城端神明宮祭の曳山行事とは? わかりやすく解説

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城端神明宮祭の曳山行事

名称: 城端神明宮祭の曳山行事
ふりがな じょうはなしんめいぐうさいのひきやまぎょうじ
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 城端曳山祭保存会
指定年月日 2002.02.12(平成14.02.12)
都道府県(列記): 富山県
市区町村(列記): 南砺市
代表都道府県 富山県
備考 公開日毎年5月4・5
解説文: 城端神明宮祭の曳山行事は、富山県東礪波郡城端町鎮座する城端神明宮の春の例祭として行われ獅子舞神輿、鉾、曳山庵屋台が町内を巡行する行事である。
 この行事が行われる城端町富山県礪波平野最南端に位置し五箇山への入口の地にある。近世以来五箇山生産される生糸原料とする織物の町として栄えてきた。高清水山地から流れ出る山田川池川はさまれた幅約300m長さ1000mほどの所に町の中心部がある。ここに城端神明宮祀られ西上町西下町東上町東下町出丸町大工町新町、野下町南町九町氏神となっている。この行事には西上町西下町東上町東下町出丸町大工町山町呼ばれる六町傘鉾曳山庵屋台出し新町が劔鉾と傘鉾、野下町傘鉾獅子舞南町獅子舞を出す。
 この行事5月4・5日に行われる4日宵祭りで、城端神明宮から、春日神輿、石清水神輿神明神輿三台が、野下町新町それぞれ交互に一年おきに立てられる御旅所まで渡御する。この日、各山町では曳山庵屋台組立て行い曳山神像を山宿あるいは山番と呼ぶ家に飾り付け飾りといって一晩公開するかつては山宿をつとめることのできる家は限られていたというが、現在では順番でつとめるようになり、数年先まで順番決まっている山町が多い。
 5日は、鉾、曳山庵屋台巡行が行われる。各山町では朝早くから山宿に飾っていた神像曳山の上移して巡行準備をし、城端別院善徳寺曳山会館の間の集合場所に向かう。曳山庵屋台曳くのは町の人たちではなく城端町周辺部農村の人たちである。各町によってどこのの人たちを頼むかはほぼ決まっており、春先に各町の区長などが頼みに行く。鉾も曳山庵屋台同様に周辺の人たちが持って巡行するが、新町のみは町内若い者が持つことになっているこのように鉾、曳山庵屋台巡行には町の人たちだけでなく、周辺部の人たちの協力必要不可欠となっており、その協力のうえにこの行事成り立っていることがわかる。
 神輿渡御は、南町と野下町御旅所獅子舞奉納した後に行われる。各町の鉾を先頭に、旗、太鼓などとともに春日神輿、石清水神輿神明神輿三台神輿続いて出発する先に出発した南町獅子は、この神輿渡御行列の先祓いをする形で町内まわって獅子舞奉納する
 六台の曳山二層四輪形式で、彫刻飾り金具装飾され漆塗り豪華なのである曳山は、神輿渡御行列通り過ぎるのを待ってから町内巡行出発する曳山巡行順番明治初めころから毎年交代制となっており、その年の最後尾曳山である六番山が翌年は一番山として先頭に立つことになっている山町ごとに庵屋台曳山の順にならんで巡行し、曳山は、町内人足衆の中からそれぞれ一人ずつ選ばれ曳山才許の指示で動く。庵屋台いわゆる底抜け屋台形式のもので、上部飾り江戸料亭などの建築参考にしたとされる精巧なつくりものである。かつては担いでいたが、現在は車を付けて押す形に変わっている中には山町囃子方呼ばれる若連八人入り、笛、三味線太鼓囃子演奏しながら歩いて巡行する。曳山別院前出発すると、途中で休憩をとりながら、夜間提灯をつけて氏子町内巡行する。
 この巡行の間に「庵唄所望と書かれた紙の貼られた家の前に来ると、庵屋台と曳山止め庵屋台の中の囃子方が庵唄を披露する
 6日には曳山庵屋台片付けが行われる。以前には各山町内がそれぞれの保管していたが、曳山会館ができてからは、毎年三台ずつ交代曳山会館展示されることになっている
 曳山庵屋台運行は、それぞれ曳山連合会、庵連合会によって行われている。曳山連合会はこの行事全体運営する組織で、六つ山町区長区長代理若連会長などで構成され当番山とも呼ばれるその年の一番山町の区長連合会長になり、他の五つ山町区長副会長になる。庵連合会は、各山町内でそれぞれ組織されている若連中によって構成され会長当番山の若連会長がつとめる。この他神輿巡幸城端神明宮氏子組織である敬神会がつとめる。
この行事は、富山県代表的な山鉾屋台行事一つであるとともに地域的特色豊かなものとして重要である。

