酒税法 酒税法の概要

酒税法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/26 16:02 UTC 版)

酒税法

日本の法令
法令番号 昭和28年法律第6号
種類 租税法
効力 現行法
成立 1953年2月27日
公布 1953年2月28日
所管 国税庁
主な内容 酒税の賦課徴収
関連法令 消費税法たばこ税法アルコール事業法二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律
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アルコール分1度(容量パーセント濃度で1パーセント)以上の飲料[注釈 1]が「酒類」として定義される。アルコール分90度以上で産業用に使用するアルコールについてはアルコール事業法(平成12年法律第36号)で扱われる。

構成

  • 第1章 — 総則(第1条 - 第6条の4)
  • 第2章 — 酒類の製造免許および酒類の販売業免許等(第7条 - 第21条)
  • 第3章 — 課税標準および税率(第22条)
  • 第4章 — 免税および税額控除等(第23条 - 第30条)
  • 第5章 — 申告および納付等(第30条の2 - 第30条の6)
  • 第6章 — 納税の担保(第31条 - 第36条)
  • 第7章 — 削除(第37条 - 第39条)
  • 第8章 — 雑則(第40条 - 第53条の2)
  • 第9章 — 罰則(第54条 - 第62条)

税率政策

かつては日本古来の焼酎を「大衆酒」と位置付けて低税率とするいっぽう、ウイスキーブランデーなどの洋酒は「高級酒」とされて高税率であった。これについて、洋酒生産国から『非関税障壁である』との批判を受けて、2008年(平成20年)に税率が改正され、焼酎とウイスキー、ブランデー、スピリッツアルコール度数37度以上の場合、等しい税額を賦課されている[注釈 2]

またかつては日本酒は品評会により、特級・一級・二級の区分がなされ、高等級の酒ほど高税率を賦課されていた。しかし、日本酒級別制度は生産者の申請によるものであり、等級審査を経なければ「二級酒」として扱われた。そのため、特級や一級に相当する品質の酒について、あえて審査を申請せず、無審査二級酒として販売する業者が増加した。こうしたこともあって、1992年4月に日本酒級別制度は廃止され、一律の税率が賦課されるようになっている。

2017年(平成29年)現在では、ビールに対する高税率を回避するために開発された、発泡酒や「第三のビール」の税率が引き上げられる傾向にある。2018年(平成30年)の税制改正により、2020年令和2年)から2026年(令和8年)にかけ、段階的にビールの税率を引き下げ、発泡酒や第三のビールについては税率を引き上げすることで、ビール類の税率を統一させることが決まっている。

定義

酒税法第3条では17種類に分類されている。税率はアルコール度数だけではなく、原料の割合や製造法が加味されている。また醸造免許も分類ごとに法定製造数量が異なる。

日本酒については、特定名称酒制度など詳細な規定が存在するが、ウイスキーワインなど、元来日本になかった酒類については大まかな規定しかない。また、スコッチ・ウイスキーフランスワインのような原産地の保護に関する規定がなく、原酒が輸入品でも日本で瓶詰め・ブレンドを行えば『国産』と表記できるため、輸入されたブドウや濃縮果汁を使用した『国産ワイン』が出回っていた。2018年(平成30年)から『日本ワイン』の定義は厳格化されたが、ウイスキーに関しては、輸入したバルクウイスキーを日本で瓶詰めしただけで『ジャパニーズ・ウイスキー』を名乗れる状態である[1]

またビールは、当初富裕層が飲むものとされたため税率が高かったが、冷蔵庫の普及や生活水準の向上などにより庶民にも広まった。しかしその後も高い税率が維持されたため、酒造メーカーでは日本のビールの定義を利用し、発泡酒第三のビールなどの『節税ビール』を発売した。税収を確保するため法改正がなされたことで、酒の定義は更に細かくなり、酒税負担が重くなるなどの税制上の歪みも発生している。


  1. ^ 薄めてアルコール分1度以上の飲料とすることができるもの(アルコール分が90度以上のアルコールのうち、第7条第1項の規定による酒類の製造免許を受けた者が酒類の原料として当該製造免許を受けた製造場において製造するもの以外のものを除く)または溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含む。
  2. ^ 第23条。1キロリットル当たりの酒税は、焼酎を含む蒸留酒類は21度未満が20万円、それ以上は度数×1万円であるが、ウイスキーなどは37度以下が一律37万円と異なる。ただし、一部に35度ウイスキーなどが存在する以外、一般に40度以上なので実質は同額である。
  3. ^ サングリアはレシピなどが出回っているが、酒税法違反がほとんどである。日本酒サングリアも日本酒が20度以上あるものが少ないため違反となっているケースが多い。
  4. ^ ワインは蒸留酒ではないし、アルコール度数も15度以下のため、店舗での提供は事実上不可能となる。
  5. ^ 一般に「焼酎乙類」と表記。「焼酎甲類」より劣ると誤解されないように「本格焼酎」という表現も用いられるが、焼酎乙類には糖分などを2度未満加えることが可能なのに対して、本格焼酎は無添加のものに限られるなどの違いがある。
  1. ^ 「ジャパニーズウイスキー」の悲しすぎる現実 - 東洋経済オンライン
  2. ^ 本郷明美『どはどぶろくのど 失われた酒を訪ねて』講談社
  3. ^ MSN産経ニュース - 産経抄 - 2011年12月5日(2011年12月4日時点のアーカイブ
  4. ^ 消費者が自宅で梅酒を作ることに問題はありますか”. 2016年8月18日閲覧。
  5. ^ 旅館等で自家製の梅酒を食前酒として提供することに問題はありますか”. 2016年8月18日閲覧。
  6. ^ 実験10みりん、ワインの蒸留/1年理科『化学』/takaの授業記録2002 - 中学校の教諭が生徒に持参させた酒類を蒸留する実験の記録
  7. ^ 蒸留でエタノールを取り出す - お茶の水女子大学附属中学校の教諭が中学向けの簡素な実験手順を紹介した事例。みりんワインを使用する際の注意点も書かれている。
  8. ^ アルコールの蒸留 文系学生実験 - 慶應義塾大学自然科学研究教育センターが文化系の学部生向けに行っている基礎化学の実習。ワインまたは焼酎を蒸留している。
  9. ^ a b 消毒用アルコールが無いなら赤ワインから合法的に作ってみる。 薬剤師 植芝亮太 - 薬剤師がワインから消毒用アルコールを製造するため国税庁などに問い合わせた事例。


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