案内標識とは? わかりやすく解説

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あんない‐ひょうしき〔‐ヘウシキ〕【案内標識】

読み方:あんないひょうしき

道路標識の一。一般道路では、経路案内目的地通過地方向、距離や道路上位置を示すもの)、地点案内現在地を示すもの)、付属施設案内待避所パーキングなどの付属施設案内するもの)の3種類がある。


道路標識

(案内標識 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/24 20:16 UTC 版)

一時停止」を示すアメリカの道路標識
行き先と距離が示されたオーストラリアクイーンズランド州ハイウェイ高速道路)での標識(ただし、日本ではこれは標識と言わずに看板と呼ぶ)
イギリス地方都市での重量制限標識(10トン
丸みをおび、どこからでも見られる「進入禁止」(ノルウェーオスロ

道路標識(どうろひょうしき)は、道路の傍ら若しくは上空に設置され、利用者に必要な情報を提供する表示板である。交通事故を未然に防ぐための規制・危険箇所への警戒喚起、指示・案内による交通の円滑化などを目的に設置される。

日本語としての道路標識は警告や義務を示すものは標識と言うが[1]、情報を提供するものに関しては通常は看板と呼ぶ。

概要

道路標識は道路上の交通が安全かつ円滑に移動できるようにし、かつ道路の保全をはかる目的で設置される[2]

上記の目的のために、以下の性質を持つ必要がある[2]

  • 遠距離から標識の存在と種類を確認できること。
  • 短時間で標識の内容を把握できること。
  • 夜間でも判読できること。
  • できる限り世界的に統一されていること。

分類

道路標識にはさまざまな種類があり、国際連合経済社会理事会による1968年道路標識及び信号に関する条約(ウィーン標識条約)の付表1では下記の8項目に分類される。

  • 危険警告標識
  • 優先標識
  • 禁止制限標識
  • 義務標識
  • 特別規制標識
  • 情報、施設、サービス標識
  • 方向、位置、指示標識
  • 追加表示板

各国の道路標識

日本の道路標識

韓国の道路標識

北朝鮮の道路標識

中国の道路標識

ベトナムの道路標識

ヨーロッパの道路標識

1968年に欧州諸国はウィーン交通条約に調印し、参加国間での交通規制の標準化を手がけ始めた。そして、ウィーン標識条約によって道路標識や信号が決められている。その結果、西ヨーロッパ各国では条約以前に出来た一部の国独自の例外を除くと、道路標識は大体標準化されている。

欧州の道路標識の原則は、形と色が目的によって定義付けられていることである。三角黄色の背景)は警告標識。禁止標識は型で周囲が赤。情報標識などは長方形。警告標識に表示される動物の例では、ムースカエル鹿アヒルホッキョクグマなどがある。動物イラストの使用はウィーン標識条約で決められている。

方向標識は(少なくとも一般道のものは)ウィーン標識条約では定義されていない。その結果、国によってはかなり違った形状のものがある。字体、矢印の形状、特に色などはかなりばらばらである。ただしウィーン標識条約では高速道路標識は緑地に白文字または青地に白文字と決められている。

「止まれ」などの文字は英語やその地域の言語が使用される。ラテン文字以外の文字を使用する言語の場合は、地名などはラテン文字での音声表記が必要とされる。

欧州各国はメートル法を採用しているので、距離単位は基本的にはメートル表示が使用される。ただしイギリスのみ例外で、マイルが使用されている。

北米の道路標識

アメリカ合衆国とカナダでは、多くの道路標識が共通で使用されている。

使用される色

北アメリカにおいては、主に下記の色が使用されている。

  • 赤:停止標識、禁止標識
  • 緑:方向、位置、距離、地名などの情報標識
  • 茶:公園、史跡、緑地、スキー場、キャンプ場などの情報標識
  • 青:サービスエリア、病院、給油・食料・宿泊施設などの情報標識
  • 白地に黒文字:速度制限などの規制標識
  • 黄:カーブやスクールゾーンなどの危険警告標識
  • オレンジ:道路工事等の際の回り道などの臨時規制標識(近年、蛍光オレンジが使用されることが多い)
  • 紫:電子料金収受登録車専用レーンなどの車線規制標識
カナダ・ケベック州の英語、フランス語、クリー語の3か国語表示の停止標識

