梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/12 04:38 UTC 版)
第一巻 帝(嵯峨帝)の弟・堀川関白の一人息子である狭衣は、兄妹同様に育てられた従妹源氏の宮に密かに恋焦がれている。源氏の宮が東宮妃に望まれていると知って焦った狭衣は、ある時源氏の宮に想いを告白するが拒絶される。同じ頃狭衣は帝の愛娘・女二宮と婚約した。 源氏の宮に拒まれて傷心を抱える狭衣は、偶然出会った飛鳥井女君と契って心を癒される。しかし狭衣は身分低い飛鳥井女君を侮って名前すら明かさず、狭衣の愛を信じられない飛鳥井女君は、狭衣の子を妊娠したまま乳母にだまされて筑紫へ連れ去られ、その途中で入水自殺を図る。 第二巻 飛鳥井女君の失踪に衝撃を受けた狭衣は、頑なに女二宮との結婚を拒絶していたが、ある時彼女を見初めて寝室に押し入り強引に契る。その結果女二宮は妊娠、母大宮により事実は隠し通されるが、大宮は心労により死去し、狭衣の優柔不断で不誠実な態度に絶望した女二宮は、狭衣の男児・若宮(表向きは大宮の産んだ嵯峨帝の第二皇子とされた)を出産したのち出家する。一方、嵯峨帝が譲位して東宮が即位するが(後一条帝)、新帝への入内を予定されていた源氏の宮は神託により賀茂斎院になり堀河邸を去っていった。狭衣は源氏の宮との距離がますます開いたことで世の中が嫌になり、出家の望みを抱いて粉河寺に参詣するが、そこで或る修行僧(じつは飛鳥井女君の実の兄)に出会い、飛鳥井女君の消息と彼女の生んだ自分の娘(飛鳥井姫君)の存在を知った。 第三巻 狭衣は修行僧からなおも詳しい話を聞こうとしたがその行方を失い、また堀河関白が都から迎えの者たちをよこしてきたので、やむなく都へ戻る。そののち狭衣は飛鳥井女君が死去していたこと、飛鳥井が産んだ女の子が後一条帝の姉宮にあたる一品宮に引き取られていたことを知り、忘れ形見の姫君に会いたい一心で一品宮の住いに忍び込んだが、これが世間の知るところとなり、狭衣が一品宮に気があるかのように取り沙汰された。狭衣の父堀河関白も、日ごろから身持ちの固まらない狭衣の態度に不安を覚えていたことから、よい縁談だとしてむりやり話を進めてしまい、結局狭衣は心ならずも一回り年上の一品宮と結婚する羽目になる。しかしまもなく狭衣の真意を知った一品宮は頑なな態度を貫いて打ち解けず、結婚生活は冷え切ったものでしかなかった。心底から俗世が嫌になった狭衣は今度こそ出家を遂げようと決意し、この世の名残りにと出家した女二宮に会って話をしようとするが、二宮はひたすら狭衣を嫌って口を聞こうともしなかった。狭衣はその後斎院の源氏の宮にもそれとなく別れを告げ、いよいよ自宅を出ようとする。 第四巻 だが賀茂明神の神託と両親によって狭衣は出家を阻止されてしまう。その後狭衣は源氏の宮に瓜二つの美しい式部卿宮の姫君(狭衣の作中歌によって「有明の君」と呼ばれることもある)と結ばれ、心を癒された。やがて神託によって狭衣は帝位につき、彼の実の息子・若宮の皇位継承が約束される。式部卿宮の姫君(藤壺女御)は皇子をもうけて中宮に立ち、飛鳥井女君が産んだ姫君も一品内親王となる。しかし栄光の極みにあっても、狭衣の心は源氏の宮や女二宮を想って憂愁に閉ざされたままであった。
※この「梗概」の解説は、「狭衣物語」の解説の一部です。
「梗概」を含む「狭衣物語」の記事については、「狭衣物語」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 20:27 UTC 版)
「毛皮を着たヴィーナス」の記事における「梗概」の解説
毛皮を着たヴィーナスと戯れる夢をみていた「私」は、来訪していた友人宅の従僕に起こされる。友人であるゼヴェリーンにその奇妙な夢を語りながら、「私」はふと壁にかかっていた絵がまさに「毛皮を着たヴィーナス」を描いていることに気づく。独自の女性観を持っているゼヴェリーンは、粗相をした女中に鞭打とうとすることを制止した「私」に、夢の話への返答として、かつての自分の経験をまとめた原稿を読むことを薦めた。それによれば、 退屈なカルパチアの保養地で過ごすゼヴェリーンは、そこで彫刻のように美しい女性、ワンダと出会った。まだごく若い彼女は未亡人であった。ゼヴェリーンはその美貌と奔放さに惹かれ、またワンダも知性と教養を備えた彼を愛するようになる。自分が苦痛に快楽を見出す「超官能主義者」であることを告白した彼は、ワンダにその苦痛を与えて欲しいと頼む。そして自分を足で踏みつけ、鞭で打つときには必ず毛皮を羽織ってくれ、とも。はじめはそれを拒絶していたワンダだが、彼への愛ゆえにそれを受け入れる。そして2人は契約書を交わし、奴隷と主人という関係になる。 「 「私に生殺与奪の権利があるのがあなたに分かるように、もう一つこれと別の書類を作っておきました。そちらの方では、あなたは自殺の決心をしたと声明しているの。だから私は好きなときにあなたを殺しても構わないことになります」(…)第一の書類には次のように書かれていた。「ワンダ・フォン・ドゥナーエフ夫人 並びにゼヴェリーン・フォン・クジエムスキー氏の間の契約書 ゼヴェリーン・フォン・クジエムスキー氏は今日よりワンダ・フォン・ドゥナーエフ夫人の婚約者たることをやめ、愛人としてのあらゆる権利を放棄するものなり。氏はその代わりに、男子としてまた貴族としての名誉にかけて、今後ワンダ・フォン・ドゥナーエフ夫人の奴隷となり、しかも夫人が氏に自由を返還する時期がその期限となるべく義務づけられるものである。(…)」 第二の書類は数語に尽きていた。「数年来人生とその幻滅に飽みはてて、私はわが価値なき生に自由意志により終止符を打った」 」 しかしワンダにとって結局それは演技でしかなかった。「奴隷」を連れて旅行した先のイタリアで、ワンダの前に第三の男が現れる。ゼヴェリーンは嫉妬という苦痛に狂いそうになるが、ワンダは再び彼への愛を告げ、第三の男は意中にないと断言した。その翌朝、ワンダの寝室を訪れたゼヴェリーンはいつものようにワンダへ鞭打ちを頼み、縄で縛りつけてもらう。すると突然、そこに隠れていた第三の男が現れる。第三の男は力の限りを尽くしてゼヴェリーンを鞭で打ちつけ、その間ワンダは笑いこけるばかりであった。縄をほどかぬまま、2人は屋敷を出て行く。しばらくしてワンダからゼヴェリーンへ手紙が届いた。そこにある、当時の行いが「治療」であったという文章に、ゼヴェリーンは心から納得するのだった。 原稿を読み終えた「私」にテーマを問われたゼヴェリーンは、「女は男の奴隷になるか暴君になるかのいずれかであって、絶対にともに肩を並べた朋輩にはなりえない」という持論を改めて述べるのだった。
※この「梗概」の解説は、「毛皮を着たヴィーナス」の解説の一部です。
「梗概」を含む「毛皮を着たヴィーナス」の記事については、「毛皮を着たヴィーナス」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 06:42 UTC 版)
1937年2月2日から4月13日まで「東京日日新聞」に連載され、同年、島津保次郎監督で映画化され(浅草の灯 (1937年の映画))、戦後二度リメイクされた(1956年3月11日『浅草の灯』大映東京 田坂勝彦監督、1964年3月14日『浅草の灯 踊子物語』日活 斎藤武市監督)。 単行本『浅草の灯』は1938年4月に新潮社より刊行され、新潮社文藝賞第一回大衆文芸賞を受賞した。「続・浅草の灯」もある。
※この「梗概」の解説は、「浅草の灯」の解説の一部です。
「梗概」を含む「浅草の灯」の記事については、「浅草の灯」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/26 13:57 UTC 版)
「肝っ玉おっ母とその子どもたち」の記事における「梗概」の解説
三十年戦争時代のドイツおよびポーランドが舞台である。主人公は「肝っ玉」とあだ名される女性アンナ・フィアリングで、兵隊を相手に商売をする酒保商人である。彼女にはそれぞれ父親の違う3人の子供がいるが、長男、次男は相次いで軍に徴兵される。会計係の次男シュワイツアーカース(スイスチーズ)はやがて戦死し、長男アイリフは平和になった時期に百姓を殺して略奪をしたために処刑され、残された唖の娘カトリンもまた、軍の襲来を町に知らせようとして射殺される。「肝っ玉」は子供を次々と奪っていく戦争を呪いながらも、戦争を相手にした商売を最後までやめることはできない。 互いに独立した12の景からなり、パウル・デッサウ作曲による9つのソングが挿入される。ブレヒトの「叙事的演劇」の代表作であり、景のはじめには幻灯によって演じられる内容が予告され、それによって筋を批判的に鑑賞することが観客に促される。
※この「梗概」の解説は、「肝っ玉おっ母とその子どもたち」の解説の一部です。
「梗概」を含む「肝っ玉おっ母とその子どもたち」の記事については、「肝っ玉おっ母とその子どもたち」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/04 11:12 UTC 版)
その日ホームのマドヴィルは敗色濃厚。2対4と2点ビハインドの9回裏もあっけなく2アウトとられてしまい、しかも強打者ケイシーの前には頼りないのが2人。もうだめだとしょんぼりする観客の前で、フリンがヒット、ジミーが二塁打でつづき二塁三塁のお膳立て、打席にケイシーを迎え球場のボルテージは最高潮に達する。2球ストライクも悠然と見逃すケイシーに観客の期待は高まるが、しかしケイシーは三振に倒れてしまう。
※この「梗概」の解説は、「ケイシー打席に立つ」の解説の一部です。
「梗概」を含む「ケイシー打席に立つ」の記事については、「ケイシー打席に立つ」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/15 05:30 UTC 版)
