社会主義国の一覧
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現存もしくは過去に存在した社会主義国の一覧は以下の通り。どのような範囲を「社会主義」または「社会主義国」と呼ぶかは議論があるが、ここでは憲法等の国家基本法等で「社会主義」を記載した国を記載する。「社会主義」のうち、特にマルクス・レーニン主義は「共産主義」と呼ばれる事も多い。マルクス・レーニン主義以外の社会主義はアラブ社会主義、ビルマ型社会主義、主体思想など。なお朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は当初はマルクス・レーニン主義を発展させたとする主体思想を掲げていたが、1992年以降は憲法から「マルクス・レーニン主義」および「共産主義」を削除し、主体思想を掲げる「社会主義」となった。 種類現存備考マルクス・レーニン主義 現存 憲法等に社会主義(マルクス・レーニン主義)を掲げた現存する国家 マルクス・レーニン主義 過去に存在 憲法等に社会主義(マルクス・レーニン主義)を掲げた過去に存在した国家 その他 現存 憲法等に社会主義(その他)を掲げた現存する国家 その他 過去に存在 憲法等に社会主義(その他)を掲げた過去に存在した国家 種類国成立終了憲法上の規定マルクス・レーニン主義 中国 1949年10月1日 現存 前文:「中国の各民族人民は、引き続き中国共産党の指導の下に、マルクス・レーニン主義、毛澤東思想、鄧小平理論及び"三つの代表"の重要思想に導かれて、人民民主独裁を堅持し、社会主義の道を堅持し、(中略)我が国を富強、民主的、かつ、文明的な社会主義国家として建設する。」 キューバ 1961年7月1日 現存 第5条:「マルティ及びマルクス・レーニンの、キューバ国民により組織された前衛であるキューバ共産党は、社会及び国の優れた指導力であり、社会主義建設の高い目的へ向けての共産主義社会への前進に向けての共通の努力を組織し方向づける。」 ラオス 1975年12月2日 現存 前文:「国民の民主的体制の確立し、かつ社会主義体制を目指す基本原理を確立するために中央集権体制を目指し、これを強化するために新規かつ急激な変革を実行してきた。」第3条:「多民族からなる国民の主権者としての権利は、ラオス人民革命党を主軸とする政治制度の機能を通して行使され保障される。」(指導政党であるラオス人民革命党が「マルクス・レーニン主義」、「人民民主主義独裁」等を掲げる) ベトナム 1976年7月2日 現存 第2条:「ベトナム社会主義共和国は、人民の人民による人民のための社会主義的法治国家である。」第4条「ベトナム共産党は、労働者階級の先導隊であると同時に働く人民及びベトナム民族の先導隊であり、マルクス・レーニン主義及びホー・チ・ミン思想を思想的基礎として採用し、労働者階級、働く人民及び全ての民族の利益を忠実に代表する国家と社会の指導勢力である。」 北ベトナム 1945年9月2日 1976年7月2日 第2節第9条:「ベトナム民主共和国は、人民民主主義から社会主義に至る発展過程にあり、国民経済を社会主義の方法により発展・変革する。後進的な経済を、近代的な工業と農業および先進的科学技術により社会主義経済に変える。」 アフガニスタン 1978年4月27日 1987年11月30日 前文:「現状では民族調和(英語版)政策の先導者であり調整者であるアフガニスタン人民民主党は、他の政治的、全国的及び民主的勢力とともにこの人道政策を積極的に推し進める。」 1987年11月30日 1992年4月28日 アルバニア 1944年11月29日 1946年1月11日 第1節第1条: 「アルバニア社会主義人民共和国は、すべての労働者の利益を代表し擁護するプロレタリア独裁国家である。」 1946年1月11日 1976年12月28日 1976年12月28日 1992年3月22日 アンゴラ 1975年11月11日 1992年8月28日 第1節第2条: 「すべての主権はアンゴラ人民に帰属する。