近親相姦
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近親相姦(きんしんそうかん)、近親姦(きんしんかん)[注釈 1]は、近い親族関係にある者同士による性的行為である。
概要
日本において「近親相姦」という単語は、出版物の見出し語としては1928年(昭和3年)初出とされる単語であるが[3]、1932年(昭和7年)の『大言海』にも載っておらず、本来日本における「近親相姦」の歴史は極めて短いものであり、そもそも前近代においてはこれに相当する概念もなかったとされる[4]。英語では近親族の関係にある者によるセックスをインセスト(incest)と言う。非西洋言語においては、元来は存在しない西洋のインセストの概念が翻訳語として組み込まれている場合がある[5]。インセストは本来は英語だが、日本でインセストという単語が用いられる場合も多い[6]。近親相姦が相互に同意する2人の成人の間でされる場合のみを意味する言葉として、同意近親相姦(Consanguinamory)という表現がある[7]
近親相姦は人類の多くの文化で禁忌扱いされ、この現象のことをインセスト・タブーと呼ぶ。近親者間の性的行為は異性間、同性間を問わず発生し、また大人と子供、子供同士、大人同士のいずれも起こるが、その親族範囲や何をもって性的行為とみなすかに関しては文化的差異が大きい。継兄弟姉妹の間で起こる性行為のように、インセスト・タブーの対象になるかどうかは微妙でも、子供の健全育成の観点から問題視される行為もある[8]。
なお、近い親族関係にある者による婚姻のことは近親婚と呼び、関連して扱われることはあるが近親相姦とは異なる概念であり、近親相姦を違法化している法域においては、近親相姦罪の対象となる近親の範囲が近親婚の定義する近親の範囲と異なっている場合がある。下側の年齢次第では、臨床心理学などの分野で児童虐待問題で扱われる。この場合は近親姦(きんしんかん)と呼ばれることも多い。もっとも、成人間の性行為であっても児童虐待がそのまま続いているだけと評価される場合もあるため、年齢で単純に扱いが変わるものではない[9]。
19世紀後半から20世紀初頭の児童救済運動以降、1930年代から1960年代の精神分析の時代には、身近な性暴力である近親相姦は隠蔽される傾向にあった[10]。心理学者・精神科医のジークムント・フロイトのエディプス・コンプレックス論は、近親姦経験の訴えを「異性親に向けた子どもの無意識の性的幻想」とみなし、この考えは1960年代までアメリカの精神医療・児童福祉分野で影響力を持ち続け、近親相姦の隠蔽に一役買った[10]。
こうした状況の変化は、1970年代に始まるフェミニズムの時代に起こり、1971年4月にニューヨーク市で、児童虐待防止分野の伝説的な団体であるニューヨーク児童虐待防止協会に勤めるソーシャルワーカーのフローレンス・ラッシュらニューヨーク・ラディカル・フェミニストのメンバーが開いたレイプ抗議集会が契機となっている[10]。ラッシュは、「児童への性犯罪は異常な変質者が行う犯罪などではなく、教師やボーイフレンド、親族、父親など身近な人物、それも権力関係上優位な立場にある人物の犯行であることが大半である」という現場事例紹介を行い、これは評判を呼んだ[10]。この告発をきっかけに、ラッシュ『秘密にしておくのが一番(The Best Kept Secret)』(1976年)、S・バトラー(Sandra Butler)『沈黙の共謀( Conspiracy of Silence)』(1978年)、精神科医ジュディス・ハーマン『父-娘 近親姦(Father-daughter Incest)』(1981年)、社会学者ダイアナ・ラッセル『シークレット・トラウマ(The Secret Trauma)』(1986年)など、性的虐待の構造的な不可視性を訴える著作が次々と出版され、この頃に「性的虐待の隠蔽から発見へ」と時代が転換した[10]。
2002年のアメリカ合衆国社会福祉省児童局の調査によれば、大人による近親姦的児童性的虐待の発生率は約0.12%で、兄弟姉妹によるものの場合は約2.3%となっている[11]。アメリカ合衆国では歴史的経緯から父親による娘への近親姦行為は犯罪だという前提で被害者支援や児童福祉のモデルが組み立てられてきた[12]。一方で母と息子の近親姦は存在しないあるいは問題になる話ではないという見方は、児童保護の専門家とされる人々の間では根強いものがある[13]。だが、アメリカ合衆国の児童保護サービス(CPS)には、母親による子供への性的虐待について多くの報告が上がっていて、2010年のCPSのデータでは、実親による性的虐待(約5万件)の22%、義理の親あるいはそのような存在による性的虐待(約3万件)の3%が女性によるものとされている[14]。
現代社会では従来リベラリズムの論理が重視されてきたが、そこから導き出されるはずの同意の上の近親婚を合法化すべきという主張をリベラル派がすることは実際にはほぼ皆無だった上、近親相姦罪で有罪になった人もほとんど無視される事態になった[15]。日本における近親性交の当事者ら[注釈 2]に話を聞いた阿部恭子によれば、近親性交とは端的に言って「家族による性の束縛」であり、同意の有無にかかわらず積極的な対人関係上の結びつきではないため、近親性交の権利擁護論は社会運動として成立しないのだという[20]。日本では、親子は同意の上で性行為を行う可能性があるという当事者不在の主張が、性的虐待の合理化だと怒った当事者をロビー活動に走らせ[21]、それが2017年の刑法179条の監護者わいせつ及び監護者性交等の罪の制定に繋がることになった[22][23]。
2020年代に入ると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の抑止目的で近親姦に対する問題意識は強まり、ヨーロッパやアジアでも父と娘の近親姦が注目されるようになった[24]。その一方で、母親による性的虐待は専門家らの間で軽視されている実態もトルコにおける調査で明らかになった[25]。2021年にはフランスが、子供の健全育成の観点こそが重要であって、もはや同意の有無などという従来の性犯罪の構成要件は近親姦の場合は必要ないとして、児童期の近親姦の全面違法化に踏み切ることになった[26]。フランスで近親姦への問題意識が高まったのは#MeTooIncesteと呼ばれる社会運動が起こったことも大きかった[27]。同様の未成年の近親姦の刑罰既定の新設はベルギーでもあったが、このような動きを通じて近親姦について従前保護法益として重視されてきた「性的自由」ではなく、子供の「健全に発達する権利」を根拠として違法化するという新たな法理が誕生することになった[26]。
歴史
先史時代
2010年にロシアのシベリアで出土した5万年前のネアンデルタール人女性の骨から採取したDNAを解析した結果、両親は近親者同士であることが判明した。半血兄弟または叔父と姪などの関係であると見られ、当時の人類は集団が小さいため近親での交配が一般的であったことが指摘された[28]。ネアンデルタール人はアフリカにいた人類と混血し、ヨーロッパ人や東アジア人などの先祖になったとされるが、彼らのネアンデルタール人由来と見られるDNAは弱い負の自然淘汰を受け続けているとされる。アダム・ラザフォードは、ネアンデルタール人の繁殖集団が小規模だったのが、自然淘汰上今でも不利に働いているのではないかと指摘している[29]。
民族史
カムチャツカ人王室、またシャム・ポリネシア・インドシナでは一般的に兄妹姉弟間の結婚が認められていた[30]。バギルミー、ビルマの王家、ワンゴロ人やゴアムにおいても兄妹婚は珍しくなかった。インドネシアのバドウィス族は数百年来近親相姦のみによって存続している[31]。
王家の兄妹婚は、タイ、エラム王国、セイロン島のシンハレーズ族、フェニキア人、カリア人、ヨーロッパのジョルジァ、イベリア人、アフリカのカナリア諸島のガウンチ族、ウルア族、オロモ人、バガンダ王国、バニョロ王国、バヒマ王国、メロエ王国、モノモタバ王国、オセアニアのマルケサス、コロンビアでも行われていた[32]。
アルメニア王国ではアルタクシアス朝のティグラネス四世は妹のエラトーと結婚した。近親婚はアルメニア人の間で根強く広まっていたようで、アルメニア使徒教会(合性論派キリスト教)が普及した後も変わらなかった[33]。
エフタルの祭司階級がエフタル滅亡後にインド西北部に土着した集団といわれる「ガンダーラ・ブラーフマナ」は兄弟姉妹間で性交する習慣があったという[34]。 タタール人は自分の娘と結婚ができ、アッシリア人はセミラミスに対する宗教的尊敬から自分の母親と結婚した[35]。
カンボジア地域の上層階級において父と娘、兄と妹が結婚する慣行があることが指摘されており、ギリシアの作家達は一般的にほとんど全ての外国民族にこの慣行があったと述べている[36]。
父親を同じくする兄妹・姉弟間の結婚は、アラビア人、イスラム教を奉ずる南方スラブ人の間に見出される[37]。
アケメネス朝ペルシアの王カンビュセス2世、両親を同じくする妹である下の妹ロクサーナと上の妹アトッサと結婚した。最近親婚(フヴァエトヴァダタ)を善行とするゾロアスター教において、この結婚は現在確認できる最初の王家による最近親婚であった[38]。
古代ローマのストラボンは『地理誌』で、アラビア湾岸地帯では母親と交わる慣習が存在したと記している[40]。
ニューギニアのキワイ族は父娘間の結婚が認められ、マレー群島やミナハッサ地方では親子、兄妹・姉弟の結婚が行われた[41]。
西アフリカのダホメの王家では兄妹・姉弟間での結婚、ムブティ族では母と息子間での結婚が行われていた[39][42]。
トンガでは力量を持ったハンターが大きな狩猟の準備の際に自分の娘と性交渉を持つことがあった[43]。マダガスカルでは主長や王は、姉妹と結婚することができる[44]。マダガスカルのアンタムバホアカ族は、兄妹・姉弟の結婚は幸福の基であると信じる[45]。
