エコールドパリとは? わかりやすく解説

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エコール‐ド‐パリ【(フランス)École de Paris】

読み方:えこーるどぱり

パリ派の意》1920年代より第二次大戦前まで、パリ集まった画家たち。主に外国人で、のちにフランス人画家含める。シャガール・モディリアニ・藤田嗣治(ふじたつぐはる)・スーチン・ユトリロなど。


エコール・ド・パリ


エコール・ド・パリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 17:39 UTC 版)

エコール・ド・パリフランス語: École de Paris, 英語・School of Paris)は、「パリ派」の意味で、20世紀前半、各地からパリモンマルトルモンパルナスに集まり、ボヘミアン的な生活をしていた画家たちを指す。厳密な定義ではないが、1920年代を中心にパリで活動し、出身国も画風もさまざまな画家たちの総称。

歴史

1928年、パリのある画廊で開催された「エコール・ド・パリ展」が語源だといわれる。印象派のようにグループ展を開いたり、キュビスムのようにある芸術理論を掲げて制作したわけではなく、「パリ派」とはいっても、一般に言う「流派」「画派」ではない。ピカソとマティス[1]は、パリ派の双子のリーダーと形容された[2]

狭義のエコール・ド・パリは、パリのセーヌ川左岸のモンパルナス(詩人の山)につくられた共同アトリエ「ラ・リューシュ(蜂の巣)」に集った画家たちをさす。一方、セーヌ河右岸のモンマルトルには、ピカソが住んでいた「バトー・ラヴォワール(洗濯船)」があり、キュビスムの画家が多かった。狭義のエコール・ド・パリはキュビスムなどの理論に収まらない画家たちのことだが、広義のエコール・ド・パリは、キュビストも含めてこの時代のパリで活躍した外国人画家(異邦人的なフランス人画家も含む)すべてを指す。

外国人画家の中でも、モディリアーニ、シャガール、スーティン、パスキン、キスリングなど、国籍は違えどもユダヤ系の画家が多い点も指摘され、「エコール・ド・ジュイフ(ユダヤ人派)」と呼ばれることもある。また、それぞれの作風は個性的であったが、モディリアーニをはじめ、後の世代の画家たちへの影響は大きい。

アンドレヴァルノフランス語版著『Les Berceaux de la jeune peinture』ドローイングはモジリアーニ

主たる作家(年齢順)

周辺の作家

 

関連作品

映画

OVA

ドキュメンタリー映像作品

小説

  • 『エコール・ド・パリ殺人事件』2008年 講談社 深水黎一郎のミステリー小説 作中作という形で、エコール・ド・パリに関する美術論が展開され、それが事件の真相と深く結びつく。

ノンフィクション、エッセイ

  • 『モンパルナスのエコール・ド・パリ』ジャン=ポール・クレスペル,2013,八坂書房
  • 『モンパルナス讃歌―1905-1930 エコル・ド・パリの群像』J.P.クレスペル,1977,美術公論社
  • 『エコール・ド・パリの日本人野郎―松尾邦之助交遊録』玉川信明,2005,社会評論社
  • 『腕一本・巴里の横顔』藤田嗣治・近藤史人,2005,講談社
  • 『エコール・ド・パリ』全三巻,福島繁太郎,1948-1951

脚注

  1. ^ (1869年 - 1954年)フランスのフォーヴィスム(野獣派)の画家
  2. ^ Glossary of art terms: School of Paris  スクール・オブ・パリス Tate Gallery date 5 July 2023
  3. ^ a b c d 布施英利『パリの美術館で美を学ぶ ルーブルから南仏まで』光文社、2015年、82頁。ISBN 978-4-334-03837-3 

関連項目


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「エコールドパリ」の関連用語



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腕一本 デジタル大辞泉
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4
シャガール デジタル大辞泉
76% |||||

5
パスキン デジタル大辞泉
76% |||||

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モディリアニ デジタル大辞泉
76% |||||

7
藤田嗣治 デジタル大辞泉
76% |||||


9
Chaim Soutine デジタル大辞泉
70% |||||

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