ゼーゼマン家とは? わかりやすく解説

ゼーゼマン家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:32 UTC 版)

アルプスの少女ハイジ (アニメ)」の記事における「ゼーゼマン家」の解説

クララ・ゼーゼマン(Klara Sesemann) 声 - 吉田理保子 / 潘恵子劇場版ドイツ中西部フランクフルト住んでいるゼーゼマン家の一人娘で、ハイジより4つ年上金髪後頭部水色大きなリボン結んでいる。身体が弱いため常に車椅子乗り外出することなく生活している。幼い頃母親亡くし父も仕事でいつも不在のため、家の中だけで家事使用人らの世話受けて育ちハイジが来るまで同世代友人はいなかった。従順で少し大人びた発言をすることもあるが、依存心があり大人困惑させる言動をとることも。 「体の弱いクララ屋敷の中で安静にしているべき」と考えるロッテンマイヤーの厳し管理の下、屋敷外の世界興味持たず規則正しく退屈で孤独な毎日送っていた。ハイジとの交流ハイジ起こす騒動経て次第意欲的になり、外への興味関心広がるが、ロッテンマイヤーはそのこと快く思っていない。またハイジアルム帰りたがっていることを知っているが、唯一の友人であるハイジ失い孤独で退屈な日々に戻ることを恐れてもいる(結局はこれがハイジ夢遊病となり重度ホームシックになった主たる原因であり、早い話クララハイジ自分の手元に置きたい為の我が儘をロッテンマイヤーが真に受けてしまったのも重なった)。ハイジ帰郷した後、ハイジとの約束訪れたアルムの山の大自然の中で、徐々に体力取り戻し、ロッテンマイヤーが愕く程の食欲見せるなど、徐々に健康になって行く。ついにはクララ訪ねてきた祖母二人きり時に牛に襲われ恐怖無意識に自力で立ち上がるその後アルムおんじに見守られるなか、ハイジペーターの手助けで歩く練習始め最終回では短時間ながらも自力で歩くことに成功フランクフルト屋敷戻ってからはロッテンマイヤーの指導の下、屋敷階段使ってリハビリ悪戦苦闘しながらも「来年山に行く為にも、もっと長い時間歩けるようになりましょう」と励ましを受け、再びハイジたちと会うため、冬の間リハビリ専念することを改めて誓う。 なお、原作では肝油ビタミンD欠乏によるくる病予防薬として飲まれる)を飲む描写がある(本作品でも「苦い薬飲まされる」と僅かに触れられている)。ビタミンD欠乏紫外線日光)の照射不足が原因のひとつであり、全く外出しない彼女が病弱であることも、アルムの山で徐々に健康を回復することも、理に適っている。 ロッテンマイヤー(Rottenmeier) 声 - 麻生美代子 / 京田尚子劇場版) ゼーゼマン家の執事である中年女性。原作では、ゼーゼマンの妻(クララの母)が亡くなった後に、ゼーゼマン家の家事一切差配し、使用人監督しクララ教育係務めている「ロッテンマイヤーさん(Fräulein Rottenmeier)」とある。ゼーゼマン家の中で唯一ハイジ洗礼名本名)のアーデルハイドと呼ぶ。アーデルハイドとはハイジ実母の名で、洗礼名問われた際に叔母のデーテが伝えたのであるハイジのことを、他の使用人たちお嬢様と呼ばせていた理由は、単にクララ遊び相手だからではなくハイジのゼーゼマン家における地位はロッテンマイヤーと同じ程度だからである。 髪型は常に夜会巻きで、鼻眼鏡をかけている。家事一切取り仕切り大富豪執事に足る教養を持つ。杓子定規で頭が固く融通きかないため、形式に沿わぬことや大騒ぎなどが大嫌い。そのため気さくなおばあさまとは気が合わず、他の使用人たちからの人望いまひとつで、自由奔放なハイジとの相性最悪と言える決し悪人ではないのだが、生活の秩序を守ることや体の弱いクララ第一に考えているため、ハイジへの思い遣り欠け面がある。またクララの体が“これ以上悪くならない”ことばかり考えクララに無理をさせまいとしてきたため、それがクララ意欲を削いでいたことにも気づいていない。大の動物嫌いで、屋敷抜け出したハイジ拾ってきた子猫飛びかられて気絶するほどである。アルム訪ねた時は、ヤギ達やヨーゼフを「けだもの呼ばわりし引っ掻き回されハラハラ連続だった。なお原作では、クララ一緒にアルムの山へは行かなかった。 学校通っておらず礼儀作法知らないハイジを、ゼーゼマン家に相応し秩序ある人物にすべく、粘り強く厳格に教育する。しかし彼女のやり方合わずハイジ様々な騒動引き起こす一方でホームシック態となるが、それに気づくことはなかった。おばあさま別荘戻った後、ハイジアルムの山へ戻るのではないか憂うクララ配慮するあまり、ハイジに対して以後、山に関する話題一切口に出さない」ように言い渡す等したことで、結果的にハイジの心を破綻させ、彼女が夢遊病発症する直接の原因作った。尚、この仕打ちについてはセバスチャンら他の使用人たちだけでなく、優しく温厚なゼーゼマンをも怒らせてしまい、彼から「よくもあの子残酷な仕打ちを……。貴方こそハイジ幽霊みたいな病状)にした責任者だ!」と激し叱責を受ける事となった。 ハイジアルム戻った後、当初クララが山に行くことを訝しく思っていた。しかし山でクララ歩けようになったことから、フランクフルト戻ったクララ屋敷階段使ってリハビリ付き添う一見厳しいながらも「来年山に行く為にも、もっと長い時間歩けるようになりましょう」と励ましており、最終的にクララ山行きに理解示し、むしろ勧めるうになる余談だが、舞台版では戦前発音に基づき「ロッテンマイエル」と表記される場合がある。これはペーターを「ペーテル」と発音していたのと同様である。また阿川弘之小説犬と麻ちゃん」でも野村耕平が言及するシーンがあるが、ここでの“フロイライン”は名前ではなく敬称の「嬢」であり、ファーストネームではない。 セバスチャンSebastian) 声 - 肝付兼太 / 加藤治総集編) ゼーゼマン家の使用人中年男性。原作ではロッテンマイヤーではなく彼が執事とされている(ロッテンマイヤーはガヴァネス)。ドイツ語での発音はゼバスティァンに近い。 クララ身の回り世話全般的に行う。ハイジセバスチャン最初に見たとき「おじさんペーター似ている」と話している。物分かり良く大らかな性格で、ハイジ良き理解者ハイジ帰国時には仕事忙しいデーテに代わってハイジをデルフリまで送ってくれた。デルフリでハイジ別れる際にも「山が嫌になったら、いつでもフランクフルト帰ってていいんですよ」と言う等、ハイジに対して、まるで父親が娘に接するような振る舞い見せる。その為、ハイジにとってはおばあさま並びフランクフルト滞在時の心の支えとなった優しい人。ただし原作の方のセバスチャン無条件に優しいだけではなく用心深くて計算高い一面もある。ハイジ起こした騒動利用してロッテンマイヤーをからかうシーンなどがある。 チネッテ(Tinette) 声 - つかせのりこ / 高山みなみ総集編) ゼーゼマン家の使用人若い女性ハイジ起こした騒動後始末をすることが多く、そのためか無愛想ハイジに対して少々冷たいところがある。ロッテンマイヤーが所用でゼーゼマン家を空ける時、「あの婆さんがいなくてせいせいする」という言葉通りどちらかというと彼女はロッテンマイヤーを嫌っている様子ハイジ起こした大騒ぎでロッテンマイヤーが大慌てするのを見てセバスチャン一緒にほくそ笑んだり、ハイジ対するロッテンマイヤーの厳しすぎる躾を快く思わない素振り見せ一面もあり、彼女自身決しハイジが嫌いというわけでないようだ。また、タンバリン上手にたたけるなど、音楽的素養持ち合わせていたり、ロッテンマイヤー同様にネズミが嫌いのようだが、大丈夫のようである。 ヨハンJohann) 声 - 根本好章 / 千田光男劇場版) ゼーゼマン家の御者。白い口髭生やした小太り男性で、シルクハットかぶっている。 ゼーゼマン(Herr Sesemann) 声 - 鈴木泰明 クララ父親貿易仕事忙しくパリに出かけているため滅多に家にはいない。