ザンバニ号乗組員
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表向きは国際郵便船でその業務を行うが船長の伊舟を筆頭に反北レジスタンスの残党。アキユキをはじめメンバーの多くはナキアミが拾ってきた者たち。血の繋がりがあるのはユンボとヒノキ丸だけだが家族的な雰囲気を持ち、強い絆で結ばれる。 紅皮 伊舟(べにかわ いしゅう) 声 - 玉井夕海 国際郵便船ザンバニ号の艦長。「黒髪、眼鏡の可憐な美女」、「紅で反旗を書く女」。劇中の登場人物の中でもとびぬけた長身。黒髪をポニーテールにして黄色のリボンで結び、下フレームの眼鏡を愛用する。誇り高く姉御肌。ザンバニ号においては逆らえる者のいない絶対的な支配者で、男性陣も震え上がらせる。若作りだが結構な年齢。「命と情けは容易くかけるな」が信条で性格は冷淡でドライ。重度のヘビースモーカーで酒乱。カスタムハンドカノンを愛用する。自分に逆らう者には容赦ない仕打ちを与え、ヒトガタやジバシリにも迷わず引き金を引く。食事は常に船長室で一人で食べるなど他のクルーたちと馴れ合わず一線を引く。身勝手な行動が多く厄介事を持ち込むナキアミには手を焼くが、娘か妹のように大事にしている。 身も心も強そうに見えるが根は心優しく涙脆い。また不器用で素直になれない女。雷魚とは相思相愛だが北政府への革命に殉じた恋人のラドウに操を立て一度はフッた。時折、ラドウの愛した詩集を朗読し、ヒルケン皇帝を仇として命を狙う。反北レジスタンスではカリスマ的指導者。 アームに後事を託し雷魚と共にザンバニ号を離れ、第17禁猟区で戦うレジスタンスたちと合流。指揮官として金剛塔への潜入に成功し、ヒルケン皇帝を爆殺しようとするが逆に覚醒させてしまう。ザンバニ号の救援で黒髪を失い負傷はしたが生還を果たす。ナキアミ、雷魚、アキユキを失ったことが堪えており泣き崩れた。 最終回では天心、アームを伴い聖地でナキアミと対話。成長したヤンゴと邂逅する。 名前の由来は、椎名誠の小説『武装島田倉庫』の登場人物、抓皮伊舟から。ただし、抓皮は男性キャラクターである。 ユンボ 声 - 桑島法子 食事係兼経理係。非常時は通信士と航海士も務める。ヒノキ丸を育てるシングルマザーで母性本能溢れる女性。ルイコン教の熱心な信者。食事の際には手を拳にして合わせ「つつましき糧より、豊かな生を」と唱えることを鉄則とし、従わない場合はその拳で制裁をくわえる。伊舟達と共に反北政府レジスタンスに参加していた夫を亡くしている。食欲旺盛でちょっと太目。 雷魚のお世辞には弱く、彼を前にするとメロメロになってしまう。なにかと独善的で性質が正反対な伊舟とは深刻な仲違いが生じることもあるが、本音の部分では良き友人で理解者。 ユンボが寝ている隙に、伊舟と雷魚が皇帝打倒のために旅立ったことに立腹。伊舟のつけていたサングラスをかけ、ナキアミからの通信を受けるやザンバニ号の操舵士として聖地に向かい伊舟を救出した。 最終回ではアームの妻となり子宝に恵まれる。 アクシバ 声 - 小西克幸 ザンバニ号の乗組員で副操舵士。お調子者のお人好しで涙もろい人情家。特徴はドレッドヘアとバンダナがわりのゴーグル。取り柄は持ち前の俊足。そこから「アクシバ伝説」なる武勇伝を語って聞かせる。郵便物の仕分け・速達を担当。 アキユキが乗船してからは同室の誼もあって何かにつけ兄貴風を吹かせる。ただ、仲間思いで面倒見は良く、アキユキがハルに宛てた手紙を出しそびれたときは、回収車を追い掛けて激走した。ナキアミに一途な好意を抱いており、そこだけは誰にも譲らない。 最終回で聖地上空から宛先不明便を降らせることを発案。ヒノキ丸たちがナキアミとアキユキに宛てた手紙と共に空からバラ撒いた。最終回でナキアミに近況を報告、ザンバニ号一の筆マメになったという。 独特の節回しで次回予告のナレーションを担当する。 アーム 声 - 浜田賢二 ザンバニ号の乗組員で主操舵士。戦闘時にはザンバニ号上部の砲座で砲撃手も務める。腕っ節が強く寡黙で職人気質。手の込んだ品には目がない。また、賭け事が大好き。カードではしれっとイカサマをするなど意外に抜け目がない。ヒノキ丸からも懐かれている。 かつて伊舟、雷魚ともに反北レジスタンスに参加していた。ザンバニ号襲撃時はヒノキ丸を守って戦うが左肩を負傷。アクシバを応戦要員に回すためユンボに操舵を指導し軟着陸させる。伊舟と雷魚が船を離れるにあたり残って皆を守るよう説得される。 最終回でヒノキ丸から父親と認められたことで正式にユンボと夫婦になった。 名前の由来は、椎名誠『武装島田倉庫』の登場人物「アーム(本名不明。通称)」から。 コバコ 声 - 井上麻里奈 褐色の肌と後ろに結んだお団子頭が特徴の少女。ユンボからは実の娘のように扱われ、ヒノキ丸の面倒を一生懸命みている。郵便の仕分けや荷物運びを行う。