鹿野苑とは? わかりやすく解説

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ろくや‐おん〔‐ヲン〕【鹿野苑/鹿野園】

読み方:ろくやおん

《(梵)Mṛgadāvaの訳》中インド波羅奈国にあった林園釈迦悟り開いてのち初め説法し、五人比丘(びく)を導いた所。現在のバラナシ北郊サールナートにあたる。鹿苑。鹿(しか)の苑(その)。


サールナート

(鹿野苑 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/06 21:43 UTC 版)

サールナート
歴史的都市
ダーメーク・ストゥーパ
サールナート
サールナート
座標:座標: 北緯25度22分52秒 東経83度01分17秒 / 北緯25.38111度 東経83.02139度 / 25.38111; 83.02139
Country  インド
ウッタルプラデーシュ
地区 ヴァーラーナシー
Languages
 • 公用語 ヒンズー語
等時帯 IST

サールナートヒンディー:सारनाथ,Sārnāth、英語:Sarnath)は、インドウッタル・プラデーシュ州にある地名[1]ヴァーラーナシー(ベナレス)の北方約10kmに位置する。仏教四大聖地のひとつ。

現サールナートは、釈迦悟りを開いた後、鹿が多く住む林(旧訳「施鹿林」、新訳「鹿野苑」)の中で初めて教えを説いた初転法輪の故地とされる。鹿野苑(ろくやおん、: mṛgadāva)はリシパタナとも呼ばれる[2]。リシパタナ(: ṛṣi-patana)とは「聖仙の集まるところ」の意で、『解深密経』などでは「仙人堕処」(仙人の落ちる所)と誤訳され、『雑阿含経』などでは「仙人住処」(仙人の住む所)と訳されている(patana の語基である動詞根 √pat には「落ちる」という意味があるが、植木雅俊はこの場合「〜に入る」の意味に解釈するべきであると指摘している[3]。一方、中村元はパタナには現代ヒンディー語でも飛行場の意味に使われることがあり、仙人の飛行場の意味であるとしてしている)

鹿野苑だったとされる場所は現在はインド政府によって整理され遺跡公園になっている。その周辺からは「サールナート仏」と呼ばれる仏像が多数出土し、最高傑作とも評される「初転法輪像」がサールナート考古博物館英語版に収蔵されている。

名所

  • ダーメーク・ストゥーパ英語版
    釈尊の初転法輪の地に立つ。
  • ムーラガンダ・クティ寺院(初転法輪寺)
    野生司香雪が描いた壁画がある。
  • アショカ王の石柱
    4頭の獅子像があしらわれている。

交通

サールナート公園地区の南西端にあたる公園地区入り口から東方への一直線道路の先、約1.5kmの位置にインド鉄道のサーナス駅があり、サーナス駅からは徒歩圏である。サーナス駅は、次駅のヴァーラーナシー・シティー駅を経由して、最寄りの最大都市であるヴァーラーナシーの中心駅であるヴァーラーナシー・ジャンクション駅と結ばれている。ヴァーラーナシー・ジャンクション駅には、ニューデリーとを8時間で結ぶ高速列車のバンデバラト・エクスプレスが停車する。

脚注

出典

  1. ^ アンソニー・テイラー『世界の聖地バイブル : パワースポット&スピリチュアルスポットのガイド決定版』ガイアブックス、産調出版、238ページ、2011年、ISBN 978-4-88282-780-1
  2. ^ 『岩波 仏教辞典 第2版』 岩波書店、2002年、「鹿野苑」の項。
  3. ^ 植木雅俊 『仏教、本当の教え』 中央公論新社〈中公新書〉、2011年、117-118頁。

関連項目


鹿野苑

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 01:01 UTC 版)

ヴァーラーナシー」の記事における「鹿野苑」の解説

サールナートは、ヴァーラーナシー北方約6kmに位置する釈迦悟り開いた後、初め説法説いたとされる初転法輪の地。仏教の四大聖地のひとつ。鹿が多くいたことから鹿野苑(ろくやおん)とも表される発掘結果アショーカ王(前3世紀中葉)の頃から12世紀まで遺址多数彫刻出土しダルマラージカー塔と根本精舎中心にグプタ時代に最も栄えたことが明らかになった。…現在はインド政府によって整理され遺跡公園になっている。またこの周辺からは「サールナート仏」と呼ばれる仏像多数出土し最高傑作とも評される初転法輪像」がサールナート考古博物館収蔵されている。 初転法輪 ゴータマの父であるスッドダーナ(浄飯王)が出家したゴータマ身辺警護のため派遣した五比丘は、修行捨てた釈迦遠くから来るのを見て軽蔑の念を抱き歓迎拒むことを決めた。しかし釈迦徐々に近づくにつれ、その堂々とした姿を見て畏敬の念抱き自然に立ち上がって座に迎えた。自らが阿羅漢であり正等覚者(仏陀)であることを宣言した釈迦は、なお教えを受けることを拒む5人を説得して最初説法為した。このとき説かれ教えは、中道その実践法たる八正道苦集滅道四諦四諦完成にいたる三転十二行相であったとされる。5人の修行者釈迦説法歓喜して受けたまた、この時、5人のうちコンダンニャに「生ずるものはすべて滅するのである。」という法眼生じた悟り得た)。伝統的に、これは四沙門果第一預流果達したことと説明されている。釈迦による五比丘への教導比丘が3人ずつ順に托鉢行い6人が食する合宿式に続けられワッパ、バッディヤ、マハーナーマン、アッサジの4名にも次々と法眼生じた釈迦次に無我相」の教え説き五人比丘五蘊無我修習指導した五人はじき阿羅漢果(四沙門果第四)に達して釈迦含めて6人の阿羅漢誕生した。彼らは釈迦と共に初期仏教教団創設しインド各地布教活動行ったことから、「説法波羅奈」(せっぽうはらな)として釈迦人生4つ転機1つ数えられている。 ダメーク・ストゥーパ(英語版釈尊初転法輪の地に立つ。 ムルガンダ・クティー寺院初転法輪寺) 野生司香雪描いた壁画がある。 考古学博物館アショーカ王石柱 四頭獅子像があしらわれている。

※この「鹿野苑」の解説は、「ヴァーラーナシー」の解説の一部です。
「鹿野苑」を含む「ヴァーラーナシー」の記事については、「ヴァーラーナシー」の概要を参照ください。

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鹿野苑

出典:『Wiktionary』 (2021/08/21 00:42 UTC 版)

固有名詞

鹿 ろくやおん

  1. 仏教波羅奈国にあった林園で、釈迦悟り開いた後、初めて説法した初転法輪の地。



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