後藤源太郎『近親結婚と母系制 生物学からみたその起源と歴史』(1975年)によると、エスキモー、アメリカ・インディアンのティンネ族、ジャバのカラン族、セレベス島のミナハッサ族、ニューカレドニアの原住民、アフリカのバンジョロ族では母と息子の結婚が行われており、セレベス島のミナハッサ族、ビルマのカレン族、ソロモン諸島、マーシャル諸島、ペレウ諸島の原住民では父と娘の結婚が行われていた。また、ミクロネシアの一部、マーシャル諸島、ハワイでは兄妹結婚または姉弟結婚が行われていた[46]。山内昶はマーシャル諸島や古代アイルランドでは兄弟姉妹間の結婚、ソロモン諸島では父娘間の結婚が認められているといった例を挙げるが[47]、山内昶によれば、基本的にこれらの近親婚の情報はブロニスワフ・マリノフスキの調査に依拠するところが大きいのだという[48]。トロブリアンド諸島にも兄妹相姦の実例が複数ある[49]。
エジプト
古代エジプトでは、皇位継承権は第一皇女にあったが、実質的な君主(ファラオ)は第一皇女の夫であり、古代エジプトの王家で見られた兄妹・姉弟間の婚姻は、本来女系皇族が継承する皇位を、男系皇族が実質的に継承する機能を果たしていたという説がある。例えば、クフの息子であるジェドエフラーは、兄のカワブの死後、その妻でクフの娘のヘテプヘレス2世と結婚し君主になったとされる[50]。ただし、大城道則は、王の娘に王位継承権があるとか言うのは2013年時点で過去の説だと述べている[51]。
エジプトにおいては上の階級だけではなく、下の階級もこれに倣ったので、あらゆる階級の人々の間で近親婚が行われていた[52]。全体の内訳としては、ローマ期エジプトの時点で121組の夫婦の内、20組が全血の兄妹婚、4組が半血の兄妹婚、2組がいとこ婚、95組が非血縁者婚だった。ローマ期エジプトには、8人の子が生存している多産な兄妹夫婦もいたことが判明している[53]。また、山内昶 (1996) は2世紀のエジプトの話として記録された婚姻の20%(113例中23例)がキョウダイ婚とされる事実を引用する[54]。
イスラエル・ユダヤ
ヘブライでは、異母兄妹同士の結婚は許されており、ネルデケは妹のことを花嫁と呼ぶ恋愛詩を紹介している[55]。
中国
中国では、春秋時代の斉の襄公とその異母妹文姜の事例がある[56]。徐送迎 (2001) は、兄妹の性関係について父権制社会においては夫を持ちながら兄と通じることになりかねないため嫌われたものの、母系制社会においては特に嫌う理由がなく残存していたのではと考え、春秋時代の斉で長女が嫁に行かず家を守るという風習は母系制社会の影響があるのではないかと指摘し、君主の襄公が異母妹である文姜と通じたという話は、単に古代中国が東夷と呼んでいた民族において兄妹での性関係が垣間見られたため、地元に土着した君主がその風習に合わせただけだろうと述べている[56]。
インカ帝国
インカ帝国においては、インカ王家の始祖であるマンコ・カパックの婚姻形式を模倣し、皇族の純血性を守ろうとする考えから近親婚が行われ続けた。マンコ・カパックは、財産相続を巡る争いを防止し、神の子孫である一族の血の純潔を保つため王位継承者は常に一番年長の姉妹と結婚するようにとの命じた[55]。
ハワイ王国
ハワイでは王家にのみ許される特権として近親婚が容認されるだけではなく、奨励されており、カメハメハ3世は実の妹ナヒエナエナ王妃と通じていた[57]。古代ハワイの最も位が高い族長が姉か妹と結婚して産まれた息子は高貴な存在と見なされ、その前では誰もがひれ伏さなければならなかった。族長が腹違いの姉か妹と結婚して産まれた息子の場合は威光はさほどでもなく、その前では座るだけでよかった[58]。ハワイにおける兄妹・姉弟間の婚姻はピオ婚と呼ばれている[59]。
ヨーロッパ
ヨーロッパの大貴族であったハプスブルク家は血縁が近い者同士でしばしば結婚を行っていたが、病弱な子供が生まれたりもしていた。
フランスでは18世紀に入りあらゆる価値が相対化し、自由思想家の主張した精神の開放が体系化され、思想においてもマルキ・ド・サドなど家族間の性愛を称揚する動きも生まれたのだが、この時代のフランスのインセストは「哲学の罪」と言われ、一部の特権階級、すなわち神話やかつての王族に見られるインセストの特権意識を模倣したものであったため、このような思想は一般庶民の間で広がりを見せることはなかった[60]。
日本
明治の初めごろ、大阪府の河内や和泉で伯父と姪の結婚がおりおりあって、それをサシアタリと呼んでいた。岩手県などの東北地方でも伯父と姪の夫婦の実例が見られ、盛岡市付近では、実の父と娘の性関係をイモノコと呼んでいた[61]。
1968年、日本では父親に子供時代から長期に渡る近親姦をされ続け子供を産まされるなどしていた娘が、父親を殺害する尊属殺重罰規定違憲判決が起こる。1973年4月4日に最高裁判所において、刑法第200条(尊属殺重罰規定・法定刑は死刑か無期懲役だった)が日本国憲法第14条で規定された「法の下の平等」に違反し違法であるとの憲法判断が示されたことで適用される刑の変更が行われ、執行猶予付判決となった[62]。
宗教と民俗
- 仏教
仏教において親族姦は戒めの対象であった[63]。南方熊楠は、そもそもこういったことが問題になったのは釈迦が活躍した時代は親族姦が多かったからではないかと論じている[64]。
チベットの密教の一つのタントラ教は母と妹と娘を愛欲することで、広大なる悟りを得られると主張する[65][66][信頼性要検証]。姉妹を妻にした三蔵法師もおり[67]、『宝物集』では、実母と通じた明達律師、娘を妻にした順源法師は、共に往生を遂げたといわれる[68]。南方熊楠は、仏典に親族姦の話がよく見受けられることに注目し、明達律師が母親と交わったとか順源法師が娘を娶ったといった類の日本の話は、仏典を参考に創作されたものである可能性を指摘している[69]。
- ヒンドゥー教
ヒンドゥー教のシャクティ派は兄弟姉妹婚を行っていた[70]。インドのヒンドゥー・サクタセクトの間では、近親者間の性交は高次の性関係であって、宗教的完成への一つのステップだった[71]。
- 儒教
中国語では倫理を乱す行いのことを「乱倫 (luàn lún)」というが、この用語は近親相姦の意味で使われることがある。武則天が偏見の目で見られる一因は、ある男とその子供の両方と性的関係を持つことは儒教の考えでは禽獣同然とされていたためである[72]。玄宗は息子の寿王の嫁だった楊貴妃を寵愛したが、彼女を後宮に入れるにあたり、非難を免れるため一旦道教の寺院である道観に入れるという措置が採られた[73]。
孔子の生きていた時代、既に兄弟姉妹間の性行為は民衆の間で強く問題視される行動であった[74]。
- 神道
『古事記』には「上通下通婚(おやこたわけ)」という用語が見られ[75]、これが国つ罪の親子相姦禁止規定につながったという見方もある[76]。「上通下通婚」という言葉について、本居宣長は『古事記伝 三十之巻』で、実の親子を対象としたものなら「祖子婚」という用語になるはずであり、そうならないのは「上通下通婚」は性的関係を持った女性の母や娘も含む概念だからだと論ずる[77]。橋本治は「親子丼」と通称される代物まで含むのは、この話がタブーではなくモラルに関する規定だからではないかと論じている[78]。また、日本が形作られた天地開闢ではイザナギとイザナミは兄妹であり、近親相姦というタブーを犯した結果にヒルコが生まれたとする説がある。[要出典]タブーの末にこうした不具の子が生まれたり罰を受けたりする事象は神話ではよく見られ、ノアの方舟のような洪水の話は、兄妹だけが生き残ってしまったが故に近親相姦はやむを得なかったとしてタブーを乗り越えるための説話であるとされる[79][誰によって?]。
- ゾロアスター教
古代のゾロアスター教においては、父と娘、母と息子、兄弟姉妹の結婚は最高の善行であった[80]。これはフヴァエトヴァダタと呼ばれ、こうした婚姻のモデルはゾロアスター教の宇宙論に見出される[81]。サーサーン朝(226年 - 651年)以前に、王族や貴族、おそらく聖職者の間で行われていたようだが、他の階級でどうであったかはわからない[81]。サーサーン朝以後には、フヴァエトヴァダタはいとこ婚を意味し、一般的に行われていた[81]。19世紀の東洋学者ジャーム・ダルメステテールによると、パールシー(インドのゾロアスター教徒)が親族以外と結婚することは稀であり、いとこ婚が一般的だったが、近親婚は違法であった[81]。フヴァエトヴァダタに関する文献研究はほとんど行われていない[81]。人類学的研究は少なく、有益な研究は限られる[81]。
- ユダヤ教
旧約聖書の『レビ記』18章6 - 18節では、姻族も含めた近親相姦の禁止について言及されている。橋爪大三郎は、『申命記』23章1節に父親の妻に関する規定があることに触れた上で、父親のセクシュアルティを侵害してはならないというのは、父親を敬えということと一緒になった規定のようだと述べている[82]。旧約聖書創世記19章のロトが娘二人と近親相姦をして子をなしたという話はある。ただし、ロトが娘二人と近親相姦をしたという話について、佐藤優はこの話は異常だからこそ話として残された側面があり、近親相姦がタブーではなかったとはいえないのではないかと論じている[83]。
- ユダヤ教異端
メシアを自称したシャブタイ・ツヴィ(17世紀)に始まるシャブタイ派(ユダヤ教)の預言者アブラハム・ナタン(ガザのナタン)は、来るべきメシアの時代には既存の規範が有効性を失い、近親相姦を含む全ての性の禁忌が取り去られると主張した[84]。
- キリスト教