一人の貧しい靴屋が礼拝堂の壁にもたれた素っ裸の男を拾った。その男、ミハイルは、綺麗な体と優しくかわいらしい顔をしているが素性を明かさない。靴屋の家に引き取った後、ミハイルは何処へも出ず、余計な口も利かず、寡黙に仕事をこなし、5年経っても笑顔をたった2度見せただけだった。ある日、客として来た婦人と2人の女の子の話を聞いて、ミハイルは3度目に笑った。そして婦人達が暇を告げた後、靴屋の家族に語る。神に与えられた「人間の中にあるものは何か、人間に与えられていないものは何か、人間はなんで生きるか」という三つの命題の回答を得られた旨、天使である自分が神の罰を受けた経緯を話してミハイルは天に昇る。家には靴屋の家族だけが残された。
※この「梗概」の解説は、「人はなんで生きるか」の解説の一部です。
「梗概」を含む「人はなんで生きるか」の記事については、「人はなんで生きるか」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/17 01:02 UTC 版)
「ペリリュー・沖縄戦記」の記事における「梗概」の解説
スレッジの回顧録は第二次世界大戦中の太平洋戦区での直接の体験が正直に誰にもはばかることがない視点で記録されている。彼の回顧録は前線での歩兵戦の手記である。 この記録は島から島への旅、ジャングルの暑さと雨、不快な汚泥、バンザイ・アタックへの恐怖と、太平洋方面作戦の絶望と人間性が失われたある種特異な状況へと読者を導いていく。 スレッジは直接的に戦闘中に(アメリカ軍よりかなり少ない数の)日本兵により見せられた残虐さと、両者とも互いに憎悪を抱いていることを書き記した。 スレッジ自身の言葉では「それは太平洋を舞台にした戦争特有の、理性のかけらもない、原始的な憎しみのぶつかり合いだった」とされた。 ある事例では、スレッジは彼と戦友たちが、性器が切り取られ口に詰められた残忍に殺された3人の海兵隊員のバラバラの遺体を横切ったと記した。 またスレッジは、海兵隊員たちによる戦死した日本兵への行い、死体から(ある場合は重症を負うもまだ生きていた日本兵からも)金歯を抜き取る行為や、同様の恐ろしい死の戦利品を得る行為も記録した。 彼は戦争を体験したことが無い人々がその思考過程が理解できるように、兵士たちの人間性や哀れみをゆっくりと剥ぎ取っていくその仕組みと過程を詳細に記した。 スレッジは戦場において、純然な生存のための物理的な争奪戦と、泥のような悪意と疲れ、絶え間ない恐怖によって衰弱していく様子を詳細に記した。 彼は「悪意と恐怖は手を取り合いやってくる」、 「我々の日常生活の重要な要素は歴史家たちから小さな警告を浴びてしまうがために、よく兵士たちの個人的な回想録からは省かれてしまう。私はそれにいつも困惑してしまう」、 海兵隊は雨宿りに問題を抱えながら、戦闘食を食べる時間を探し、排泄物処理のために(ペリリューのサンゴの岩に便所や便所穴を掘ることはできなかった)ペリリューでは砕いたサンゴの岩を、沖縄では泥の中を歩き回ったなどと記した。
※この「梗概」の解説は、「ペリリュー・沖縄戦記」の解説の一部です。
「梗概」を含む「ペリリュー・沖縄戦記」の記事については、「ペリリュー・沖縄戦記」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/09 04:29 UTC 版)
ある店の番頭が、同じ奉公人仲間の小僧をもてあそんでいたが、その代償として金を与えていた。 さて、住み込みの奉公人でも1日だけ親元に帰ることができる藪入りの日。例のあわれな小僧も、両親が待ちわびる実家へ帰っていった。門口で立派に挨拶する小僧。両親はわが子の成長ぶりに感心し、とりあえず汗を流してやろうと、子供を湯屋へやる。ところが、残された子供の紙入れ(財布)の中を見た母は、中に大金が入っていることに驚く。奉公先での小遣いとは考えられず、魔がさしたのでは、と気をもみ出す。わが子を信じろと妻を叱り付ける父親も、結局は帰ってきた子供を殴りつけてしまう。「盗んだんじゃねえ」という息子は、番頭との関係を説明する。 オチは父親「お釜(上)さまのおかげだ」
※この「梗概」の解説は、「お釜さま」の解説の一部です。
「梗概」を含む「お釜さま」の記事については、「お釜さま」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/22 02:10 UTC 版)
「生活に疲れた者の魂との対話」の記事における「梗概」の解説
テクストの内容の推定が若干の語と行のみの冒頭部に決定的に依存しているため、解釈の入らない梗概はほぼ不可能である。 テクストの冒頭部がどれだけ欠落しているのかは明らかではない。しかしながら、残存している言葉から発言のあらましを推測することはできる。決定的な言葉は「彼らの舌は不公平ではない」である。この言葉は仲間の1人が裁判に関与したことを暗示している。ジャン・アスマンは来世での運命が対話の内容での問題となっていることから死刑裁判との関連を指摘している。恐らく、この問題ではバーが専門家であると認識されたのであろう。 男の最初の発言は不特定の聴衆へと向けられている。男は話すことと聞くことの価値を説き、それから請願者として自身のバーに向かう―― 我がバーよ、生き続けることの苦悩を軽視するのは愚かなことだ。私を死へと導いてくれ、その際私が歓迎されぬものとならぬよう!西方を私に心地良いものにしてくれ!「不幸」は人生の一時期に過ぎぬものではないのか?木々がそうだ。汝が葉を落とさせる。」 男は話を困窮者へと心を傾けるようにという要請で締め括り、祈りを付け加える。祈りは話の流れから外れており、後になって付け足されたものであろう。 2番目の発言ではバーが、男が命を大事にせず、富豪であるかのように(死後の)備えをすると男を非難する。 男はバーの非難に対しこう自己弁護する――彼は(生から)去ろうとしているのではないし、全ての財産を奪われているので準備もできはしない。次の願いでは男は財産を墓に注ぎ込むピラミッド時代の葬礼への希望を述べる。 バーに対する願いには脅迫が続く――西方ではバーの安らう場所はないであろう、もしバーが「このような姿」の不吉な死の状態を許しておくのならば。死後の存在を保証してくれる財産への願いと共に、 供養を受けられる死への一般的に定式化された希望が語られる。 3番目の発言ではバーは輪廻への見込みを否定する。有名な人の墓であっても子孫がなければ忘れ去られる、というのはピラミッド時代の信仰から離れることを意味する。人は「良き日」を送り、人生の憂いを忘れなければならない。 最初の譬え話においてバーは男が生の儚さではなく、来世での漠とした希望が消えることを嘆くのであるといって男を非難する。2番目の譬え話では望みが叶わぬ時には生の状況へと順応し教えの言葉に耳を傾けるよう男の理性へと訴えかける。 男は3つの嘆きの歌で答える。第1歌では名前の腐敗、第2歌では崩壊してゆく秩序の影響、第3歌では死が現世の悲惨を知らぬ成就の場所として描き出される。男は死を来世での神の存在形態として描く歌で発言を締め括る。 4番目の発言ではバーは再び男に嘆くことをやめ生を続けるよう勧める。 嘆きは放っておきなさい、私の一部であるあなたよ、我が兄弟よ。火鉢に捧げ物をし、あなたが描いたように生の闘いを続けなさい。ここは私と共に生き、西方のことは後回しにしておきなさい。西方への願いはあなたの四肢が大地へと垂れ下がる時となって初めて叶うでしょう。あなたが衰弱するその時には私も腰を下ろし私達で1つの住処を共に作るとしましょう。
※この「梗概」の解説は、「生活に疲れた者の魂との対話」の解説の一部です。
「梗概」を含む「生活に疲れた者の魂との対話」の記事については、「生活に疲れた者の魂との対話」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 15:34 UTC 版)
「南十字星 (1941年の映画)」の記事における「梗概」の解説
牧原美津子、大崎義子、安田節子は医学専門学校を卒業した。優秀な成績で医専を卒業した美津子は女医として津田病院に勤務することになった。 美津子の同窓生である義子は朝鮮の田舎の院長である従兄の杉本泰雄との縁談が持ち上がっていたが、都会生活を捨てることが出来なかった。けれども、義子は美津子に諭されて朝鮮に居る杉本の許へ出発した。 美津子は義子の見送りの帰途で許婚の医師・吉田周二から突然に蘭印のバタヴィアで病院を開業している叔父が死亡した為に後継者として蘭印に行く事を聞かされた。義子には朝鮮行きを勧めた美津子だったが、扨て、自分の事となると都会生活を捨てて周二と蘭印へ行く決意が鈍るのだった。 周二は美津子に自由を与える為に、許婚解消の手紙を残して、独りで蘭印に出発した。 美津子は自分の優柔不断を恥じた、恥じ乍らも北回帰線と赤道を越えて行く決意がつかなかった。 美津子と義子の同窓生である安田節子は研究室に残って地味な基礎医学を学んでいたが、「蘭印は日本の生活圏である。『南方への行動』の時代だ、それには教養ある知識女性が日本女性の先頭に立ち上がって『赤道を越える』必要がある。」と、美津子に説くのだった。 美津子は「南進日本女性の発展」という理念が分かり乍らも実践が出来ずに悩んだ。そんな美津子の悩んでいる姿を見兼ねて、下宿先の叔母である牧原カヤは休暇に伊豆にある末寺へ静養に行く様に勧めてくれた。伊豆で美津子は嘗て病院の知り合いの秋本里枝に会った。 病気療養中の令嬢を見舞っている内に、秋本里枝の弟である健三を知った。美津子が東京へ戻ってくると秋本里枝から健三の嫁として結婚話を持ち込まれた。叔母のカヤは良縁だとこの縁談を勧めたが、許婚の周二の事を思うと美津子は困惑した。 美津子の叔父で崇願寺の住職である牧原鐵心はそんな美津子を朝鮮旅行に連れ出した。 美津子は朝鮮の田舎で開業している杉本医院に嫁いだ義子を訪ねた。美津子は久し振りに再会した義子がそこで夫の杉本泰雄と共に、半島同胞の為に健気に血みどろになって働いている姿に接して深い感動を覚えた。そして、自分の医師としての使命をはっきりと悟るのであった。 朝鮮旅行からの帰りの電車で美津子は秋本健三と彼の友人の高井重雄に会った。高井は声楽家である篠原義人の友人でもあり、通訳を兼ねて義人の蘭印での慰問公演からの帰京の途中だった。美津子は高井から日本と蘭印との友好親善の為に貧困と闘い乍ら現地で活躍している許婚の周二の話を聞かされた。 その後、或る夜に篠原義人の公演会が開かれた。義人は密かにその収入で周二を援助しようと考えており、美津子が周二の許婚である事と南方へ行く美津子達の心を知った義人は、舞台の上から『南進日本女性の歌』を声高らかに歌って美津子を激励した。
