絵巻物とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 絵巻物の意味・解説 

えまき‐もの〔ヱまき‐〕【絵巻物】

読み方:えまきもの

絵巻」に同じ。


絵巻物 (えまきもの)


絵巻物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 03:52 UTC 版)

絵巻物(えまきもの)は、日本の絵画形式の1つで、紙もしくは絹を水平方向につないで、長大な画面を作り、情景や物語などを連続して表現したもの。「絵巻」とも言う。絵画とそれを説明する詞書が交互に現われるものが多いが、絵画のみのものもある。


注釈

  1. ^ 『鳥獣戯画』4巻のうち、丙丁2巻は鎌倉時代制作と思われる。
  2. ^ 徳川本は、再修復時に軸装に戻された。徳川美術館 源氏物語絵巻を修復公開 83年ぶり巻物に” (2018年11月3日). 2020年2月25日閲覧。

出典

  1. ^ 永青文庫 2015.
  2. ^ 佐伯英里子「用語解説」、梅津次郎監修『絵巻物総覧』角川書店、1995年、528頁。
  3. ^ 佐伯、前掲、525頁。
  4. ^ 宮本 1981.
  5. ^ 黒田 1996.
  6. ^ 黒田 2004.
  7. ^ 佐伯英里子「物語絵巻」、榊原悟監修『すぐわかる絵巻の見かた』改訂版、東京美術、2012年、124-125頁。真保亨「概説」、梅津次郎監修『絵巻物総覧』角川書店、1995年、10頁。
  8. ^ 佐伯英里子「説話絵巻」、榊原悟監修『すぐわかる絵巻の見かた』改訂版、東京美術、2012年、126-127頁。真保亨「概説」、梅津次郎監修『絵巻物総覧』角川書店、1995年、11頁。
  9. ^ 佐伯英里子「合戦絵巻」、榊原悟監修『すぐわかる絵巻の見かた』改訂版、東京美術、2012年、130-131頁。真保亨「概説」、梅津次郎監修『絵巻物総覧』角川書店、1995年、11頁。
  10. ^ 佐伯英里子「お伽草子」、榊原悟監修『すぐわかる絵巻の見かた』改訂版、東京美術、2012年、128-129頁。真保亨「概説」、梅津次郎監修『絵巻物総覧』角川書店、1995年、11-12頁。
  11. ^ 内田啓一「経典絵巻と縁起絵巻」、榊原悟監修『すぐわかる絵巻の見かた』改訂版、東京美術、2012年、132頁。真保亨「概説」、梅津次郎監修『絵巻物総覧』角川書店、1995年、7頁。
  12. ^ 中野玄三加須屋誠「社寺縁起絵の世界」、『仏教美術を学ぶ』、思文閣出版、2013年、122頁。
  13. ^ 加須屋によると、寺社縁起絵と呼ぶべきという異論もあるものの、1971年に奈良国立博物館で開催された社寺縁起絵展をきっかけに、社寺縁起絵という学術用語が美術史学・国文学・民俗学など人文学諸分野で広く用いられるようになった、という。加須屋誠「中野玄三論」、中野玄三・加須屋誠『仏教美術を学ぶ』、思文閣出版、2013年、255頁。
  14. ^ 内田啓一「経典絵巻と縁起絵巻」、榊原悟監修『すぐわかる絵巻の見かた』改訂版、東京美術、2012年、133頁。真保亨「概説」、梅津次郎監修『絵巻物総覧』角川書店、1995年、8頁。
  15. ^ 内田啓一「伝記絵巻」、榊原悟監修『すぐわかる絵巻の見かた』改訂版、東京美術、2012年、134-135頁。真保亨「概説」、梅津次郎監修『絵巻物総覧』角川書店、1995年、9頁。
  16. ^ 佐伯英里子「物語絵巻」、榊原悟監修『すぐわかる絵巻の見かた』改訂版、東京美術、2012年、125頁。真保亨「概説」、梅津次郎監修『絵巻物総覧』角川書店、1995年、12-13頁。
  17. ^ 真保亨「概説」、梅津次郎監修『絵巻物総覧』角川書店、1995年、14-15頁。


