Hypertext Transfer Protocol 歴史

Hypertext Transfer Protocol

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/03 16:31 UTC 版)

歴史

イギリスの物理学者ティム・バーナーズ=リー1990年末、ロバート・カイリューと共に初のWebブラウザとWebサーバを作成した。ブラウザには通信をするためのプロトコルが必要だったので、二人はHTTPの最初期のバージョンを設計した。

以来インターネットの大部分をHTTP通信が占めるようになり、1998年にはインターネット上の通信の75%がHTTPによるものになった。

最初期のHTTP/0.9の仕様書は紙に印刷すれば1枚で済むような非常に簡素なドキュメントであったが、2度のバージョンアップを経たHTTP/1.1の仕様書は実に176ページ近くの分量に膨れあがった。

HTTP/0.9

1991年に最初にドキュメント化されたバージョン[1]。メソッドは GET しかなかった。レスポンスは単純にドキュメントの内容を返してコネクションを切断するだけで、レスポンスコードの規定もない。下記は、HTTP/0.9 のリクエストの例。

GET /index.html

HTTP/1.0

1996年5月RFC 1945 として発表された。仕様が RFC で扱われるようになった。メソッドに POST など GET 以外のものが増えた。レスポンスはヘッダーがつくようになり、ステータスコードを含めるようになった。HTTP/0.9 と区別するため、リクエストプロトコルにバージョンを含めることになった。

HTTP/1.0のリクエスト
GET /index.html HTTP/1.0

HTTP/1.1

1997年1月RFC 2068 として初版が発表された。その後、2回改訂された。RFC 7230 から RFC 7235 で規定されている。かつては RFC 2616 が HTTP/1.1 を規定していたため、こちらもよく参照されている。

名前ベースバーチャルホストをサポートした。インターネット人気に伴い多くの企業がWebサイトを持ち始めたが、当時はまだまだ企業が自前のWebサーバを運用するのは人員、効率の問題で難しく、ISPのサーバでホスティングをしていた。また、一社ごとに専用サーバを用意するほどのことでもないため、一台のサーバで複数のWebサイトを運用していた。

しかし、IPアドレスのみで相手を特定するHTTP/1.0はこれに対応できなかった。例えば、ある1台のサーバに foo.example.com と bar.example.com という二つの仮想Webサーバがあり、クライアントは http://foo.example.com/index.html にアクセスしたいとする。この場合はDNSサーバに foo.example.com のIPアドレスを問い合わせ、次にそのIPアドレスを使って該当サーバにアクセスし、GET index.html を要求することになる。しかし同じサーバ上にある bar.example.comもIPアドレスは同じであり、もし両方の仮想サーバに index.html というファイルが存在すれば、クライアントがどちらにアクセスしようとしているのか、判別できない。

対策としてはそれぞれにIPアドレスを付与する方法もあるが、IPv4の資源を無駄にすることになる。この問題を解決するため、Hostヘッダが追加された。

HTTP/1.1のリクエスト
GET /index.html HTTP/1.1
Host: foo.example.com

HTTP/2

HTTP/2の目標はHTTP/1.1のトランザクション・セマンティクスとの完全な後方互換性を維持したまま非同期な接続の多重化、ヘッダ圧縮、リクエストとレスポンスのパイプライン化を実現することである。Googleによって立ち上げられ[2]、GoogleのブラウザーであるChromeだけではなく、他にも、OperaFirefoxAmazon Silk等が対応しているHTTP互換のプロトコルSPDYの人気が高まっていることに対応するために開発された[3]

HTTP/3

HTTP-over-QUIC(hq)としてIETFが開発していた新たな通信プロトコルが、HTTP/3へと改名される。[4] IETFが策定を進めているQUICトランスポート層におけるプロトコルの名称であり、アプリケーション層プロトコルであるHTTP-over-QUICとの区別を明確にするため、このような名称変更に至った。[5]

HTTP/2と比べ、多重化するストリームの取り扱いが下位層のQUICへ移行したこと[6]ヘッドオブラインブロッキング英語版を回避するためのヘッダ圧縮の変更(HTTP/3用にQPACKが開発されている)[7]などの差異がある。




  1. ^ The HTTP Protocol As Implemented In W3
  2. ^ Sebastian Anthony (2012年3月28日). “S&M vs. SPDY: Microsoft and Google battle over the future of HTTP 2.0”. ExtremeTech. 2014年9月23日閲覧。
  3. ^ Jerome Louvel (2011年10月6日). “Can the rise of SPDY threaten HTTP?”. Restlet. 2014年9月23日閲覧。
  4. ^ Gigazine『UDPベースの「HTTP-over-QUIC」が新HTTPバージョン「HTTP/3」に名称変更される』”. GIGAZINE (2018年11月14日). 2018年11月14日閲覧。
  5. ^ IETF Meetingの資料スライド
  6. ^ QUICの話 (QUICプロトコルの簡単なまとめ)”. ASnoKaze blog (2018年10月31日). 2019年5月12日閲覧。 “後述のストリームの管理がQUICレイヤに移り、それにあわせフレームの変更やQUICストリームの利用方法の定義”
  7. ^ QUICの話 (QUICプロトコルの簡単なまとめ)”. ASnoKaze blog (2018年10月31日). 2019年5月12日閲覧。 “ヘッドオブラインブロッキング避けるために、HPACKをQUIC用に改良したQPACKを用いる”
  8. ^ RFC 2817 Upgrading to TLS Within HTTP/1.1” (2000年5月). 2019年4月26日閲覧。 “The CONNECT method was originally described in a Work in Progress titled, "Tunneling TCP based protocols through Web proxy servers", by Ari Luotonen of Netscape Communications Corporation.”
  9. ^ RFC 7230 Hypertext Transfer Protocol (HTTP/1.1): Message Syntax and Routing” (2014年6月). 2019年4月26日閲覧。 “This specification also updates the use of CONNECT to establish a tunnel, previously defined in RFC 2817, and defines the "https" URI scheme that was described informally in RFC 2818.”
  10. ^ Hypertext Transfer Protocol (HTTP) Method Registry
  11. ^ HTTP Content Coding Registry
  12. ^ 『HTTPプロトコル―セキュア&スケーラブルなWeb開発』 Stephen Thomas 著、葛西 重夫 訳、ソフトバンクパブリッシング[要ページ番号]




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