甲巻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 23:55 UTC 版)
様々な動物による水遊び・賭射/賭弓(のりゆみ)・相撲といった遊戯や法要・喧嘩などの場面が描かれる。描かれた萩などの植生から、秋の光景とみられる。断簡や模本から、甲巻は成立当初は2巻立て以上のそれら自体で独立した絵巻物だったと考えられ、内、少なくとも1巻は、草むらからの蛇の出現によって動物たちは遁走し、遊戯が終わりを迎えるという構成だった。現在の甲巻は、後世に遭遇した火災による焼損被害や、失われた(恐らくは何らかの形で持ち去られた)断簡による不自然さを補うための加筆が一部に見られる。 2009年(平成21年)から4年かけて行われた大規模な修理において甲巻の中盤と後半の絵が入れ替わっていることが判明した。室町時代の戦乱時に高山寺の伽藍が焼けた記録が残っているが、この時に一度持ち去られた可能性があり、後に回収してつなぎ直した際に順序が入れ替わった可能性あり。 [要ページ番号]。
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