マイクロフォーマット
マイクロフォーマットとは、Webページについての情報を記述するための共通形式のことである。microformats.orgが仕様化と普及促進のために活動している。
マイクロフォーマットはHTML(XHTML)をベースとしており、あらかじめ決められた簡単な構文を用いてWebページに直接記述することにより、そのページのメタデータを表現することができる。マイクロフォーマットを用意しておくことによって、そのWebページが「何について」「どのようなことを」述べたページなのかといった情報を、対応するWebクローラや各種アプリケーションなどに提供できる。
マイクロフォーマットの構文の主な種類としては、個人や組織のプロフィール情報を記す「hCard」や、イベント・カレンダーとしての情報を記す「hCalendar」、書籍や音楽などについてのレビューを示す「hReview」などがある。そのほか、コンテンツのライセンスを記す「rel-license」や、検索エンジンがクローリングしないようにする「rel-nofollow」などの仕様も策定されている。
参照リンク
microformats.org - (英文)
マイクロフォーマット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/04 03:53 UTC 版)
マイクロフォーマットはHTML(またはXHTML)ウェブページにおける、意味を表現するための小さなマークアップである。マイクロフォーマットには用途ごとに様々なものがある。
現在のHTML標準には記述の意味を埋め込むための構文が備わっている。マイクロフォーマットでは
class
rel
rev
などのHTML属性が多用される。
通常のHTMLページにマイクロフォーマットを埋め込むことで、ウェブクローラなどのプログラムがイベント情報やレビューなどをウェブページ上から見つけ出すことができる。
背景
そもそも、ウェブのマークアップ言語であるHTMLは文書を表現するために開発された。しかし、ウェブが発展してくると、様々な種類の情報を共有するニーズが現れ、HTMLの意味マークアップ能力では力不足だと考えられるようになった。HTMLは情報を文書単位に構造化するので、例えば医療機関の電話番号を知りたいと思っても、現在一般的なWWW検索エンジンでは単語などの単位でしか検索できず、使いにくい。
マイクロフォーマットはこの問題に対して漸進的なアプローチを取り、HTMLに現実のニーズに応じた意味拡張を施すことを目指している。
マークアップ例
例として、連絡先情報を記述する hCard のマークアップを示す。
<address class="vcard">
<span class="fn">山田 太郎</span><br>
<span class="org">株式会社マイクロフォーマット</span><br>
<span class="tel">604-555-1234</span><br>
※<a class="url" href="http://facebook.com/yamada.tarou">フェイスブック</a>もご覧下さい。
</address>
この例には表示名(fn
)、所属(org
)、電話番号(tel
)とURLが記述してあり、特定のクラス名で識別されている。そして全体が class="vcard"
でラップされており、これらのクラスが hCard を構成していて、偶然に名づけられたものではないことを示している。この例は基本的なもので、hCard にはこの他のクラスも存在する。
このようにすることで、ソフトウェア、例えばブラウザプラグイン、が情報を抽出し、アドレス帳などの他のアプリケーションに渡すことができる。
一覧
マイクロフォーマットとその用途の不完全な一覧を載せる。
- hAtom(仕様) - 標準のHTML内にAtomフィードをつくる
- hCalendar(仕様) - イベント情報
- hCard(仕様) - 連絡先情報
- hReview(仕様) - 書評などのレビュー
- hResume(仕様) - 履歴書
- rel-directory(仕様) - 分散ディレクトリ
- rel-tag(仕様) - 分散型のタギング(フォークソノミー)
- xFolk(仕様) - ソーシャルブックマーク
- XFN - 友人関係など社会的ネットワーク
- XOXO - リストとアウトライン
この他にも提案されているマイクロフォーマットがいくつもある。詳細は外部リンク先を参照されたい。
マイクロフォーマットの利用
HTMLとともにマイクロフォーマットを使うことで、アプリケーションから使える意味ある情報をもたらすことが出来る。これらは、ウェブクローラのようなオンラインデータを収集するアプリケーションや、電子メールクライアント、スケジュール管理ソフトなどといったデスクトップアプリケーションなどが該当するだろう。
Tails Export[1] や Operator[2] といったブラウザ拡張により、HTML中のマイクロフォーマットを検出し、Microsoft Outlook のような情報管理、カレンダーソフトウェアでも使えるフォーマットへ変換することが出来るようになっている。
マイクロソフトや他のソフトウェア会社が、今後のプロジェクトにマイクロフォーマットを組み込むことを表明している[3]。
マイクロフォーマットの作成
既存のマイクロフォーマットの多くは、microformat wiki[4] で作成でき、ウェブ上の実例を収集する過程で、メーリングリストと連携していた。他のマイクロフォーマット(unAPI、rel=pavatar など)は、他の場所で提案、開発中である。
脚注
- ^ https://addons.mozilla.org/firefox/2240/
- ^ https://addons.mozilla.org/firefox/4106/
- ^ http://microformats.org/blog/2006/03/20/bill-gates-at-mix06-we-need-microformats
- ^ http://microformats.org/wiki/Main_Page
関連項目
- セマンティックウェブ
- Schema.org
- COinS
- GRDDL
- XML
- RDFa
- S5 file format
- Simple HTML Ontology Extensions(メリーランド大学でのHTMLへの、初期のセマンティック[要曖昧さ回避]拡張)
- unAPI
外部リンク
マイクロフォーマット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/02 06:00 UTC 版)
「ジオタギング」の記事における「マイクロフォーマット」の解説
GeoマイクロフォーマットはHTMLページに座標をマークアップすることでソフトウェアツールが見つけ出すことができる。例として: 50.167958; -97.133185 と書くと次のように表示される: 50.167958; -97.133185 (本物のGeoマイクロフォーマットをこのページに表示している) 月や火星にも対応出来るようにGeoの拡張が提案されている。 例として、写真共有サイトのFlickrでは上記の形式全てに対応する形でジオタグ写真の地理的データを提供している
※この「マイクロフォーマット」の解説は、「ジオタギング」の解説の一部です。
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