細身だが力持ち。 キグゼンの町でジバシリだったナキアミと出会った戦災孤児。事切れた母親の胸に抱かれていたが、ヒルコを集めようとするナキアミに「一人ぼっちになるからやめて」と懇願。コバコに対する共感がナキアミがサンノオバを離反し独自の道を歩む契機となる。その後、ナキアミと共に伊舟たちに拾われる。 成長後はナキアミの仕事を引き継ぎ、ビートカヤックに乗りザンバニ号の斥候役となる。 ヒノキ丸 声 - 水沢史絵 ユンボの一人息子。コバコとは姉弟のような関係。トレードマークはオーバーオール。マセて生意気。いつもネコマタのロッパと遊んでいる。アーム、雷魚には懐いているがアクシバやアキユキには手厳しい。得意技は右ストレートパンチ。ルイコン教の食前の礼「つつましき糧より、豊かな生を」を憶えられず「つまかて!」と略し、ユンボに怒られている。 最終回にてアームを「お父さん」と呼ぶ。成長した顔立ちはどこか雷魚に似ており、雷魚の遺品である写魂機を愛用している。 キセル爺 声 - 納谷六朗 ザンバニ号の整備工。ピーナッツのように尖った変わった頭の形をしている、偏屈者で人付き合いは苦手。気に入らないことがあると怒鳴り散らす。流通量の多い混合酒は好まずフヌケ(=純酒)を好む。昔気質の整備哲学をロマンとして持ち、最近のコンピュータ制御の船を快く思っていない。アキユキのことは「役立たず」と呼んで手厳しいが我が子のように親しみを持つ。川柳は下手の横好き。 天心様(てんしんさま) 声 - 堀絢子 ザンバニ号下部ブロックに住む背の低いルイコン教の老尼。隻眼。「ザムドは何を求めるか」という問いかけをヒルコを宿す者に投げかけその自立を導く。ヒルコの声を聞くことの出来る預言者として様々な助言を与えるがとかく難解。ザンバニ号の停船中はひなたぼっこをしている。 最終回では地上が笑顔の花に満たされるときナキアミが千歳の後にその二つ名の通りに雲を切り裂き大地への帰還を果たすと予言した。また伊舟の語りかけが眠りにつくナキアミに届いていると安心させた。 角股 雷魚(つのまた らいぎょ) 声 - 藤原啓治 風来坊なカメラマンで写魂機(カメラ)を自分の体の一部のように大切にしている。徹底したフェミニストで包容力のある人格者。誰とでも分け隔てなく接し、仲間達から慕われる。実は天才的な軍略家。左肩にヒルコを宿すザムド。登場当初は顔を覆う程の髭が生えていたが、剃ると美男子で文字通り「水も滴る良い男」。左の口元に傷がある。 5年前北政府第11禁猟区イデユ郷にて遊覧船で金剛塔を撮影していた折、ジバシリの爆破テロに巻き込まれ真正ヒルコを宿す。助けようとしたナキアミまでも取り込んで石化しかけた所をアームに発見されて救われる。ザムド化した当初はヒルコとの対話に苦しみナキアミを手こずらせた。後に乗船したアキユキがあてがわれたのは元々は雷魚の寝床で、そこやナキアミの私室には雷魚が暴走に苦しめられた痕跡が残る。ヒルコとの共生に成功し、悟りをひらいたことにより超人的な能力を持つザムドとなる。 伊舟とともに反北レジスタンスに参加。その時から伊舟を愛しており告白したがフラれている。2年前に船を離れ一人で旅に出て、テシクの郷など世界各地を巡る。ハルと再会するため詰腹峠に向かったアキユキがフルイチに攻撃された際、その窮地を鮮やかに救う。 クルーたちとの再会に際し、それぞれが大喜びする土産を携えており、新参のアキユキから嫉妬される。だが、先輩ザムドとして知りうる限りの助言を行い、良き導き手となる。しかし、強すぎるヒルコを持つ雷魚の帰還はヒトガタ使いに察知され、ザンバニ号に重大な危機をもたらすことになってしまう。ザンバニ号擱座後、伊舟と二人で仲間たちの元を離れ反政府軍と合流。ヒルケン皇帝打倒のため金剛塔の制圧に向かうが、金剛塔内部で釣り天井の罠にかかり、伊舟を先に進ませるために犠牲となる。 名前の由来は、椎名誠の小説『水域』に登場する水棲生物、角俣雷魚から。雷魚ザムド 美しい背びれを持つ巨大な金魚のような姿。その姿に違わず水中を高速で泳ぐ。また、高速で弾き出した水は鋭利な刃物のようであらゆるものを一刀両断に引き裂く強力な武器。完全体となったのは劇中序盤のみで終盤は体の一部をザムド化させるに留まる。 ロッパ 声 - 折笠富美子 尖端島でヒノキ丸たちに拾われたネコマタ。アキユキとは自転車で轢かれそうになった因縁を持つ。白と緑の体毛でロップイヤーに似た姿。受け身をとるため体を丸く膨らませることがある。特にヒノキ丸とコバコに可愛がられている。がり団子が好物だが沢山食べるとお腹を壊す。以外と頭が良く、ヒトガタ化した者を見破る性質もある。 最終話でアキユキの大石近くに居る姿が描かれたが、それがロッパなのかその子供や孫なのかは不明。
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