南イエメンとは? わかりやすく解説

イエメン人民民主共和国

(南イエメン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/13 22:11 UTC 版)

イエメン人民民主共和国
جمهورية اليمن الديمقراطية الشعبية

1967年 - 1990年
国旗国章
国歌: 南イエメンにおける国歌
公用語 アラビア語
首都 アデン
元首
1967年 - 1969年 カーターン・ムハンマド・アル=シャアビー
1986年 - 1990年ハイダル・アブー・バクル・アル=アッタース
首相
1969年 - 1969年ファイサル・アル=シャアビー
1969年 - 1971年ムハンマド・アリー・ハイサム
1971年 - 1985年アリー・ナシル・ムハンマド
1985年 - 1986年ハイダル・アブー・バクル・アル=アッタース
1986年 - 1990年ヤーシン・サイード・ヌーマン
面積
1990年332,970km²
人口
1990年2,585,484人
変遷
イギリスより独立 1967年11月30日
国連加盟1967年12月14日
南北イエメン統合1990年5月22日
通貨南イエメン・ディナール
国際電話番号969

イエメン人民民主共和国(イエメンじんみんみんしゅきょうわこく、アラビア語: جُمْهُورِيَّة اليَمَن الدِيمُوقْرَاطِيَّة الشَعْبِيَّة, ラテン文字転写: Jumhūrīyyat al-Yaman ad-Dīmuqrāţīyyah ash-Sha'bīyyah)、通称南イエメン(みなみイエメン)は、1967年イギリスから独立した国[1]。独立当初の国名は南イエメン人民共和国(みなみイエメンじんみんきょうわこく、アラビア語: جمهورية اليمن الجنوبية الشعبية, ラテン文字転写: Jumhuriyat al-Yaman al-Janubiya al-Sha`biya)。首都アデン。現在のイエメン全土のうちソコトラ島を含む南東部を領有していた。

概要

南イエメンの起源は、現在のイエメンの3分の2で構成されたアデン植民地とアデン保護領の創設により1874年にさかのぼる。アデンは1937年に英領インド所属になった。アデン保護領の崩壊後、1963年に国家解放戦線(NLF)と占領下の南イエメン解放戦線(FLOSY)によりイギリスの支配に反対する反乱が起きた。首都のアデンがかつてのイエメンのうちオスマン帝国から独立した地域であるイエメン・アラブ共和国の首都サナアのほぼ真南に位置したことから南イエメンを当初の国号としていた。南アラビア連邦南アラビア保護領は、1967年11月30日に合併してイエメン人民共和国になり[2][3]、1969年にマルクス・レーニン主義一党制国家となり、キューバ東ドイツソビエト連邦の支援を受けた。1970年11月30日の独立記念日に[4]、その名前をイエメン人民民主共和国に変更した。

イエメン社会党一党独裁体制によるアラブ世界初かつ唯一の社会主義国で、中東インド洋におけるソビエト連邦の足場だった。冷戦終結で経済的に行き詰まり、1990年5月22日に北イエメンと統合して現在のイエメン共和国となった。

しかし1993年の議会選挙後、南のイエメン社会党と北の国民全体会議およびイエメン改革会議(アル=イスラ)の間で政治危機が発生し、南イエメンは1994年に北イエメンからの離脱を宣言し、1994年に南側の再分離独立を求めるイエメン内戦が起きたが、国際的に未承認の分離主義国家であるイエメン民主共和国はまもなく崩壊し、北イエメンによる南イエメン占領によって鎮圧された。

南部暫定評議会を新政府として、社会主義国としてではなく、独自の国としての南イエメンを復活させる試みが2017年に始まり、それ以来続いている。

脚注

  1. ^ “イエメン紛争がいまいちわからない理由(髙岡豊)”. Yahoo!ニュース. (2019年9月30日). https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/7447283f78cfef776fbfd4772cd96c87841a74d2 2020年11月30日閲覧。 
  2. ^ 日本国際連合協会(編)、1968年1月1日「123番目の国連加盟国 南イエメン人民共和国」『国連』第47巻第1号、日本国際連合協会、38–39頁。
  3. ^ アラブ諸国の近況 3.南イエメン 南イエメン人民共和国の独立」『季刊アラブ = العرب = The Arab』第8号、日本アラブ協会、26–27頁、1968年3月10日。
  4. ^ イエメン人民共和国に改名 南イエメン『朝日新聞』1970年(昭和45年)12月1日夕刊 3版 2面

関連項目

外部リンク



「南イエメン」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「南イエメン」の関連用語

南イエメンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



南イエメンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのイエメン人民民主共和国 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS