浪速大学第一外科関係者
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「白い巨塔の登場人物」の記事における「浪速大学第一外科関係者」の解説
財前 五郎(ざいぜん ごろう) 演 - 田宮二郎(映画版、ラジオドラマ版、78年版)、佐藤慶(67年版)、村上弘明(90年版)、唐沢寿明(03年版)、岡田准一(19年版) 職業 - 浪速大学医学部付属病院第一外科助教授→浪速大学医学部付属病院第一外科部長・教授(食道外科専攻) 詳細は「財前五郎」を参照 東 貞蔵(あずま ていぞう) 演 - 東野英治郎(映画版)、山形勲(67年版)、中村伸郎(78年版)、二谷英明(90年版)、石坂浩二(03年版)、寺尾聰(19年版) 職業 - 浪速大学医学部付属病院第一外科部長・教授(肺外科専攻)→近畿労災病院院長(03年版では近畿労共病院院長) 詳細は「東貞蔵」を参照 金井 達夫(かない たつお) 演 - 杉田康(映画版)、小林勝彦(67年版)、清水章吾(78年版)、頭師孝雄(90年版)、奥田達士(03年版)、長谷川朝晴(19年版) 職業 - 浪速大学医学部付属病院第一外科次席講師→浪速大学医学部付属病院第一外科助教授(胸部外科専攻) 胸部外科を専攻し、東教授から直接の指導を受ける。佃の前任の医局長でもあり、面倒見がいい性格から教室員からの信頼も厚い。 派閥や徒党を嫌っており、佃や安西をはじめ権力者に媚びるような人間達を良く思っていない。稀に財前に対しても歯向かう事があるため、医学者としての良心は失っていない。 教授選においては、「滝村名誉教授喜寿の会」の段取りの件にかこつけた佃の工作に対して、「自分は誰にも与せず自分の意思で財前助教授が次期教授に相応しいと思う」と答える。また、東教授から、対立候補である金沢大学・菊川教授を引き合わせられるが、特に積極的に関与はしなかった。 財前の教授就任後は助教授に昇格。財前の外遊中は医長代理を務め、病状が悪化した佐々木庸平を診断して術後肺炎ではない事に気づき、その臨終に立ち会う。裁判では一審、二審共に財前側の証人に立ち、あくまで胸部外科の立場からこれを擁護し続けるが、関口弁護士からは証言の一貫性の無さを指摘されて返事に窮する場面もあった。 財前の発病後は透視を行って進行癌を発見。鵜飼医学部長らと対応を協議、受持医となり手術の際は第一助手として東を介助する。その他、財前と似た胃のかたちをした胃潰瘍患者のフィルムの探し出し、その患者の摘出胃の標本作成など緘口令に基づいて様々な段取りをしたり、里見に病状の経過を報告する。だが嘘をつくのは苦手らしく、摘出胃の標本を財前に見せる際には佃と安西に押し付けようとする。そして病状を疑って問い詰める財前を安心させようとして、かえって疑念を深めさせてしまう。財前の病状急変後は徹夜で看病し、肝性昏睡が始まった後は付き添ってその臨終を看取る。2003年版 概ね原作通りだが、教授選において財前の教授就任のための工作に奔走する佃や安西を窘めたり、財前に意見をする描写が増えている。また、終盤には財前が末期の肺癌である事を隠すために箝口令を敷いた鵜飼を険しい表情で睨み付けていた。 財前の死後、忠臣だった佃と安西が財前の不正に関与した事で地方に飛ばされたのに対し、反旗を翻した柳原とともに現職に留まり、初めて癌患者への告知を行う事になった柳原に対しアドバイスをし、告知の場に立ち会う。 2019年版 概ね原作通りだが、財前からはっきりと不信感を抱かれている描写があり、手術のデモンストレーションのために海外へ出発する前に佃と安西に対して「(金井は)東先生の直属の弟子なのであてにするな」と命じている。 佃 友博(つくだ ともひろ) 演 - 高原駿雄(映画版)、久野四郎(67年版)、河原崎長一郎(78年版)、斉藤洋介(90年版)、片岡孝太郎(03年版)、八嶋智人(19年版) 職業 - 浪速大学医学部付属病院第一外科筆頭助手・医局長→浪速大学医学部付属病院第一外科講師 実家は西宮の大きな外科病院で、西宮医師会の実力者である父親を持つ。極めて功名心が強く、教授選を控えた財前助教授から次期講師の座をほのめかされた事に感動、病棟係の安西などと協力して医局内の強力な意思統一をはかり、先輩の金井に接近して支持を取り付けるなど、財前が驚くほどの大胆な行動も見せる。 教授戦が財前と金沢大・菊川教授との決選投票になった際は、安西と共に金沢に乗り込み、菊川に教授選候補辞退を強要、これを拒否されると「当選しても医局員全員は菊川教授には一切協力しない」と捨て台詞を吐いた。これが菊川を推薦した東都大学の船尾教授の耳に入り窮地に立つが、財前の当選で事なきを得た。 財前の教授就任後は講師に昇格。財前が鵜飼医学部長から学術会議会員選挙の立候補を打診された際は、鵜飼の本意が内科学界で台頭しつつある洛北大学・神納教授の対抗馬として立たせ、その体面を失わせる事で内科学会における自身の影響力を確保する事にある事を調べ上げ、財前に立候補を思いとどまるよう具申。しかし財前の決意が固い事を知ると、学会仲間のつてを頼って洛北大学の系列大学に水面下の工作を行い、選挙対策本部に詰めて10人の専従員を統率した。 財前にとっては忠実な部下であったが、医局員に対しては横柄で尊大な態度だったため医局内での評判は悪く、影で「小鬼」「茶坊主」などと呼ばれた。前任教授の東からも「如才のない性格で人まとめはうまいが、あまり勉強しない方だ」。と評価は低かった。 財前の誤診をめぐる控訴審では、たまたま佐々木庸平とは別の患者の断層撮影を申し込んでいた事を思い出し、放射線科に残っていたその際の台帳を悪用し、「財前教授は肺への転移に気づいていた」と証言する。 財前が癌に倒れた際は、手術で第二助手を務め、病状が悪化した後は泊り込みで必死の看病に当たった。術後1ヶ月後の朝、財前の往診に行って異変に気づき、肝性昏睡が始まった事を金井に伝えた。1978年版 概ね原作通りだが、財前の手術後に「(財前が死んだら)我々はきっと冷や飯を食わされる」と愚痴をこぼした安西を叱責し、その死を見届けたあとは号泣しながら解剖室へ運ばれる財前の遺体に最後まで付き添うなど財前への心酔の情が強く描写されている。なお、財前死後の処遇については一切触れられていない。 2003年版 概ね原作通りだが、自身の出世や利益目当てに財前についているような節が強く見られる。特に教授選で決選投票に持ち込まれた際には「(財前が落選したら)俺たちは地方に飛ばされる」とやけ酒を飲みながらくだをまき、石川大に行って、菊川に教授選を辞退させるように説得しろと柳原に命令をした。 財前から佐々木が死亡した時のカンファレンス記録の処分を命じられ、安西と持ち出す。 財前の手術後は病状を隠し切れないと真っ先に断言し、さらにこれまでの自分達の行動を棚に上げて柳原に当たり散らした挙句、彼に担当を押し付ける。 財前の死後、財前の不正に関与したために安西と共に地方に飛ばされた事が特別編での金井の発言で明らかになっている。 安西(あんざい) 演 - 早川雄三(映画版)、巽秀太郎(67年版)、伊東辰夫(78年版)、そのまんま東(90年版)、小林正寛(03年版)、尾上寛之(19年版) 職業 - 浪速大学医学部付属病院第一外科次席助手、病棟係→浪速大学医学部付属病院第一外科医局長 2003年版では安西信也、2019年版では安西太郎の名称で登場。 第一外科筆頭助手を務める医師。医局長の佃と共に財前助教授の教授昇格に奔走し、金沢まで乗り込んで対立候補の金沢大学・菊川教授に立候補辞退を強要した。その功績あって講師に昇格した佃の後任の医局長に就任。 医局の管理統括をする立場ではあるが、財前の親衛隊的な動きが多く、学術会議会員選挙においては選挙対策本部に詰めて選挙運動を統率した。また、開票日には上京して学術会議本部に詰めて開票情報の収集と選対本部への速報にあたり、選対に当選確実を告げる。 財前への忠誠心は人一倍強いが、医局員達には尊大で労わりに乏しかったので評判が悪く、陰で「クロスケ」などと呼ばれていた 。佃と柳原が財前の控訴審裁判の証人になった事を羨んで、柳原出廷前の壮行会の席で「千載一遇のチャンスを得た君たちと違ってこの安西には未来は無い」と愚痴をこぼした。その際に酔った勢いで柳原に組織票 と引き換えに江川らを供出した事を暴露し、財前への反感を深めさせてしまう。 財前の病状急変後は金井、佃と共に徹夜で看病に当たり、財前が肝性昏睡に陥った後は金井の指示で強心剤を投与した。1978年版 財前の手術後、「財前教授に深入りしすぎた。誰が教授になっても(財前が死んだら)、我々は財前派の生き残りという事できっと冷や飯を食わされる」と愚痴をこぼして佃に一喝されている。しかし佃同様、財前死後の処遇については一切触れられていない。 2003年版 財前から佐々木が死亡した時のカンファレンス記録の処分を命じられ、佃と持ち出す。 財前の手術後、病状を隠し切れないため柳原に担当を押し付ける。その際「お前が財前先生を裏切ったからこんな事になったんだ!」と八つ当たりに近い罵倒をしている。 財前の死後、財前の不正に関与したために佃と共に地方に飛ばされた事が特別編での金井の発言で明らかになっている。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}山田(やまだ)[要出典] 職業 - 浪速大学医学部第一外科助手、講義責任者[要出典]。 黒田 俊二(くろだ しゅんじ)[要出典] 職業 - 浪速大学医学部付属病院第一外科助手(肝臓癌専門)[要出典] 柳原 弘(やなぎはら ひろし) 演 - 竹村洋介(映画版)、田川恒夫(67年版)、高橋長英(78年版)、堤真一(90年版)、伊藤英明(03年版)、満島真之介(19年版) 職業 - 浪速大学医学部付属病院第一外科医局員(胸部外科専攻)、佐々木庸平担当医 2019年版では柳原雅博の名称で登場。 詳細は「柳原弘」を参照 江川 達郎(えがわ たつろう) 演 - 坂東正之助(78年版) 職業 - 浪速大学医学部付属病院第一外科医局員、抄読会記録係→舞鶴総合病院医師 父親は阿倍野の開業医(1978年版では、姫路の大病院の院長)。第一外科医局入局後は胸部外科を専攻、先輩の柳原と共に東教授の指導を受ける。なお、電車の人ごみの中でも見分けが付くほど背が高い。 財前が教授になった後、佐々木庸平の手術の翌日に行われた抄読会記録係を務めた。その際に財前が佐々木の手術を評して発した「周辺の転移も無く完全に廓清できた、永久治癒組だ」という言葉を記録した。 財前の裁判において第二審が始まった頃、安田太一の担当医となるが、教授総回診中に安田が財前に腹痛を訴え、かつ診察にすぐ駆けつけなかった事を財前に厳しく叱責された。ところがその際に「学術会議選挙の手伝いをしていた」と安田の前で弁解したため、かえって財前の不興を被り、関西医科歯科大学系列の組織票1,500票を得る引き換えとして、無給医局員の中河・瀬戸口と共に舞鶴総合病院に出向させられた。江川にとって、僻地の舞鶴へ送られる事は医学の最前線に接触する機会を失う事であり、学位を取る事すら危ぶまれる事態であった。そのため酒をあおり柳原に不満や抄読会の事をほのめかした。 舞鶴へ出向後、柳原が裁判で真実を証言した事をラジオのニュースで知ると、窮地に立たされた柳原に協力するため、「ショウコアル」と電報を打って急遽来阪。大阪駅で柳原と合流し、第一外科医局から抄読会記録を持ち出して関口弁護士に届けた が、その際、舞鶴へ飛ばされた時点で父の跡を継ぐ覚悟ではあるが、一方で裁判では自分の名前だけは出さないで欲しいとも懇願した。原作に言及はないが、おそらくこの際に柳原から自分が舞鶴へ飛ばされた本当の理由を聞かされたと思われる。 公判で関口は記録を書証として提出し、財前側が否認すると江川に在廷証人として出廷を要請、柳原の口添えもあって江川は出廷に同意した。対質尋問では、財前のすり替え証言に逆上し激昂したため、裁判長から退廷を命じられた。この事で教室を除籍され、父親の病院を継ぐ事になった。 結局、控訴審判決では江川の記録及び証言が採用され、財前は敗訴する。 南(みなみ) 職業 - 浪速大学医学部付属病院第一外科主席講師 原作・2003年版のみの登場人物。第一外科にしては珍しい根っからの学究肌で、大学に残るのも研究が好きだという理由から。 中河(なかがわ) 職業 - 浪速大学医学部付属病院第一外科医局員→舞鶴総合病院医師 瀬戸口(せとぐち) 職業 - 浪速大学医学部付属病院第一外科医局員→舞鶴総合病院医 工藤 修子(くどう しゅうこ) 演 - (78年版) 職業 - 浪速大学医学部付属病院第一外科看護婦 1978年度版キャラクター。第1審の原告側証人。
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