「絵巻物」の続きの解説一覧

絵巻物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/07 08:07 UTC 版)

土佐行広」の記事における「絵巻物」の解説

融通念仏縁起絵巻』- 1417年応永24年)ころ成立。 『福富草子絵巻』 『十二合戦絵巻』

※この「絵巻物」の解説は、「土佐行広」の解説の一部です。
「絵巻物」を含む「土佐行広」の記事については、「土佐行広」の概要を参照ください。


絵巻物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:39 UTC 版)

院政期文化」の記事における「絵巻物」の解説

絵画では、物語説話題材に、詞書ことばがき)を織り交ぜながら場面展開していく絵巻物という独自の手法があみだされ隆盛した。大和絵の手法によって描かれた絵と詞書とを交互につらね、異時図法によってあたかも映画を見るようにつぎつぎ展開する画面連続は、世界絵画史においても他にほとんど類例をみないきわめて日本的な形態である。 『源氏物語絵巻』は、12世紀前半ころの藤原隆能の筆と伝えられる平安時代代表的絵巻で、20図が現存している。斜め上方から見下ろした俯瞰描写多くみられ、「吹抜屋台」「引目鉤鼻の手法が用いられている。物語挿絵とどまらず人物の心意場面情趣をも描いた物語絵巻の傑作である。 『年中行事絵巻』は後白河法皇常盤光長に描かせたとされる信西藤原通憲)が主導した保元年間大内裏復興朝儀再興気運の下に製作が開始されたともいわれている。朝廷年中行事のほか、鴨川川原繰り広げられる飛礫合戦広場での闘鶏稲荷祭今宮祭など当時庶民の姿も描かれている。原本失われ住吉如慶らの模写が残る。 後白河法皇常盤光長命じて12世紀後半完成させた『伴大納言絵巻』は、応天門炎上をめぐる説話的確な風俗表現描いた絵巻である。「伴大納言」とは応天門の変かかわった9世紀人物伴善男をさしているが、この絵巻は、当時、都でおきた実際火事取材しており、院政舞台となった京都の姿が描写されている。連続的な画面構成動的な表現優れる。 12世紀後半の作と考えられる信貴山縁起絵巻』(奈良県生駒郡朝護孫子寺)は寺院創建まつわる話を絵巻したもので、信貴山中興の祖とされるという聖の物語中心となっている。山崎長者の巻延喜加持の巻尼公の巻より成る。命が「飛鉢の法」によって鉢をとばして長者米倉信貴山まで運び人びと驚いた逸話が特に知られており、動的な線描庶民の生活や風俗描かれ大和絵特色をよく示している。 12世紀描かれた、大和文華館奈良県奈良市所蔵の『寝覚物語絵巻』は、悲恋物語描いたとされる銀箔美し絵巻であり、国宝指定されている。 『地獄草紙』(東博本、奈良博本、ともに国宝)、『餓鬼草紙』(京博本、東博本、ともに国宝)、『病草紙』(京博本=国宝ほか)は、それぞれ末法思想もとづいて地獄様相餓鬼あり様飢えや病の苦しみ扱った絵巻物である。仏教によれば、人は死ぬと現世行いにより、天、人、阿修羅畜生餓鬼地獄六道いずれか輪廻転生するという。餓鬼道地獄道どのようなものかを描いた絵巻が、『餓鬼草紙』であり、『地獄草紙であった。『病草紙』ふくめ、いずれも12世紀後半の作であり、やはり後白河宮廷から生まれたものといわれている。MIHO MUSEUM滋賀県甲賀市の『沙門地獄草紙』の「解身地獄」は動物殺し食した僧が墜ちる地獄で、僧が切り刻まれ、鬼に食われるという、延々と続く地獄表している。 奈良国立博物館所蔵の『辟邪絵』(へきじゃえ)は、罪人ではなく鬼が責め苦にあう絵巻物で12世紀後半の作である。鍾馗牛頭天王毘沙門天などの神々が鬼を懲らしめるもので、そこには中国における悪魔払い信仰影響がある。かつては、その怖ろしい描写地獄描いた絵巻だと長い間考えられてきた。 これらのなかで、とくに『伴大納言絵巻』と『信貴山縁起絵巻』の両絵巻は都の庶民のみならず地方農村庶民生活をいきいきと描いており、時代の空気がよく示されている。12世紀の『粉河寺縁起絵巻』もまた、地方社会生きる人びと描かれ絵巻である。日本の美術作品民衆暮らしぶり描かれるのは、院政期始まったこれら絵巻物が最初であり、その意味でも画期的である。 『鳥獣人物戯画』全4巻は、京都市右京区高山寺に伝わる絵巻で、全編詞書のない白描画であり、うち甲巻乙巻は、かえる、うさぎ、さる、きつねなどの動物擬人化して描き軽妙な筆致末法の世相を風刺した異色の絵巻物である。鳥羽僧正覚猷の筆と伝えられてきたが、作風相違から複数人物により12世紀中葉から13世紀前葉にかけて作成されとみられる。「日本最古漫画」と評価されることも多い。この絵巻からも、遊戯神事祭礼法会など、当時庶民の生活ぶりや風俗うかがえる。 『吉備大臣入唐絵巻』は、現在はアメリカボストン美術館所蔵されているが、その成立は、平安時代後半12世紀末頃と考えられ後白河院のもとで製作され絵巻一つとされている。 平安後期流行した文字と絵を組み合わせた装飾的模様一種手絵(あしでえ)がある。 紙本墨書の『手絵和漢朗詠集抄』全2巻京都国立博物館所蔵)は、手絵を描いた料紙に『和漢朗詠集』を書写したもので、下巻の奥に「永暦元年四月二日右筆黷之、司農少卿伊行」とあるところから、永暦元年1160年)に世尊寺伊行によって書写されたことがわかる。料紙下絵には、群青緑青代赭銀泥などの絵の具用いて、葦、水鳥飛鳥、岩、片輪車などの手絵が描かれている。