キリスト教では近親婚はタブーである。スコラ哲学者・神学者のトマス・アクィナスはその理由について、人は自然本性的に同じ血縁の者を愛するのであるから、これに性的な愛情が加われば欲望があまりにも激しくなり、貞潔に反するためと述べている[85]。
- キリスト教異端
13世紀の後半から15世紀の初頭にドイツを中心として興った千年王国運動の潮流である自由心霊派(secta spiritus libertatis)は、神との神秘的な合一を果たした宗教的達人「自由心霊」はあらゆる外在的拘束から解き放たれ行為すると主張したが、道徳的逸脱をもって自由心霊兄弟団と批判的に呼ばれた[86]。他人よりも姉妹と関係することが自然であり、姉妹はこの交接によってかえって貞節を増すものであると考えた[87]。ただ、自由心霊派の近親姦の称賛は結局のところ口先だけであった可能性があり、実際に近親姦が常態化していたのかというとそれは怪しいとされる[88]。
清廉潔白を是とするカタリ派では、本来は近親者に対し性行為を行うなどといったことは認められるはずがないのだが、末期になると聖職者の中からも近親婚を許容する言説が発生した[89]。輪廻転生を信じるカタリ派においては、信仰者の中には男女を問わず自分の夫や妻よりも、兄弟や姉妹、息子や娘、甥や姪を相手に関係を持つものが多かったという[90]。一人一人がキリストであり聖霊であると説くアモリ派や、古代キリスト教の一小分派アダム派においても近親相姦が認められていた[91]。
- キリスト教系新宗教
オナイダ・コミュニティを建設した19世紀の宗教家のジョン・ハンフリー・ノイズは、有性生殖の第一原則である近親者同士の交接を行うとして、弟の娘との間に子供を作った他、妹の娘との間にも子供を作った。彼は品種改良家の親等計算方法を引用し、兄弟姉妹は両親から50%ずつ血を受け継いでいるので、その血は100%同じであり、兄妹や姉弟間で生まれた子供は父娘や母息子間で生まれた子供よりも近いと主張した。この計算方法に従うなら、伯父姪や伯母甥の場合も、父娘・母息子相姦と同じになる[92]。ノイズはインセストが素晴らしいものだという様々な思い込みからこのような行為を行ったのだが、オナイダ・コミュニティは31年ほどで終焉を迎えた[93]。
モルモン教の信者達は兄弟姉妹婚を行ったなどと言われた[70]。モルモン教徒が近親婚を行っているなどという風評が生まれた原因は、その初期において一夫多妻の教義を主張したモルモン教はアメリカ合衆国政府と激しく対立する事態になったため、信者達としては教会外の人達と結婚するくらいなら、まだ父親と結婚したほうが良いという話になってしまったためである[94]。
1968年に発足し世界100カ国に展開したキリスト教福音派の宗教組織ファミリー・インターナショナルは、「近親相姦は神によって禁じられていない」という認識を示し、共同体内で近親相姦が行われた[95][96]。
- イスラム教
イスラム教では近親者間の結婚は認められないため、近親関係にある者同士が夫婦のような関係になっても、それは密通と同一視され問題になるのは明らかであるが、具体的な対応についてはいくつかの可能性がある[97]。いくつかのイスラム神学校では、例えば手を切り落とすといったように独自の裁量での量刑の修正が認められていることも、インセストについての対応を複雑化させている[97]。
イスラム教の伝承[何の?]では、人類最初の夫婦アーダムとハウワーは最初にカービールとカービールの双子の妹を生み、その次にハービールとハービールの双子の妹を生んだ。預言者アーダムは子供たちが成熟すると、カービールはハービールの双子の妹と結婚し、ハービールはカービールの双子の妹と結婚するように指示した。ハービールはその指示に同意したが、カービールは自身の双子の妹と結婚することを望んだ[98]。
その他
ラテン語で近親相姦を意味する incestum は「不敬な」などという意味であり、ドイツ語で近親相姦の意味で用いられる Blutschande は「血の冒涜」を意味する[99]。
近親相姦によって偉大な力を得られるという考えもあり、アフリカのマラウィにおいては、母や姉妹との交わりは戦いにおける弾よけになるという信仰もあった[100]。
朝鮮の新羅の王族は近親婚を行っており、骨品制という身分制度において天降種族たる王族の血の純潔性を尊んだことが一因である[101]。血が混ざると呪力が落ちてしまうという信仰の影響もあるのではという見方も存在する[101][誰によって?]。
江戸時代における日本では、異性の双子は産まれる前に母親の腹の中で性行為をしているとされ忌避されていた[102]。日本では男女の双子は心中者の生まれ変わりと考える文化があり、夫婦にしてやらなければならないと考えた[103]。そのため、片方を養子に出して成人してから他人として結婚させるということが行われた。日本の民間信仰においては双子は夫婦になりたがる奴らだということで「畜生腹」などと言われ忌み嫌われていた[104]。
バリ島やサモアでは、男女の双子は母親の胎内で近親相姦をしていると考えられている[105][106]。バリ島では、双子という存在は母胎内で近親姦を行った存在という理由で、激しい社会的嫌悪の対象となったとされる[104]。バリ島では、この双子が母の胎内にいる時から既に親密であったとして、兄弟姉妹間での性交が許されていた[43]。バリ島では、近親者間での性行為が発覚すると豚の真似ごとをさせられる決まりとなっていたが、世界的に見ればこの程度の制裁で済むのは軽い方だった[107]。また、サモアの貴族階級では姉と弟が結婚するという事例が見られる[108]。
日本のムラ社会関係
日本における話として、赤松啓介は『夜這いの民俗学』(1994年)において、かつて男のフンドシ祝いや女のコシマキ祝い(以前はオハグロ祝いと呼んだ)では儀式的に初体験を行う場合があり、これが周りの人に阻害された場合などに父娘や母息子といった組み合わせで初体験を済ませてしまう場合があったようだが、あまりそういうことについてうるさく話さないという了解があったとしている[109]。赤松啓介は、障害者に関して本来は他人が行うべき性教育を身内の人が行わざるを得なくなったために近親同士で妊娠させてしまっている場合もあること、またハンセン病患者や知的障害者は近親性交が原因で地元を離れるはめになる場合があったことなどの例を挙げ、一般の研究者がこういった社会の暗黒面を見ようとしないことを批判している[110]。また赤松啓介は、近親性交を理由に地元を立ち退いた知的障害者は、都市部のスラムなどにおいて夫婦同然の暮らしをしている場合もあると述べている[111]。
解釈
- 精神分析学的解釈
カール・グスタフ・ユングは、近親相姦は高度に宗教的な側面を有しており、そのために近親相姦はほとんど全ての宇宙進化論や神話の中で決定的な役割を演じていると主張した[112]。
法律
近親者同士の性行為に関する法律は法域によって大きく異なっており、性行為の種類や当事者の家族関係の在り方、当事者の年齢や性別によって様々である。近親相姦を禁じる法律で近親婚が禁じられている場合もあるが、これも法域によって異なる。ほとんどの法域では、両者の年齢に関わらず近親相姦は違法であり、親子婚および兄弟姉妹婚は禁止されている。叔姪婚(おじと姪、おばと甥の結婚)の禁止も広くみられ、いとこ婚が禁止されている法域もある。スウェーデンは片親が異なる半血の兄弟姉妹間の結婚を認めている唯一の国であり、希望者は結婚前に政府のカウンセリングを受ける必要がある[113]
合意のある近親相姦の法的な扱いは法域によって異なる。ルーマニア等の一部では、強姦や未成年者との性行為といった性犯罪において、加害者が被害者の近親者であることが加重要件となる[114]。
公的対応の統計
- アメリカ合衆国
2010年のFourth National Incidence Study of Child Abuse and Neglect(NIS-4)によれば、児童保護サービスが当該年に把握した実親による性的虐待が4万9千5百件で、義理の親あるいはそのような存在による性的虐待は3万1千3百件である[14]。
- 日本
法務総合研究所の統計によれば、警察による親子間の不同意性交等(令和5年改正)の検挙数は監護者性交等罪が制定されて以降増加している[115]。それまでは年間20件行くかどうかだったのが、2019年以降は年間100件を超えてくるのが常態化している[115]。一方で、兄弟姉妹間の不同意性交等については年間20~30件程と一応は増加はしたものの親子ほど急激な上昇を見せてはいない[115]。
児童相談所の中には、児童性的虐待の対応案件の内訳の問い合わせに回答しているところもあり、2020年に『朝日新聞』が行った調査では、全214箇所のうち、回答したのは159箇所で、2018年度にそれらの児童相談所が対応した性的虐待の案件の加害者の内訳は実父469件、その他の父296件、実母66件、その他の母4件である[116]。児童虐待防止法では保護者でなければ対応できない扱いにはなっているが、保護者以外の場合も一応統計はとっていて、同調査では兄弟姉妹63件、祖父母18件、伯叔父伯叔母29件、従兄弟姉妹1件などとなっている[116]。日本の厚生労働省の扱いとしては、『子ども虐待対応の手引き 平成25年8月厚生労働省の改正通知』によれば、兄弟姉妹間の性的虐待は統計上は親がネグレクトをしたという扱いでの対応になっている[117]。
国立研究開発法人産業技術総合研究所による2016年度から2018年度にかけての全ての児童相談所における性的虐待案件の報告書によると、加害者とされる親の類型別の内訳は、実父2288件、その他の父1424件、実母499件、その他の母28件である[118]。また、同報告書によれば同期間における市区町村における性的虐待の対応案件の場合は、実父1395件、その他の父743件、実母304件、その他の母13件となる[118]。各種統計では血縁関係がある父親が性的虐待を行う場合が多いのだが、これは日本での絶対数が多い実父が性的虐待の案件でも多く出てしまうためなので、血縁関係がない父親が性的虐待を行うものだという社会通念が単純に否定されるものではない[119]。
神奈川県中央児童相談所が2017年度から2021年度にかけての対応件数をまとめた報告書では、父親による性的虐待の案件が実父102件、義父36件、継父14件となっているのに対し、キョウダイによる性被害については全部で48件で、うち実兄からが35件で実弟からが6件と出ている[120]。
精神医学と人間心理
ジークムント・フロイトが自ら初期の誘惑理論を放棄した後、精神医学、精神分析学、心理学の分野では1980年代に入るまでほとんどの近親姦の話は子供時代の幻想に過ぎないと主張されていたが、その後は大量の文献が発表されている[121]。ただ、近親姦によってもたらされる様々な負の精神的影響の治療にまで触れている文献は稀だった[122]。秋月菜央は、性被害の精神的影響の研究に消極的な精神科医が多い理由として、精神科医自体がインセスト・タブーの影響下にある可能性を指摘している[123]。
スーザン・フォワードは社会には恐らく近親相姦嫌悪を原因とした、近親相姦についてのさまざまな誤解が存在していることを指摘しており、例えば、近親相姦というものはめったに存在しない、あるいは貧困家庭や低教育層や過疎地で起こるものだ、近親相姦を行うものは社会的にも性的にも逸脱した変質者だなどといった誤解を例に挙げており、また性的に満たされない人間が行うと考えられることもあるが、実際は支配欲などが主な動機と考えられており、たとえ最終的に性欲をも満たそうとすることはあっても行為のきっかけにはなりにくいとも述べている[124]。
スーザン・フォワードは、心理学上は近親相姦とは近親者における接触性の性的行為全てを指し、接触のない近親者による性的行動は近親相姦的行為とされるとし、親子のスキンシップなど必要とされる接触行為も存在すると述べた上で、どのような行為が近親相姦行為か否かに関しての区分は、一般にそれを秘密にしなくてはならないかどうかであるとする[125]。
近親相姦の記憶について研究を行ったジュディス・ハーマンは、記憶の断片化や喪失が見られるとして多重人格障害とは自らが提唱した複雑性PTSDの一種であると論じた[126]。この複雑性PTSDは世界保健機関が2019年5月に改訂した疾病及び関連保健問題の国際統計分類の第11版で、正式に疾患として認められることとなった。長期反復的虐待が複雑性PTSDを引き起こす原因の代表格とされているので、そのような性質がある近親姦の被害者が複雑性PTSDに罹患していることはありそうな話として扱われている[127]。近親姦に伴い複雑性PTSDを患った女性達に対する治療法の研究も行われている[128]。ただし、和田秀樹は近親相姦や性的虐待の被害者が多重人格の人にも多いとはいえ、本来トラウマの後遺症に関する研究は多重人格の研究とは別物だと語っている[129]。
特に家庭内の場合に限らず性暴力は被害者に深刻な影響を与えるものなのだが、家庭内性暴力の場合はその影響が特に顕著に現れるという点では各研究者間の意見が一致する[130]。家庭内で性暴力が起こった場合は影響が甚大なことについて、司法精神医学が専門の安藤久美子は、親のように子供を保護する役目の人物が性加害を行うことは、家庭における子供の安全な環境を根源的に崩壊させる結果をもたらすためと説明する[130]。典型的な話としては、近親姦が家庭内で起こることは再被害の可能性が高い状態に子供達を置き、そのような状態に置かれた子供の心理に大きな影響を与えるものとされている[127]。
日本における家庭内性暴力被害の当事者らへの証言を分析[注釈 3]した齋藤梓は、実際上の話として、性的な行為の意味を理解できないほど幼い頃から行われ、その意味を理解した後であっても拒むことは困難で、なかなか他の人に相談のしようもなく、結果として希死念慮などの重篤な症状を示すという実態があることが重要だとして、日本社会で家庭内性暴力を恋愛として扱おうとするのは現実を誤認した主張であるとしている[134]。
Zlatka Rakovec-Felser and Lea Vidovič (2016) による、スロベニアで裁判にかけられた73件の性的虐待事件の分析によれば、家庭外性的虐待(28例)は被害者の事件開示までかかった期間は1.9±5.18年なのに対し、親戚や家族の親しい人による性的虐待の場合(14例)は3±4.15年、父親やそのような存在あるいは兄弟による性的虐待の場合(31例)は5±5.65年とより遅れるとされる[135]。家庭内性的虐待は家庭外性的虐待に比べ子供が話しにくい環境があるとされ、これについてはどうせ言っても信じてくれないからとかあるいは非加害親を守りたいからとかいう理屈づけはできるものの、児童性的虐待に対する世間の認識そのものに関する研究は不足していた[136]。そこで、Eunice Magalhães et al. (2025) は、549人を対象に父親と娘及び母親と息子の架空の児童性的虐待の事例に関して非加害親がそれぞれ非難、否定及び支援を行ったとする合計6パターンの質問を行ったところ、被害者の言うことを信じそれを重大な問題とみなす傾向が若年層ほど強くみられるということが分かり、年配の人たちが児童性的虐待に関する固定観念により強く影響されてきた可能性を物語る結果となった[136]。その一方で、研究チームは父親に性的虐待を受けた娘を支援する母親に人々はより共感してくれるのではないかと予想していたのだが、実際には母と息子の場合は父親と娘の場合よりも被害者非難について子供の過失性が問われやすいという違いが出ただけで、予想されたような結果は出なかった[136]。
Ines Testoni, Chiara Mariani and Adriano Zamperini (2018) はイタリアで近親姦と再被害化の関連を調査しようとしたが、協力を求めた112箇所の反暴力センターのうち調査に参加したのは13箇所で、把握できた近親姦の被害者は女性30人男性2人のみだった[137]。そのような状況であったが行われた本研究で明らかになったのは、この32人にとって母親は加害を行った人物ではなかったにもかかわらず、30人の被害女性のうち母親が近親姦の報告に協力してくれたのは、母親にとっては夫に当たる人物に被害を受けていた3人のみだったという事実であった[137]。研究チームは母親が近親姦での加害者の告発を行わず被害者が孤立する場合があることが再被害化の一因とみるが、そもそも13箇所の反暴力センターしか研究に協力してくれなかったという事実自体、この問題が十分に理解されていない可能性を伺わせるものだとしている[137]。
性暴力加害者について家庭内と家庭外の場合で違いがあるかについて比較したメタ分析研究としては、Frederica M. Martijn et al. (2020) による、男性加害者について2169人の家庭内性暴力加害者と2852人の家庭外性暴力加害者を比較した研究があるが、その結果は家庭内性暴力の加害者は家庭外性暴力の加害者に比べ明らかに児童期にマルトリートメントを受けた人物が多いというものであった[138]。ただ、性暴力加害者についての研究では家庭内の場合と家庭外の場合とで共通点も多く報告されており、そもそも家庭内でも家庭外でも関係なく性暴力を行う加害者というのも一定数存在している[139]。女性加害者については被害者の自己申告による調査ではあるが、Cat Munroe and Martha Shumway (2022) による未成年者に対する性加害者と成年者に対する性加害者を比較した研究があって、未成年者に対する性加害の場合はうち親族(従姉妹なども含む)を対象にした女性性加害者の比率は112例中26例で23.2%に達するのに対し、成年者に対する性加害の場合は53例中1例で比率は1.9%だったとされる[140]。
- 精神的行為
たとえ実際に明らかな近親姦もしくは近親姦的行為がなくても、親子間において似たような破壊的力動が起こることもあると主張する研究者がいる。それは情緒的近親姦(じょうちょてききんしんかん、Emotional Incest)と言われる概念である。単に娘が父親と高校三年生まで一緒に入浴していたというだけでも、セクシュアル・アビュースと同様の影響が娘に見られた場合もあると速水由紀子は論ずる[141]。子供との関係が養育から近親姦的な愛への境界線を越えるのは、それが子供の欲求を満たすためではなく、親の欲求を満たすためのものになった時であるというが、このような場合は親は意識レベルでは子供を性的に裏切っていることに気づかない場合も多い[142]。この概念を用いる際は、近親姦は「明白な近親姦」と言われる。
息子に対して誘惑的な行動をとる母親の存在はよく指摘されてはいるものの、父親によるものと違い母親による誘惑行為が近親姦的な意図による虐待行為とみなされることは少ない。精神分析家の多くはかつては母親との情緒的癒着によってゲイになるのだろうと言っていたが、現在はゲイだから母親に誘惑されたという解釈も出てきている。この解釈ではゲイの場合母親が子供から得られると思っていたロマンティックな感じが得られないため、無理矢理に母親が誘惑するのであるという[143]。
- 精神分析学
- 被害証言の信憑性
1990年代のアメリカ合衆国において、近親者から性的虐待を受けたという訴えについて、今まで抑圧されていた記憶が回復したものだと主張する心理療法家と、そのような記憶の信憑性を疑う記憶心理学者との間で意見対立が生じた[144]。
文化人類学と婚姻規則