高速道路標識

各州ごとに独自の高速道路標示が使われているが、全国規模の高速道路(カナダのトランスカナダハイウェイやアメリカのインターステート・ハイウェイ)は共通の標示が使われる。

単位

距離単位は国ごとに決められている。主にアメリカ合衆国ではマイル、カナダではキロメートル表示が使用されている。

言語

北アメリカでは主に英語が使用されるが、カナダでは英語・フランス語の2か国語表示が使用されているところもある。ケベック州では主にフランス語が使用される。アメリカ=メキシコ国境近辺では英語・スペイン語の2か国語表示が使用されているところもある。その他、カナダでは地域の特性によってクリー語などの表示もある。

FHWAアルファベット

書体

北アメリカの道路標識では一般的に、「FHWAアルファベット」が使用されてきた。FHWAは「連邦高速道路行政機関[注 1]」の略。1945年に発効した交通制御器具標準書体[注 2]で定められ、その後FHWAで更新された。現在は道路標識全体の表現を定める「標準道路標識(SHS)」の一部となっている。

クリアビュー・フォント

近年、アメリカの研究者が開発した、より見やすい「クリアビュー」フォントがFHWAにより暫定的に許可され、使用される例も多くなってきた。カナダでは高速道路や一般道でも使用されている。

地方自治体や空港公団などが独自のフォントやHelveticaなどを使用する場合もある。

オーストラリアの道路標識

脚注

注釈

  1. ^ : Highway Administration
  2. ^ : Standard Alphabets for Traffic Control Devices

出典

  1. ^ 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令
  2. ^ a b 安孫子幸雄・澤孝平『改訂道路工学』(改訂版)コロナ社、1984年5月30日、300頁。ISBN 4-339-05086-5 

関連項目

外部リンク


案内標識

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 08:15 UTC 版)

