ザク・マリナー
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「ザク・マリンタイプ」の記事における「ザク・マリナー」の解説
テレビアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』、小説及びOVA『機動戦士ガンダムUC』に登場。 一年戦争終結後に地球連邦軍が旧ジオン公国軍から接収し運用されていたザク・マリンタイプ(M-1型とする説もある)を発展・改良させ、連邦のジャブロー工廠にて生産した機体。耐圧性の実験過程から全身のボディパーツ(外装)を新造のものに置き換えていたザク・マリンタイプ(マリン・ハイザック)とは異なり、ハイドロジェットパックなどの水中装備を半アタッチメント化している。機体そのものは接収した既存のザクIIの外装を流用しているのが特徴で、これにより生産性は向上。整備性、運用面においても扱いやすい機体となっている。この機体は第一次ネオ・ジオン抗争時、ネオ・ジオンが地球連邦本部のあるダカールを制圧した際に接収され、再びジオン側の機体として使用されることになった。当時ネオ・ジオン側にはカプールが新規に開発されていたが、兵士らは海のない宇宙で作られたカプールよりも地球製のザク・マリナーの方を信頼性が高いと考え好んで使用していた。 バリエーションとして、アニメでは一般用と指揮官用の2種、放映当時に発売されたプラモデルの取扱説明書に掲載のシュノーケルカメラ装備型の計3種が存在している。一般型は額にロッドアンテナ、指揮官用はブレードアンテナを装備。シュノーケルカメラ仕様は一般用をベースに左側頭部に潜望鏡タイプの有線カメラを装備したもので、潜水時に海上へとカメラを伸ばし、周囲上空の偵察を行うことが可能。 脚部のハイドロジェットは陸上使用時には外すことができる。また、バックパックは換装が可能となっており、一般的なタイプの他に、水上航行を可能とする可変式推進器を2基備えた別タイプのものが存在する。このバックパックと腕部マグネット・ハーケンも、脚部ハイドロジェットと同様にパイロットの任意で除装可能とする資料もある。この水中用装備が陸上使用時で外せるシステムは、ゼー・ズールにも使用されている。 武装は肩部(3×2)&背部(8)サブロック(ミサイル)・ランチャー、他機による曳航や敵機の位置探査に用いる左腕部マグネット・ハーケンといった固定装備の他に、専用のサブロック・ガン(「スプレー・ミサイル・ガン」とも呼ばれる)を携帯する。ダカール周辺ではザク・マリンタイプと同型のサブロック・ガンを持った機体も登場し、劇中では主にこちらが活躍している。書籍『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス』では、ディザート・ザクの3連ミサイルポッドと小型シールドを右腕に装備した機体も描かれている。 『ΖΖ』劇中では、シーンによってはザクIのようにモノアイ・レールの正面にプロテクティブ・ビームが描かれている。 MSVの機体と混同された例があり、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』(セガサターン版)や『Mobile Suit GUNDAM MSVS』では、「ザクマリンタイプ」の外見がザク・マリナーのものになっている。 劇中での活躍 『ΖΖ』第24話に登場。アフリカ沿岸の洞穴を拠点とするジオン軍残党の小隊によって運用される。5機のうち4機に隊長、エイン、ビーツ、そして現地徴用した漁師が搭乗し、タマンが搭乗するカプールとともに海中からアーガマに接近し攻撃を仕掛けようとするが、直前でΖΖガンダムに阻まれる。漁師の機体は敵前逃亡として隊長機に撃破され、隊長機はΖΖガンダムに撃破される。エイン機とビーツ機は撤退し拠点に帰投するが、カプールの特攻により拠点ごと破壊される。 小説『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』ではグリプス戦役前半に連邦軍からカラバに流出した機体が登場し、ジオン残党から合流したメンバーによって運用され、大きな戦果を上げる。この時点では新型機とされていた。 アニメ『機動戦士ガンダムUC』では、トリントン湾岸基地襲撃に2機が参加。小説版によれば、これらはニューギニアに潜伏していたジオン軍残党「シンブ根拠地隊」の機体とされる。海上からのミサイル攻撃によって連邦軍の動きを牽制し、ジオン残党軍の上陸を成功させる。しかし上陸後、1機は倉庫内からの攻撃で撃破される。漫画『機動戦士ガンダムUC 星月の欠片』での描写によると、この攻撃は未完成のバイアラン・カスタム2号機によるものとされる。もう1機はバイアラン・カスタム1号機のメガ粒子砲を受けるが、撃破されたかは不明。 デザイン 当初の設定ではネオ・ジオンが宇宙から持ち込んだ機体とされ、ザクIIIを水陸両用型にしたもの(この時点でのザクIIIのデザインは未決定)と考えられていた。 本機の初期デザインは近藤和久、小田雅弘、あさのまさひこによってそれぞれ異なるデザインが提示されたが、『ΖΖ』監督の富野由悠季より「むしろ、ザクらしいフォルムを」との指示があり、あさのがザクIIとほぼ変わらないデザインを経て提出したデザインを小田がクリーンアップ、明貴美加が脛部ユニットを追加して決定稿となった。名前はアメコミヒーローの「サブマリナー」からとられたという。放送当時のプラモデルは高機動型ザクIIの金型を流用している[要出典]。
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