ブロニスワフ・マリノフスキが『未開社会における性と抑圧』(1927年)を書いたころは、近親相姦のタブーが外婚制を生み出したと考えられていた[145]。ブロニスワフ・マリノフスキは、メラネシアでは父親と娘の性関係は外婚規制の対象ではないにもかかわらず問題視されていると指摘する[146]。だが、人類学者にして構造主義者であるクロード・レヴィ=ストロースは、交叉いとこ婚は容認されながらも平行いとこ婚は禁忌扱いされている社会があることに着目し、近親相姦の禁止は族外婚の推奨のため、自らの一族の女性を他の一族に贈与するためであるという説を体系化した。この説における族外婚とは結婚制度における規則であり、それに従うことによって家族間で女性の交換が行われ一つの社会を築き上げることができるのだと解釈できる[147]。特に家族という概念を公的分野にまで持ち込もうとする社会では、このような婚姻規則はより複雑化するわけである。しかし、莫大な財産がある場合はこのように族外婚を行ってしまうと外戚によって一族の財産が乗っ取られてしまうため、人民に対して絶対的な地位にある場合は近親婚が行われる例もある。君主の一族における近親婚は権力の分散を防ぐためと説明されることもあり、倭国の大王家や新羅王家の慶州金氏ではしばしば血族結婚が行われていたとされている[148]。一方、この理論は貨幣として女性を扱う考えであり、レヴィ=ストロースにとってはこのように女性は高い価値があると主張したつもりなのであるが、女性から見た場合は自分達が交換要員として場合によっては全く馴染みがない一族と結婚させられるため必ずしも女性にとって良い思想ではなく、考え方の根本に男性優位的な側面がある可能性も指摘される[149]。日本で行われてきた族内婚の場合、父系と母系の区別があやふやになるため、女性の継承権が必ずしも否定されないという側面も存在する[150]。
近親相姦のイメージとは、婚姻秩序に基づいた抑圧によるでっち上げに過ぎないという見方も存在し、ドゥルーズ=ガタリは『アンチ・オイディプス』において、母親は出自の秩序を守るため、姉妹は縁組の秩序を守るためそれぞれの近親相姦の禁止は存在すると捉えた上で、白人を主体とする植民者などといった存在と接続した原始社会の体系と革命的な「生産的な無意識」こと「欲望する諸機械」との間の境界線として近親相姦のイメージは出現しているとして、実際には代替イメージとしての近親相姦を行うことなど不可能であると主張している[151]。大城道則 (2013) は、アクエンアテンが娘であるアンクエスエンパアテンと親子で結婚したように古代エジプトの王家では近親婚が一般的に行われていたが、これを本人たちの性癖によるものと勘違いしてはならないと注意を促している[152]。かつてはブロニスワフ・マリノフスキやジョージ・マードックのように近親相姦の禁止は家族の維持に不可欠だという研究者もいたが、原田武は古代エジプトの話も交えながらこれは単にいかなるありようが理想的かと述べているだけだと指摘する[153]。遊牧民族では、テントに入りきらない家族は分かれて別の家族を作っていく。ある時、遠方の部族と交戦し、相手の女を略奪して妻にした時、それがかつて別れていった一族の女で兄妹・姉弟の関係だったとしても、それは近親相姦とはされないことが多い[154]。エマニュエル・トッドは、アラブ世界では内婚制の共同体家族という家族形式が一般的なのだが、このような世界ではもともと国家が成立しにくく、それでもイラクのサッダーム・フセイン政権のように部族連合が軍隊を掌握することで不自然ながら一応は国家が成り立っていたのに、アメリカ合衆国がイラクに侵攻したことで国家自体が消滅し「イスラム国」が展開する事態になったと指摘する[155]。また、エマニュエル・トッドはドイツのアンゲラ・メルケル首相が進める難民の受け入れについて、いとこ婚に否定的なドイツに内婚に肯定的なシリアの人々を入れるというのは、たとえ経済的に合理的だとしても人類学的には無謀だとも語っている[156]。
一方、中国では父系制社会を維持しようとする儒教的観点から、同じ宗族同士の同姓婚が忌み嫌われた時代があり、この同姓不婚の慣習は他国家にも影響を与え、朝鮮の高麗王朝は元のクビライ(世祖)に同姓不婚の制度を守るよう命令を受け、忠宣王も一応はこれに同意した[101]。だが、高麗では巫俗や仏教が盛んで儒教的思想に馴染みがなかったことなどから、異母兄弟姉妹婚などの族内婚が行われていたため、このような命令を発しても現実には効果がなかったとされる[101]。だが、李氏朝鮮時代になるとこの状況に変化が見られ、満州族が中国を征服し清王朝を樹立し後に同姓不婚の制度を廃止した一方で、朝鮮では自分たちこそ正統な中国文明の後継者という自負から小中華思想が発展し、明王朝時代の中国の法律を模範として同姓同本婚を禁じ、この状況は後の大韓民国に引き継がれることとなった[101]。また、日本においても時代の経過とともに天皇家に近親婚が少なくなっていった理由は中国の同姓不婚制の影響ではないかという見方も存在する[157]。池田信夫は與那覇潤との対談において、中国は戦争が激しかったので中央集権化が進み父系の外婚制になったと論じたが、與那覇潤はこれに対しあなたは経済学者だからそうまとめるのだろうが、日本にも後醍醐天皇など専制を目指した君主はいたわけで、その理論では日本が中国のような国にならなかったと言うことがすんなり説明できないとし、もっと歴史的あるいは社会的な観点を大事にすべきだと指摘した上で、中国が外婚制になったのは科挙の影響で人材を広く求める必要があったことが大きいとしている[158]。エマニュエル・トッドは、外婚制の共同体家族の地域では共産主義が受け入れられやすく、このような家族制度の下にあるロシアや中華人民共和国のような地域では共産主義から実質的に離脱したとしてもその傾向は残り続けるとし[159]、このような一致の理由については権威主義的な親子関係の下で兄弟が平等主義的に扱われるからだと推測している[160]。
また、婚姻による親族関係は血族ではなく姻族と呼ばれるのだが、姻族同士の婚姻についても禁じる社会もあり、日本においては義理の直系親族と結婚を行うことが不可となっている。藤原薬子が婿である安殿親王と性的関係を結んだところ、これを知った安殿親王の父親である桓武天皇によって彼女は宮廷を追放されてしまったらしいという話もあるが、父親の死後に安殿親王が天皇に即位し平城天皇となると彼女は尚侍として宮中に戻された[161]。川喜田二郎は1950年代にヒマラヤのチベット人の調査を行ったが、父親と息子が妻を共有したり母親と娘が夫を共有したりするなどといった慣習のある村の人に、日本で父系並行いとこ婚が認められている事実を話すと、日本はなんと逸脱した地域なのかといった回答をされたことを述べる[162]。父親の死後に継母と結婚したり、兄弟の死後に彼らの未亡人と結婚したりするのは漢では問題視される行動であったが、匈奴では認められていた慣習であった[163]。イスラーム教では、『クルアーン』において乳母を娶ることや乳兄弟姉妹間の結婚も禁止されている[164]。
動物
人間のインセスト・タブーに関しては、今西錦司のようにサルのインセスト回避との連続体として捉える考えもある[165]。平山朝治 (2003) は、人間はネオテニー進化を経た存在であるという見解について触れ、ボノボやチンパンジーでは性的に成熟した息子が母親と性交することはまず見られないものの、性的に成熟していなければ母親と性交する現象が確認できることから、ネオテニーの子供の場合では母親が息子のことをまだ子供だと錯覚しているため、より母と息子の近親交配が起こりやすいという仮説を立てている[166]。
近親交配
第一度近親者同士による交配における遺伝的リスクは、元々の遺伝的リスクに加え全体比で6.8%から11.2%の増加と推測されている[167]。
哲学と政治思想
プラトンの『国家』では、近親相姦の禁止について論じた対話が載せられているが、近親相姦を禁止するといっても具体的に父と娘の如き親族関係はいかにして定めればよいのかという問題に関しては、婚姻関係から親子関係を推定すればよいではないかという意見が載せられている[168]。比較的緩い形で近親相姦の禁止を設けていた社会も存在し、ギリシアなどでは兄弟姉妹婚には寛容であったのだが、これは近親相姦を容認していたというわけではなく、プラトンの『国家』では娘や娘の子供達や母や母方の祖母などとの性関係は許されないとしている[169]。これは男性側の話であり、女性の場合は息子と息子の息子や父と父の父親との性関係が禁じられると続けている[170]。
キティオンのストア派古代ギリシア哲学者ゼノンは、「母親の局部を自分の局部で擦るのはおかしなことではない。母親の身体の他の部分を手で触ることを誰もおかしいと言わないように」という見解を持った[171]。また、ストア派のクリュシッポスは、多くの人たちの間で正当な行いとされている通りに、父親は娘によって、母親は息子によって、兄弟は姉妹によって子供を作るのがよいと思われると述べている[172]。また、母親や娘、姉妹と交わることは非合理ではなく、自然本性に反していないと判定しなければならないとしている[173]。ジル・ドゥルーズは『意味の論理学』で、クリュシッポスとキニク派のディオゲネスの近親姦擁護論について触れ、諸々の物体として認識されている物体が実はその深層において混在状態にあるという考えが近親姦擁護論の背景にあると指摘している[174]。ディオゲネスはオイディプスが言うような家族関係の混乱など、犬や驢馬にとってはどうでもいいことだと論じたと伝えられている[175]。ドゥルーズは、食人や近親姦を認めるストア派の思想を基本的には問題視するが、それでも出来事をあるがままに意志するという彼らなりのモラルはあったのだとしている[176]。
ストア派において、近親者間の性交を認める論は複数見られたが、エピクロス派の創始者であるエピクロスも母親や姉妹と交わることを教えた[177]。