※この「梗概」の解説は、「南十字星 (1941年の映画)」の解説の一部です。
「梗概」を含む「南十字星 (1941年の映画)」の記事については、「南十字星 (1941年の映画)」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 15:49 UTC 版)
戦時下における女学生の日常が、兄の出征や慰問袋制作などのエピソードと共に綴られる。
※この「梗概」の解説は、「軍國女學生」の解説の一部です。
「梗概」を含む「軍國女學生」の記事については、「軍國女學生」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 01:17 UTC 版)
「トーチー・ザ・バッテリー・ボーイ」の記事における「梗概」の解説
バンブルドロップ氏が所有するプードルのポムポムが子どもたちとタコを飛ばしていると突風が吹き、タコは飛ばしているポムポムとともに飛ばされてしまった。そこでバンブルドロップ氏は電気仕掛けのトーチーという人形を作った。トーチーのおでこにあるライトは探しものを見つけることができ、ポムポムの居場所としてライトが照らしたのは遠い星のトプシー=ターヴィ・ランドだった。そこでバンブルドロップ氏はロケットを一夜で作りトーチーを乗せて自宅の庭から打ち上げる。トーチーはトプシー=ターヴィ・ランドと地球で仲間たちと様々な冒険を繰り広げる。
※この「梗概」の解説は、「トーチー・ザ・バッテリー・ボーイ」の解説の一部です。
「梗概」を含む「トーチー・ザ・バッテリー・ボーイ」の記事については、「トーチー・ザ・バッテリー・ボーイ」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 15:39 UTC 版)
大都市の郊外にある街、そこに中山食料品店があった。中山民子は夫の中山彌吉が徴兵された後に息子の武雄を抱えて、姑のヨシと義妹の道子と共に食料品店を守っていた。 民子は早くに両親を失い肉親といえば、徴兵されて中国南部に送り込まれている兄の信勝唯一人であった。信勝は会社員だったが絵の才能に恵まれていた。或る日、信勝が戦傷に因って傷痍軍人となり、戦地から内地の陸軍病院に還送されてきた。民子は信勝を慰める為に絵の道具一式を用意して病院を訪れたが、信勝は戦傷が元で失明していた。民子が兄を思い遣って持って来た折角の絵の道具箱も却って信勝の気持ちを暗くしてしまい、「耳の不自由な音楽家はいるが、目が不自由な画家はいた試しが無い。」と言って空虚に笑うのであった。 民子はヨシと共に何とかして信勝に明るい希望と未来を与えてやりたいと念じた。ヨシの好意ある取り計らいで信勝は中山家の一員に加わる事になった。 視覚障害者となった信勝は皆の懸命な介護と温かい情で生きる氣力を取り戻していったが、民子が汗と埃に塗れながら健気に食料品店を切り盛りしているのを知るだけでも、自分も何とかして一刻も早く手に職を付けたいと願った。 或る日のこと、信勝はヨシに連れられて仏教会館に説教を聞きに行ったが、隣の会社から聞こえてくるタイプライターの音が耳に付いて離れなかった。最初の目的だった説教は耳に入らなかった。速記の仮名文字タイプライターで生計を立てようと決意してタイピスト養成所の門を叩く。 そして、養成所所長と共に親身になって信勝にタイピングの指導をした助手の女性と心の交流が始まる。
※この「梗概」の解説は、「瞼の戰場」の解説の一部です。
「梗概」を含む「瞼の戰場」の記事については、「瞼の戰場」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/14 23:02 UTC 版)
ルルはもともと浮浪児で、父親がわりの浮浪者ジゴルヒのもとで暮らしていたのを、シェーン博士によってひきとられた過去を持つ。博士はルルと関係をもった後、医学会の重鎮であるゴルのもとに彼女を嫁がせており、「地霊」の劇はこの時点からはじまる。ゴルの妻となっているルルは、画家シュヴァルツのモデルを引き受け、彼と戯れていたところを目撃させることによってゴルを卒中においやる(第一幕)。ルルはシュヴァルツと結婚するが、しかしその生活に不満をいだく。そこに父親代わりだったジゴルヒがたかりに来て、さらにシェーン博士が登場してルルの過去を暴露し、そのことでシュヴァルツは自殺に追いやられる(第二幕)。やがてシェーン博士の手によってルルは踊り子として成功する。しかしシェーンが別の女性と婚約したことを知って激昂し、楽屋裏で彼に婚約破棄をせまる(第三幕)。そしてシェーンの妻の座に居座ったルルは、取り巻きをはべらせて放縦な生活をおくる。その妻への嫉妬に駆られたシェーンは、ピストルを突きつけて彼女に自殺を迫るものの、ルルはそのピストルでシェーンを射殺してしまう(第四幕)。 続篇『パンドラの箱』では、シェーンの射殺によって投獄されたルルを救おうと取り巻きたちが画策し、彼女に思いを寄せていた伯爵令嬢が替え玉になることによって脱獄させることに成功する(第一幕)。ルルはシェーン博士の息子アルヴァらとともにパリに逃れるが、娼婦の売り買いをしているイタリア人ピアーニ伯爵に脅迫され、さらに取り巻きからも口止め料を請求されたために逃亡を余儀なくされる(第二幕)。しかし投資した銀行の破産などによってルルたちはおちぶれ、ロンドンの屋根裏部屋でジゴルヒ、アルヴァらと暮らしながら街娼をして暮らす破目になる。ルルは次々と客を連れてくるが、嫉妬に駆られたアルヴァは客のひとりの黒人に詰め寄って逆に撲殺され、ルル自身も切り裂きジャックの手にかかって殺されてしまう(第三幕)。
※この「梗概」の解説は、「ルル二部作」の解説の一部です。
「梗概」を含む「ルル二部作」の記事については、「ルル二部作」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 14:46 UTC 版)
主人公の「ぼく」こと坂本重道が、ロサンゼルス・オリンピックにボートの選手として参加するために搭乗する、太平洋を渡る船の上が主たる舞台である。「秋ちゃん」という呼びかけで始まり、主人公は陸上の選手として同船している熊本秋子に淡い恋心を抱いているが、仲間の男たちの冷やかしを受け、秋子も坂本の思いに気づくが、遂に恋心を伝えるには至らない。帰国後、坂本は学生運動をへて別の女性と結婚するが、「あなたは、いったい、ぼくが好きだったのでしょうか」というつぶやきで終わっている。
※この「梗概」の解説は、「オリンポスの果実」の解説の一部です。
「梗概」を含む「オリンポスの果実」の記事については、「オリンポスの果実」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 09:01 UTC 版)
徳島県鳴門市を舞台に、阿波踊り部所属の男子生徒・コージと、東京から転校してきたヒップホップのダンスが得意な女子高生・茜が、踊りを通じて交流を深め、2つの踊りを融合させた「阿波DANCE」を踊る。
※この「梗概」の解説は、「阿波DANCE」の解説の一部です。
「梗概」を含む「阿波DANCE」の記事については、「阿波DANCE」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:51 UTC 版)
前述のように原本には章題・部分けは存在しないが、以下では便宜のため連載時の章題および書簡類、計画表で示されている章題と部分けを用いる。また、梗概の末尾に「計画表」に基づく各挿話の解説を示す。
※この「梗概」の解説は、「ユリシーズ」の解説の一部です。
「梗概」を含む「ユリシーズ」の記事については、「ユリシーズ」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 08:52 UTC 版)
紀元前6世紀のインド。父親、母親、友人…全ての人からの寵愛を受けるシッダールタは、それらの物から自分の幸福を満たすことはできないと悟り、沙門の道を選ぶ。沙門の先達とともに行動をともにするが、多くのことを経験したのち、沙門道では自分は救われないと感じる。その頃、涅槃に達した仏陀という人がいるという話を聞き、仏陀のところへ赴く。仏陀が悟りに達していることは認めながら、教えの中に一点の不完全さを指摘し、弟子になる道を選ばず、衆生の中へ入っていく。遊女カマーラを知り、事業に従事して成功するが、満足を得られず、川にたどり着く。川から学んだシッダールタは、一切をあるがままに愛する境地に到達する。
※この「梗概」の解説は、「シッダールタ」の解説の一部です。
「梗概」を含む「シッダールタ」の記事については、「シッダールタ」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 02:49 UTC 版)
