骨組織
硬骨組織
骨組織
【英】:Textus osseus,Bone tissue
骨組織は骨細胞osteocytes、基質、膠原細線維、接合質および種々の塩からなっている。特殊な分化を遂げた結合組織の一種で、その特徴は豊富な細胞間質(骨基礎質という)にカルシウム塩類を主とする無機塩類が沈着し、固有の硬さをもっていることである。基質成分の大部分は結合性のハイドロキシアパタイトで、ここの結晶は厚さ1.5~3nm、長さ10nmの板状ないし長杆状で、線維の長軸に沿って配列する。その他かなりの量のクエン酸イオン、炭酸イオンを含む。またカルシウムのほかにマグネシウム、ナトリウムも含まれる。基質に含まれる線維性分(骨線維)は膠原線維で、直径約50~70nm、64~68nmの横縞をもち、骨組織に加わる張力や歪力に対向しうる力学的合理性をもった配列を示す。生細胞性部には骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞の3種類がある。このうち骨基質の中に埋没し、骨基質の維持、血中カルシウム濃度と関連したカルシウム塩類の動員、沈着などの調節に関与する細胞を骨細胞という。骨細胞は扁平な楕円形で、表面に多数の細長い突起をもつ。その先端は隣接する細胞の突起の尖端とネキサスで連結する。骨細胞の細胞体をいれている基質内の小室を骨小腔、細胞質突起のための細管状通路を骨小管という。骨小管のあるものは基質内を貫通する血管路や骨組織内外側の血管周囲腔に向かって開放しているため、これらの小管は立体的に連続した網工系を構成し、骨細胞の栄養、代謝産物の通路として重要な役割を果たす。結合組織の基質にカルシウム塩類が沈着し、骨小腔や骨小管の有機的構築がいられない場合は単なる石灰化(calcification)であって骨化(ossification)とはいわない。塩類は骨に硬さを与える。塩のない、すわなち「脱灰した」骨には屈曲性がある。あまりにも弱い石灰化はビタミン類の不足あるいは内分泌障害が原因である。ビタミン不足は例えば紫外線が体に充分に作用しないため、プロビタミンprovitaminsがビタミンDに変化しないこともによって起こってくるのである。あまりにも弱い石灰化はクル病ricketsのときにみられるような骨軟化osteomalaciaを引き起こす。塩類のみでなく、有機物の構成要素も骨の強固さに関与する。構成要素である有機物が不充分な場合には骨の弾性が失われる。そのような骨はもはや負担に耐えられず骨は折れやすくなる。有機構成要素の破壊は強く灼熱することによって人工的に起こすことができる。
骨
(骨組織 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/02 02:55 UTC 版)
骨(ほね)とは、脊椎動物において骨格を構成するリン酸カルシウムやコラーゲンなどに富んだ硬い組織である。ただし骨は単なる固形物ではなく、骨細胞が存在した生きた組織であり、一定のサイクルで作り変えられている。特に軟骨(cartilage)などと明確に区別する場合には、硬骨とも呼ばれる。なお、この意味の他にも、口語的には生物に留まらず、例えば、傘の骨や、鉄骨など、様々に「骨」と付く物が存在する。さらには、比喩的に「骨」という単語が用いられる場合もある。ウィクショナリーの骨の項目も参照。なお、本項目では、特に断りのない限り、最初に示した脊椎動物の骨について説明する。
注釈
出典
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骨組織
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 05:24 UTC 版)
もともとの骨組織は残されていないが、リン酸カルシウムによる鉱化作用でもともとの骨細胞の構造が保存されており、内部の空洞や骨細管を含む個々の骨細胞の様子がわかる。また、骨内部の血管の構造も保存されており、一部は内部が空洞である。頭骨や下顎など一部の骨では骨膜の存在が見られる。
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