日本の道路標識」の記事における「案内標識」の解説

案内標識は道路利用者に対して市町村境界目的地通過地への方向および距離などを示すとともに利用者利便のため必要な沿道に関する各種案内を行う標識である。全ての案内標識が道路管理者によって設置される目的地通過地への方向、距離、経由路線などを示すものを「経路案内」、行政境界地点案内を行う「地点案内」、登坂車線駐車場どの道路上施設案内を行う「付属施設案内」の三種類に分けられる通常経路案内標識は「日本語かな漢字)」「英語(ローマ字)」の2種類表記されるが、自治体によってはさらに「ロシア語キリル文字)」表記追加される。 案内標識は文字数や内容によって標識板寸法異なるため、文字などの大きさ定められている。文字などの大きさ寸法同じく都道府県市町村条例に基づき設定することができる(道路法45第3項)。この例として、東京都などではローマ字寸法拡大し外国人旅行客含め視認性向上したことなどがあげられる漢字大きさ下表通りいずれも基準値)。 ローマ字大きさ大文字漢字の1/2、小文字大文字3/4程度である。 設計速度漢字大きさ70 km/h以上 30 cm 405060 km/h 20 cm 30 km/h以下 10 cm 経路案内標識 入口の方向 (103-A) 入口の方向 (103-B) 入口の予告 (104) 方面、方向及び距離 (105-A) 方面、方向及び距離 (105-B) 方面、方向及び距離 (105-C) 方面及び距離 (106-A) 方面及び距離 (106-B) 方面及び距離 (106-C) 方面及び車線 (107-A) 方面及び車線 (107-B) 方面及び方向の予告 (108-A) 方面及び方向の予告 (108-B) 方面及び方向の予告 (108-B) 方面及び方向 (1082-A) 方面及び方向 (1082-B) 方面及び方向 (1082-B) 方面及び方向 (1082-C) 方面及び方向 (1082-D) 方面及び方向 (1082-E) 方面方向及び道路の通称名予告 (108の3) 方面方向及び道路の通称名 (108の4) 出口の予告 (109) 方面及び出口の予告 (110-A) 方面及び出口の予告 (110-B) 方面車線及び出口の予告 (111-A) 方面車線及び出口の予告 (111-B) 方面及び出口 (112-A) 方面及び出口 (112-B) 出口 (113-A) 出口 (113-B) 国道番号 (118-A) 国道番号 (118-B) 国道番号 (118-C) 都道府県道番号 (1182-A) 都道府県道番号 (1182-B) 都道府県道番号 (1182-B)主要地方道 都道府県道番号 (1182-C) 都道府県道番号 (1182-C)主要地方道 高速道路番号 (118の3) 総重量限度緩和指定道路 (1184-A) 総重量限度緩和指定道路 (1184-B) 高さ限度緩和指定道路 (1185-A) 高さ限度緩和指定道路 (118の5-B) 高さ限度緩和指定道路 (118の5-C) 高さ限度緩和指定道路 (1185-D) 1184-A5-A複合 1184-Bと5-Bの複合 道路の通称名 (119-A) 道路の通称名 (119-B) 道路の通称名 (119-C) 道路の通称名 (119-D) まわり道 (120-A) まわり道 (120-B) 一般道路設置される経路案内標識はその色から「青看」と呼ばれる。「国道番号」や「都道府県道番号」はその形状からそれぞれおにぎり」や「ヘキサ」と愛称付けられている。 「国道番号」「都道府県道番号」で番号後ろに「-B」「-C」が付く様式は「交差道路標識」や「卒塔婆」と呼ばれる原則として両面設置行い地図連動させて案内できるよう赤(一般国道)、緑(主要地方道)、黄(一般都道府県道)のように色分けして設置する。 案内標識で案内対象となる地名を「目標地」と呼ぶ。目標地の案内方法には「地名方式」「路線番号方式」の2種類分けられ日本では地名方式採用されている。経路案内標識で案内される目標地は下表のように「基準地」「重要地」「主要地」「一般地」に分類されている。案内対象となる道路の種類に応じて案内される目標地が決まる。すなわち、経由地目的地がほとんど一致する道路であっても、必ずしも同じ案内内容になるとは限らない目標地は都道府県ごとに、国土交通省地方整備局国道事務所都道府県及び政令指定都市道路管理者により構成される連絡調整会議決定される。殆どは市町村名だが、施設名空港等)や著名な史跡、名勝地等が選ばれることがあるなど、必ずしも市町村名町丁名であるとは限らない。 距離を示す際に用いられる目標地の中心地点」は、市町村名場合原則として市役所町村役場正面地点」としているが、不適当な場合主要交差点や駅など、その地域代表する別の地点選ばれることもある。なお、目標としての「東京」は、日本橋日本国道路元標)を中心地点として定めている。 現行の案内標識は表示されている地名順次入れ替えていくのがルールであるが、目標地が見慣れないものに入れ替わる掲示情報途中で途切れているものも存在する問題点指摘されている。