五比丘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/04 06:13 UTC 版)
五比丘(ごびく、梵: pañca-bhikṣávaḥ)は、ゴータマ・シッダルタ(釈迦)が成道して(悟りを開いて)最初に弟子となった5人の修行者。最初期の僧伽。
彼らは元々、ゴータマの父であるスッドダーナ(浄飯王)の要請によって苦行林に同行した(出家したゴータマの身辺警護のため父王の命令で派遣されたともいわれている)。彼らはともにウッダカ・ラーマプッタ仙人の下でバラモン修行を行うが、教えに満足して更なる修行を求めて出立する釈迦に同調し、ともに教団を離れた[1]。6年に渡る苦行の後、釈迦は「苦行は悟りを得る真実の道ではない」として苦行林を去り、スジャーターから乳がゆの供養を得た様子を見て、鹿野苑へ去った(苦行放棄)[1]。
その後、釈迦はブッダガヤにて悟りを得、鹿野苑へ赴いて彼らへ最初に法を説いた[1]。当初、この5人の比丘は、修行を捨てた釈迦が遠くから来るのを見て、軽蔑の念を抱き歓迎を拒んだ[1]。しかし、彼が徐々に近づくと、その堂々とした姿を見て畏敬の念を抱き、自然に立ち上がって座に迎えたといわれる[1]。自らが阿羅漢であり正等覚者(仏陀)であることを宣言した釈迦は、なお教えを受けることを拒む5人を説得して最初の説法をなしたところ、阿若・憍陳如(コンダンニャ)はじめ次々とその教えを理解し預流果を得た。彼らが仏教に帰依して布教活動したことで、初期仏教教団の重要な役割を果たしたといわれる[1]。この出来事は初転法輪と呼ばれ(説法波羅奈〈せっぽうはらな〉とも)、釈尊の人生の4つの転機の1つに数えられている。
なお、5人の名前は以下の通り。
五比丘
- 阿若・憍陳如(あにゃ・きょうちんにょ、アジュニャータ・カウンディンニャ、アンニャーシ・コンダンニャ)
- 阿説示(あせつじ、アッサジ)
- 摩訶摩男(まかなまん、マハーナーマン)
- 婆提梨迦(ばつだいりか、バドリカ、バッディヤ)
- 婆敷(ばしふ、ヴァシュフ、ワッパ、ヴァッパ)
脚注
関連項目
五比丘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 22:59 UTC 版)
ブッダの弟子達。元はマガダ国ウルベーラの苦行林にて修行中の行者達で、王子時代にシッダルタの聡明ぶりを認め、同行を促したことがある。作中ではシッダルタを試そうとした際に催眠術を駆使している。コーンダンニャ、バッディヤ、バッパ、マハーナーマ、ジャーヌッソーニの五人組。出家したシッダルタと苦行林で再会して歓迎するも、やがてシッダルタが苦行林に失望して立ち去ったことで関係が途絶する。その後、サールナートでブッダとなったシッダルタの教えを受け、弟子となった。シッダルタと苦行林で再会する前に一人が苦行中の心臓麻痺で早世しており、サールナートにおいてはデーパを加えた五人でブッダの最初の弟子となったため、デーパが事実上の五比丘のメンバーとなっている。
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