東京生まれ。戦時に青春期を過ごしたため、少女時代は勤労動員のために費やされた。自宅は空襲で二度焼けている。戦後、聖心女子専門学校国語学科を卒業。日東硫曹に就職し、社長秘書として句会の幹事を任されたことをきっかけに俳句をはじめる。1951年、職場句会を通じて富安風生に師事、1956年に風生の「若葉」に入会。1957年、岸風三楼の指導を受け「春嶺」に入会。のち両誌の同人。1961年に句友の曽根けい二と結婚するが、けい二は1976年に脳溢血のため急逝した。結婚を機に長く葛飾区金町の金町駅前に在住し、同地の風景を多数詠んだ。1980年「朝」を創刊・主宰。1989年より毎日俳壇選者(2000年まで)。 代表句に「残りしか残されゐしか春の鴨」「雲の峰一人の家を一人発ち」「秋風や柱拭くとき柱見て」など。「俳句は日記」を信条とし、日常生活に真摯に向かい、写実を基本としつつ叙情性のある句を詠んでいる。
※この「梗概」の解説は、「岡本眸」の解説の一部です。
「梗概」を含む「岡本眸」の記事については、「岡本眸」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/03 12:25 UTC 版)
「帰郷 (1964年の映画)」の記事における「梗概」の解説
原作の第二次大戦時のインドシナをキューバ革命に変えている。父と娘が金閣寺で会う場面も奈良の法隆寺に変えている。最後は父が羽田空港からキューバへ帰る場面で終わっている。
※この「梗概」の解説は、「帰郷 (1964年の映画)」の解説の一部です。
「梗概」を含む「帰郷 (1964年の映画)」の記事については、「帰郷 (1964年の映画)」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/23 09:50 UTC 版)
エイロヌイ王女が戻ってくる。タランは自分が何者であるかどうか関係なくずっとエイロヌイと一緒にいたいと思い始める。 カー・ダルベンでの日常が再び戻ってきたと思えるところに、突如ギディオンとフルダー・フラムが傷ついて現れる。彼らはタランに変装した死の国の王、アローンに待ち伏せを受けギディオンは彼の剣ディルンウィンを奪われてしまう。ヘン・ウェンの予言でアローンを破滅させるためにはその剣が必要であることがわかる。タランやその仲間たちがアローンと戦うために再び集まりはじめるが、同盟国の裏切りによってアローンのアヌーブンが勝利する。ギディオンが王となり、残された仲間たちは最後の戦いをアヌーブンにしかける。タランによって見つかった剣ディルンウィンによって、タランはアローンを倒す。アローンが倒された後、プリデインを去ろうとする仲間たちからタランも一緒に行かないか誘われる。しかし、これまでに出会った亡くなった友人などのことを思い、この地に留まることをタランは決心する。エイロヌイは彼女に与えられた魔法を捨て去り、タランと結婚することを決意し、二人はダルベンに祝福されて結婚する。 ダルベンは最後にタランにダルベンの書を与える。
※この「梗概」の解説は、「タラン・新しき王者」の解説の一部です。
「梗概」を含む「タラン・新しき王者」の記事については、「タラン・新しき王者」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/23 09:48 UTC 版)
ダルベンの庇護下に暮らす若者、タランは農場生活に不満を抱いていて、本や物語の英雄のようになりたいと夢を見ていた。ダルベンはそんなタランに対して夢のようなを思いを巡らせるものではないと諭した。ダルベンは死の国の王、アローンの配下、「角の王」の脅威についてタランに警告する。そして、ダルベンが農場から遠く離れることを禁じる。タランはコルに自分には何か肩書きが欲しいと不満をもらし、それに対してコルはタランを豚飼育補佐に任命した。 ある日、農場の動物たちが異常な行動を起こし、予言する能力を持った豚のヘン・ウェンも農場から逃げ出してしまった。ヘン・ウェンを追っていったタランは、カー・ダルベンに向かってきた角の王とその部下に遭遇し、角の王の部下によって傷を負わされる。タランはなんとか逃げ出し、ギディオン王子に発見され治療を受けた。その後、ヘン・ウェンを求めて二人は旅を続ける。 彼らは探索の途中でガーギと呼ばれる毛むくじゃらの生きものに出会う。ガーギからヘンウェンの情報を得た彼らは追跡を始めるが、角の王もヘン・ウェンを追っていた。ある夜、ギディオンたちは角の王のキャンプに近づき様子を探った。そこで角の王がドン家(Dôn)およびギディオンの本拠地であるカー・ダスル(Caer Dathyl)を目指していることを知り、ギディオンは豚の追跡をあきらめた。 翌朝、角の王の手下の狩人たちに彼らは発見され、不死身との戦いに利あらずと見たギディオンはタランに逃げるように命令するがタランはそれに従わずギディオンとタランは不死身に捕らえられ渦巻き城に連れていかれ、そこで2人は魅力的な女王アクレンと出会った。アクレンはギディオンに仲間になって共にアローンと戦いその後世界を支配しようともちかけるがギディオンはその提案を拒絶した。怒ったアクレンは二人を別々の牢に閉じ込めてしまう。 牢の中に入れられたタランのところに、エイロヌイ王女がやってくる。彼女は叔母と称するアクレンのもとで魔法を習いつつ過ごしていた。タランはエイロヌイに対してギディオンと自分のことを助け出してほしいと頼む。アクレンから罰を与えられていたエイロヌイは、それに対する仕返しのつもりで二人を牢から出すことに同意する。まずエイロヌイは、城に捕らえられていた人物を助けたことをタランに伝えた後、タランと一緒に城の迷宮から脱出する。脱出の途中、偶然に伝説の剣、ディルンウィンを見つけたエイロヌイはその剣を持ち出す。すると渦巻き城は崩れてしまった。 脱出したタランは、救いだされていた人物がギディオンではなく、フルダー・フラムという吟遊詩人だったことに失望するが、やむを得ず行動をともにすることになる。3人は城の崩れた跡を探し回り、武器や必需品を手に入れた後、ギディオンの死を悼んだ。その夜、タランたちはガーギと再会する。一旦はガーギを追い返そうとするが、彼が持ってきた敵の情報を聞かされ、旅に同行させることにした。 タランはヘン・ウェンの探索をあきらめ、ギディオンの死と迫る危機をカー・ダスルに伝えるべき、と判断する。仲間たちも彼と一緒に冒険することに決める。彼らはギディオンの馬、メリンラスも連れていくことに決める。しかし2人の不死身たちの追跡を受け、昼も夜も歩きつづけることになった。途中木から落ちて負傷したガーギはタランに自分を殺してくれと頼むがタランはそれを断る。ガーギは彼が手に入れた蜂の巣をタランにプレゼントしようとしていたのだった。このときからタランとガーギの間に長く続く友情関係が芽生える。 ガーギの足の様子は悪くなるばかりで、さらにエイロヌイも発熱してしまう。不死身たちは彼らの行動限界に至ったため追跡をやめるが、タランとその仲間たちは敵を避けるために当初予定していたコースから大きく外れてワシ山脈の中へと入っていく。メリンガーによって一行は知られざるメドウィンの谷へと連れられる。メドウィンは瀕死となっていたガーギを治療した。ここでタランはヘン・ウェンが逃げた日にカー・ダルベンから逃げ出した動物たちを見つけた。動物の言葉を理解できるメドウィンとタランは話をするが、ヘン・ウェンの行方はわからず、捕らえられたか死んでしまったのではないかと予想する。ガーギはすぐに回復し、一行は再び旅を続ける。 次に彼らは湖に行き着いた。湖のすぐそばを通るのが近道と思った一行は、湖の底へと引き込まれてしまう。彼らは湖の底の妖精の王、エイディレグ王のもとに連れていかれた。王は最初ぶっきらぼうに話していたが、エイロヌイが感謝を述べたときに少し物腰やわらかになった。ガーギがヘン・ウェンがいることに気づく。タランはエイディレグ王を問い詰めるが、ヘン・ウェンのことについては質問がなかったではないかと王は言い訳をした。タランたちは王を詰問して、ヘン・ウェンを返すこと、失った装備を弁償すること、カー・ダスルまでの道案内に誰かをつけることを認めさせた。 彼らの道案内となったのは、姿を消すことが出来ないでいる妖精の落ちこぼれ(?)のドーリだった。ドーリはカー・ダスルに向けていいペースで一行を導く。アローンの手下となったスパイの役目も果たす傷ついている鳥を見つけたときに、ドーリはすぐに殺すことを主張したが、タランはドーリを止めた。ドーリは激怒したが、鳥は介抱によって回復し飛び立ってしまった。同じ日に角の王の探索に気づいたヘン・ウェンは再び逃げ出してしまった。 旅に遅れの出ていた彼らはかろうじて角の王の軍隊より先にカー・ダスルにたどりつけるのではないかといった状況にあった。だがカー・ダスルのそばに来たときに彼らは敵に襲われた。ドーリ、ガーギは奮戦し、フルダー・フラムはメリンガーでタランとエイロヌイを逃がした。メリンガーはタランとエイロヌイを乗せて逃げたが角の王自らが追ってきた。タランは角の王に向かっていくが、剣が折られてしまった。そのため、タランはエイロヌイが持っている剣ディルンウィンを取り上げるが、ディルンウィンの魔力に対することができずに、タランは火傷をして気を失った。タランは意識を失う直前に一人の男性が近づいてきて、何か難しい単語を大声で唱えるのを見た。すると角の王のマスクは溶け、彼は燃えてしまった。 タランが意識を取り戻したのはカー・ダスルであった。そばにはヘン・ウェンとエイロヌイがいた。そして角の王の最期とその軍隊の崩壊を聞かされた。そして渦巻き城が崩壊したときに亡くなったと思いこんでいたギディオンがいることにタランは気づいた。地下牢での苦しみによってギディオンは生きものの心の中を理解することができる力を身に付けていた。そしてタランが無事であったことを知ったギディオンはその後ヘン・ウェンと出会っていた。ヘン・ウェンの持っている角の王に関する知識はギディオンの想像以上のものであった。ヘン・ウェンは角の王を滅ぼすことができるもの、角の王の秘密の名前について知っていたのだった。ギディオンはタランを救うのにちょうどいいタイミングで間に合い、角の王に遭遇した。そして、エイロヌイはギディオンが現れたとき、ディルンウィンを渡した。彼女はその剣がギディオンのものとなることを理解していた。 最後にドン家から仲間たちにいろいろな贈り物が与えられた。エイロヌイには指輪が、ガーギには決して食べ物のなくならない袋が、フルダーには決して切れない弦が、そしてドーリには姿を消すことのできる能力、タランはカー・ダルベンに帰る許可だけを願い出た。そこでギディオンはエイロヌイや、ガーギとともにタランと同行しました。エイロヌイやガーギは他にいくところがないならカーダルベンに滞在しないかと誘われた。冒険の途中でタランは、カー・ダルベンがいかに良い場所であったかということを今さらながら理解していた。