空想的社会主義の思想家とされるシャルル・フーリエは、『愛の新世界』において傍系の場合の近親姦を擁護する論陣を張った[178]。シャルル・フーリエは家族制度の廃止によって近親相姦を許可し、子供は託児所で社会が育てる形にすればよいと主張したのだが、過激だということで『愛の新世界』は長らく公にされることはなかった[179]。
エーリッヒ・フロムは、ネクロフィリア、ナルシシズムと近親相姦的共生が極端な形態で混合したものを「衰退のシンドローム」と呼び、その具体例がアドルフ・ヒトラーであると論じた[180]。アドルフ・ヒトラーは自らの民族を梅毒やユダヤ人から守らねばならないと主張したが、この『我が闘争』で述べられたような主張がヒトラーの近親相姦的固着を表しているとエーリッヒ・フロムは主張した[181]。ミシェル・フーコーは『性の歴史I 知への意志』で、そもそも家族とは婚姻という形で性欲を封印する場として存在するものなのだが、18世紀以降の西ヨーロッパではそこを情緒的な繋がりの場となったため、家族がインセストを教唆する格好になってしまっていると論じた[182]。
小川仁志 (2013) によれば、国家機能を縮小させ個人の自由を徹底的に尊重するリバタリアニズムという思想の立場に立てば、自由を主張し結婚制度を終了させ近親相姦でも何でも好きなようにやればよいという論理が成り立つが、周囲を不快にさせるようなことまで自由だというのはおかしいということで、この思想を非難する声が上がっているという[183]。鷲田小彌太 (2016) は、人間は放っておくと欲望を際限なく追求してしまうものであり、だからこそ食人や近親相姦や殺人は禁忌とされているのだと論じた[184]。
萱野稔人は、他人を害さない個人の行動は認められるべきというリベラリズムの論理がインセスト・タブーを破れないのは、リベラリズムよりもインセスト・タブーのほうが上位の概念だからだと指摘している[185]。萱野稔人によれば、日本や欧米の社会でリベラリズムに対し懐疑的な見方をする人々が急激に増加したのは、同意の上なら何もやってもいいというリベラリズムの論理が広まり過ぎたため、インセスト・タブーなどより強固な概念に直面してしまったところ、リベラル派を自称する人たちは、そのような問題の存在を黙殺して、リベラリズムは世界の一切の問題を解決できる至高の概念なのだとする一方的な主張を周囲に対して無理往生に押し付けるようになったためである[186]。
現代の研究
- 兄弟姉妹間
社会学者デイビッド・フィンケラーは796人の大学生を対象にした調査の兄弟姉妹姦の分析結果を1980年に発表したが、それによれば女性の15%、男性の10%は、性器の愛撫などといった行為が多いものの、何らかの形での兄弟姉妹との近親姦を報告し、その兄弟姉妹の近親姦の4分の1は年齢差などの状況から判断して兄弟姉妹間の虐待とみなされうるものであったと主張している[187]。
Marisa Laviola (1992) による、17例の兄妹姦の調査報告においては、年齢差が近い例も多かったにもかかわらず、兄による近親姦被害を受けた妹達は全員強制された行為として近親姦を認識していたという[188]。
Floyd Mansfield Martinsonは1994年の自らの著書『The Sexual Life of Children(訳:子供達の性生活)』で子供の性について扱っている。Floydは、子供時代の男女間の性的行為そのものがかなり普通にあると論じ、互いに近い関係にあることが原因で子供時代の兄弟姉妹の間で性的行為が起こりうるとしている[189]。
兄弟姉妹の近親姦は、両親あるいは片親の欠如など家庭内における両親の機能が存在していないことが、重要なファクターとして機能している可能性がある[190]。兄弟姉妹姦の発生と家庭の機能不全との関連性については、かなりの量のエビデンスが集まっている状況である[191]。
H. Smith and E. Israel (1987) は、コロラド州のボルダー性的虐待チームに1982年5月から1985年12月にかけ報告された25例の兄弟姉妹姦の事例の調査で、兄弟姉妹姦を行っている子供の多くは親と疎遠な関係にある傾向があったとしている[192]。一方、原田武 (2001) は、しばしば両親や片親の不在や機能不全が兄弟姉妹の近親相姦を起こりやすくするという見解が唱えられているが、全く逆に家族の厳格さが子供達を密接な関係にしている可能性もまた存在すると指摘している[190]。
かつて1980年代から1990年代にかけては、親の育て方が悪かったため兄弟姉妹姦が発生したのではないかという仮説が多数出されたが、各因子を取り除くため対照群との比較検証が行われた結果、兄弟姉妹姦を引き起こす明確な親の育児スタイルは存在しないとされた[193]。2000年代には、兄弟姉妹姦が起こる原因として、家族構成には着目せず、加害者と被害者が近接した環境下に置かれているためなんだという点が強調されたりもした[194]。
Marjorie S. Hardy (2001) による、17歳から48歳までの203人(うち女性が151人で男性が52人)の兄弟姉妹との関係についての調査では、7%の兄弟姉妹間において不適切な性的振る舞いがあったとし、兄弟姉妹間で性的あるいは身体的な虐待が起こった家庭は、そうでない家庭と家族構成は何ら異なるところはなかったとする一方で、兄弟姉妹に対して性的あるいは身体的な振る舞いをした人物は、より強い家庭内ストレスを訴える傾向があったという点も同時に強調している[195]。
性的虐待について18歳以上による143例と17歳以下による51例を比較したJon A. Shaw et al. (2000) の研究においては、行為それ自体については加害者が大人でも子供でも特に変わりはない一方で、17歳以下によるものの場合は兄弟姉妹間の性的虐待の被害男性が比較的多いとするが、この研究では調査対象になった児童間の性的虐待のうち51%が兄弟姉妹の間で起こっていたものであったという[196]。
Stephen L. O'Keefe et al. (2014) による、1178人への男性への調査では、姉に性被害を受けた男性は27人おり、大抵は姉との行為が初めての性体験だったのだが、彼らは近親姦を経験したことを恥辱として認識している傾向があり、その点でより重度の問題を抱えている傾向があったとしている[197]。それまでも現場関係者の中には、同意の上で姉と性行為を行ったんだと言っている弟であっても、実際にはトラウマを抱えているように見えるという感覚を覚える人はいたのだが、S. O'Keefe et al. (2014) の研究はそのような主観的感覚に、優れた方法論的研究によって裏付けを与えたものとなった[198]。
Kelly M. Babchishin et al. (2024) は、ドイツと北米で義理や半血も含む兄弟姉妹間の性的接触について、他国籍の人も含めて異性の兄弟姉妹のいる人を対象に実態調査を行ったが、ドイツでは773人中93人で北米では1085人中146人で、発生率としてみた場合は地域差がほぼ見られないことが分かった[199]。この調査の主目的は兄弟姉妹姦のリスクファクターの特定であり、兄弟姉妹が近しい関係にあることはおろか、兄弟姉妹に対する性的な関心すら兄弟姉妹間の性的行為において重要な要素ではなく、家族による裸への興味という要素が親による性的虐待という要素とともに家庭の機能不全という観点では大きなリスクファクターとなることが分かった[199]。また、本調査で継兄弟姉妹がいたのは合わせて74人だが、性的接触がある率は31.1%と全血の兄弟姉妹の場合(11.8%)に比べかなりの高率となり、半血の兄弟姉妹の場合(13.9%)も少し比率は高いとして、こういった家庭の場合は性教育についてより注意が必要であると研究チームは報告を纏めている[199]。
- 親子間
Sandra S. Stroebel et al. (2012) は、1521人の女性に対する調査で、父と娘の近親姦は19例存在したが、彼女達はそのことで様々な主観的な負の感覚を持ちやすい他、成人後のセクシュアリティにも近親姦で大きな影響が及び、性的なコミュニケーションや満足などについての評価値がより悪く出る傾向があったという報告をしている[200]。
加害者が父親であるということに限定した被害の影響を特に調べる目的で、父娘間の性的虐待をその他の大人による性的虐待と統計的に比較した研究は、2017年のKeith W. Beard et al.による74人の父娘近親姦の被害者を355人のそれ以外の性的虐待被害者と比較した論文[注釈 4]が初めてとされるが、その結果は抑鬱傾向及び同性愛に対する関心や危険な性的行動をとるリスクという面では、父娘間の性的虐待の方がそれ以外の人物によるものより影響が大きいというものであった[12]。さらに、Keith W. Beard et al. (2019) は、無作為抽出ではない対象を用いた研究とはなるが、K. W. Beard et al. (2017) でも取り上げられた60人を含む父娘近親姦の被害者64人について、通常の被害者支援や児童福祉の観点で用いられる児童性的虐待向けセラピーを受けた32人と受けていない32人に分類した上で、他の要因を除去しながらその効果を比較した結果、標準的な児童性的虐待向けのセラピーの効果は父娘近親姦の被害者にとっては自慰をすることが多くなる程度でほぼ意味がないことを発見した[12]。
Judith A. Iffland and Jana Thomas (2024) は、娘に性行為を行ったとして裁判にかけられた10人の父親(うち実父は4人で義父が6人)についての研究で、加害者の中には育った家庭に問題のない人もいるが、虐待があった場合は男性より女性による場合が多いという点を指摘しており、女性の保護者に性的虐待を加えられたという加害者も2人ほどいたという[201]。
