時に登場する本体に近いものである。本作からの追加デザインとして、紫と金色の法衣を着ており、ケーリュケイオンの杖や∞を模ったウロボロスを組み合わせたような杖を手にしている。 ただし、これは魔力によって表面だけ取り繕った姿であり、本気を出す際は一作目と同様の、一つ目にヘビの髪と皮膚を持つ巨大な頭部だけの姿となる。 後述のように、ハデスによって蘇らされ、操られていたがメデューサ自身はそれを知らずに行動していた。そのため、25章ではピットとハデスの最終決戦時に執念で一時的に再復活をとげて遊びで自分を利用していたハデスに攻撃を仕掛け、ピットを救うこととなる。なおメデューサのパルテナとピットに対する憎悪の念が強かったことから、蘇らせることはハデスにとって容易だったらしい。 後述のアニメーション『メデューサの逆襲』では呪いをかけられる前の姿が少しだけ登場しており、黒い長髪で色白という美麗な姿だったが、人々を石にして砕くという悪事を行っていた。 魔獣ツインベロス(Twinbellows) 炎の毛皮につつまれ、2つの頭を持つ犬の姿をした冥府界の魔獣。本作で最初に戦う事になるボス。 先述のように前作から引き続き登場のキャラクターであるが大幅にブラッシュアップされている。なお、この変化はガイナスから魔力を注がれてパワーアップしたためとされている。実力はかつてより上がっていたが、ピットの成長はそれを凌ぐものであり、ピットからは散々コケにされた上、容易に浄化された。 9章ではメデューサの力により再生、意思を持たないかいらいとなっている。 魔王ガイナス(Dark Lord Gaol) 声 - 皆川純子 冥府軍の幹部で、禍々しい鎧をまとった人物。2章ボスで、人間軍への攻撃を指揮する。 かつてマグナとは親友であり戦友だったのだが、冥府軍の偵察中に捕らわれて魔王の鎧を着させられ、心の弱さからそのまま混沌の力に魅入られて洗脳、冥府軍の一員となってしまった。 ピットとマグナに倒されるが辛うじて一命は取り留めるとともに洗脳から開放され、終盤にマグナとともに再登場する。 三つ首龍ヒュードラー(Hewdraw) 声 - 高塚正也 3章のボス。前作から引き続き登場のキャラクターで、蛇や竜のような外見をした巨大な魔物。前作では巨大な蛇そのものといった姿だったが、本作では三つの頭を持つ空飛ぶ蛇竜となっている。メデューサの命令でエンジェランド進攻の指揮を担当する。 3つの頭部はそれぞれ個別に人格を持っており、左から過激派・正統派・温厚派と言い、まるでコントのような掛け合いを行う。なお、体色も頭部ごとに若干違う。ダメージを受けると胴から頭部がもげ落ちてしまうが、頭部だけでも活動でき、さらに頭部から胴を再生することもできる。頭部から胴体を再生した際の姿はファミコン版を髣髴とさせる巨大蛇のような姿となる。倒す順番によって、ムービーやセリフが微妙に変化する。 9章では再生ヒュードラーの姿で他の再生ボス同様に傀儡として再生。 ビッグ死神(Great Reaper) 4章のボス。集めた魂を冥府界に届ける死神たちの長老かつ総元締めで、「死神砦」の主。パルテナの付けた略称は「ビッ死に」。20メートル近い巨体を持つ。死神軍団を統括しつつ「トラップダンジョン」への入り口を隠す魔力を展開していたため、パンドーラを捜していたパルテナ軍の標的になった。 元々は普通の死神だったが魂をつまみ食いすることで大きくなり、今でもたまに届けるはずの魂をつまみ食いしてしまうらしい。元の小さい姿になることも可能で、時々砦内の散歩を楽しんでいる。 邪神パンドーラ(Pandora) 声 - 鈴木麻里子 冥府軍の幹部である災厄を司る女神で、前作から登場のキャラクター。青い人魂の姿をしているが、怒ると赤く燃え上がる。どこか達観した飄々とした性格をし、けだるそうに喋る。5章、22章のボスだが、物語の都合上、9章でも戦う事になる(9章ではツインベロス、ヒュードラー同様に意思を持たない傀儡として登場、22章では後述の第2形態がある)。 「トラップダンジョン」と呼ばれる異次元に隠された砦で「真実の魔鏡」を使い魔物を複製・量産していた。量産以外はやっていなかったため暇だったらしく、砦内部はサーキットやトランポリンの間など本人の趣味満載になっていた。 ピット達に倒された後、ブラックピットに魔力を吸収されてしまうが、ストーリー終盤で「巻き戻しの泉」の力で復活。ブラックピットに復讐するも、返り討ちに遭い、奥の手として再度巻き戻しの泉の力を使用。肉体を再生させて「女戦士パンドーラ」となる。女戦士パンドーラ 22章のボス。若かりし日のパンドーラで、妖艶な美女。瞬間移動などを駆使して戦う相当な実力者で、かつては神界で戦車の主と一戦交えたこともあるらしい。だが寄る年波には勝てず、戦闘時の不覚から身体を失うが、意志体として平然と復活して上記の「邪神パンドーラ」となった経緯を持つ。この姿の頃は色っぽい口調で話していた。本人は当時の声を気に入っていたらしく、肉体を再生した際は声帯がある事を喜んでいた。 身体を取り戻した際、あまりの変わりように周囲を驚愕させ、ハデスにさえ泉の危険性を認識させた。 