※この「絵巻物」の解説は、「院政期文化」の解説の一部です。
「絵巻物」を含む「院政期文化」の記事については、「院政期文化」の概要を参照ください。


絵巻物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 01:13 UTC 版)

鎌倉文化」の記事における「絵巻物」の解説

院政期つづいて、絵巻物がさかんにつくられ全盛期むかえた戦乱武士の生活に題材をとったものがあらわれ寺社縁起高僧伝記仏教説話などを題材したもの多く描かれた。後者は、民衆教え広めるためにさかんに制作されたもので、社寺への報恩の意味奉納されたものも多かった

※この「絵巻物」の解説は、「鎌倉文化」の解説の一部です。
「絵巻物」を含む「鎌倉文化」の記事については、「鎌倉文化」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「絵巻物」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

絵巻物

出典:『Wiktionary』 (2021/08/21 08:18 UTC 版)

文字拡大

名詞

巻物えまきもの

  1. 日本絵画形式一つで、横長の紙や絹をつないで長大画面作り情景物語などを連続して表現したもの。絵画とそれを説明する詞書交互に現われるものが多いが、絵画みのものもある。絵巻

発音(?)

え↗まきもの
え↗まき↘もの

類義語


「絵巻物」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「絵巻物」の関連用語

絵巻物のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



絵巻物のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
防府市教育委員会防府市教育委員会
Copyright 2024,Hofu Virtual Site Museum,Japan
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの絵巻物 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの土佐行広 (改訂履歴)、院政期文化 (改訂履歴)、鎌倉文化 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの絵巻物 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS