田子倉ダム
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田子倉ダム(たごくらダム)は、福島県南会津郡只見町大字田子倉、一級河川・阿賀野川水系只見川に建設されたダムである。
- ^ “土木学会 令和5年度度選奨土木遺産 只見川ダム施設群”. www.jsce.or.jp. 土木学会. 2023年9月25日閲覧。
- ^ 国立歴史民俗博物館
- ^ 変電施設の一部は神奈川県川崎市麻生区黒川に跨がっており、只見幹線の受電の変電施設は神奈川県川崎市麻生区黒川の場所になっている。
- ^ 電源開発「田子倉発電所 一括更新工事の完了・増出力運転の開始について」2012年5月30日付、2012年5月31日閲覧。
- ^ 只見町公式サイト 田子倉ダム案内
- ^ 只見線田子倉駅廃止について (PDF)
田子倉発電所
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ダム直下に建設された田子倉発電所は当初認可出力380,000 kWを有し、完成当時から近年までは一般水力発電所としては日本一の規模を誇った。その後奥只見発電所の増設 (560,000 kW) に伴って二位となったものの、日本屈指の発電所であることに変わりはない。阿賀野川水系は発電所の認可出力において全国第1位の出力がある河川であり、年間の発電量も木曽川に次いで第二位である。田子倉発電所は奥只見発電所、下郷発電所、第二沼沢発電所と共に阿賀野川水系水力発電施設の根幹として、首都圏(送電線の只見幹線が東京都町田市にあるJパワー送変電西東京変電所まで繋がっている。)及び東北地方の電力需要に貢献している。現在は老朽化した発電機の取り替え工事を経て、2012年(平成24年)完了時点で認可出力は400,000 kWに達した。 ダムは極めて巨大であり、かつ田子倉発電所の出力も大きいことから、ダム・発電所からの放流により只見川下流の水位変動は大きくなる。過度の水位変動は下流の発電所や河川環境に影響を及ぼすことから、放流した河水を平均化して下流への影響を最小限に抑制する「逆調整」が必要となった。通常、巨大なダムが建設されると、こうした逆調整を行うためのダム、いわゆる「逆調整池」がすぐ下流に建設されるケースが多い。田子倉発電所の場合は下流にある滝ダムが逆調整のために建設されたダムであるが、中間に只見町中心部があるため確実な水位調整が必要となった。 上記の背景もあり、田子倉ダムの直下流に新しいダムを建設し、ダムから放流される水量を調節して下流への影響を抑え、併せて新規に水力発電所を建設して夏季の電力需要ピーク時への対応を図ろうとした。こうして1981年(昭和56年)に計画発表されたのが只見ダム(ただみダム)である。高さ30.0 mのロックフィルダムであり、ダム直下に付設した只見発電所により認可出力65,000 kWの電力を生み出す。8年の歳月を掛け1989年(平成元年)7月28日に運転を開始したが、只見町中心部に近い住宅地が水没することで補償交渉は難航。水源地域対策特別措置法の指定を一時受けることにもなった。 両ダムは非常に近い距離にあり、田子倉ダムと只見ダムの天端(「てんば」と読む。ダム頂上)から双方のダムを望むことができる(写真)。田子倉発電所は一般人の立ち入りが禁止されているが、只見ダムの左岸・国道252号沿いにでんぱつ只見展示館があり、水力発電の仕組みを学ぶことができるほか、同じく立入禁止の大鳥ダムの写真や、田子倉ダム建設中の写真も展示されている。また歳示記念館が併設されレストランや売店もある。
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