階段部部員
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/25 10:20 UTC 版)
神庭 幸宏(かんば ゆきひろ) 天栗浜高校1年3組⇒2年生 本作の主人公。両親を亡くし、伯父夫婦にひきとられたのだが伯父夫婦が海外出張をしていて、従姉である神庭姉妹と暮らすことになった為、井筒にエロゲー設定と揶揄されたりする。本人は自覚していないが意外と天然である。「その天然のゆえに、無意識に正解を引き当てる」とは刈谷の評。彼のジャージの絵柄は「弁当片手に走るハムスター」。希春が彼に持たせる『LOVE弁』を茶化したものである。 安定した能力を見せるオールラウンダーではあるが、これといって飛びぬけたポテンシャルを持たず、持ちタイムはそれほどよくなかった。だが、最適ではあるがいささか無謀なコースを選んだり、予知能力にすら見える鋭い「勘」による危機回避を見せたりと、能力的に謎が多い。後の部長戦・ショットではVターン(後述)を使えるようになっている。九重からは「缶バッジ」と呼ばれている(ただ似ているという理由だけで「カンパン」と呼ばれたことも)。 遊佐に生徒会長に立候補するよう言われ、しばらく悩んだ末に自分自身の本質に気づきそれを決意した。選挙では当初苦戦を強いられたものの、階段部のバックアップや御神楽と正々堂々と競い合う中で精神的に急成長を遂げ、信任投票の結果、次期生徒会長に当選した。その後の生徒会主催のお疲れ様会で最後のダンスの際、三島・美冬・希春・御神楽の4人からダンスを申し込まれたが、アクシデント(筋肉研究部の乱入)により選ぶ事は出来ずに終わる。バレンタインにも三島・御神楽・美冬から本命と思われるチョコを貰う。そして、最後に刈谷から「後継者」の二つ名を与えられる。時系列的に最新エピソードとなる短編「盂蘭盆会」でも彼を取り巻く状況は大きく変わっていないようだが、美冬と良い雰囲気である。 九重 ゆうこ(ここのえ ゆうこ) 天栗浜高校3年6組⇒大学生 階段部の部長であり創部者。元陸上部の障害物競走のエース。非常に強引で我侭。アグレッシブな言動に周りは振り回され通しである。状況を見ずに突っ走りすぎてピンチを招くことも多く、部員達からツッコミの集中砲火を浴びる事もある。人にニックネームを本人の許可無く付けては、ブーイングされており、その上ネーミングセンスはあまり無い。背が伸びず、ハードル走の成績が後輩に追い抜かれてしまい、落ち込んでいたところを、健吾に「階段レース」という彼女にとって意味不明な行為によって励まされた。結果、彼女は自信を取り戻したものの、陸上部に戻ることは無く、刈谷を引きずり込んで『階段部』という怪しさ全開の非公認部活動を創設する結果になってしまった。刈谷以外の部員は(程度や状況の差はあれ)彼女が強引に引っ張ってきた。部のマークのハムスターは彼女のデザイン。ジャージの絵柄は「小柄で元気一杯のハムスター」。 ハードル走を突き詰めていた陸上時代の経験から、ステップのテンポを活かした短距離での高効率加速と、ハードルまでの距離の見切りをいかした最短歩数での無駄の無い走りを見せ、廊下などの直線コースでは敵無し。そのため、「静かなる弾丸」という二つ名を持つ。合格した大学でも階段部を作ろうと画策している。 体育祭の部対抗リレーでは、自ら志願してハムスターの着ぐるみ姿で出走し、女子陸上部用の障害として用意されたハードル(階段部用の障害はスタート前に踏み台昇降を行うことで、ハードルを越える必要はない)を飛び越えつつ陸上部の選手を猛追、二位で三枝にバトンを渡すという非常識な活躍ぶりを見せる。 刈谷 健吾(かりや けんご) 天栗浜高校3年生⇒大学生 階段部の副部長であり、元執行部部員。引き締まった肉体と精神の、砂漠の鷹のような鋭い気配を漂わせる青年。しかし、もっぱら暴走しやすいゆうこのツッコミ兼ストッパーになってしまっている。他の部員たちからは頼れる存在であり、日常の階段部のほとんどを取り纏めている。執行部に所属していたことから、現在も遊佐の陰謀で頻繁に執行部の手伝いに駆り出されている。そのため、ゆうこの独断独裁を許してしまうことがある。「階段を走る」という行為に最初に取り付かれた人物で、執行部時代に放課後の校内の戸締りの役を自ら買って出て、夜な夜な階段を疾走していた。ゆうこが『階段部』を創設したことから、彼自身、「これ以外に自分の進むべき道は無い」と確信するに至る。ジャージの絵柄は「少し尖った感じのハムスター」。口癖は「まだ、先はある」。 全体的に高いレベルで能力が安定しており、階段部最強の走り手。階段の踊り場を、高速で鋭角に一歩で曲がりきる走法を得意とする。これは彼自身の「体技」だけでなく、踊り場の歪み・傾き・凹み等を階段ごとに熟知していなければならず、実質この技を完全に使用できるのは彼だけであった。