ザクキャノン(第08MS小隊版)
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OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場(型式番号:MS-06K)。メカニックデザインは山根公利。 下半身を塹壕内に固定し、背部に自動装填装置を備えている。これにより機動性は失われるが、高性能なMSの照準装置を活かした正確無比な固定砲台となっている。外観的には胸部の形状も異なり、右肩シールドが外され替わりにスモーク・ディスチャージャーが8基装備されている。カラーリングは胸部と左肩スパイクがブラウン、頭部と腕部がサンド・イエロー。 劇中での活躍 第3話で、東南アジアのマサド大尉が指揮する陣地(もとは民間の村)の山頂に、トーチカとともに配備される。その砲撃は連邦軍コジマ大隊を悩ませるが、第08MS小隊の陸戦型ガンダム2機(カレン・ジョシュワ機・テリー・サンダースJr.機)が正面から、1機(シロー・アマダ機)が河を潜行して側面から挟撃をかける。シロー機は出遅れたものの、ゲリラとの共闘もあり村の奪還に成功する。ただし、本機の撃破シーンは描かれていない。
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ザクキャノン
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ザク・デザートタイプらと同様に『劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック』が初出で、のちに『MSV』に取り入れられた。アニメ『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムUC』にも登場し、後者ではカトキによるリファイン設定画が描かれた(『08小隊』版は後述)。 当初は公国軍地上部隊の作戦時において、より機動性の高い対空防御の手段として考案される。初期案では単にJ型に対空砲(対空機関砲)をオプション装備するというもので、重量バランスなどの問題から進展を見ていない。その後入った連邦軍MS(ガンキャノン)の情報から、順延されていた計画は中途変更を経て対MS戦における支援に変更される。すでにドム系の量産が開始されている時期であるにもかかわらずザクIIがベースとされるが、これは生産コストやインターフェイス、および蓄積されたノウハウなどを考慮したものとされる。 右肩にランドセルと一体化した180ミリキャノン砲を装備。モノアイは全周式に改修され、頭頂部にサブ・カメラと短距離通信アンテナを装備する。アンテナは通常は1本だが形状の異なる2本の機体もあり、「ラビットタイプ」と呼ばれる。口吻部のダクトには、開発中の機体のものが流用されている。脚部にはグフのノウハウを活かした補助推進器が装備され、機動力をおぎなっている。また、照準システムとのリンケージのため、コックピット全面のパネルと動力パイプの配置が変更されている。J型のランドセルに換装することも可能であり、これによる標準兵装状態でのテストもおこなわれ、脚部推進器によって機動性は好成績を残している。 計画変更後ほどなくして、MS-06J-12として製作された試作1号機がキャリフォルニアベースでロールアウト。しかし、重量バランスの問題が解決できぬまま量産は却下されて9機の試作に留まり、全機が北米で実戦参加したとされる(異説あり、後述)。当初は北米中部もしくはアジア西部でのテストを予定してデザート・カラーで塗装されるが、地域変更によりグレー系の標準塗装に塗り直される。森林帯用にはダーク・グリーンに塗装されているほか、量産化検討用の機体には通常のザクIIと同様の塗装がほどこされている。 なお北米だけでなく、東南アジアへの配備も確認されているほか(後述)、アフリカ戦線でも運用されたとする資料がいくつかある。オーストラリア大陸でも、キャリートン採掘所やヒューエンデン要塞に数機が配備されていたといわれる。一年戦争終結後、一部の機体は連邦軍に接収され、多くがスクラップにされるが、整備状況が良好ないくつかの機体は再戦力化されている。 武装 180ミリキャノン砲 本機の主兵装。「180ミリ両用滑腔砲」とする資料もある。ランドセルに一体化しており、右肩口から砲身が伸びる形となる。ランドセル左側に給弾用マガジンがあり、随伴するザクIなどの支援用MSによって交換される。状況によってはパージも可能。 ジェネレーターを改良してのビーム砲装備型も検討されるが、基本設計の枠内での改修では限界があった。 ビッグ・ガン オプション兵装で、大量MS戦を想定してMS-06J-12用として用意される。