魔神タナトス(Thanatos) 声 - 伊藤栄次 7章のボス。冥府軍の最高幹部である、死を司る神。元のファミコン版ではメデューサから伸びるヘビの髪のような怪物であったが、本作では丸々とした姿の怪人となっている。なお、前作と姿が違う理由は「前作ではメデューサを守り戦うため変身していたから」とされている。 一作目における立場が立場だけにか、ピットからは存在を忘れ去られていた。かなりひょうきんな口調でかつ怠け者であるが、冥府軍内でも相当な実力者であり、高度な変身能力を持つ。一度ピットに倒されたが、死を司る神というだけあり復活も容易で、14章ではエレカと互角の戦いを演じた。冥府における格はメデューサより上である可能性も示唆されているが、当の本人は上下関係や序列には興味が無い。なお、「〜デス」が口癖だが、これは「死」を意味する「デス(Death)」とかけたものとなっている。 後述のアニメーション『空飛ぶ木馬』にも登場し、奪った巨大木馬を「暗黒の翼」という魔術で飛翔させたり、鉄球を作って投げつけるなどゲームでは見せない能力を使っていた。 冥府神ハデス(Hades) 声 - 大塚芳忠 冥府界の真の支配者にして今回の真の黒幕。25章のボスで、本作のラストボス。メデューサの復活もハデスによるもので、陰からメデューサを操っていた。メデューサが倒されたことで姿を現し、以後冥府軍のトップとなりピット達にちょっかいを出してくる。 神としての力は絶大で、戦闘力も前作の最終ボスであるメデューサなどを凌駕(アッパーカット1発で粉砕した)し、「三種の神器」すら“おもちゃ”呼ばわりして実際に一蹴するなど驚異的なものである。生命力も凄まじく、心臓を破壊されてもなんとも無く(ただし、別の生命体のように動いており、胃袋自体がハデスの体内とは別の次元に存在するため、本当の意味での心臓であるかは不明。ピットからは「ケツプリ星人」と言われた)、胴を両断されたり頭を砕かれてもすぐさま再生してしまう。 道楽および糧となる魂を得るためとして破滅と混沌をもたらす冷酷な存在だが、性格なのか絶対的な余裕なのか、相手を「くん・きゅん・ちゃん・たん」付けで呼ぶなど非常に軽薄でノリがよく、常にふざけておちょくるような言動を見せる。そのため黒幕でありながら享楽的な傍観者としての行動や会話が多く、ピットたちからあきれられる程ギャグ的な役回りが多い(後述の25章ではピットとの互角の勝負により追い詰められたのか、途中でおふざけな態度をなぐり捨てた)。 23章では遂にピットと対決、「三種の神器」を歯牙にも掛けずに破壊し、25章においても「真・三種の神器」を装着してパワーアップしたピットと相対しても互角の勝負の繰り広げ、「真・三種の神器」を大破させる。しかし、最期は辛うじて損壊を免れた砲塔をピットが用い、パルテナの「チャージの奇跡」により放たれたフルパワーの砲撃を受け、遂に倒された。 しかし、そのギャグっぷりは死後も相変わらずで、エンディング後の画面ではボタンを押さずにしばらく待っているとプレイヤーに話しかけてきて、冗談を言ったりピットを称賛したりした。 ザコ魔物 ボックン 冥府軍の地上用一般兵。いい加減かつ忘れっぽい性格のため、冥府軍内では万年平社員のような不遇な立場である。ピット以外にも星賊や自然軍などとも交戦する場面がある。 砲撃を行うボックンキャノン、呪文を使える上等兵のボックンメイジ、銅像に乗り込んだボックンズム等の派生種も存在する。 モノアイ 前作にも登場した、空中戦にてもっとも大量に現れる一つ目の魔物。冥府軍の偵察兵で、編隊を組んで現れ、目から光弾を撃ってくる。 コメト 前作にも登場したメトロイドのパロディキャラクター。 死神 前作にも登場した冥府の魔物で、死者の魂を冥府に運ぶ役目を持つ。トラウマなのかピットからは相当嫌われている。発見された時のBGMは、前作と同様の8ビット音源である。前作同様小死神も登場し、パルテナからはモンスターペアレントと捉えられている。前作では、攻撃しても顔さえ見られなければ小死神を呼ばれなかったのに対し、今作では攻撃しただけで小死神を呼び、死神もピットを追いかけてくる。また、鎌による攻撃力も高い。 ナスビ使い 前作にも登場した冥府の魔物、前作同様ピットをナスビに変えてくる。前作では病院で治してもらったが、本作では天界からパルテナの奇跡で少しずつ回復してもらう。 今作では強化版である「テンプラ使い」という魔物も存在する。テンプラ使いにテンプラにされ、食べられてしまうと即ミスになってしまう。 オーン 完全新規の敵。紫の炎に包まれた髑髏。通常の神器では倒せず、さらに触れただけで神経をズタズタにされて「ヤラレチャッタ」になってしまう、最も注意を要する敵。回避や無敵状態であればミスにはならず、三種の神器なら容易に倒せる。決まったルートを進むものとピットを追いかけてくるものがいる。主に冥府軍の拠点となる場所に出現する。 名前の由来は「怨(おん)」と思われる。
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