※この「梗概」の解説は、「タランと角の王」の解説の一部です。
「梗概」を含む「タランと角の王」の記事については、「タランと角の王」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 05:23 UTC 版)
「大山寺縁起 (相模国)」の記事における「梗概」の解説
以下の梗概は、『大山寺縁起絵巻』の平塚市博物館本 (仮名本、享禄5年(1532年)9月13日制作)による。 相模国の国司であった大郎大夫時忠という人物が、子供に恵まれず、如意輪観音像を製作して、妻とともに祈ったところ、夫婦の夢の中に高齢の僧が現れ、「弥勒菩薩の化身」という法華経一巻を与えて姿を消した。その後夫婦の間に男の子が生まれ、仏の化身とされて、国中から祝福を受けたが、誕生から50日後、野外で赤ん坊が湯浴みしているときに、金色の鷲にさらわれてしまった。 同じ頃、奈良の都に覚明という僧がいて、弥勒菩薩が地上に現れ、大伽藍を建立する夢をみた。翌日、山に入ると、大きな楠の木の枝の間に、金色の鷲が巣をつくっていて、赤ん坊がその中で泣いているのをみた。覚明が不動明王に「夢でみたので、赤ん坊を引き取りたい」と7日間祈ったところ、翌朝、猿が現れて、覚明に赤ん坊を手渡した。覚明はこの子を「金鷲童子」と呼んで、大切に養育した。金鷲童子が19歳になった時、覚明が亡くなったため、童子は執金剛神像を製作し、天下泰平等を祈ると、神像の脚にかかっていた五色の糸から光が放たれて、聖武天皇の宮殿を照らした。その光をみた天皇は、童子の存在を知り、童子を師匠として、仏弟子になるとし、童子は出家して「良弁」と名乗った。良弁は東大寺(金鐘寺)の初代別当となり、華厳宗を確立した。 その頃、時忠は妻とともに各地を何年も放浪し、子供の行方を探していたが、ついに良弁の出自の話を聞いて、奈良に行き、子である良弁と再会した。話を聞いた聖武天皇は、時忠を再び相模国の国司に任じて、良弁が相模国に帰国することを許したが、当地で仏法を広めたらすぐに帰京することを命じた。 相模国で、良弁は大山の山頂から光が放たれているのをみた。良弁は大山に登り、山頂の地面を掘って、不動明王の石像を発見した。そのとき、不動明王が、この山は弥勒菩薩の「兜率天浄土」であると語った。良弁は山中でみいだした霊木で不動明王の像を製作し、その像の前で21日間祈ると、弥勒菩薩の化身である四十九院が現れるなどした。 その後、良弁が山中にある岩窟の下の池の端で、7日間祈ると、池の中から震蛇大王を名乗る大蛇が現れ、「自分は大山を守護しているが、仏の教えを無視していたため、このような姿になってしまった。上人のおかげで兜率天の内院に変わることができたので、今後は大山に垂迹して大山寺を守護したい」と語った。良弁が参拝人のため、水が出るようにして欲しいと大蛇に依頼すると、岩窟の上から水がしたたり落ち、「二重の滝」となった。 こうして大山寺を開山した良弁は、天皇との約束に従い、帰京していった。
※この「梗概」の解説は、「大山寺縁起 (相模国)」の解説の一部です。
「梗概」を含む「大山寺縁起 (相模国)」の記事については、「大山寺縁起 (相模国)」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/27 01:22 UTC 版)
大阪の女形役者、尾上多見江が江戸に招かれて東海道を下る途中、山道に迷ってしまう。そこで警戒されず話がしやすいように、また自身のけいこも兼ねて自分を女だと偽り、ある家に泊めてもらった。しかし多見江は、女だと信じて一緒に寝ている、その家の娘を抱いてしまう。その上、次に来た母親まで同様の目に。翌日、何も知らない亭主に途中まで送って行ってもらうところで、この亭主に迫られる。ところが「芸のこやし」と逆に亭主まで手ごめ。狐につままれた気持ちで帰ってきた亭主、まず娘に「昨夜、あの旅人と寝たが、何もなかったか」「いいえ」。女房に同じ事を聞いたが「いいえ」。「それよりあんたあの人を送って行ったが、何もなかったか」「いいえ」。
※この「梗概」の解説は、「いいえ (落語)」の解説の一部です。
「梗概」を含む「いいえ (落語)」の記事については、「いいえ (落語)」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 17:07 UTC 版)
「皮脚絆物語」の共通の主人公であるナティー・バンポーは、ここでは「ホークアイ」の名で登場する。フレンチ・インディアン戦争の時代のニューヨーク州を舞台として、イングランド軍の隊長マンロウと、その黒人との混血の娘コーラ、白人との娘アリスに、ダンカン・ヘイワード少尉が登場する。またモヒカン族のチンガチグックとその息子アンカスが、彼らの味方である。敵方はヒューロン族のマグアを中心として、敵味方に別れての戦いが描かれている。のちの西部劇に近いものがあり、インディアンの部族については混乱が見られて明確ではなく、デラウェア族などというのも現れる。原題は「モヒカン族の最後の人」という意味で、アンカスのことだが、日本では一貫して「モヒカン族の最後」と訳されてきた。
※この「梗概」の解説は、「モヒカン族の最後」の解説の一部です。
「梗概」を含む「モヒカン族の最後」の記事については、「モヒカン族の最後」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/30 06:25 UTC 版)
当初は著者である大迫が、映像化を前提に「闘う男の物語が書きたい」という目的をもって書いた物語で、これを角川春樹事務所の『小松左京賞』へ応募したことが発端。その後シリーズ化されたが、二度のレーベル移行によって物語が途切れたこともあり、『贖罪のカルネアデス ―ゾアハンター(ハルキ・ノベルス)』以降事実上の絶版となる。その後、2005年初夏、GA文庫の立ち上げにあたった最初の顔合わせの際に大迫が「実は『ゾアハンター』を再版してくれる版元を探してるんですよね」と口にしたところ、再版から完結までの上梓が約束され、それからおよそ2年を経て復活、2009年6月発売の『ゾアハンター7(GA文庫)』をもって完結した。
※この「梗概」の解説は、「ゾアハンター」の解説の一部です。
「梗概」を含む「ゾアハンター」の記事については、「ゾアハンター」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/30 22:41 UTC 版)
全体は15景からなり、ガリレイの後半生30年が描かれる。1609年、ガリレイは学問の都ヴェネツィアで教職に就いているが、待遇が悪く研究に満足に打ち込むことができない。待遇改善のために新型の望遠鏡を大学に売り込むなどしたあと、その望遠鏡で土星の衛星を発見し、これで天動説を覆すことができると意気込む。そしてヴェネツィアを捨てて待遇のよいフィレンツェの宮廷に移るが、宮廷学者たちは望遠鏡をのぞくことすらしない。地動説を唱え続けたガリレイは、1616年になってようやく教皇庁の研究者からもその説を認められるが、まもなく研究の自由の代わりに地動説の研究の破棄を求められる。 それから8年の間、ガリレイは地動説の研究と発表をやめ、弟子たちや娘ヴィルジーニアとともに別の科学研究に没頭していた。そこに新たな教皇として知人の天文学者バルベリーニが選ばれたという報が入り、ガリレイはふたたび地動説の研究に着手する。そして民衆向けのパンフレットで自説を流布したことによって、ガリレイの地動説はその後10年の間に人々の間に広まるが、バルベリーニは科学よりも既成の秩序を選び、ガリレイを異端審問にかける。拷問を突きつけられたガリレイは自説を撤回し、失望した弟子のアンドレアから「英雄のいない国は不幸だ」という言葉で非難されると、「ちがう、英雄を必要とする国が不幸なのだ」と答える。 しかし、学説撤回は教会を欺く手段に過ぎず、幽閉下のガリレイは娘の監視の目を盗みながら『新科学対話』を完成させる。アンドレアはガリレイの策略に気づかなかった自分の不明を彼に詫びるが、ガリレイは自分の取った方便が結果として、民衆の手になるはずの科学を権力の手に渡すことになったとして自らを断罪する。
※この「梗概」の解説は、「ガリレイの生涯」の解説の一部です。
「梗概」を含む「ガリレイの生涯」の記事については、「ガリレイの生涯」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/23 07:40 UTC 版)
古代から現代までの著名な神学者を世紀ごとに分類。なお、生涯が2世紀に渡っている場合はあとの世紀に区分するものとする。日本語表記については慣用的な読み方を尊重しつつ以下の原則に従う。 古代 ギリシャ語読みもしくはラテン語読み。 中世 慣例に従う。ギリシャ語読みもしくはラテン語読み、または当該者の出身文化に沿って表記(例:ドイツ系ならドイツ語読み、ただしラテン語読みのほうが一般的な場合ラテン語読みで表記) 近世~現代 当該者の出身文化に沿って表記。(例:ドイツ系ならドイツ語読み)