両脇に配置される大型の2連装ミサイル・ランチャーで、上部にグリップがある。速射性の高いロケット弾を発射可能。ランドセル下部のメイン・ベンチレーター部にカセット・ストラップ・セットにより固定され、不使用時は後方または下方を向いている。弾倉が空になった場合はデッド・ウェイトとなるため、コックピットから瞬時に離脱の操作ができるようになっているが、緊急時にはストラップを爆破しての除去も可能である。ただし、戦闘状況が白兵戦レベルまで近接していない場合や、地形的に余裕のある場合は、支援用MSによってマガジンの交換がおこなわれる。実戦での使用例も報告されている。 2連装スモーク・ディスチャージャー ランドセル左側面に装備。 120ミリガトリング砲 『MSV-R』で設定された。 ザクハーフキャノン用の装備に含まれているもので、120ミリ機銃6門を束ねている。「バルカン砲」とも呼ばれる。生産数の少ない本機の機数分も生産され、配備部隊に輸送されている。なお、これを装備した本機は、脚部に通常のザクII用の3連装ミサイル・ポッドも装備している。 劇中での活躍 『Ζ』第11話では、宇宙世紀0087年にティターンズ所属のアレキサンドリア級重巡洋艦ハリオの格納庫に3機が確認できるが、戦闘シーンはない。同艦に立ち寄ったパプテマス・シロッコ大尉は本機を「旧型」と蔑み、アーガマへの攻撃には「私のメッサーラだけで充分」と嘲笑している。宇宙戦用に改造されており、各部スラスターが換装され、背面には宇宙用のバーニアを追加装備しているようだとされる。コックピットはリニアシートに換装されており、ラビットタイプの隊長機の存在も示唆されている。カラーリングは青と薄紫を基調とする。 第36話でも、ハイザックとともにティターンズの拠点である連邦軍キリマンジャロ基地を攻撃するカラバのMS隊を迎撃する1機が登場するが、すぐに撃破されている。カラーリングは上記ハリオ所属機と同様。また漫画『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者 審判のメイス』では、同基地所属の別の機体(ラビットタイプ)にアイリス・アリスン軍曹が搭乗、ザク・マシンガンとビッグ・ガンを装備する。ジム改[ワグテイル]との交戦中、サイコガンダムのビーム砲の流れ弾を受け中破する。モノクロのためカラーリングは不明だが、前述の機体とは塗り分けが一部異なる。 『UC』では、0096年の公国軍残党によるトリントン基地襲撃に参加。アジアの残党の基地となっているペガサス級(グレイファントム級)強襲揚陸艦の残骸からド・ダイYSに乗って出撃する。ザク・マシンガンとビッグ・ガンを装備。ランドセルに追加装備されたスラスター内蔵式のパラシュート・ザックで地表に降下、その後空中のバイアラン・カスタムをビッグ・ガンで砲撃している。撤退時にジェスタのバルカン砲の攻撃を受けるが、爆発シーンは描かれていない。外伝漫画『『袖付き』の機付長は詩詠う』では、海賊が所有する1機がカークス隊基地襲撃に参加している(前述の機体の鹵獲機かは不明)。小説版およびコミカライズ版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、ジオン残党軍シンブ隊隊長のキャンドル中尉の愛機とされ、トリントン基地でミネバ・ザビ救出に参加するが、バンシィに両断されて撃破される。 個人用カスタム機 イアン・グレーデン専用機 本機9機で編成された特殊独立部隊の中隊長であるイアン・グレーデン中尉の機体で、頭頂部のアンテナが2本のラビットタイプ。全身をオリーブ・ドラブで塗装され、右肩と股間部に「星」、前腕部に「クモ」をモチーフにしたエンブレム、胸部には "SPIDER" の文字が記され、識別帯として機体各所に白と黒のストライプが描かれている。グレーデンはビッグ・ガンを装備することを好んだという。 部隊は北米南西部の激戦区でおもにJ型の支援をおこない、まずまずの戦果を挙げる。キャリフォルニアに戻って形式的なデータ・チェックと点検を受けたあと、旧カナダ付近の2つの区域で参戦するが、終戦直前には連邦軍のMS部隊とも交戦している。なお、本機のうちグレーデン機がもっとも戦果を挙げている。また、ほかに同隊で本機に搭乗するパイロットとして、アルフレディーノ・ラム少尉も有名である。 ゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション Code Fairy』では、12月6日、連邦軍に包囲されたキャリフォルニアベースから大規模部隊を率いてケープカナベラル基地に脱出する。
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