この背景には平成の大合併による影響や、道路管理者ごとで案内標識の内容定めるため異なった管轄のものと調整取りづらいこと、参照にできるレイアウト図が少ないことに加え関係者コミュニケーションデザインについての理解が不十分であることなどが挙げられる区分候補となる地点例(東京都場合基準地 重要地の中で特に主要な地点概ね1県1地点後述東京要地 都道府県庁所在地政令指定都市地方生活圏中心都市など 東京八王子日本橋上野新宿など 主要地 二次生活圏中心となっている自治体など 奥多摩府中銀座本郷など 一般地 上以外の自治体著名地点など 日野武蔵野秋葉原早稲田など 都道府県庁所在地以外で「基準地」に指定されている都市函館市室蘭市浦河町旭川市留萌市稚内市網走市帯広市釧路市根室市高崎市松本市浜田市下関市今治市宇和島市室戸市四万十市北九州市名護市 都道府県庁所在地で「基準地」に指定されていない都市さいたま市千葉市横浜市山口市 地点案内標識 市町村 (101) 都府県 (102-A) 都府県 (102-B) 著名地点 (114-A) 著名地点 (114-A) 著名地点 (114-B) 主要地点1142-A主要地点1142-B) 「市町村」や「都府県」は市町村都府県界設置しこれから入る市町村都府県名を記す。この標識には自治体名のほか、都府県章や市区町村章を併記することができる。「カントリーサイン」とも呼ばれ、特に都府県章・市区町村章や地域シンボルイメージ描いた絵を挿入した標識を指す。 「著名地点」は駅や港、観光地官公庁などの著名地点案内する場合設けられる著名地点まで誘導行いたい場合矢印と距離が設けられ更には必要に応じてシンボルマーク設けられる歩行者向けに角を丸く取った様式(114-B)が存在し地図併設したものを「地図標識」と称している。 「主要地点」は主な交差点橋梁トンネルなど交通上の目標となる地点設置され、その名称を記す。通常は横型のものを用いるが、設置困難な場合限り縦型のものを用いる。観光先進国地方創生実現向けて観光地付近ではその観光地等の名称に変更するよう改善進めている。 付属施設案内標識 料金徴収所 (115) サービス・エリア道の駅及び距離 (116) サービス・エリア道の駅予告 (1162-A) サービス・エリア道の駅予告 (1162-A) サービス・エリア道の駅予告 (1162-B) サービス・エリア (1163-A) サービス・エリア (1163-A) サービス・エリア (1163-B) 非常電話 (116の4) 待避所 (116の5) 非常駐車帯 (116の6) 駐車場 (117-A) 駐車場 (117-B) サービス・エリア又は駐車場から本線への入口 (117の2) 登坂車線 (1173-A) 登坂車線 (1173-B) エレベーター (121-A) エレベーター (121-B) エレベーター (121-C) エスカレーター (122-A) エスカレーター (122-B) エスカレーター (122-C) 傾斜路 (123-A) 傾斜路 (123-B) 傾斜路 (123-C) 乗合自動車停留所 (124-A) 乗合自動車停留所 (124-B) 乗合自動車停留所 (124-C) 路面電車停留場 (125-A) 路面電車停留場 (125-B) 路面電車停留場 (125-C) 便所 (126-A) 便所 (126-B) 便所 (126-C) 「非常電話」や「非常停車帯」は自専道それぞれの手前又は頭上設置し、その存在を記す。 「登坂車線」は登坂車線存在を記す。一般道路では原則として開始位置設置される。ただし、自専道においては開始位置のほか、予告終了位置にも違う様式のものが設置される。 「エレベーター」 - 「便所」までの案内標識はそれぞれの施設位置明示する。「バリアフリー標識」と呼ばれるもので、高齢者身体障害者等の移動円滑にするために設置されるギャラリー都府県」と「市町村」(東京都清瀬市ローマ字寸法拡大されている。 入口の方向(103-A) 入口の方向(103-B)。首都高速道路独自の様式用いられている。 方面及び方向 (1082-A) 。国道3号県道3号分岐するため、混同しないよう国道側が赤く塗られている(熊本県熊本市北区方面及び方向 (1082-A)。地面上に置いたケース 方面方向及び道路の通称名 (108の4)。道路名道路番号表示方面及び出口の予告 (110)(山陽自動車道 赤穂IC非常電話 (116の4)(長崎自動車道上り線大村湾PA総重量限度緩和指定道路 (118の4) と高さ限度緩和指定道路 (118の5) 道路の通称名119)と国道番号(118-C)と都道府県道番号1182-B

※この「案内標識」の解説は、「日本の道路標識」の解説の一部です。
「案内標識」を含む「日本の道路標識」の記事については、「日本の道路標識」の概要を参照ください。

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