城端曳山祭

(城端神明宮祭の曳山行事 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/03 05:29 UTC 版)

城端曳山祭 (じょうはなひきやままつり) は、富山県南砺市城端地域にて毎年5月5日に行われる城端神明宮の春季祭礼。御神像を載せた豪華絢爛な曳山や庵屋台が町内を巡行する曳山神事で、江戸時代享保初期(1710年代)に成立し、明治以降春祭りとして毎年5月に開催[1]5月4日夜には宵祭が行われる。かつては5月15日に行われていたが祭礼を執り行う人手確保のため2006年平成18年)よりゴールデンウィーク中の現在の日程となった。この祭礼は、国の重要無形民俗文化財に指定されているほか、ユネスコ無形文化遺産に登録されている。


  1. ^ a b 祭礼住文化の継承の視点からみた住まいとまちづくりに関する研究碓田智子 · 西岡陽子 · 岩間香ほか、住宅総合研究財団、2006
  2. ^ 「山・鉾・屋台 無形文化遺産 18府県の祭り33件一括 ユネスコ補助機関勧告 県内から3件」北日本新聞 2016年11月1日1面
  3. ^ 「高岡御車山 魚津たてもん 城端曳山 無形文化遺産に登録、山 鉾 屋台 18府県33件一括 ユネスコ委」北日本新聞 2016年12月2日1面
  4. ^ 『福野夜高 城端曳山 中止』北日本新聞 2020年4月5日1面
  5. ^ 『城端曳山祭 本祭り中止』北日本新聞 2021年3月8日24面
  6. ^ 『城端曳山祭 全面中止 2年連続 4日の宵祭りも行わず』北日本新聞] 2021年4月28日29面
  7. ^ 【城端曳山祭の紹介①】令和5年 城端曳山祭 4年振りに通常開催 決定!(城端まちづくり協議会、2023年3月14日更新)
  8. ^ a b c d 三町屋台、邦楽界の第一人者に稽古指導受ける」(pdf)『いつついし(福光公民館報)』第450号 (平成28年5月号)、福光公民館、南砺市、2016年4月25日、1頁、2021年4月26日閲覧 
  9. ^ 「庵唄伝承に協議会設立 南砺の住民ら 一線奏者が指導人材育成」北日本新聞 2015年5月2日24面
  10. ^ 3. 現状・課題に対する新しい取り組み」『南砺市文化芸術振興基本計画』(pdf)富山県南砺市、2016年(平成28年)4月https://www.city.nanto.toyama.jp/cms-sypher/open_imgs/info/0000056728.pdf2021年4月26日閲覧 
  11. ^ 政策推進課. “イベント情報 - 城端曳山祭、5月4日宵祭り 5日本祭り 「江戸の情緒漂う絢爛絵巻」”. www.city.nanto.toyama.jp. 南砺市. 2021年4月26日閲覧。
  12. ^ 「神迎え行列の価値伝える 城端曳山会館 新町の剣鉾通年展示」北日本新聞 2015年5月16日35面
  13. ^ 『剣鉾 輝き再び 城端曳山祭で行列先導 若手職人が修復 3月完了』北日本新聞 2018年1月23日17面
  14. ^ 「ユネスコ無形文化遺産登録へ 心待ち魅力に磨き 神楽坂と交流 五輪相乗効果狙う」北日本新聞 2016年1月5日16・17面
  15. ^ 「地域ワイド 南砺市城端(東下)曳山・庵唄継承へ一丸」北日本新聞 2015年7月12日27面
  16. ^ a b c d e 『城端町 行政史』(2005年11月30日、南砺市編集、発行)337頁。
  17. ^ 『城端町 行政史』(2005年11月30日、南砺市編集、発行)336頁。
  18. ^ 昭和57年度 第13回富山県建築賞受賞作品名簿(富山県建築士会、2012年8月19日更新)
  19. ^ 『城端町 行政史』(2005年11月30日、南砺市編集、発行)338頁。
  20. ^ 「荒木和助の人形面見て 江戸期に城端曳山御神像制作 曳山会館に寄贈」北日本新聞 2016年9月15日27面
  21. ^ 「曳山祭告げる粋な音色 城端当番町が町まわり」北日本新聞 2014年4月20日30面
  22. ^ 「曳山祭告げる夜の音色 城端東下町若連中が町廻り」北日本新聞 2016年4月16日28面
  23. ^ 富山県南砺市城端におけるアニメファンと地域住民の交流に関する現地調査2013年度湘南藤沢学会「シンポジウム・研究ネットワーキングミーティング基金」報告書




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