御母衣ダム
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御母衣ダム(みぼろダム)[1]は、岐阜県大野郡白川村、一級河川・庄川本流最上流部に建設されたダムである。
- ^ 「みほろ」と呼ぶ人が多いが、地元では「みぼろ」である。
- ^ 現在の高山市荘川町。平成の大合併により高山市と合併し消滅する。
- ^ 国土交通省北陸地方整備局・石川県との共同管理であるが、補償交渉を含む施工は電源開発が行っている。詳細は手取川ダムを参照。
- ^ 国土交通省直轄ダムや水資源機構管理ダムでは概ね10年から20年、中には25年以上完成までに日時を費やすダムが多いのに対し、電源開発のダムでは概ね10年以内で完成している。日本の長期化ダム事業も参照。
- ^ 宝島社文庫『ひぐらしのなく頃に 名場面捜査ファイル』(ISBN 978-4-7966-6572-8)197ページ。
- ^ この時は電源開発総裁職を辞していた。
- ^ 詳細は佐藤良二の項目を参照。
- ^ 財団法人日本ダム協会『ダム便覧』ダム数集計表
- ^ 他には九頭竜ダム(九頭竜川・福井県)、岩屋ダム(馬瀬川・岐阜県)、岩洞ダム(丹藤川・岩手県)、子撫川ダム(子撫川・富山県)が主なものである。
- ^ 地震に対する耐震性では1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災における布引五本松ダム、2008年(平成20年)の岩手・宮城内陸地震における石淵ダムの例もある。何れもダム地点で震度7の激震に相当する揺れを記録したが、多少の損害は受けたもののダム決壊には至らなかった。
- ^ 詳細は日本のダム#利水ダムの分類を参照。
- ^ 庄川本流のダムは全て発電専用である。治水目的を有する多目的ダムは支流の境川に境川ダム、利賀川に利賀川ダム、和田川に和田川ダムが建設されている。
御母衣発電所
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御母衣発電所(みぼろはつでんしょ)は御母衣ダム直下の地下に建設された水力発電所である。認可(最大)出力は21万5,000キロワットで、揚水発電を除いた一般水力発電所としては日本でも有数の出力を持つ水力発電所である。当初は最大14万2,000キロワットの地上式発電所として計画されていたが、当時関西電力が御母衣ダム直下流に建設していた鳩谷ダム・発電所との間にある落差を有効利用するためダム左岸地下に建設が変更され、同時に出力も7万3,000キロワット増強された。発電所はダム試験湛水中の1961年1月より16万キロワットの一部運転を始め、御母衣湖が満水になった同年5月より全面運転を開始し、運用がスタートした。ダム堤体のすぐ下流岸にある地上施設は発電所ではなく、開閉所などの送電用施設である。対岸には電源開発のPR施設MIBOROダムサイドパーク 御母衣電力館・荘川桜記念館があり、電気の仕組みなどを学ぶことができる。 発電所で生み出された電力は御母衣幹線と呼ばれる送電線網で中部電力と関西電力に供給される。関西電力へはダム堤体下流にある開閉所から関西電力新北陸幹線に直接接続されるルートと、岐阜県関市にある関開閉所において丸山・新丸山発電所など木曽川水系の発電所群で生み出された電力を送電する関西電力丸山幹線に接続されるルートがあり、それぞれ近畿地方へ送電される。一方中部電力へは関開閉所から名古屋変電所に至るルートで、名古屋市などへ送電される。この御母衣幹線の完成で東は只見川の水力発電所群から西は御母衣発電所までの広域送電網が完成し、太平洋ベルト地帯における夏季や冬季の電力消費ピーク時の電力融通が可能となった。特にダム完成年の1961年冬、極端な異常渇水と火力発電所事故による電力危機が発生したが御母衣発電所は佐久間発電所、奥只見発電所、田子倉発電所と連携して緊急に発電することにより、非常事態を乗り切ることができた。ところが1965年(昭和40年)6月22日、御母衣ダム近傍の幹線の一部ががけ崩れによってダム堤体下流の開閉所と送電線間が遮断され、これが送電系統保護上の盲点事故であったため急激な周波数低下へと発展し、供給先の関西地方で大規模な停電事故が発生した。この御母衣事故と、同年11月に発生したニューヨーク大停電を契機に御母衣発電所屋外開閉所などの改良工事が行われ、不測の事態に対応した。これ以降事故は発生せず、御母衣発電所は中部・近畿の電力需要に貢献している。 電源開発は御母衣発電所運転開始後も庄川の開発を進め、ダム直下流で庄川に合流する大白川に御母衣第二発電所を1963年(昭和38年)12月に運転開始した。これは大白川に高さ95メートルのロックフィルダムである大白川ダムを建設して御母衣湖までの落差460メートルを利用した発電を行い、最大5万9,200キロワットを発電すると同時に御母衣発電所の出力増強を図るものである。また1971年(昭和46年)11月には御母衣湖に注ぐ尾上郷川の支流である大黒谷川に大黒谷ダムと尾上郷発電所(2万キロワット)の運転が開始されている。関西電力も既存の水力発電所再開発を進め、新祖山・新小原・新成出・新椿原の発電所群を1970年代に完成させ、庄川水系は日本屈指の電源地帯の一つになった。現在は庄川における新規の電力開発は行われておらず、治水を主目的とした河川総合開発事業・利賀ダムが国土交通省によって支流の利賀川に施工中である。
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