12000系
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12000系(12000けい)、12000形(12000がた)とは、12000の数値を使用する、ないしは5桁の数値のうち上1桁目に「1」、2桁目に「2」を使用する体系を持つものを指す。
- 1 12000系とは
- 2 12000系の概要
12000系
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「近鉄12000系電車」の記事における「12000系」の解説
一方で、12227Fと12231Fよりも1か月前に竣功した12252F(1991年3月竣工)は初めて中間車も更新し、同時に21000系に準じたモノトーン調の内装に変更され、以後の更新車は全てこの内装とされた(制御車は末尾33以降。中間車は全車)。これは、従来の更新工事が新造当初の姿に復元させる原状復帰を目的としていたのに対し、この度の更新より21000系に代表される高品質デザインを近鉄特急車両全体のトータルイメージとするべく、インテリアの統一化を図ることにしたものである。インテリアデザインのコンセプトを「ハイクオリティ」としてデザイン展開し、デザイン監修は山内陸平が担当した。 主な更新内容は天井照明を間接式に変更(空調吹出し口は従来品を流用)、また荷物棚はネット式のものからアルミ製のスリット状のものとなり、その下に蛍光灯を設置し、カーテンもロイヤルラインからベージュ地に、座席表布はカクテルレッドと呼ばれるピンク中心の混色仕様になったほか、床もストライプタイプのものから濃茶色の敷物に交換された。車内の号車表示も札式からLED式となって、トイレ使用表示灯も併設された。また、出入台と客室の間にも仕切りを設ける工事が行われ、あわせて客室側の妻壁には21000系に準じたドット模様が描かれ、仕切りドアは縦長の細窓が設けられた。デッキも21000系同様で、グレー系の化粧板に交換され、天井はアクリルカバー付の直接照明に代えてダウンライトが取付けられた。トイレ床面も21000系に準じた天然石を採用するなど、従来の更新車とは大きく異なる雰囲気となった。 1995年10月には最後まで原形の前面形状を保った12250Fが更新のため工場に入場し、羽根型特急マークのオリジナルスタイルが消滅した。本系列のA更新はS32を最後として1996年4月で完了している(この時編成替えが行なわれたが、その件に関しては後述する)。 更新後の車内 モケット交換後の座席 LED式サインパネルと妻壁のドット模様 便器交換と床の御影石化が施工されたが機能は変化なし 更新後の洗面台 デッキはダウンライト化同じA更新でも仕様は大きく異なる 塗装変更 1991年には、今後の汎用特急車に採用する新しい色味を確認するために、12252F、12243F、12244F、12247Fにおいて試験的に塗装の変更が行われた。塗り分け自体に変化はなかったが色味が変更となり、最初に変更された12252Fではオレンジが黄味がかり、紺色は水色のような色味となって、前述の21000系に準じたアコモデーションの変更と同時に登場した。他の3編成では黄味がかった色味と水色より若干青味がかった色味で登場した。いずれも明るさと透明感を表現したものである。 この更新工事の前後に新製された22000系が前記4編成とは異なる色味で落成したが、これが新たな汎用特急車の塗装として全面的に採用された。先の4編成も順次この色味に塗り替えられ、試験塗装は短期間で消滅した。この新塗装は車体更新工事未施工の編成にも採用されたため、ごく短期間ではあったが羽根形特急マークのオリジナル車両と新塗装の組合せが見られた。 パンタグラフの変更と最高速度120 km/h化対応工事 一部車両についてはパンタグラフを下枠交差式の東洋電機製造PT48系に取り替え、1988年には120 km/hへのスピードアップ対応のための改良工事を実施した。具体的には120 km/hからの制動距離を600 m以内に抑えるためのブレーキシリンダーの圧力変更、パンタグラフ集電すり板部分のばねを架線追従性向上を目的として3元ばねへ交換、ATSの上限速度の変更、下り勾配時の抑速運転速度向上のための抵抗器容量向上の改良工事である。この120 km/h運転対応化にあたり12203Fがデータ提供のため、1986年10月から12月の間で測定器を載せて夜間に運転された。同車はこの他、1987年にク12303の台車を積層ゴム方式に改造してKD-71Rとして試験され、この結果をもとに5200系の台車が製作された。 編成替え 1996年2月、中間車S31が車体更新の際、車内が21000系に準じた仕様に変更されたため、以前に旧仕様で更新された12231Fとは編成が組めなくなり12251Fに組込まれて6両編成化され、同様の内容で12232FとペアのS32が同年4月に12256Fに組込まれて6両編成化された。このため、6両固定編成は前回増結分も含め4編成となった。 