ソクラテス以前の哲学者
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ソクラテス以前の哲学者(ソクラテスいぜんのてつがくしゃ、独: Vorsokratiker、英: pre-Socratic philosopher) は、西洋哲学の祖とされるソクラテスが活動する以前、すなわち紀元前7世紀から紀元前5世紀にかけての古代ギリシアで活動した思想家たちの、哲学史上の便宜的な総称である。日本語の「以前」には、基準となる時点を含む場合と含まない場合があるが、この場合は含まない。前ソクラテス期の哲学者、初期ギリシア哲学者、フォアゾクラティカーなどともいう。
- ^ 『哲学キーワード事典』 フォアゾクラティカー(木田元)、新書館
- ^ クレイ 2009, p. 483f.
- ^ Laks, André; Most, Glenn (2018). The Concept of Presocratic Philosophy: Its Origin, Development, and Significance. Princeton University Press. p. 1. ISBN 978-1-4008-8791-0
- ^ “納富信留:『ギリシア哲学史』”. clsoc.jp. 2021年9月19日閲覧。
- ^ 納富 2021.
- ^ a b “書評:リヴィオ・ロセッティ「ディールス・クランツ(DK)からラクス・モスト(LM)へ」”. clsoc.jp. 2021年9月21日閲覧。
- ^ 『哲学史講義』において「アリストテレス以前の人たち(Voraristoteliker)」と名付ける。
- ^ 1872年夏学期にバーゼル大学で行った講義で「プラトン以前の哲学者たち(vorplatonische Philosophen)」と呼称している。
- ^ 神崎繁・熊野純彦・鈴木泉共編『西洋哲学史 1 「ある」の衝撃からはじまる』講談社〈講談社選書メチエ〉、2011年。ISBN 978-4-06-258514-9(丸橋裕「ニーチェとギリシア」;村井則夫「ハイデガーと前ソクラテス期の哲学者たち」 )
- 1 ソクラテス以前の哲学者とは
- 2 ソクラテス以前の哲学者の概要
- 3 彼らが確立したもの
- 4 研究
- 5 関連文献
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
ソクラテス以前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 19:41 UTC 版)
古代ギリシアの伝統・神話に囚われない哲学的営みは、アナトリア半島(小アジア半島)西海岸のイオニア学派に始まる「自然哲学」と、イタリア半島南部(マグナ・グラエキア)のイタリア学派(ピタゴラス学派・エレア派)に始まる「数理哲学・論理哲学」という2つの潮流が主導する形で始まった。その中には、ピタゴラス学派(ピタゴラス教団)のように宗教教団的色彩を帯びたり、ヘラクレイトスのようにその世界観と共に倫理を説く者もいたが、後世で大きな潮流を成すには至らなかった。(とはいえ、これらが後述するプラトンの思想形成に一定の影響を与えた事実は見逃せない。)
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ソクラテス以前
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次に学術の世界で「フォアゾクラティカーVorsokratiker」と呼ばれているソクラテス以前の哲学者(紀元前6世紀ころ~前4世紀ころ)は、さかんに自然について考察していたわけであるが、現代まで伝わっているのは基本的に、後の哲学者たちが書いた文章の中に含まれる断片的なテキストなので、彼らがどのように考えていたのか正確に知ることは難しい。彼らは深い思想をたたえていたようにも読めるが、伝えられたのが断片的な短い言葉であるがゆえにそういう印象を生んでいるだけなのか判断のつきかねる面もある。 イオニア人たちは、αρχη アルケー を探求したが、このアルケーというのは現代ではぴったり一致する概念があるわけではないが、「原理」とも「起源」とも、知識理論の「公理」とも、物質世界の「(構成)単位」とも言えるようなものであったのかも知れない。(アルケーの探求などと関連させて)「イオニア人たちはミュトス(神話)を超えてソピア(知)へと向かった」などと言われる。アルケーは、タレスが水と、アナクシメネスが空気と、ヘラクレイトスが火と言ったと伝わるが、それはそこに語られる水や空気や火が、生命・心・思考なども含めて全ての自然の諸現象を説明するのに充分なほどに精巧なものだ、とする見方を示している。またアナクシメネスにおいては空気が「すべてのものがそこにおいて構成されている」といった性質のものとされていたことからすると、それは形而上学的な宇宙論へと連なるものであったともいえる。こうした考え方は、現代では唯物論寄りのものと見なされることが多いが、その一方で彼らは物質的存在の内に生命力を見出していた。 デモクリトスは原子論を、プラトンは有機体論を、アリストテレスは質料形相論を提示した。これら、紀元前400年から紀元前300年ころにかけて提示された競合的な理論は、この時代にしてすでに、その後の時代の哲学や学問が見せることになるおおまかな輪郭をあらかじめ示しており、これらの観念群は、その後 物質に関する知識が進展する中で、繰り返し現れてくることになり、大きな影響を与えることになった。 デモクリトス(B.C 460-367)の原子論については「原子論」の記事に説明を譲ろう。
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「ソクラテス以前」の例文・使い方・用例・文例
- ソクラテス以前の哲学者
- ソクラテス以前の時間
- ソクラテス以前に存在したあらゆる哲学者
- すべてが若干の永遠の知性によってによって整えられた非常に小さな小片から成ると主張したソクラテス以前のアテネの哲学者(紀元前500年−428年)
- ソクラテス以前のギリシアの哲学者、タレスの弟子で、作品が一般概念の本質は通常の物質であるというよりもむしろ無限定であると信じた(紀元前611年−547年)
- ソクラテス以前のギリシアの哲学者で全てのものは異なる密度の空気で作られていると信じたアナクシマンドロスの仲間(紀元前6世紀)
- 火が全ての起源であり、すべてのものが永久の流動にあって、永続性が幻想であると提唱したソクラテス以前のなギリシアの哲学者(紀元前500年頃)
- イタリアで生まれたギリシアのソクラテス以前の哲学者
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