※この「梗概」の解説は、「神学者の一覧」の解説の一部です。
「梗概」を含む「神学者の一覧」の記事については、「神学者の一覧」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 10:38 UTC 版)
「私」と50人のギリシアの青年たちが、ヘラクレスの柱を超えて未知の海域の探検に乗り出す。彼らが80日間の航海の結果、最初に発見した島は「ヘーラクレースとディオニューソス到来の地」で、ぶどう酒の川があり酒粕の魚が泳いでいた。彼らは2人の仲間をこの地で失い、先へ進む。 つむじ風で船が飛ばされ、七日七晩の空中旅行の末、彼らは月に着陸する。その時、月世界(エンデュミオーンを王とする)は明けの明星の領土を巡って太陽(パエトーンが王)と戦争を始めるところであった。青年たちは月世界側に与して戦う。味方の乗用動物は頭が3つの大鷲や巨大な蚤。敵は巨大な蟻。武器には通常の剣に加えてアスパラガスの槍や投擲用辛子大根が使われた。戦いは月世界側が一時的に勝利を得るが、銀河から遅れてやって来たケンタウロス軍が戦況を一変させ、結局は太陽側に有利な講和条約が結ばれる。 月を後にした青年たちは明けの明星や、ヒアデス星団とプレアデス星団の間にある「灯明の国」に立ち寄った後、海上に戻る。三日目の朝、巨大な鯨が現れて船を呑み込む。鯨の体内には陸地があり、森が茂り、陸上生物も住んでいた。彼らは何十年もそこに暮らしていたキプロス島人の親子を助けて、蟹手族・鮃足族・鹹魚族といった半魚人種族たちを征伐する。 鯨から脱出した彼らは氷の海、牛乳の海を抜けて「神仙の島」に着き、ホメーロス、七賢人、ディオゲネス、ピュタゴラス等々の有名人と出会う。青年たちは航海を続け、「糸瓜の海賊」・「イルカに乗った海賊」の撃退、巨大なカワセミの巣の発見、「牛頭族の島」への寄港を行なう。「驢馬の脛」の島では女妖怪の餌食になりかけるが「私」の機転で難を逃れる。 物語の終盤で、青年たちは未知の大陸に到着するが船は岸に叩きつけられて壊れてしまう。大陸での冒険は次稿で語ることにする、との旨が述べられたところで物語は終わる。
※この「梗概」の解説は、「本当の話」の解説の一部です。
「梗概」を含む「本当の話」の記事については、「本当の話」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/17 05:53 UTC 版)
「ランスロまたは荷車の騎士」の記事における「梗概」の解説
『ランスロまたは荷車の騎士』は、従わざるを得ないようアーサー王を騙す謎の騎士に王妃が誘拐される話から始まる。 会食中のアーサー王宮廷に突如あらわれた謎の騎士は「自分の国に王の騎士や家族たちをとらえている。王にひとりでも信頼できる騎士がいて、わたしの行く森に王妃とともに来るというならば、そこで待とう。もしそこでわたしと戦って勝てば、王妃とわたしの国に囚えている者をみな返す」と嚇す。クーは一計を案じて王に暇をいただきたいと申し出る。翻意を促す王の説得に対しクーは、王妃を自分にあずけて森で待つ騎士のあとを追うという条件を出す。仕方なく王は武装したクーと王妃を送り出すことにする。このとき王妃は「あの方がいてくれれば」と小さな声でつぶやくが、『あの方』が誰を指すのかはずっと後まで明かされない。ゴーヴァンが抗議し、彼らを追跡すべきだと主張したので、王はゴーヴァンの意見を聞き入れ皆で追跡することにする。 ゴーヴァンたちは王妃とクーを探していると、一人の騎士が現れるが、彼の乗った馬は死んでしまい、ゴーヴァンに予備の馬を貸してくれと懇願する。ゴーヴァンが馬を貸し与えると、その騎士はは急ぎ王妃たちを追う。ゴーヴァンが彼を追いかけていくと、その騎士に貸した馬が消耗しきって死んでおり、武器の破片が落ちており、戦いがあったことを見つける。 一方騎士は荷車を引く小人と出会うが、小人は、もし騎士が、彼の荷車に乗るならば、王妃と簒奪者が、どこに行ったかがわかるだろうと言う。囚人を運ぶべき荷車に乗るのは騎士にとって不名誉なことなのでしばらく躊躇し、熟慮したあげく騎士はカートに乗り込む。ゴーヴァンは、騎士としての自身の品位が傷つくのを避けるために、荷車には乗らず馬に乗っていくことを選ぶ。騎士たちはこの旅の間、荷車に乗っていることによって卑しい地位のものであると看做されるため、出会う人に何回話しかけても罵声を浴びせられ、相手にされないという目に合う。やがて荷車はある城に着くと、小人は2人を置いてどこかへ消え去る。 荷車に乗った騎士の最初の試練は、城の王女から冷遇され、寝床で寝ることを禁止されたことだった。その寝床には横たわったものを殺すために槍が飛んでくる罠が仕掛けられていたのだが、荷車の騎士は難なく罠を回避する。翌朝、城の窓から大男の騎士が美しい女性を連れ、担架に横たわった騎士を運んでいく姿を見つけ、荷車の小人の言ったとおりになったことが分かる。騎士とゴーヴァンは鎧を付け、2人を追跡することにする。2人は城の王女の寛大心で貰った槍と馬に乗って出発する。 やがて十字路でとある乙女に出会う。乙女は自分の望んだ時に自分の望みを聞くということを条件に、王妃を奪った者がゴールの王の息子メレアガンであり、王妃の連れ去られた先が二度と帰ることのできないゴールの国だということを明かす。さらに乙女はゴールの国までの道を教える。道は2つ、どちらも危険な道で、一方は国境の河の激流の水中にかけられた橋を渡る道で、もう一方は鋭い刃を上に向けた剣でつくられた橋を渡らなければならない道である。荷車の騎士とゴーヴァンは別れ、荷車の騎士は剣の橋、ゴーヴァンは水中の橋を通る道を行くことにする。 荷車の騎士はいくつもの冒険を重ね、剣の橋を伝い国境の激流を渡りゴール国に入る。荷車の騎士は王妃をゴールの城で見つけるが、しかし彼女から冷たい態度で追い払われる。その後それは小人の引く荷馬車に乗ることに対し彼が初めに躊躇したからであることが後に明かされる。さらに荷車の騎士はゴーヴァンを探すために立ち去るものの、やがて引き戻され、王妃は彼に謝罪する。 荷車の騎士は王妃の住む塔に忍び込み、彼女と一緒に情熱的な一夜を過ごす。しかし彼は侵入の際に怪我をしたため、王妃のシーツに血を残してしまう。荷車の騎士は日の出前に塔から忍び出るが、メレアガンは王妃を、手近の負傷した騎士クーと姦通したと非難する。 荷車の騎士は王妃の名誉を守るため、メレアガンとの一騎討ちに挑戦する。2人の戦いを窓から王妃と囚われの乙女たちが見ているが、怪我をしている荷車の騎士が次第に劣勢になってくる。一計を案じた乙女が王妃に「あの騎士の名前は何というのですか」と訊ねると、王妃は「湖のランスロ(Lanceloz del Lac)」と王妃は答える。乙女は大声で戦っている騎士に王妃が見ていることを知らせる。ランスロの気力は復活し、息子の負けを判断したメレアガンの父ボードマギュ王は王妃に戦いの中止を懇願し、王妃の意向によりランスロとメレアガンは戦いをやめるが、一年後にアーサー王の宮廷で戦うことに同意する。王妃と他のとらわれ人たちは解放される。 ノアウツ(Noauz)騎馬試合のエピソードでは、最後の試合の戦士と戦うとき、王妃はランスロに愛を証明したいなら無様に戦うよう命じる。彼がそれを受け入れ、彼が負け試合を始めようとしたとき、王妃はそれを翻して彼に勝つよう命じる。ランスロは王妃に従って試合の他の相手を倒す。 その後メレアガンは謀略を弄しランスロを出口のない高い塔に幽閉してしまう。クレティアン・ド・トロワは、これ以降書き続けることを放棄する。 ここから先はゴドフリー・ド・ラニーが話を続け完成させている。ランスロは、以前出会ったときにメレアガンを追跡する道を教わったあの乙女によって幽閉から助け出されるが、実は彼女はメレアガンの妹であった。メレアガンの妹はランスロの好意に報いるために彼の求めるものを探す。彼女は斧を見つけ、ランスロットが食物を引き上げるためのロープで斧を引き上げる。ランスロは逃げ道を考え出し、彼女の人里離れた家に彼女と一緒に逃げる。 一方、ゴーヴァンはランスロが行方不明なので、メレアガンとの約束の戦いのための準備をしているが、ランスロは期日通りに到着し、メレアガンと戦う。決戦ののちメレアガンは気力と腕を失い、そしてランスロによって斬首される。
※この「梗概」の解説は、「ランスロまたは荷車の騎士」の解説の一部です。
「梗概」を含む「ランスロまたは荷車の騎士」の記事については、「ランスロまたは荷車の騎士」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 01:27 UTC 版)
昔、「軽大臣(かるのおとど、かるのだいじん)」という日本人が、遣唐使として中国にわたったきり、行方不明になった。息子の「弼宰相(ひつのさいしょう)」は、父の消息を探すため、中国へ渡った。彼は中国のとある場所で、「灯台鬼」を見た。これは「人間燭台」のことである。頭に大きなロウソクを載せる台をしつらえ、体中にびっしり入れ墨をほどこされ、薬で喉をつぶされた灯台鬼は、弼宰相の姿を見るとポタポタと涙を流し、声を出せないので指先を歯で噛み切り、次のような漢詩を書いた。 我元日本華京客、汝是一家同姓人。 為子為爺前世契、隔山隔海変生辛。 经年流涙蓬蒿宿、逐日馳思蘭菊親。 形破他郷作灯鬼、争皈旧里寄斯身。 弼宰相は、目の前の灯台鬼が、自分の父親の変わり果てた姿であることを知り、愕然とした。
※この「梗概」の解説は、「灯台鬼」の解説の一部です。
「梗概」を含む「灯台鬼」の記事については、「灯台鬼」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 01:15 UTC 版)