そのためか、一人娘クララ溺愛している。とても優しく温厚紳士的で、ハイジにもクララと同じ位に深い愛情注いでおり、ハイジホームシック夢遊病併発した時、その原因がロッテンマイヤーの厳しすぎる言いつけにあったことを知った際は珍しく激高し、ロッテンマイヤーに大喝浴びせ叱責した。 ハイジがやってきてからの自宅内がうまくいていないことを察し実母であるクララおばあさまフランクフルト呼び寄せるハイジがゼーゼマン家のあれこれ乱したから、という解釈ではなく前々からロッテンマイヤーの少々行き過ぎた管理・躾などを是正するために、実母おばあさま呼び寄せたというのが実情と言える最終回で冬が近づいたためにクララ迎えに来たゼーゼマン家の一同の前でクララ自力立ち上がり短時間ながら歩いて見せた時には一同の中で最も驚き、かつ感動のあまり大号泣しアルムおんじに感謝言葉述べたおばあさま (Großmama) 声 - 川路夏子 / 此島愛子総集編) / 麻生美代子劇場版クララ父方の祖母。とても気さくかつ聡明な老婦人で、ロッテンマイヤーをも軽くあしらうハイジ挿絵つきのグリム童話の本をプレゼントし本を読み聞かせることで、本への興味持たせ、字の読み書き自発的に学んでいけるようにした。また、ホームシックハイジ気晴らしさせようと、郊外に連れて行ったりと、フランクフルト滞在時のハイジにとって、一番の心の支えになった人物クララ曰く高齢ながら別荘仕事をしているとのことアルムの山でのクララの生活ぶり、アルムおんじのクララ対す考え感銘を受け、おんじにアルムでのクララ滞在任せる。ペーターにも信頼をおいている。 原作によると、ゼーゼマン家の財を築いた人物とされるお医者様(Clessen) 声 - 根本好章 / 中庸助総集編) ゼーゼマンに“冷たい水”を頼まれハイジが、街中へ冷たい井戸水汲み行ったときに偶然出会った老紳士。実はゼーゼマンの友人にしてクララ主治医で、名はクラッセンという。ゼーゼマン家で幽霊騒動起きたときには科学者立場立ち会い騒動ハイジホームシック原因であるとして、ハイジアルムの山へ帰すよう指示した普段ハイジクララ、ゼーゼマンなどの意を汲む温厚融通利いた性格だが、ハイジホームシック夢遊病併発しているとわかったとき、一日早くハイジを(アルムへ)帰すべきと忠言し、ゼーゼマンの「ハイジ元気にしてから、山へ帰そう」との言葉には、「ホームシック粉薬丸薬治る病気と違う」、「今すぐに山へ帰さないと、手遅れになってしまいかねない」と医師として毅然とした態度を示す。 クララの体を治すのは、内服薬だけではなく不便なアルム懸命に暮らそうというクララ自身意欲も必要であるということ気付いたまた、クララ実際にアルム行き一定期間過ごせるのかを直接確認する為にやってきた時にはアルプス大自然美しさ、たまたま出会って山小屋まで案内をしてくれたペーター朴訥で優しい心、意見交換をして知ったおじいさん考えや心などにより「ハイジホームシックになるのも無理はない」と、お医者自身五感感じたことを素直な表現感銘受けたシーンがある。このことは、クララアルムにおいて長期滞在をし、自分の足で歩くことが可能であるかもしれない確信に至る1つきっかけ作った重要な場面となる。 家庭教師先生 声 - 島田彰 クララ家庭教師丸眼鏡灰色の髪の中年男性で、一人様々な科目クララ教えている。ハイジ来てからは、並行してハイジにも勉強教えることになるが、字の読み書きできないハイジクララと同じ内容教えるよう、ロッテンマイヤーに指示され苦心する2010年代制作され家庭教師のトライテレビCMでは、この家庭教師に代わってオリジナルキャラクターの「トライさん」が登場している。

※この「ゼーゼマン家」の解説は、「アルプスの少女ハイジ (アニメ)」の解説の一部です。
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