1996 - 2003年の6両固定編成 ← 鳥羽 近鉄名古屋 → 12249F12250F12251F12256Fモ12249モ12250モ12251モ12256 - サ12149サ12150サ12151サ12156 - モ12029モ12030モ12031モ12032 サ12129サ12130サ12131サ12132 - モ12049モ12050モ12051モ12056 - ク12349ク12350ク12351ク12356 グレーの車両が6両化に際して増結された中間ユニット 黄色は4両組成時の中間ユニット 6両編成を組成する場合は4両の中間に1ユニットを挟む。このとき、モとサの位置を入れ替える。 車体更新(B更新) 1990年代半ばから特急利用客数が減少に転じ、このために特急車の保有数を暫時減らして対応した。そして車両新造を控えてコストを抑えつつ適正両数での特急運用を維持するために従来の特急車については新製後約30年程度で廃車としていたものを再度車体更新の上で実施し、耐用年数を約40年程度に延長することとした。更新対象は21000系に準じた車内改装が行われたグループとされ、初期車については対象外とした。こうして1998年から2回目の車体更新(B更新)が施工されることになった。 2002年までの更新内容は、まず乗降扉上部に雨樋を取り付け、屋上のクーラーキセを丸みを帯びた形状のものに交換され、機器更新と内装材の新品交換も行われた。 このB更新工事は1998年から2002年にかけて12235F - 12238F・12243F - 12248F・12252Fに行われた。 廃車の開始(編成両数減車)と6両固定編成の消滅 B更新対象外とされた初期車の廃車が2000年5月より開始され、2003年6月には本来であれば、B更新対象になりうる中間車S49とS51が需要減によって廃車となり、6両編成の12249Fと12251Fは4両編成となった。また、2004年8月にはS50が廃車となり、同じく6両編成の12250Fも4両編成化され、さらに中間車廃車により、2両編成に短縮された編成が発生した。 2005年には一部編成で団体専用列車への格下げ・形式変更が行われ、この内S32が対象に含まれたことで、12256Fが4両編成化され、本系列から6両固定編成が消滅した。同様にS41が含まれたことで、12241Fは2両編成化された(後に形式が15400系に変更される)。 B更新再開後 車両数の整理が一通り完了した2006年以降は12233F・12234F・12239F - 12242F・12249F - 12251F・12253F - 12256FにB更新が行われ、2008年2月の12255Fをもって完了した。なお、B更新工事は車体更新時のような車両単位ではなく、全て編成単位で行われている。 内装材はB更新前を踏襲するが、座席は従来の簡易リクライニングシートから22000系や23000系、16400系と同じ固めのウレタン材質を採用したバケット型シートに交換された。背ずりは21020系に類似したタイプに変更された以外は22000系に準じ、リクライニング機構はレバー作動のメカ式からボタン作動の油圧式、座席の転換は背起こし式から足踏みペダル式に変更された(自動転換には非対応)。モケットは従来と同一のカクテルレッド(紅色系)である。テーブルはひじ掛け引き出し式からひじ掛け内蔵式に変更され、テーブルそのものも22000系と同一品に交換され、Tc車の空気清浄機設置や一部編成では車内販売準備室の撤去が行われた。 一方、経年の高い12232F以前の初期車両にはこれらの更新は行われず、2000年から2005年にかけての車両数整理から外された12211F・12212F・12217F・12219F - 12222F・12224F - 12232Fは座席モケット交換のみで、間接照明なし、ひも網棚ありの簡易内装更新に留まっている。2006年から2013年にかけて12231F・12233F - 12256Fに車体連結部の転落防止幌設置が行われた。2013年から検査時に一部編成では老朽化したトイレの内装改修工事が行われ、22600系に準じた室内に改修された。 バケット型シート 洋式を男性用化し、和式は洋式化のうえ真空化B更新車の一部に施工された 車内販売準備室の部材は撤去された 転落防止装置 更新後のクーラーキセ:下段が登場時 トイレの換気ベンチレーター:右が更新前(排気口が中央向きに変更されている) 観光特急「あをによし」への転用・形式変更 近鉄は2021年10月8日に、大阪 - 奈良 - 京都間の観光特急「あをによし」を運行することと、専用車両として12200系から改造した4両編成を充当することを発表した。専用車に改造されたのは編成単位での最終増備車となった12256Fで、形式も後述の19200系に変更された。2022年4月29日から運行が開始された。
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