物語は二話から成っている。 第一話では、大学生篁がその異母妹に漢学を教え、二人は恋人となる。妹は妊娠して、それを知った母親が篁との恋仲を許さず、妹を一室に閉じ込める。妹は篁への想いを残して死んでしまい、亡霊になって篁のもとに現れる。二十一日毎晩現れて、その後たまにしか現れず、形が薄くなり、三年が経てば篁は夢の中でも見えなくなる。 第二話で篁は右大臣の娘と結婚して幸せに生きる。
※この「梗概」の解説は、「篁物語」の解説の一部です。
「梗概」を含む「篁物語」の記事については、「篁物語」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 09:10 UTC 版)
「ボヘミアのブランデンブルク人」の記事における「梗概」の解説
舞台:プラハ 時代:13世紀、ブランデンブルク辺境伯によってボヘミアが侵攻・統治下におかれた時期 ボヘミア王オタカル2世が、1278年にルドルフ1世率いる神聖ローマ帝国軍に敗れ、マルヒフェルトの戦いで戦死すると、彼の未亡人であるクンフタ・ウヘルスカーは、ルドルフ1世に対抗するためにブランデンブルク軍に協力を要請する。これに対して、ルドルフ1世はオーストリア公国へと退く。ところが、今度はブランデンブルク軍人達がボヘミアへあたかも支配者であるかのようにふるまうようになる。そして、クンフタと彼女の息子であるヴァーツラフ2世をベズジェス城(英語版)に幽閉する。そして、ブランデンブルク軍は一度は敵対したルドルフ1世と協力関係を結び、今後5年間のボヘミアでの支配権を獲得する。 市長Volfram Olbramovičをはじめとするプラハ市民は、ブランデンブルクの支配に苦しめられていた。一市民であるJunošは、ブランデンブルク軍人たちの強盗や略奪を上申する。市長の娘であるLudišeは、ドイツ系のプラハ市民Jan Tausendmarkから求婚されていたが、それを拒否していた。Tausendmarkは、ブランデンブルク軍に加担している人物だった。農奴であるJíraは、ブランデンブルクへの反乱運動のリーダーとなっていた。彼は、Tausendmarkが市長の娘3人、LudišeとVlčenka、Děčanaを誘拐したと公に非難した。軍同士の衝突を避けるために、市長Olbramovičは、Jíraを逮捕する。市長の娘たちは、まだブランデンブルク軍にとらわれたままになっており、市長はTausendmarkに彼女たちを解放するために協力するように要請する。しかし、ブランデンブルク軍の指揮官Varnemannは、高額な身代金を要求する。その間に、Jíraは裁判にかけられ、死刑判決を受ける。ところが、Ludišeと恋に落ちていたJunošがJíraを助け出す。Ludišeを拉致するつもりのTausendmarkは、Varnemannに見限られる。最終的に、Tausendmarkとブランデンブルク軍はプラハから追放され、プラハに自由が戻る。
※この「梗概」の解説は、「ボヘミアのブランデンブルク人」の解説の一部です。
「梗概」を含む「ボヘミアのブランデンブルク人」の記事については、「ボヘミアのブランデンブルク人」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 07:51 UTC 版)
「サンダーバード 劇場版」の記事における「梗概」の解説
人類初の有人火星探査ロケット「ZERO‐X号」が組み立てられ、離陸した後、ザ・フッドの妨害工作により制御不能となり搭乗員は脱出し、機体は海上に墜落してしまった。2年後、2回目の離陸を国際救助隊の護衛と共に順調に進み、ほとんど問題はなく成功した。6週間後「ZERO-X号」は火星に着陸し、探査の途中で謎の岩を発見し、銃で撃ち、科学者の一人が岩のサンプルを採りに外へ出ようとしたその時、岩が動き出し、攻撃をしてきた。実はそれらは岩ではなく、火星の生物だったのだ。なんとか離陸して地球へ帰還したが無線操縦翼2号機との接続に失敗し、接続器も破損して、おまけに脱出装置も故障して約30分で墜落せざるをえなくなった。その通信を傍受した国際救助隊は救助に向かう。
※この「梗概」の解説は、「サンダーバード 劇場版」の解説の一部です。
「梗概」を含む「サンダーバード 劇場版」の記事については、「サンダーバード 劇場版」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 02:13 UTC 版)
芝居好きな八五郎が芝居を見にやってきたが、生憎と超満員。仕方なく立って見ている八五郎に「よろしければこちらへどうぞ」と声がかかった。見ると十八、九のお嬢さんと年増の女中の二人連れ。八五郎は「しめた」とばかり女二人が買いきっている桟敷の席へ入り込んだ。 お嬢さんが大の音羽屋贔屓だと聞いた八五郎は、桟敷に入れてもらったお礼に「音羽屋、音羽屋」と声をかけると、お嬢さまは大喜び。お茶ばかりでなく鰻のお重やらを出してくれた。女中からさりげなく年齢を訊かれた八五郎が「二ナラの二十二」と答えたところ、ますます愛想が良くなった。 女中の話によれば、お嬢さまは身体を壊し、今は業平の別荘で養生しているという。送ってほしそうな素振りを見てとった八五郎が送っていくと、二人は八五郎を座敷に上げ、酒よ肴よとたいへんなもてなし振りだった。そればかりか「もしよろしければ今夜泊まっていってもかまいません」と思わせ振りなことをいわれた八五郎は、まるで狐につままれたよう。 盃を口に運びながら、改めてお嬢さんを見てみると実に好い器量だった。 酒がほのかに回り出した頃になると「あなたさまにお願いしたいことがございます」と、そのお嬢さんがさも恥ずかしそうにいい出した。「あたくしのあさましいところのオデキをなめていただきたいんです」。一瞬たじろいた八五郎だが「わたくしのような者でもお見捨てくださいませんのなら、一生苦楽をともに致します」といわれ、意を決してなめることにした。 とはいえ、いざ袴の股立ちを開かれるとデキモノの大きいことといったらない。「このお嬢さんと一緒になれるなら」と目をつぶってなめたあとがたいへんだ。うがいをするやら口をゆすぐやらしてようやく落ち着き、これからゆっくり楽しもうとしたとたんである。玄関の戸を割れるように叩く音がした。青い顔をした女中のいうには「お嬢さまの叔父さんが見回りにきたんですが、酒乱の上に頑固者。ここの家に男がいるのを見ると誰彼の見境なく斬りつけます」。驚いた八五郎はほうほうの態で逃げ帰った。 その翌くる日。湯に入り床屋にいって男をみがいた八五郎が「乙な年増を世話してやろう」とたまたま出会った友達を連れ業平の別荘にきてみると、門が閉まって静まり返り、人の気配がまるでしなかった。隣の煙草屋でたずねたところ、ゲラゲラ笑い出した親父が一部始終を教えてくれた。 その話によると、名医という名医にお嬢さんのデキモノを診せたが癒らなかったという。藁にもすがる思いで易の名人に占ってもらったところ「お嬢さまより四歳年上の今年二十二になる男になめてもらえば、そのツバキのせいで必ず癒る」との易が出た。さあそれからというものは、毎日毎日芝居へいっては二十二の男を捜し歩いたそうだ。 「ところが昨日、二十二になる間抜け野郎を色じかけで生け捕ったというんだナ。お座敷まで連れてきて充分野郎になめさせたんだそうだ」「へえへえへえ」「あとでことが面倒になったらいけないというんで、さっさと今朝早く引き払っていきましたよ」。あたふたする八五郎にさらに追い討ちがかかった。「可哀相なのはそのなめた野郎だそうだ。 全身へ毒が回って七日とはもつまいとのことだ」。これを聞いた八五郎はその場に倒れ、気を失った。一緒にきた八五郎の友達が驚いた。いそいで宝丹を懐から取り出して「さァ薬だ薬だ。おい、宝丹をなめるんだよ」「俺ァもうなめるんじゃ懲りたよ」
※この「梗概」の解説は、「なめる」の解説の一部です。
「梗概」を含む「なめる」の記事については、「なめる」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 05:51 UTC 版)
「クロスローズ・トゥ・クライム」の記事における「梗概」の解説
警邏中にドン・ロス巡査は長距離ドライバー用の軽食堂の裏口でトラックのハイジャック犯の一味を発見した。一味のダイアモンドとジョニーは軽食堂の経営者コニー・ウィリアムズを誘拐し車で去った。ロスは車の側面につかまり止めようとするが地面に投げ出され頭に怪我をしてしまう。ダイアモンドとジョニーは、偶然通りかかった人を装いロスを家に送る。ウィリアムズはハイジャック犯の首領マイルズの元に連れて行かれ、通報しないよう警告する。 一味とA1道路沿いで頻発していた車の盗難事件を結びつける証拠があるにもかかわらず、ロスは上司のピアソン巡査部長に軽食堂の調査をするよう説得するも失敗していた。そこで彼は独自に調査をすることにし、ダイアモンドと彼の知っていることに対峙し、そして見逃す代わりに賄賂を首領に要求する。独自の調査を知ったピアソンはロスを免職とし、このことでロスと妻ジョアンの関係にも緊張が走る。それにも関わらずロスは調査を続け証拠を集めるが、その頃ハイジャック犯はたばこ輸送トラックを襲う。 一味が最後の襲撃の準備をし、このときは2万ポンド分に及ぶ白銅の輸送車が標的となった。ロスこの作戦に参加しマイルズの正体を暴き倒そうとした。ロスの裏切りに感づいたダイアモンドは彼に向けて銃を向け、カフェの地下中を追い回した。彼は怪我をし、やがてロスを追い詰めるもジョニーに撃たれた。ジョニーは覆面捜査官と身元を明かした。ジョニーはロスに伝えたことによると、当局はマイルズの居場所も把握していて、一味全員がまもなく逮捕されるだろうということだった。ロスは元の普通の交番勤務の巡査の生活へと戻っていった。
※この「梗概」の解説は、「クロスローズ・トゥ・クライム」の解説の一部です。
「梗概」を含む「クロスローズ・トゥ・クライム」の記事については、「クロスローズ・トゥ・クライム」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 06:21 UTC 版)
僕らは脊椎カリエスを患い病院のベッドに横たわり続けている。今までもこれからも。病院は惰性に包まれた閉じた世界だった。ある日一人の大学生が新たに僕らの病院に入ってきた。彼は病院の独特の雰囲気に耐え難いものを感じ、それを改善する会を結成すると僕に言った。僕は冷静な眼で見続けた。彼が外から来た人間だという事をひしひしと感じていたから。 やがて彼はその活動に成功し始めた。そして病院は明るい雰囲気に変わっていった。 彼は手術をしてその後用心しながら歩く事に成功した。しかし彼が病室に入ってきた時、曖昧な硬い表情をしているのを見て、僕は、何故自分の足の上に立っている人間は非人間的に見えるのだろう、と感じた。 結局、あいつは贋物に過ぎない、そして僕はずっと彼を見張っていたのだから、という勝利の感情もすぐに消えた。そして病院は元の空気に戻っていった。
※この「梗概」の解説は、「他人の足」の解説の一部です。
「梗概」を含む「他人の足」の記事については、「他人の足」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 05:32 UTC 版)
「フィネガンズ・ウェイク」の記事における「梗概」の解説
上記のように、本作は非常に複雑かつ緻密な構成や文体をしているため、その解釈も読者によって様々である。ここでは特にストーリーについては述べず、重要な要素の解説に留める。 原題 Finnegans Wake はアイルランドのバラッド Finnegan's Wake (フィネガンの通夜)にちなむ。表題の人物である大工ティム・フィネガンは屋根から転げ落ちて死んだが、その通夜に生き返ったという。Wake はゲール語で「通夜」を意味する[疑問点 – ノート]と同時に英語で「覚醒」を意味する。また英語の Wake は航跡、すなわちフィネガンの人生の行程を意味する。ただし、本作の題名にはアポストロフィがない。『フィネガンズ・ウェイク』のフィネガンは一人のフィネガンではなく、複数のフィネガン、つまりは人類全体を暗示する。この作品の主題は、だれか特定の人物の物語ではなく、人類の原罪による転落と覚醒であり、円環をなす人類の意識の歴史なのである。フィネガン=Fin+again。 フィネガンの転落は小説第1巻の冒頭に登場するが、すぐにその挿話はダブリンのある家族の物語に受け継がれる。商店主ハンフリー・チップデン・エアウィッカー (HCE) 、その妻アナ・リヴィア・プルーラベル (ALP) 、その間の2人の息子シェムとショーン、娘イザベルである。小説はハンフリーの裁判をめぐって展開するが、小説中ハンフリーとアナはむしろその略称の変形で登場する。そのため『フィネガンズ・ウェイク』を論じる場合、一般に主人公と妻はそれぞれ略号 HCE と ALP で言及される。 ハンフリーがその名で登場するのは小説第1巻第3段落であるが、彼は Here Comes Everybody 「ここにくるすべての人」であり、人類の歴史に登場するさまざまな人物でもある。小説中、HCEはイエス・キリストであり、騎士トリストラム卿である。HCEはまた人間以外のものの姿をとって現れることもある。小説の冒頭、HCE は Howth Castle and Environs(ホウス城とその周辺)、すなわちダブリンの街そのものであることが示される。妻の ALP もまた、ダブリンを貫流するリフィー川(リヴィアはリフィーのラテン語名)であり、トリスタンの恋人イゾルデであり、すべての女性の象徴であることが示される。HCE がアダムなら ALP はその妻イヴであり、HCE が人類であるなら ALP はそれと呼応しあう世界である。 なお小説中、場面と人類の意識の転換を示す雷が各国語の合成による擬音語で3度登場するが、このなかには日本語 kaminari も含まれる。 小説の冒頭は riverrun, と小文字ではじめられるが、これは第4巻最終章「アナ・リヴィア・プルーラベル」と対応している。「アナ・リヴィア・プルーラベル」は、意識の流れの手法によりアナの独白によって構成される章である。夫や家族についてのアナ・リヴィアの呟きは、そのままにダブリンを貫流して大西洋へ滔々と流れ行くリフィー川の呟きとなり、やがて短い切れ切れの緊張した語の断片の配列となって、人類の覚醒を予感させる昂揚した ALP の意識の高まりのうちに『フィネガンズ・ウェイク』は終わるが、その最後にはピリオドを伴わずにtheが置かれる。これはギリシア語のtheos(神)を意味するが同時に定冠詞のtheでもあり、この定冠詞が第1巻冒頭の語 riverrun にそのまま続いており、作品全体が人類の意識の流れの終わりなき円環をなすことが示される。この円環構造は"Doublends Jined"(「ダブリンの巨人」と「両方の端がくっついた物」の洒落)と呼ばれる。
※この「梗概」の解説は、「フィネガンズ・ウェイク」の解説の一部です。
「梗概」を含む「フィネガンズ・ウェイク」の記事については、「フィネガンズ・ウェイク」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 07:45 UTC 版)
「洪水の前 (ミュージカル)」の記事における「梗概」の解説
クリストファー・イシャウッドの小説『さらばベルリン』の一部を、ヴァン=ドルーテンが劇化した「わたしはカメラ」をもとにミュージカル「キャバレー」が作られたが、それを翻案したものである。
※この「梗概」の解説は、「洪水の前 (ミュージカル)」の解説の一部です。
「梗概」を含む「洪水の前 (ミュージカル)」の記事については、「洪水の前 (ミュージカル)」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/07/25 14:29 UTC 版)
6月のある朝、冷戦が突如核戦争に移行し、アメリカの小都市ミドルタウン上空で東側の新兵器「超原爆」が爆発する。その未知の副作用によって、町全体が数百万年先の未来にタイム・スリップしてしまう。ミドルタウンの人々が見出したものは、太陽と地熱の衰えにより寒冷化し、ゴーストタウン化した地球であった。青年科学者ケニストン(ケン)は上司ハッブルの右腕となり、市長ギャリスの無能さに苦労しつつも、一般市民の生活を維持すべく奔走する。 そんなある日、無線での救助信号に応えて宇宙船が着陸する。人類はすでに地球を捨てて銀河系中に広がり、人類主導の恒星連盟を作り上げていたのである。行政官たちは「規定の手続き」に従って市民たちを「死んだ惑星」から「適切な惑星」に移住させようとするが、ミドルタウン市民たちは地球を捨てることをよしとしない。はるか昔に母星を捨てた「理性的な現代人」である行政官たちは「原始人」の考えが理解できず、深刻な軋轢が生じる。ケンは、宇宙船に技官として乗って来た非人類種族たち(彼らもこの時代の地球人からは半ば原始人扱いされている)と友誼を深め、彼らの勧めで連盟の本部へ直訴すべく、ヴェガ星系に向かう。 直訴は失敗に終わるが、彼らは不遇の天才科学者アルノルの力を借り、「特殊な核反応により惑星を内部から暖め直」すことで問題を解決しようとする。ただしこの方法は恒星連盟によって「安全性に問題がある」とのレッテルを貼られ、禁止されていた。連盟の追手を振り切り、ケンたちは地球に帰ってミドルタウン市民たちに選択を迫る。わずかなリスクを承知で地球を暖め直し、その既成事実をもって恒星連盟を説得するか、それとも大人しく地球を去るか、と。市民たちは前者を選び、エネルギー爆弾が地球のコアに向かって射出される。 処置は成功し、地球は再び居住可能になる。恒星連盟も彼らを許す。だがケンは、既に地球には自分の居場所がなくなっていることに気付き、再び宇宙へ旅立つことを決意する。
※この「梗概」の解説は、「時果つるところ」の解説の一部です。
「梗概」を含む「時果つるところ」の記事については、「時果つるところ」の概要を参照ください。
梗概
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 10:02 UTC 版)
20年前、議員を務めるKalinaは、Róza Malinovaに求婚した。しかし、彼女は、当時の彼が貧乏であることを理由にこの求婚を却下した。それから、Kalinaは同じぐらいの地位にいる女性と結婚した。Rózaはというと未だに未婚で、Kalinaの求婚を却下したことを後悔していた。 Kalinaは、同じく議員であるMalinaの家から街区を横切った所に、自宅を建てていた。彼は、妻に先立たれていたが、富を誇示していた。Kalinaは、息子のVitekが、彼の政敵でありRózaの兄弟である議員であるMalinaの娘と恋に落ちたことに気付いていなかった。Kalinaは、偶然、古文書と古地図を発見する。それらには、古代の修道士・Barnabášからの指示が書かれていた。つまり、Bezděz山の中に隠された宝をどのように見つけるかというものである。借金を背負っていたKalinaは、その修道士の指示に従うことに決める。しかし、彼の掘るトンネルは、Malinaの家の床下へと到達する。そこでは、彼の息子が、Blaženkaと結婚する決意をし、家を出る決意を話していた。 そして、Barnabášが示す、Kalinaが見つける宝が何かが明らかとなる。それは、昔の恋人であるRózaであった。そしてオペラは、二組の結婚式で、幸せの中、幕を閉じる。
※この「梗概」の解説は、「秘密 (オペラ)」の解説の一部です。
「梗概」を含む「秘密 (オペラ)」の記事については、「秘密 (オペラ)」の概要を参照ください。
「梗概」の例文・使い方・用例・文例
梗概と同じ種類の言葉
- >> 「梗概」を含む用語の索引
- 梗概のページへのリンク