反帝国主義闘争に従うすべての愛国主義勢力を含む幅広い前衛の合法的代表として設立されたMPLAは、国家の政治・経済・外交の指導において責任を負う。」 ベナン 1975年11月30日 1990年3月1日 なし:(法律上社会主義国だった。) ブルガリア 1946年9月15日 1990年12月7日 第1節第1条:「ブルガリア人民共和国は都市と村落の勤労人民による社会主義国家であり、労働者階級に先導される。」 民主カンプチア 1975年4月17日 1979年1月10日 1975年から1979年まで共産主義政党(クメール・ルージュ)によって統治された。1975年から1989年まで法律上社会主義国だった。) カンプチア 1979年1月10日 1989年5月1日 コンゴ人民共和国 1970年1月3日 1992年5月1日 大統領宣言: 「私は、コンゴ国民、革命及びコンゴ労働党への忠誠を誓う。マルクス・レーニン主義に従い、(中略)プロレタリアートの理想の実現に全力を尽くすことを保証する。」 チェコスロバキア 1948年6月9日 1960年7月11日 第1節第1条: 「チェコスロバキア社会主義共和国は、労働者・農民・インテリゲンチャの安定した連携と、労働者階級の指導を基盤とする社会主義国である。」 1960年7月11日 1990年3月29日 エチオピア 1974年6月28日 1987年2月22日 (1974年にマルクス・レーニン主義を宣言。1987年、エチオピア労働者党は「国の発展過程を定式化し、国家と社会を指導する勢力」となった。) 1987年2月22日 1991年5月27日 東ドイツ 1949年10月7日 1990年10月3日 第1節第1条: 「ドイツ民主共和国は労働者・農民による社会主義国家である。都市と地方の勤労人民を、労働者階級および彼らによるマルクス・レーニン主義政党の指導の下で政治的に統合している。」 ハンガリー 1949年8月20日 1989年10月23日 第1節第2条: 「ハンガリー人民共和国は社会主義国である。」 モンゴル 1924年11月24日 1992年12月12日 第1節第2条:「モンゴル人民共和国は、人民民主主義によって構成され、発展していく国である。」 モザンビーク 1975年6月25日 1990年12月1日 第1節第2条:「モザンビーク解放戦線に指導・組織された労働者農民の力と、組織された人民の力」 ポーランド 1945年6月28日 1989年7月19日 第1節第1条:「ポーランド人民共和国は社会主義国である。」 ルーマニア 1947年12月30日 1965年8月21日 第1節第3条:「ルーマニア社会主義共和国の指導勢力はルーマニア共産党である。」 1965年8月21日 1989年12月21日 ソマリア 1976年10月21日 1991年1月26日 第1節第1条: 「ソマリア民主共和国は労働者階級に指導された社会主義国家であり、アラブおよびアフリカと不可分一体である。」 ソビエト連邦 1922年12月30日 1991年12月26日 第1節第1条:「ソビエト社会主義共和国連邦は、労働者・農民・インテリゲンチャの意思と利益を代表するすべての人々、すなわちあらゆる国家・国籍の労働人民による社会主義国家である。」 南イエメン 1967年11月30日 1990年5月22日 第1節第3条: 「科学的社会主義の法則で武装したイエメン社会党は、社会と国家の指導者で先導者である。」 ユーゴスラビア 1943年11月29日 1945年11月29日 第1節第2条:「ユーゴスラビアの社会主義体制は、個人と社会の要求を満たすためのみに働く、自由で平等な創造者・制作者として活動する人民を基盤とする。」 1943年11月29日 1963年4月7日 1963年4月7日 1992年4月27日 北朝鮮 1948年9月9日 1992年2月19日 第1条:「朝鮮民主主義人民共和国は、全体朝鮮人民の利益を代表する自主的な社会主義国である。」第4条「朝鮮民主主義人民共和国は、マルクス・レーニン主義を我が国の現実に創造的に適用した朝鮮労働党の主体思想を自己活動の指導的指針と見なす。