山崎長者の巻とは? わかりやすく解説

山崎長者の巻(飛倉の巻)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:39 UTC 版)

信貴山縁起」の記事における「山崎長者の巻(飛倉の巻)」の解説

寸法31.7cm×879.9cm 命神通力行使して山崎長者のもとに托鉢使用する鉢を飛ばし、その鉢に校倉造りの倉が乗って、倉ごと信貴山にいる命の所まで飛んできたという奇跡譚である。空を飛んでいく倉、驚いて見上げ人々などが絵巻特有の横長画面駆使して描かれる。 この巻は詞書を欠くが、『宇治拾遺物語』古本説話集』の「信濃国聖事」に同内容説話があり、それによって物語梗概を示す。 (物語梗概今は昔信濃国法師(命)がいた。田舎こととて受戒(正式の僧になるため、仏教徒として守るべき戒律授かること)をしていなかったので、思い立って奈良東大寺行って受戒をした。法師は、「故郷へ帰るよりも、このあたりで、仏道励みながらゆったりと暮らせる場所はないものだろうか」と思って、あたりを見回すと、未申南西)の方角はるかに霞んで見える山(信貴山)がある。法師はその山に毘沙門天祀る堂を建て、修行励んだ法師山から下りずに仏道励み法力で鉢を麓の長者の家へ飛ばして、その鉢に食べ物などを乗せてもらっていた。ある日法師法力飛ばした鉢がいつものように麓の長者宅へ物乞いにやって来た。長者は「いまいましい鉢よ」と言って、鉢に食べ物入れることもなく、倉の隅に放っておいた。家人は鉢のことを忘れて取り出しもせず、長者は倉の鍵をかけてしまった。すると、倉がゆさゆさ揺れ始めたかと思うと、地面から一尺ほども浮き上がるではないか人々大騒ぎして見ていると、倉の扉がひとりでに開き、中から件の鉢が飛び出した。鉢は浮き上がった倉を上に乗せると、倉ごと山のかなたへ飛び去ってしまった。 長者一行は、倉の飛んで行った先を見定めようと後を追って行った。倉は法師住房の脇に、どすんと落ちた長者法師面会し、「かくかくしかじかで、鉢を倉の中に置き忘れたまま鍵をしてしまったところ、倉がこちらへ飛んできてしまったのです。なんとかこの倉を返していただけませんか」と相談した法師は、「飛んで来た倉はお返しできかねるが、倉の中味はそっくりお返しましょう」という。長者が「一千石もある米をどうやって運べばよいのでしょう」と問うと、法師は「まず、米一俵を鉢の上に置きなさい」という。 長者の倉から鉢がひとりでに飛び出す 米俵を鉢に乗せるように指示する(右) 空を飛んで行く米俵と、驚いて見上げる鹿たち

※この「山崎長者の巻(飛倉の巻)」の解説は、「信貴山縁起」の解説の一部です。
「山崎長者の巻(飛倉の巻)」を含む「信貴山縁起」の記事については、「信貴山縁起」の概要を参照ください。

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