庶民金融とは? わかりやすく解説

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しょみん‐きんゆう【庶民金融】

読み方:しょみんきんゆう

個人に対して行う小口金融


消費者金融

(庶民金融 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/30 13:53 UTC 版)

消費者金融(しょうひしゃきんゆう、: Sarakin[注 1])とは、消費者信用に基づいて個人向けの小口融資を行う貸金業者である。利用者がサラリーマン中心であったことから、略してサラ金とも呼ばれる。1970年代後半にはサラ金地獄が社会問題化したことから、現在でも消費者金融をサラ金と蔑称的に呼ぶこともある[1]。多くの消費者金融で採用している返済方式であるリボ払いは、一見すると毎月の支払額が少なく楽なように見えるが、逆複利[注 2]が働くことで、集中して繰り上げ返済を行わない限りは返済が長期に及び多大な利息が発生するため、利用は返済シミュレーションを重ねるなどして計画的に行う必要がある[2]。消費者金融における借入金が残っていると住宅ローンの審査が通過しない(あるいは完済を待ってから融資を行う完済条件が付く)など、人生において必要不可欠なローンが組めなくなる状況に陥るため、後の人生に様々な悪影響を及ぼすことになる[3][注 3][4]


注釈

  1. ^ 英語圏では、消費者金融の俗称である「サラ金」が、日本の消費者金融そのものを意味する語として通用している。なお、事業者や業界団体は俗称の使用を避けるため、"Consumer credit"と表現している場合が多い。(詳細は後述)
  2. ^ 利息にも利息が付いて時間が経つにつれて加速度的返済額が膨らんで行く複利を指す。リボ払いの無計画な利用は大きな逆複利の力が働いて借金地獄に陥るため非常に危険な行為である。
  3. ^ 「住宅ローン希望額+消費者金融借入額」の返済比率(計算式は年間返済額÷年収×100)が規定よりも低ければ審査を通過する場合もあるが、審査で不利な扱いを受けることには変わりない。
  4. ^ 「コード71」について金融庁は信用情報から登録削除の方針を示しており、「大手5社会」は要望書を、日本信用情報機構 (JICC) は必要であるとする報告書を金融庁へ提出した(「消費者金融を悩ます「コード71」登録問題」東洋経済オンライン 2009年(平成21年)11月2日)。また、業界側の公式説明は「コード71は多重債務者を生み出さないためにも必要」であるが、本音としては「コード71は過払い金返還請求の「防波堤」になっている」との計算が働いているとする見方がある(「消費者金融を揺るがす「コード71」」日経ビジネスオンライン 2009年(平成21年)10月7日)。
  5. ^ 2006年(平成18年)には自殺者数が年間3万人を超える状況に対処するため自殺対策基本法が成立した。
  6. ^ 白紙委任状(ここでは特定公正証書の作成を公証人に嘱託することを代理人に委任することを証する書面)を取得することは貸金業規制法で禁止されている(貸金業規制法第20条)。取得した場合には、30万円以下の罰金(貸金業規制法法第49条五号)。
  7. ^ 当初は金銭の貸付を業とする者とそうでない者を区別していなかったため、消費者金融業においても同法第五条の規定による年109.5%が上限金利であった。その後消費者金融問題が大きく取り上げられるようになったことから、金銭の貸付を業として行う者に限り上限金利が段階的に引き下げられ、平成19年の同法改正前の段階で29.2%まで引き下げられていたものである。
  8. ^ ただし、10万円を超える貸付については利息制限法の上限金利(18%及び15%)と出資法の上限金利20%には差がある。このような刑事罰が存在しない違法な金利については行政処分で対応することが定められている。
  9. ^ 融資先の絞込みについては「貸し渋りが発生している。」とする見方があり、「融資対象が適正化している。」とする見方もある。
  10. ^ 会社更生法の適用に際して東京地裁が過払い金返還請求権について更生債権とせず共益債権として扱うとしたナイスの場合のような例外もある
  11. ^ 債権譲渡を受けた業者が過払い金の返還債務を承継する契約の不存在を主張することがある。
  12. ^ 具体的には、企業に対する破産法・民事再生法・会社更生法の適用、特別清算、銀行取引停止処分など。
  13. ^ CMの内容としては、宇宙船に乗った「宇宙人」が限定モデルのシューズを手に入れるために地球にあるむじんくんに寄っていくという内容で、「お金に困ったらまず自動契約機に行く」を想起させるようになっている。参考

出典

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