第9条「朝鮮民主主義人民共和国において全ての国家機関は、民主主義中央集権制原則により組織され、運営される。」第16条「国家は、マルクス・レーニン主義及びプロレタリア国際主義原則で社会主義国と団結し、帝国主義に反対する世界全ての国の人民等と団結して、彼らの民族解放闘争及び革命闘争を積極的に支持声援する。」第27条「勤労大衆は歴史の創造者であり、社会主義、共産主義は、数百万勤労大衆の創造的労働により建設される。」 その他 1992年2月19日 現存 第1条:「朝鮮民主主義人民共和国は、全朝鮮人民の利益を代表する自主的な社会主義国家である。」第3条「朝鮮民主主義人民共和国は、人間中心の世界観であり、人民大衆の自主性を実現するための革命思想である主体思想、先軍思想をその活動の指導的指針とする。」第5条 「朝鮮民主主義人民共和国において全ての国家機関は、民主主義中央集権制の原則によって組織され、運営される。」第11条 「朝鮮民主主義人民共和国は、朝鮮労働党の指導下に全ての活動を行う。」 バングラデシュ 1971年4月11日 現存 前文: 「わが国の根本の目的は、民主的な過程を通じて、法律、基本的人権および政治的・経済的・社会的な自由と公正の原則に従った搾取のない社会主義社会の実現であることを改めて誓い、すべての市民に保証する。」 ガイアナ 1980年10月6日 現存 前文:「ガイアナの全人民に経済的・社会的な正義を保証する唯一の手段が、社会主義の原則による国家および社会の組織化であることを確信する。」 インド 1976年12月18日 現存 前文:「われわれインド国民は、インドを社会主義・世俗主義的・民主主義共和制の独立国家とし、すべての市民に保証することを厳かに決意する。」 ポルトガル 1976年4月2日 現存 前文: 「憲法制定会議は(中略)、法の支配に基づく民主制国家の優越を確信し、社会主義社会への道を開く(中略)ポルトガル人民の決定を肯定する。」 スリランカ 1978年9月7日 現存 前文: 「(前略)議会制民主主義という不変の共和主義的原則を認め、全人民に自由・平等・正義・基本的人権や司法権の独立を保証しつつ、スリランカを民主社会主義共和国として構成する」 タンザニア 1964年4月26日 現存 第1節第3条: 「連合共和国は、複数政党による民主制を堅持する、非宗教・社会主義・民主主義国家である。」 アルジェリア 1963年9月8日 1989年2月23日 前文: 「民主的で大衆的なアルジェリア共和国は、社会主義の原則に基づいて国家建設のための活動を指揮する」 ビルマ 1962年3月2日 1988年9月23日 第16条総則: 「この退歩を乗り越えて社会主義を建設するために、ビルマ連邦革命評議会は歴史的使命としての責を負い、社会主義にビルマ的手法を導入し、ビルマ社会主義計画党を結成した。」 エジプト アラブ連合共和国 1957年7月22日 1958年2月22日 前文: 「エジプト・アラブ共和国は労働勢力人民の連携を基礎とした民主主義・社会主義国家である。」 1958年2月22日 1971年9月2日 1971年9月2日 2007年3月26日 イラク 1968年7月17日 2003年4月9日 第1節第1条:「わが国の目標は、アラブ単一国家の実現と社会主義体制の構築である。」 リビア 1969年9月1日 1977年3月2日 第1節第6条:「わが国の目的は、いかなる形態の搾取も禁じる社会正義の適用を通じた、社会主義の実現である。」 リビア 1977年3月2日 2011年10月20日 スーダン 1973年5月8日 1985年10月10日 前文:「満ち足りて公正で平等な社会を達成するための自由、社会主義および民主主義をわれわれが追求する信念のうちに」 シリア 1963年3月8日 2012年2月27日 第1節第8条:「国家と社会の指導政党はバアス党である。党は、人民の資源を糾合して「アラブ国家」の目標に服務させることに努める、愛国的で進歩的な前衛を指導する。」
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