開国五十年史とは? わかりやすく解説

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開国五十年史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/16 02:19 UTC 版)

開国五十年史』(かいこくごじゅうねんし、中国語: 開國五十年史、英語: Fifty Years of New Japan )は、大隈重信が撰した日本歴史書1907年明治40年)から1908年(明治41年)にかけて上下巻・附録の全3冊が、1909年(明治42年)に漢文版・英文版が刊行された[注釈 1]。当時の権威者に各分野の執筆を委嘱し[2]、それまでにない総合的日本近代史と言える広範囲な分野別史書となっている[3]


注釈

  1. ^ 独訳版の刊行も計画されたが実現しなかった[1]
  2. ^ 項目によってはそれ以前の時代から記述しているものや、執筆者の自伝的な要素が含まれているものもある[4]
  3. ^ 『大隈侯八十五年史』では、大隈が『開国五十年史』の監輯を思い立った契機について、1903年秋に巌本善治等が『英米両国の文明が日本に及せる影響』(“Anglo-American influence upon Japanese Civilization”)と題した本を書く際に、大隈にその編集総裁を依頼したことに起因したとある[6]
  4. ^ 「文明運動」とは大隈の行った文化的活動の総称を指す[17]
  5. ^ 田中不二麿「教育瑣談」、加藤弘之「高等教育」、大槻如電「欧洲学術伝来史」、横井時雄「新日本智識上の革新」、福地源一郎「政論界に於ける新聞紙」、高橋義雄「染織業」、エルウヰンベルツ「日本人の体格」の7篇が削除され、第2巻第25章に都築馨六の“SOCIAL INTERCOURSE BETWEEN JAPANESE AND OCCIDENTALS”(日欧米人間の社交[23])が収録される[13]

出典

  1. ^ a b 「著書に対する反響」『大隈侯八十五年史』 第貳卷、大隈侯八十五年史編纂會、1926年12月、653-656頁。 
  2. ^ 佐治芳雄 編「開国五十年史」『日本近代史料解説』宗高書房、1983年6月、183-184頁。 
  3. ^ 佐藤能丸「開国五十年史」『明治時代史大辞典』 第一巻、吉川弘文館、2011年12月、463頁。ISBN 9784642014618 
  4. ^ a b c d 發行者「例言」『開國五十年史』 上卷、開國五十年史發行所、1907年12月、1-6頁。 
  5. ^ 「開國五十年(英文新誌の一大事業)」『The Student』第1巻第14号、英文新誌社、1904年1月15日、27頁。 
  6. ^ a b 「『開国五十年史』の編著とその苦心」『大隈侯八十五年史』 第貳卷、大隈侯八十五年史編纂會、1926年12月、649-653頁。 
  7. ^ 「EDITOR'S DESK」『The Student』第1巻第20-21号、英文新誌社、1904年5月1日、59-60頁。 
  8. ^ 「EDITOR'S DESK」『The Student』第2巻第2号、英文新誌社、1904年7月15日、56頁。 
  9. ^ a b c 孔穎「第三編 清末中国語訳された日本監獄学書籍の動向 第一章 清末中国語訳された日本監獄学書籍の書目 四 百科全書類の日本監獄学訳書 (二)第35の小河滋次郎・留岡幸助著『開國五十年史 監獄誌』(1909年)」『中国の監獄改良論と小河滋次郎』清文堂、2015年3月、221-227頁。ISBN 9784792410384 
  10. ^ 「翻訳『大隈伯の開国五十年史』の影響」『実業之世界』第7巻第5号、実業之世界社、1910年3月1日、74頁。 
  11. ^ 孔穎「第三編 清末中国語訳された日本監獄学書籍の動向 第三章 清末中国語訳された日本監獄学書籍の伝播 五 清国皇帝及び高官への贈呈」『中国の監獄改良論と小河滋次郎』清文堂、2015年3月、263-266頁。ISBN 9784792410384 
  12. ^ 賞給頭等第三宝星執照 : 大日本国伯爵大隈重信”. 2019年4月29日閲覧。
  13. ^ a b c d e 泉正人「英版『開国五十年史』出版の経緯」『早稲田大学史記要』第21巻、早稲田大学史編纂所、1989年3月31日、141-176頁。 
  14. ^ 関田かおる 著「大隈と『開国五十年史』」、監修者 奥島孝康中村尚美 編『エピソード大隈重信 125話』早稲田大学出版部、1989年7月、118-121頁。ISBN 9784657897213 
  15. ^ 佐藤能丸「開国開港五十年記念事業」『明治時代史大辞典』 第一巻、吉川弘文館、2011年12月、462-463頁。ISBN 9784642014618 
  16. ^ 「大隈伯邸観菊会 開国五十年史完成披露」『東京朝日新聞』第7633号、1907年11月19日、4面。
  17. ^ 真辺将之「大隈重信の文明運動と人生一二五歳説」『早稲田大学史記要』第44巻、早稲田大学史編纂所、2013年2月28日、37-69頁。 
  18. ^ 柳田泉「Ⅳ 明治文明史における大隈 23 文明運動(三)著述」『明治文明史における大隈重信』早稲田大学出版部、1962年10月、397-412頁。 
  19. ^ 矢内原忠雄 著「総説 二 『開国五十年史』」、編者・矢内原忠雄 編『現代日本小史』 上、みすず書房、1952年4月、10-15頁。 
  20. ^ 平成28年4月20日 特別研究室企画展示「開国五十年史」に見る明治日本の国づくり自己評価~総論・政治・経済編~” (PDF). 千代田区立日比谷図書文化館 (2016年4月20日). 2019年4月29日閲覧。
  21. ^ 「『開国五十年史草稿』」『筑波大学附属図書館報』第7巻第1号、筑波大学図書館部、1981年7月15日、7-8頁。 
  22. ^ 「開国五十年史草稿 一一部 一四冊」『筑波大学和漢貴重図書目録』筑波大学附属図書館、1996年3月、13-14頁。 
  23. ^ a b 「文芸消息 開国五十年史」『早稲田文学』五月之巻、早稲田文学社、1906年5月1日、18-19頁。 
  24. ^ 「大隈伯の大著作成る 開国五十年史の編纂」『東京朝日新聞』第7574号、1907年9月18日、4面。
  25. ^ 水産業ノ発達 - CiNii
  26. ^ 鑛業 - CiNii
  27. ^ 日本工業史要 - CiNii
  28. ^ 日本ノ外国貿易及将来 - CiNii
  29. ^ 開国五十年ノ北海道ノ進歩 - CiNii
  30. ^ 岸本英太郎「凡例」『明治社会主義史論』青木書店青木文庫〉、1955年4月、5-6頁。 
  31. ^ 正本開国五十年年表 - CiNii


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