ゆえに、ゆうこから与えられた二つ名は「必殺Vターン」だが、彼自身はあまり気に入っていないようである。なお未完成ながら、前側を取られてVターンを封じられた場合、踊り場にて一歩踏み出してから相手を追い抜く「全速疾走の状態から、直角にベクトルを流しきる屈折走法」、Lターンを見せる。彼の走りに、まだ果ては見えない。 天ヶ崎 泉(あまがさき いずみ) 天栗浜高校(1年2組⇒)2年1組⇒3年生 長い艶やかな黒髪に長身の美少女。毎年、この高校には3人の美人が入学してくるという「三女神の伝説」により「女神委員会」から2年生三女神の1人、『雷(いかづち)の女神様』に選ばれている。元はテニスにのめりこんでいたが、自分の高貴な「家柄」が、そのままテニスの「実力」になってしまう(贔屓される)事を感じ取り、彼女はラケットを捨てる。大富豪の令嬢であるがそれを鼻にもかけず、むしろ自分の家柄を指す「天ヶ崎」の名を嫌い、「いずみ」と部員から名前で呼んでもらうことを望む。ジャージの絵柄は「漆黒の翼と天使の輪をもつハムスター」。 能力的には飛びぬけたところは無く、ごくごく普通な走り手だが、廊下全体の状況を把握して、下り階段ではテニスで鍛えぬいた下半身の力で「壁や天窓を蹴って高速で飛び降りる降下走法」を得意とし、とにかく下りではVターンですら追いつかない独壇場。飛び降りる際に黒髪が翼の如く広がることから、「黒翼の天使」という二つ名を持つ。本人は「女神」よりもこちらの名の方を気に入っている様子。三枝の協力と練習を積み重ねた結果、新しい技として、天井などを使って立体的に障害物回避出来るようになった。また、上り階段では壁と手すりを使っての跳躍を会得したが、階段レースでは手すりに触れてはいけないため使用できない。 3年生卒業に伴う「階段部次期部長選考総当たり戦」を見事に勝ち抜き、階段部新部長に就任する。 三枝 宗司(さえぐさ そうじ) 天栗浜高校2年2組⇒3年生 メガネをかけた、理知的な雰囲気の天栗浜高校2年生。いつも日の当たらないところで、ノートパソコンをカタカタさせている根暗な性格だが、意外に後輩の面倒見がよく、ジョークへのノリもよく、ゆうこのアグレッシブな言動を押しとどめようとする幸宏に、思わぬ方向から援護射撃を突き刺す事も。「サエさん」というあだ名でゆうこに呼ばれ、後に「サエぽん」に昇格(?)する。ちなみに階段部に造反した際には「ポン」に降格(?)させられた。 今では丸くなったが、もともとは自己至上主義的、過剰懐疑的な脳内毒舌家で、自分以外の人間をすべからず見下していた。また、他の人に害が及ばないようにするため、責任を全て自分ひとりで背負い込もうとする面もある。過去、健吾に階段レースで敗北し、その敗北の雪辱を果たすために階段部に入った。しかし、徐々に階段部に自分の居場所を見出し始め、自分と他の部員の精神的美醜の落差に苦悩し、階段部からの退部の為に部員全員に挑んだ経緯を持つ。ジャージの絵柄は「ノートPCを手にした、メガネをかけたハムスター」。 体技は平均以上でまとまっているが、元々インドアな生活を送っていたので成長には限界がある。そのため彼はクラッカー時代に培った情報処理能力を生かすスタイルを選択し、膨大な校内の情報を収集・記憶する事により、瞬時にリアルタイムでの最適なラインの検索が可能である。それゆえに、ゆうこから授かった二つ名は「天才ラインメーカー」。彼もこの二つ名を変だと評した。造反時には他の全部員に対して勝てると宣言し、井筒・天ヶ崎・ゆうことのレースに連勝する(幸宏とのレースは中断)が、最後の刈谷とのレースでは見城の告白に動揺し、半歩の差で負けてしまった。 井筒 研(いづつ けん) 天栗浜高校1年4組⇒2年生 ツンツンした髪と不良のような顔が特徴の天栗浜高校1年生。ゆうこと一緒にいるために階段部に入った。幸宏とは良く張り合うライバルである(彼が一方的に突っかかる事の方が多い)。九重ゆうこにほとんど信仰めいた好意を抱いている。ゆうこのジャージを着ていた凪原に告白を「誤爆」してしまい、窮地に陥った事もある。性格的にはおおむね単純熱血バカで、言葉遣いも荒いため些細なことからトラブルになりやすい上、特にゆうこが絡むと周りが目に入らずに暴走する傾向がある。 体力はそこそこだが経験不足は否めない。しかし、ひょんなことから三枝に関節の柔軟性を見出されたことをきっかけに、鋭角なターンを駆使し、人や障害物との衝突を回避する技を身につけはじめる。二つ名は「月光ダンシングステップ」。ゆうこ曰く「ナギナギ」の『月の女神様』とかけているとの事。最終巻ラストで登場する「井筒奈美」は彼の妹。
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