Tateki Yoga Tursilarini et al. (2024) は、インドネシアにおける5例の父娘近親姦(うち実の父娘が3例で義理の父娘が2例)を分析した上で、父親のモラルの欠如がこのような事態を招いているとするが[202]、Sjafiatul Mardliyah et al. (2025) は、インドネシアにおける児童性的虐待を扱った25の論文を類型別に分類し、T. Y. Tursilarini et al. (2024) の近親姦を扱った論文は、児童の安全の確保についてどう教育するかという観点で書かれた6例の論文のうちの一つだとしている[203]。
母親と息子の近親姦に関しても様々な研究が行われているが、少なからず発生しているにもかかわらず、アメリカ合衆国においては、母と息子の近親姦に対する嫌悪が強く、議論が進みにくい状況がある。アメリカ合衆国では母息子間の近親姦は近親姦の中でも最大の禁忌であり、理論上の可能性として母息子間の近親姦を取り上げただけで白い目で見られたとリチャード・ガートナー (1999) は述べている[204]。
リチャード・ガートナーは、母親からの性的虐待を受けた男児の心理状態として、「自分は特別な存在であり、特権を与えられるに値する人間なのである」という感覚を持つ一方、実のところその感覚はかりそめでいつ壊れても不思議はないものという感覚があり、それに対して過剰に警戒しながら母親の恋人としてふさわしくあろうとするために、パラノイアに近い広範な不安に苛まれてしまっていると述べている[205]。Arnold Rothstein (1979) は、この不安は自分自身が母親に嘲られる可能性を予期し、先々それに応じた反応を取ることで心理的な被害を食い止めようとするために起こる反応であるとしている[206]。この理論はグレン・ギャバード and Stuart W. Twemlow (1994) によってさらに発展され、息子は母親によって母親の自己愛を満たすことが自分の役割だと思い込まされるが、そのために間違ってでも母親を不快にさせた場合、それは自分の存在そのものを否定されることに等しくなり、それゆえに息子はまるで綱渡りをしているような状況に陥るのだという[207]。一方、自分が特別だという感情は行為そのものへの武勇伝的感覚などに由来するとみられ、こうした感情は自分が非常に誘惑的で、多くの女を魅惑する力を持っているのだと思い込む力へとつながるが、虐待時の母親の行動は母親の都合で歪められた認識下で起こっていることが多いとリチャード・ガートナー (1999) は述べている[208]。
Loretta M. McCarty (1986) は、テキサス人材開発省のダラス近親姦治療プログラムに3年間で寄せられた、子供を性的に虐待した26人の実の母親とそれに準ずる存在である3人の女性の報告について、うち実母3人を除く26人を再検討する形で行われた研究で、単独の加害者12人については被害者が娘の場合と息子の場合に分けて検証し、幼い娘を虐待した4人の母親は娘を自らの拡張のように扱う傾向があったのに対し、息子に近親姦を行う母親の中には父親不在で息子を同世代の仲間であるかのように扱おうとしたとみられる場合も3例ほど存在したという報告をしている[209][210]。
Kim Etherington (1997) は、男性の児童性的虐待の被害者25人について研究を行い、このうち13人が女性による性被害者で、さらにそのうち7人が母親による性被害者だったとしているのだが、その母親に性被害を受けたという男性たちは一人を除くほぼ全員が女性との結婚について何らかの困難を抱えていたという[211]。
Robert J. Kelly et al. (2002) は、様々な関係の人物からの性的虐待を報告した67人の男性を扱っているが、うち17人が母親からのものだったと報告しており、またそのうちの約半分は母息子近親姦に対して当初は肯定的感情あるいは混合した感情を示していたにもかかわらず、母親との近親姦を報告した男性は他の性的虐待を報告した男性よりも深刻なトラウマを抱えやすい傾向があった事を報告している[212]。
外山滋比古は『家庭という学校』(2016年)で、経験的な話として、かつての日本で母親が息子にとって性的な存在としてみなされなかったのは、昔は子供が多かったので母親が一人の子供に入れ込むというのは起こりにくかったためだとしている[213]。
Jelena Gerke et al. (2021) は、女性による児童性的虐待における実の母親の立ち位置と男性による児童性的虐待における実の父親の立ち位置は同じようなものだという仮説を立て、2019年にドイツで2531人(うち女性は1350人で男性は1181人)を対象に無作為抽出調査を行い、加害者の男女の区別が可能な回答について検証したが、男女両方による児童性的虐待の場合も35例(実の父親による11例と実の母親による7例も含まれる)あったのでそれは除いて単独で加害した場合に限定した場合は、それぞれ実の母親の場合が9.1%(11例中1例)で実の父親の場合が7.7%(117例中9例)となり、仮説と矛盾する結果にはならなかった[214]。
同性の親子の近親姦の場合は、インセスト・タブーに加え同性愛のタブーも加わるため非常に見えにくくなっている。父親と息子の場合の家族モデルは父親と娘の場合とよく似ている場合が多いが、こういった場合は父性的なものすなわち権力的なものに対する反抗が起こることが多い。
Katharine N. Dixon et al. (1978) は、病院に運ばれた外来患者として6人の父親(実父4人・義父2人)から性的虐待を受けた10人の息子の事例を報告しているが、自己破壊的で他人を殺害したい衝動を持っていた被害者が多かったという[215][216]。Robert K. Ressler, Ann W. Burgess and John E. Douglas (1988) は、『快楽殺人の心理 FBI心理分析官のノートより』で、自分たちが研究した男性殺人者の中には父親によって性行為を強要されたと語る者もいたという[217]。
母親と娘の近親姦に関しては、社会における女性が加害者とならないという通念や母性の考えが、この性的虐待の形式を非常に見えにくいものとしている。母親から娘に対する性的虐待を扱った書物としては、1997年に出版されたBobbie Rosencransによる著作『The Last Secret: Daughters Sexually Abused by Mothers(訳:最後の秘密—母親に性的に虐待された娘)』という書物がある。Rosencrans (1997) による93人の被害者への調査は、虐待について誰にも告げられないまま平均28年を過ごしていたことを示す[218]。
Ateret Gewirtz-Meydan et al. (2023) は、児童性的虐待に関するイスラエル独立公共相談窓口に寄せられた28件の女性による性的虐待の話を被害者の語りに着目して分析し、被害者は多くが女性で(28人のうち女性が23人に対し男性は3人で、2人はトランスジェンダー)、女性加害者の区分では母親が13例で最も多かったのだが、興味深い話としてはこの研究では複数の事例で母親は単独の加害者ではなかったにもかかわらず、子供の方はそれでも母親が悪いと言っていた点だという[219]。
発生率調査
社会学的な観点から人間の性の実情を探ろうとする動きがあり、この一環として近親姦の発生率についても扱った調査が存在する。
1940年の精神科の女性患者142人と比較群の健康女性153人の合計295人の女性を対象とした、カーネイ・ランディスによる調査では、性的に成熟する以前の性的虐待の体験率が調べられたが、その調査では近親者による性的虐待率は12.5%であった[220]。
1953年の女性4441人を対象にしたアルフレッド・キンゼイらによるキンゼイ報告でも、同じく性的に成熟する以前の性的虐待の体験率が調べられ、その調査結果によれば近親者からの性的虐待の体験率は5.5%、父親または義理の父親によるものは1.0%であり、近親姦を含む性的虐待の加害者は男性が100%で女性は0%としている[220]。なお、キンゼイ報告は統計学的に不適切な点があることも指摘されている。
1978年にはアメリカ合衆国のカリフォルニア州でダイアナ・ラッセルにより930人の女性を対象に性的な接触行為まで含めた場合の発生率調査が行われた。それによると近親者による性被害率は女性が18歳までで全体の約16%である[221]。ラッセルの研究によると、4.5%が父親で残り12%が別の肉親であり[222]、全体16%のうち3分の1近くが父親によるものであることを示す[223]。近親相姦虐待の回復記憶かつ後に撤回されたものでは、女性クライアントやセラピストはまず父親を加害者であるとすることが多いが、ラッセルの研究では、加害者は実父よりも継父が圧倒的に多かった[222]。
1978年の、大学生796人(女性530人、男性266人)を対象にしたデイビッド・フィンケラーの報告では、女性は家族による性的虐待率は8.4%でうち父親もしくは義理の父親によるものは1.3%、男性は家族による性的虐待率は1.5%で父親もしくは義理の父親によるものは0%だった[224]。
一方、男性の場合は不適切な性的関わりを「虐待」という言葉で表現することに違和感があり、そういった例が過少申告されうるとの指摘もあり、デイビッド・リザックらは1996年に、大学生の男性を対象にして「虐待」という表現を質問では用いずに行った調査報告を発表した[225]。その調査報告では男性の近親者による性被害率は16歳までで全体(N=595)の3 - 4%としている[221][226]。
一般的には親子の近親姦は父親と娘のパターンが多いと言われているのだが、「虐待」という概念によって感覚的に統計上のバイアスがもたらされている可能性もあり、比率に関しては安易に断定することはできない。また、Ann Banning (1989) は母親による近親姦は、フェミニスト的観点によってまるで存在しないかのように扱われてきたと指摘した[210][227]。
