ザク・デザートタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 00:39 UTC 版)
「陸戦型ザクII」の記事における「ザク・デザートタイプ」の解説
『劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック』に大河原によるカラー設定画が掲載されたのが初出で、のちに『MSV』に取り入れられた。アニメ『機動戦士ガンダムUC』にも登場。 公国軍地上部隊から局地戦用MSとしてもっとも要請の強かったのが熱帯・砂漠戦用タイプであり、すでにグフの開発が進行する中、もっともJ型の需要が高いアフリカ戦線用として改修された機体である。軽量化とともに基本的な出力のアップから着手され、実戦データをもとに部分的に増加装甲を装備、特殊武装の開発にも焦点が当てられている。、また、完成した機体はほかのザク・シリーズと比べて角ばった外観となり、頭頂部にはグフに先駆けて短距離通信アンテナが標準装備されるが、実験部隊にはこのシングル・アンテナのほかに側頭部から伸びるダブル・アンテナをもつタイプも配備されている。ランドセルは地上での冷却効率を考慮した大型冷却装置となっており、調整用集合ユニットを中心として上部にラジエーター・ユニット、両脇にピューマB4式放熱ブロック、下部に緊急離脱用フックを有する。また、砂漠での移動力強化のため、脛部の後部と内側に補助推進器、臀部にスリット状の推進用可変式噴射口をもつ。関節部には、砂が入らないようカバー(パッキン)で保護され、高熱にも強くなっている。後期生産型は一部設計変更されており、ランドセルのラジエーター・ユニットの改良(2分割される)と推進器の追加による機動力の向上、装甲材の変更による軽量化、関節部カバーの再設計などがおこなわれている。 初期はアンテナがシングル・ダブルそれぞれ48機、後期はシングルで28機の総計114機が生産され、全機がアフリカ戦線に配備されている。型式番号のMS-06Dは大戦末期の機体番号統合令で付与されたもので、現地改修仕様も多数存在するが公式のサブタイプは特に記録されていない。グフとともに砂漠戦での活躍は目覚ましく、大戦後期の連邦軍MS隊との衝突でも局地戦用MSとしての強みを遺憾なく発揮している。パイロットの評判もよく、少数しか配備されなかったドムの代役を十分果たしている。 標準塗装は通常のザクIIのものではなく、配備時から作戦行動に合わせたものが承認採用されている。タンとオリーブ・ドラブを基調に、一部が赤で塗り分けられている。この制式塗装は通称「デザート・カラー」ととして地上軍に登用され、ザクキャノンもほぼ同様であるほか、のちにG型やグフ、ドムにも採用されている。 武装 それまでの戦闘データをもとに入念な再検討がおこなわれ、J型と比較して大幅な戦力向上が図られるとともに、より地上戦向きになっている。120ミリマシンガン 型式番号:M120AS。軽量化など多少の改造がほどこされたマシンガンで、装弾数は800発。スコープが廃され、バレルとストックが短くなっている。ストックは上方に折り畳むことも可能。不使用時には腰部に懸架する。後期生産型と同時に長銃身タイプも製造されている。 60ミリ機関砲 頭部に2門内装。連邦軍MSと同様に「バルカン砲」とも呼ばれる。ブリッツ社製。発射口が塞がれている機体もある。 クラッカー・ポッド 型式番号:SA-712。両腰に装備。クラッカー2基を内装する。 3連ミサイル・ポッド 左前腕部に追加された格闘用アーマーの上に装備する着脱式の兵装。 2連ミサイル・ポッド 型式番号:P3 / P2。クラッカー・ポッドと換装する形で装備する着脱式の兵装。上記3連ミサイル・ポッドとともにラッツリバー社製。 組み立て式砲座 型式番号:G-92。本機4機によって分解したパーツを運搬し、目的地で組み立てて使用する組み立て式の砲座。重量問題のため隠密行動に限られるが、組み立てには10分とかからず、航空部隊の支援に頼れない作戦時には大いに貢献している。 劇中での活躍 アニメ版『UC』では、不時着したガランシェールを持ち上げる公国軍残党の機体のひとつとして登場。外伝漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』では、カークス隊所属のクイント中尉の乗機とされ、左前腕部アーマーにパーソナル・マークのアザミの花が描かれている。カークス隊基地を襲撃する海賊の迎撃にも参加、ありあわせの武装(ザク・マリンタイプのサブロック・ガンやマゼラ・トップ砲、ハンド・グレネード)を使用する。 部隊用カスタム機 下記のほか、カラーリングなどは不明だが本機を運用した部隊として、カーミック・ロム大尉率いる遊撃隊「スコルピオ」がある。ピンクパンサー所属機 アフリカ・中東戦線の実戦部隊「ピンクパンサー」の所属機で、デザート・ピンクを基調に一部ダーク・グレーで塗り分けられている。同隊には早くから本機が配備されており、サハラ砂漠からジブラルタル海峡までを制圧し、公国軍のヨーロッパ侵攻の足掛かりを作ったことで知られる。 右肩シールドにはハチをモチーフに "KILLER BEE" と記されたマークが描かれていたことが確認できる。このマークは中東南部で作戦に携わった本機で見られるが、戦後の調査でも詳細不明とする資料もある。なお、宇宙世紀0087年のグリプス戦役時のジャブローに「キラービー」という名称の部隊に所属するジム・キャノンと本機が配備されたといわれる。 カラカル所属機 リビア砂漠からスエズ運河を作戦地域とする、ロイ・グリンウッド少佐率いる特務小隊「カラカル (Caracal)」の所属機で、濃淡ブラウンの迷彩塗装が施されている。実戦テストを兼ねて、ダブル・アンテナ・タイプが配備されている。 ガリボルディ隊所属機 西アフリカ戦線で活躍した部隊「ガリボルディ (Gariboldi)」の所属機(後期生産型)であるが、サバンナ地帯用の迷彩塗装の実験パターンのひとつであり、ほかの機体には別パターンの迷彩が施されている。濃淡グリーンとダーク・ブルーを基調とするが、上半身はおもにグリーンとタンの迷彩となっている。
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