日本では1972年、五島勉が著書『近親相愛』でアンケート調査の結果を発表した。それによれば、女性1229人から得られた回答を基にした分析で、4.7%が実際に家族と性的行為を行った、もしくはギリギリの状況まで進んだと推定されるとしている[228]。
また、精神科医の斎藤学がラッセルの基準を参考に、1993年に過食症の女性患者52名、比較群の健康女性52人に行った調査がある。その結果、健康女性の2%、過食症の女性患者の21%が18歳までに何らかの近親姦的被害に遭っているという調査結果が得られた[229]。
一方、石川義之は1993年に大学・専門学校生を対象に調査を行ったが、非接触性のものまで含めた場合は女性の12.3%が近親姦的な性虐待被害を報告しており、父親によるものはうち5.7%であった[230]。
大韓民国では2005年にHyun-Sil KimとHun-Soo Kimが、定義を年長者による暴行もしくは脅迫を伴った何らかの形式での性的挿入を伴った被害に絞った上で近親姦の発生率を調査し発表しているが、それによれば青年1672人中3.7%がそのような近親姦を報告したとされている[231]。
神話・民間伝承における近親相姦
- 神話における近親相姦
- 民間伝承における近親相姦
昔話において、近親相姦は神話のように頻繁に登場するモチーフではない[232]。関西大学の髙岸敦夫によると、近親相姦のモチーフが使われている昔話の多くは「状況や展開が『ロバの皮』と似通ったもの」であり、父が娘に求婚するが娘ははそれを拒んで去るという展開で、近親相姦が行われるわけではない[233]。
文学や創作物における近親相姦
美術
- 日本
喜多川歌麿は兄妹・姉弟の近親相姦の絵画を複数描いており、『絵本笑上戸』の書入れには「兄さんが、妹のぼゞをするに、誰がなんというものだ」と書かれている。『會本都功密那倍』では姉弟の行為が描かれている他、『會本色能知功佐』では、兄が「さすがは、俺が妹ほどあつて、まらには巧者なものださ」と言っており、双方共にあまり罪の意識が感じ取れない[234]。いとこ同士は鴨の味だが、兄妹では家鴨の味であり、さらに格別であるという表現がいくつかの作品で共通して見られる。また、姉の情事を脇見しながら男根を握り締める弟の絵など、直接的な性行為を描かずとも血族間の性愛的な関係を描いた春画もある[235]。
喜多川歌麿以外では、勝川春章作画かといわれる『腹受想』でも姉弟の性行為が描かれる[236]他、渓斎英泉の『美多礼嘉見』では母親の乳首を弄りながら男根を勃起させている子供の絵が描かれている[237]。
脚注
注釈
- ^ 近親者同士の性行為のことを日本語で「近親相姦」というが、論者によっては「近親姦」という用語を用いる場合がある。「近親相姦」ではなく「近親姦」の用語が用いる理由として、「相」という文字を含む語句には双方の合意と言う意味合いが社会通念上含まれていることが多いにもかかわらず、親子間の性行為には、実際には強引な場合がみられるため、性的虐待を表現するには適切とは言いがたいという問題が指摘されている[1]。なお、1995年の第132回国会法務委員会においては、父による娘への強姦絡みで起こった事件とされる「尊属殺重罰規定違憲判決」の話に当て嵌める形で「強姦」であり「相姦」という用語は不適切だとして「近親姦」の用語が使用されたことがある[2]。
- ^ 阿部恭子による調査対象の内訳は実父子間26件、継父子間10件、祖父孫間2件[16]、母息子間16件、母娘間2件[17]、兄弟姉妹間延べ22件[18](うち2件は同一の姉弟組によるものを姉による弟への性暴力と弟による姉への性暴力で2件に分けたもの[19])である。
- ^ 本調査はSaito, A.; Otake, Y.; Takano, A.; Kaneta, T. (2018) "What is concent in sexual intercourse for Japanese woman?: Qualitative research to build women-centred care for survivors of sexual violence"としてInternational Health Conferenceで学会発表された研究に当たる[131]。本調査で家庭内性暴力の調査対象となったのは11人で件数は12件、うち実の父親によるものが5件で、養父あるいは母の恋人によるものが3件、兄弟姉妹によるものが4件となっている[132]。本調査では対象の性自認は全て女性である[133]。
- ^ 当該論文はBeard, Keith W.; Griffee, Karen; Newsome, Jason E.; Harper-Dorton, Karen V.; O'Keefe, Stephen L.; Linz, Thomas D.; Young, Debra H.; Swindell, Sam; Stroupe, Walter E.; Steele, Kerri; Lawhon, Megan; Nichols, Alysha N. (2017). “Father-daughter incest: Effects, risk-factors, and a proposal for a new parent-based approach to prevention”. Sexual Addiction & Compulsivity 24 (1-2): 79-107. doi:10.1080/10720162.2017.1306467.である。
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- 髙岸敦夫「「ロバの皮」型における父と娘の関係」『仏語仏文学』第46巻、関西大学フランス語フランス文学会、2020年3月15日、111-125頁、 CRID 1050565163717058176。
- ブレア・ジャスティス、リタ・ジャスティス『ブロークン・タブー』山田和夫、高塚雄介 訳、新泉社、1980年。全国書誌番号: 80039381。
- オリヴィア・ジャドソン『ドクター・タチアナの男と女の生物学講座』光文社、2004年。 ISBN 978-4-334-96165-7。
- 白倉敬彦『春画の色恋』講談社、2015年。 ISBN 978-4-062-92319-4。
- 白倉敬彦『春画の謎を解く』洋泉社、2004年。 ISBN 978-4-896-91827-4。
- 遠山美都男『白村江 古代東アジア大戦の謎』講談社、1997年。 ISBN 4-06-149379-5。
- エマニュエル・トッド『問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論』堀茂樹訳、文藝春秋、2016年。 ISBN 978-4-16-661093-8。
- 豊田正義『家庭という病巣』新潮社、2004年。 ISBN 4-10-610050-9。
- 橋本治『性のタブーのない日本』集英社、2015年。 ISBN 978-4-08-720810-8。
- ジュディス・L・ハーマン『父-娘 近親姦』誠信書房、2000年(原著1981年)。 ISBN 4-414-42855-6。
- 原田武『インセスト幻想 人類最後のタブー』人文書院、2001年。 ISBN 978-4-409-24065-6。
- 平野敏政『現代社会と家族的適応』慶応通信、1994年。 ISBN 4-582-76206-9。
- スーザン・フォワード『毒になる親 一生苦しむ子ども』玉置悟 訳、講談社、2001年(原著1989年)。 ISBN 4-06-256558-7。
- エーリッヒ・フロム『悪について』渡会圭子 訳、筑摩書房、2018年(原著1964年)。 ISBN 978-4-480-09841-2。
- 穂積陳重『タブーと法律 法原としての信仰規範とその諸相』書肆心水、2007年。 ISBN 978-4-902-85432-9。
- B・マリノフスキー『未開社会における性と抑圧』阿部年晴、真崎義博 訳、筑摩書房、2017年(原著1927年)。 ISBN 978-4-480-09775-0。
- 南方熊楠 著、中沢新一 編『南方熊楠コレクション 浄のセクソロジー』河出書房新社、2015年(原著1991年)。 ISBN 978-4-309-42063-9。
- 宮地尚子 編『トラウマとジェンダー 臨床からの声』金剛出版、2004年。 ISBN 4-7724-0815-0。
- 山内昶『タブーの謎を解く―食と性の文化学』筑摩書房、1996年。 ISBN 978-4-480-05691-7。
- 山本潤『13歳、「私」をなくした私 性暴力と生きることのリアル(文庫版)』朝日新聞出版、2021年(原著2017年)。 ISBN 978-4-02-262049-1。
- ヨコタ村上孝之『道ならぬ恋の系譜学 近代作家の性愛とタブー』平凡社、2024年。 ISBN 978-4-582-86063-4。
- 吉田敦彦『一冊でまるごとわかるギリシア神話』大和書房、2013年。 ISBN 978-4-479-30445-6。
- オットー・ランク『文学作品と伝説における近親相姦モチーフ』前野光弘 訳、中央大学出版部、2006年(原著1926年)。 ISBN 4-8057-5163-0。
- アダム・ラザフォード『ゲノムが語る人類全史』垂水雄二 訳、文藝春秋、2017年(原著2016年)。 ISBN 978-4-16-390774-1。
- 和田秀樹『多重人格』講談社、1998年。 ISBN 4-06-149390-6。
参照文献
関連項目
外部リンク
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